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きょうの福祉

「障がい者というコトバを
    使わなくて済む社会になればいいなぁ」
 障がいのあるひとが、
 地域で役割を担い、ふつうに生きる。。。
 この願いに向かう kyokyo の日々をつづります。


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「今出来ること」という一人ひとりの小さな道が一緒になって大きな道へ
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心理的安全性  [2022年08月11日(Thu)]

「心理的安全性」ということばを
先日、耳にしました。

「心理的安全性」とは、
他者からの反応におびえたり
羞恥心を感じたりすることなく、
自然体の自分を
さらけ出せることができる状態を意味します。

「 心理的安全性は成功するチームの構築に
最も重要なものである 」と、
米グーグル社が 2015年に発表したことで注目を集め、
多くの企業が 関心を寄せています。


「心理的安全性」は、
「 チームにおいて、他のメンバーが
自分が発言することを恥じたり
拒絶したり、罰を与えるようなことをしないという
確信をもっている状態であり、
安全な場所であるとメンバー間で共有された状態 」
と、定義されています。

上司に恫喝されたり
同僚に無視されたりなどを
ハラスメントとしてオープンにできる社会へ寄与した、と。

そこから、穏やかな雰囲気がある職場は
「心理的安全性が高い」とされるようになりました。


「心理的安全性」がチームにもたらすメリットとして、
チームメンバーのパフォーマンス向上、
イノベーションや改善の推進、
質の高いエンプロイー・エクスペリエンスの提供、があり。

「心理的安全性」が高い職場をつくるメリットは
情報やアイデアの共有が盛んになる、
ポテンシャルの向上、
目指すビジョンが明確になる、
エンゲージメントの向上、とあり。

「心理的安全性」が高い職場は、
各自が安心して
自分の考えを自由に発言したり行動に移したりでき、
そこから、その場で働くひとびと個々の
パフォーマンスの向上やストレス緩和など、
スキルやメンタルヘルスの面での利点と
エンゲージメントの向上など
多くのメリットを
生み出すことができる、と。


記しながら連想したことがあります、それは
組織風土、安全衛生、福利厚生。

それらは
どの「職場」にも あてはまるもので、
必要なことであり、
悪しきことがあれば 変えなければならないこと。

障がいのあるひとが働く場にも言えることです。


「心理的安全性」を
働く職員に だけなく、
働く障がいのあるひとに 適応させていますか。

無知だと思われる不安、
無能だと思われる不安、
邪魔をしていると思われる不安、
ネガティブだと思われる不安。

「心理的安全性が低い」と起こる
これらの行動特徴が、
もしや そこに 在りませんか。


「穏やかな雰囲気のある職場」も
「心理的安全性の高さを意識した職場づくり」も
障がいのあるなしにかかわらず、存在すべきこと。

このような「あたりまえ」を
知らないひとが周りにいたら、
教えてあげてください。

絶対に。












法定雇用率達成ビジネス  [2022年07月29日(Fri)]

ビジネスには いろいろなビジネスがありますが、
このようなビジネスが拡大することに
少し違和感が あります。


「 障害ある人が働ける農園
 「わーくはぴねす農園Plus横浜」始動
  安全な屋内型、企業に貸し出し 横浜で22日開園式」
  ( 2022年7月19日付け:東京新聞 )

障がいのあるひとの就労を目的とした
企業向け貸農園が 横浜市で始動し、
開園式が行われた という記事でした。

障がい者就労支援を行う
株式会社エスプールプラスさんによる
雇用促進の取り組みで、
同社による神奈川県での開設は初めて。

エスプールプラスさんは、
障がいのあるひとの雇用を希望する企業に
農園を貸し出し、
就職を希望する障がいのあるひとを
その企業に紹介、
企業は 農園の賃料や紹介料などを
エスプールプラスさんに支払い
障がいのあるひとを雇用する、とありました。

そして、この農園で収穫した野菜は
企業内の食材にしたり、
子ども食堂へ提供する とあり、
エスプールプラスさんはこれまでに
貸農園を 全国に33開設し、
450社以上の契約企業を通じ、
2700人余りの雇用を創出した、とありました。


「 雇用の請負 」は、
ある意味で 必要なことかもしれません。

このような
実質的な雇用管理の放棄と
障がい者の派遣が重なった事例には
行政も乗っかっていて、
いくつかの自治体は
法定雇用率を達成するために
この仕組みを「利用」していると聞き及んでいます。

一定のルールの中で
合法的に活動している企業を責めることはできませんが
こういう結果を招いた「制度」に
今一度目を向け、
その「問題」を洗い出す必要があります。

その仕事こそ、
行政がやるべき仕事ではないでしょうか。

そして、なぜ企業は
ここまでして
障害者雇用促進法による法定雇用率を
順守しなければならないか。

このような状況は「本末転倒」です。

昨年3月、法定雇用率が2.3%に引き上げられ、
その達成企業は
半数にも満たないという状況を
「法定雇用率達成ビジネス」に委ねる現状は、
障がいのあるひとが
望んでいるものでは 決してありません。


「 肩代わりビジネス 」が 増えている昨今の日本。

SDGs、ダイバーシティ、エンゲージメント、という
企業が “ 好む ” これらを満たすワードに誘われて、
それらが増え続ける 昨今の日本。

このままでいい、とは思えません。

一人ひとりが
見極める目をもち、
市場を監視する “ ひと ” が 増えることを願います。

私も そのひとりとして、続けます。






* 株式会社 エスプールプラス
https://plus.spool.co.jp/
事業内容: 農業を活用した
障がい者雇用のコンサルティング事業、
企業向け貸農園の運営・開発・管理、
障がい者就労支援事業。
「一人でも多くの障がい者雇用を創出し、
社会に貢献する」という企業理念を掲げ、
推進されています。

















知ってもらう 13   [2022年07月23日(Sat)]

介護の資格を取る。

介護職員初任者研修の受験資格の年齢下限が
16歳と初めて知り、そして
その研修の
新たな仕組みが生まれたことを知りました。

それは『 介拓奨学生プログラム 』。

現役の高校生が介護の資格を取って
福祉事業所で働くことで
進学費用を貯めてもらおう、という取り組みが
今月から 愛知県で始まりました
(今回の参加者募集は 締め切られています)。

進学したいけれど
高額な学費の負担が壁に感じる、
貸与型の奨学金をたくさん借りるのは不安、
でも 自分の力で 自分の未来を 切り拓きたい。

そんな思いをもつ高校生に、
自分の未来を自分で開拓していく道を提案したい
という思いから生まれた
『 介拓奨学生プログラム 』。


―― 介護福祉は、自分の将来で活躍するための力、
 例えば、コミュニケーション力やチームワークなどの
 スキルを磨けるだけなく、
 どの地域でも役立つ「資格」につながります。
 最終的に介護福祉で就職するかはあなた次第。
 違う道を選んでもいいんです。これからの高齢社会では、
 介護福祉で得た経験はどの業界でも使える
 「生きた経験」になります。――
        ( 介拓奨学生プログラム HPより )


そもそも、介護福祉業界は
通常のアルバイトより時給が高く、
効率的に 進路のための資金を貯めることができます。

そして、全国どの地域でも役立つ
この「資格」を取得したことで、
その後 大学進学などで他府県で住むことになっても
資格を活かしたアルバイトにも就けます。

なにより、こうした機会を通じて
進路選択の1つとして
福祉業界に
関心を持ってもらいたいという思いがある、と。


愛知県で はじまった『 介拓奨学生プログラム 』 。

知れば知るほど、
全国に広がってほしいと思える取り組みです。

こちらのように
障がい福祉の社会福祉法人やNPO法人が
自ら集合体としてプログラムを運営するということが
難しい地域では、
自治体ごとに在る「 社会福祉協議会 」が
その意味を 意義を 地域に伝え、
集合体をつくる足掛かりを 担ってほしい。

「 社会福祉協議会 」については、
地域ごとで 存在感や役割の担い方がまちまちだと
実感しているわたしとしては、
「 社会福祉協議会 」に 立ち上がってもらいたい、と。


「障がい福祉が学費に困窮する高校生や大学生の力になる」。

ひとりでも 多くのひとに
知ってほしい、
ひとりでも 多くのひとへ
広げてほしいです。





*介拓奨学生プログラム HP
https://kaitaku.org/

参加団体:
社会福祉法人 むそう、
一般社団法人 アスバシ、
特定非営利活動法人 アスクネット、
公益財団法人 あいちコミュニティ財団、
特定非営利活動法人 地域福祉サポートちた、
特定非営利活動法人 ゆめはーと、
一般社団法人 日本福祉協議機構、
特定非営利活動法人 外国人就労支援センター、
特定非営利活動法人 ほっとほーむよっといでん

※「介護職員初任者研修」は
未経験者も介護の基本を学び、有資格者として
身体介護を行うことができるようになる基礎研修。
介拓奨学生プログラムでは、
高校生が無料で楽しみながら受講できるように、
若手講師陣や先輩と介護福祉の現場で学べる
工夫されています。











Happy Mother's Day  [2022年04月28日(Thu)]


“ 真心込めて作られた マジェルカのギフトを
 母の日に いかがですか? ”

日本各地の
障がいのあるひとが働く事業所でつくられた製品を
セレクトし、販売されている マジェルカ さんが
母の日のプレゼントにぴったりの製品を
オンラインショップで紹介されています。


マジェルカ2022母の日.jpg


オンラインショップ内で
キーワード:母の日 を検索すると、
約30の 母の日におすすめの製品が。

母の日のキーワードに限らず、
ファッション雑貨、アクセサリー、インテリア、
テーブルウェア、ベビー&キッズ、
ステーショナリー、などの項目から
自由に選ぶこともできます。

自由に外出できない状況が続く中、
自宅でゆっくりと
贈る相手のことを思いながら
プレゼントを選ぶ、という
素敵な時間を過ごしてみませんか。



――マジェルカは、障がいを持つ人との関わりを
 特別な事にしてしまわずに、
 日々の暮らしの中での「素敵なお買い物」という、
 身近で手軽な、
 そして楽しい関わり方をご提案します。――
                ( HPより )

2011年秋、
東京都杉並区西荻北にオープンされた時から応援している
マジェルカさん。

東京にある 店舗へ足を運べないひとも
マジェルカさんの充実した
オンラインショップを
ぜひ、のぞいてみてください。




*マジェルカ
東京都武蔵野市吉祥寺本町3-3-11
中田ビル1F・B1F
Tel:0422(27)1623
http://majerca.com/


*マジェルカ オンラインショップ
https://shop.majerca.com/














コラボレーション効果 5 [2022年03月29日(Tue)]

プロ野球 福岡ソフトバンクホークス と
福岡市にある 障がい者施設が
応援グッズの製作販売をしたことを
コラボレーション効果 に記して 10年。

先日、“ BIG BOSS ”で話題の
プロ野球 北海道日本ハムファイターズ が
障がい者施設と 応援グッズ製作を
コラボレーションした という記事に
目が留まりました。


「 日本ハム 障がい者就労支援施設制作の
  選手使用バットの再生アイテムを
  ファンクラブ会員向けに販売 」
(2022年3月15日付け:スポニチアネックス)


日本ハムファイターズは、
選手が使用して折れたバットを活用して
障がい者就労支援施設で制作した
「選手使用バットの再生アイテム」を、
オフィシャルファンクラブ会員向けに
抽選販売すると発表した、とありました。
( 抽選販売期間は すでに終了しています )。

練習や試合で使用し
折れたバットを用いて、
社会福祉法人 札幌三和福祉会さんと
社会福祉法人 草の実会さんが
ロゴキーホルダーや
バットキーホルダーを製作。

売上の一部を
日本ハムファイターズが
ファイターズ基金に積み立て、
北海道内の
野球競技普及や振興活動などを含む
スポーツコミュニティ活動に
活用する とありました。

役目を終えた破損バットを
廃棄せずに
再利用するとともに、
選手とファンを結ぶ
新たな価値をつくることにもなり、
そのアイテム製作を
障がい者施設が携わることで
共生社会の実現も目指す、とあり、
「 実際に選手が使うバットの木の風合いを
手に取って感じてもらえたら 」という、
近藤選手会長のコメントもありました。


以前、プロ野球選手が使用して折れたバットで
「お箸」をつくり、
球団グッズ商品として
一般販売されていることは知っていましたが、
再利用して売るだけでなく
そこに付加価値を付けることで
その商品を
手に取るひとたちへ
「 伝えたい 」メッセージが 強くなり、
「 知ってもらう 」ことに つながりますね。


これらのことが、今もなお
「めずらしい取り組みとして 記事になる」。

10年経っても
変わっていない社会状況には
複雑な思いがありますが、
このような
垣根を越えた “ 仕事の創出 ” が、
多方面にわたり
広がることを望みます。




*北海道日本ハムファイターズ
https://www.fighters.co.jp/














選挙に行くこと、投票するということ 8 [2021年11月21日(Sun)]

先月行われた、第49回衆議院議員選挙。

選挙に行くこと、投票するということ7 で記した後も
障がいのあるひとの投票方法だけでなく
投票方法そのものについて
問題提起される記事が続いています。


「 投票用紙に「〇」印方式なぜ広がらない?
現職抵抗で国政選挙は未実施 」
( 2021年10月30日付け:神戸新聞NEXT )


現在、日本で採られている投票方式は
有権者が投票用紙に直接記入する
「 自書式 」と呼ばれるものです。

単純な方法と言われていますが、
書き誤ったり
略し過ぎたりして
毎回、一定の無効票が出ています。

海外で多く採られている投票方式である
あらかじめ
投票用紙に印刷された候補者名に丸印を付ける
「 記号式 」と呼ばれるものは、
文字を書きにくいひとも投票しやすく
無効票も減って
集計のスピードが上がる という利点があります。

日本でも 地方選挙では
この「 記号式 」が早くから導入され、
1962年と1970年の公職選挙法改正で
自治体が条例化すれば可能になり、
1994年の公職選挙法改正で
国政選挙でも「 記号式 」を採用しました。

しかし、自由民主党の議員が
「 有権者に名前を書いてもらうことが
政党や政治家の財産だ 」などと主張し、
1995年に 自書式に戻されました。

そして、候補者が確定しないと
投票用紙を印刷できないため、
「 公示(告示)日の午後5時以降に印刷を始め
翌日朝には各期日前投票所に
用紙が届いていなければならない 」ということが
「 記号式 」の課題とされ、
記号式の導入が進んでいない、と。

これを知って思ったこと、それは
「 公示(告示)日の午後5時以降に印刷を始め
翌日朝には各期日前投票所に
用紙が届いていなければならない 」理由は何なのか。

この理由を確認、議論、修正すれば
「 記号式 」は 可能になるのではないか、と。


先月の衆議院議員選挙と同日投開票された
神戸市長選では、
投票日当日は
「 記号式 」で投票が行われ、
期日前投票や不在者投票は
「 自書式 」で投票が行われました。

投開票日、
神戸市内では自書式と記号式が混雑しましたが、
今回のことを
「 民意を より反映する在り方を考える 」
機会とした取り組みとして、
その有効性に、
社会は
メディアは
注目すべきではありませんか。


約30年前に
「 有権者に名前を書いてもらうことが
政党や政治家の財産だ 」と
自由民主党の議員が言ったことを
未だに 尊重する理由は何なのでしょう。

投票方法そのものについて、
このままでよいのか、
今の投票方法は
すべての国民が投票できる方法なのか、を
取り上げ、議論したのちに
投票率云々は 問われるべきです。


より民意を反映させたい、と思うなら
投票率、が大事なら
投票方法を なぜ 見直さないのでしょうか。

政治家にとって、
そんなに「 記号式 」は 不都合ですか。














工賃  [2021年10月16日(Sat)]

「 最低賃金が 今月より過去最大に引き上げられます」
という見出しを 新聞で見ながら
ふと 思ったことがあります。

障がいのあるひとたちに支払われている
「 工賃 」は
ここでいう「 最低賃金 」とは関係ないけれど、
関係ないままでいいのだろうか、と。

「 最低賃金 」が 引きあげられても、
当然のように
「 工賃 」には 何の反映もありません。

でも、障がいのあるひとは
工賃で生計を立てる社会の仕組みになっています。

「 工賃 」の今の仕組みがこのまま続くことに
とても違和感をもちながら、
「 最低賃金 」のニュースに触れました。

ちなみに、今年10月に引き上げ後の時給を
都道府県別に見ると、
最も高いのは 東京で1041円、
次いで神奈川が1040円、大阪が992円で、
最も低いのは 高知と沖縄で820円、
次いで岩手、鳥取、愛媛、佐賀、長崎、熊本、宮崎、
鹿児島の8つの県で 821円で、
すべての都道府県で
時給は800円を超えることになりました。

「 工賃 」は と言うと、
都道府県別ではありませんし、
物価のちがいに 則したものでもありません。


一般的に「 工賃 」というと
物を製作加工した際の対価として
支払ったり受け取ったりする手間賃のことですが、
就労継続支援A型事業所や就労継続支援B型事業所で
作業を行った分に対して支払われる
賃金のことがそう呼ばれています。

そう、「 賃金 」です。

2018年3月における
就労系の障害者福祉サービス利用者は、
就労移行支援の利用者が 約3万3千人、
就労継続支援A型の利用者が 約6万9千人、
就労継続支援B型の利用者が 約24万人となっています
( 2018年3月 厚生労働省資料による )。

これだけの人数のひとたちが、
「 工賃という名の賃金 」を
「 最低賃金に関わりのない賃金 」を
社会から あてがわれているのです。


新型コロナウイルスの影響が続く中、
中小企業を対象にした自治体や国が払う助成金は
上限額を引き上げるなど 支援が強化されており、
今回の「 最低賃金 」の引き上げによる
中小企業への影響を減らすために
業務改善助成金の上限額を引き上げるなど
金銭的な支援が強化されています。

もちろん、福祉分野にも
数々の助成金があることは 知っています。

でも、それらの助成金は
福祉事業所を支えるだけに費やされて終わり が現状で、
障がいのあるひとの
「 工賃 」にまで 還元されていません。

新型コロナウイルスの影響で受ける助成金は、
企業などでは
最低賃金引き上げに 及んでいるのに、
福祉事業所では
工賃引き上げに 及んでいないのです。


では、どうすれば
障がいのあるひとが得る「 工賃 」は
上がるのでしょうか。

繰り返し
言われ続けている
福祉現場の努力、ですか。

現場の皆さんは
そこで働く障がいのあるひとは
努力しています、十分に。

では、どうすれば
「 工賃 」は 上がるのでしょうか。

社会状況と相反する「 工賃 」だから、
いつまでたっても
「 工賃 」は 上がらないのではないでしょうか。



そもそも「 工賃 」は
雇用契約を結ばない収入なので
税務上は 給与所得にはなりませんが、
区分としては「 雑所得 」という所得に含まれます。

税法上の、正しい理解から はじめましょう。

「 工賃 」ではなく
「 賃金 」として
社会の一員として「 賃金 」として受け取り、
源泉徴収をしましょう。

福祉事業所では
源泉徴収が行われないので
本来、障がいのあるひと一人ひとりが
各自、確定申告の対象になります。

ただ、法律上で、
年間の工賃額(賃金)が 65万円以下の場合は
確定申告は必要ないとされています
( きょうの福祉調べ ※ )。

「 工賃 」で得られる平均金額で考えると、
65万円以上になることは ほとんどないと
考えられているから 申告不要なだけで、
税理士の中には
社会の一員という自覚をもつためにも
支払う税金がなくても
確定申告をすべきだと意見するひとたちもいます。


「 福祉事業所からもらう 」=「 工賃 」ではなく、
「 福祉事業所でもらう 」=「 賃金 」となり、
「 福祉事業所でもらう賃金 」と、
法律上であるべき本来の形に変える。

そう、現状が 違反に近い仕組みなのです。

でも、なぜ、ずっと
変わらないままだったのでしょうか。


※所得税控除額から算定、障害等級により異なります。
 扶養控除+障害者控除=65万円
 扶養控除+特別障害者控除=78万円
 扶養控除+同居特別障害者控除=113万円










15%に光をあてて  [2021年09月14日(Tue)]


先月 8月19日、
東京スカイツリーなど
世界の約200か所のランドマークが
紫にライトアップされました。

これは、国際パラリンピック委員会(IPC)が主導し
スポーツだけにとどまらず、
人権、政策、コミュニケーション、ビジネス、
芸術、エンターテインメントの世界から
20の国際機関が連携して、
世界人口の約15%が そうと言われている
障がいのあるひとびとへの認識の
改革を訴えるキャンペーン
『 We The 15 』の
スタートを意としたものでした。

障がいのあるひとが走る姿ひとつをとっても、
障がいに合わせた装具などの工夫と
磨かれた技術に目を見張り、
走る障がいのあるひとを見る視点が
いつの間にか
変わっていく自分に気づくひとが増えていて、
それは
走る障がいのあるひとの人間性が与えた気づきであり、
その気づきが
自身や社会に今まであった先入観を解き放ち、
ちがいを受け入れるキッカケとなったり。


        『 We The 15 』





―― We're people with disabilities.
   We're 15% of the world. ――
( 私たちは障害者です。私たちは世界の15%です。)


世界12億人の15%、
約3臆人が 障がいのあるひとと知り、
その具体的な数に 驚きました。

世界12億人に向けて、
障がいのあるひとの生活を変革することを目指し、
生まれた運動『 We The 15 』では、
今後10年で社会を変えます、
障がいのあるひとびとの未来を描きます、
私たちの文化の変化を推進します、と
宣言しています。


その変化は、あなたから始めることができます。


一人ひとりの意識変革を社会にどう生かすか、は
そこにいる あなた次第。

日常的に直面している
さまざまな障壁と差別を打ち破り、
障がいのあるひとびとが
一人ひとりの潜在能力を発揮し
一人ひとりが 社会の一員として 暮らせる日。

10年も掛からずに実現できる。

それは、あなた次第なのです。





* #WeThe15
https://www.wethe15.org/











未来はここから  [2021年06月10日(Thu)]


昨年春、拙ブログ「描き、続ける」 で紹介した
ヘラルボニーさん。

ヘラルボニーさんのホームページを見ると、
まず目に飛び込んでくる言葉が
「 異彩を、放て。」。

そして続く、
「 アソブ、フクシ」。
1. 福祉領域を、拡張しよう。
2. 多者の視点で、思考しよう。
3. クリエイティブに、はみだそう。

と、今まで受けていた福祉のイメージとはちがう
新鮮な思いが詰まっている
“ 株式会社 ” です。

福祉業界の中には
このような取り組みを
ケムタガルひとがいることも事実ですが、
一つひとつを丁寧に進めている
ヘラルボニーさんの姿を知ってもらえば、
これからに期待するひとが増えると思っています。

そのヘラルボニーさんが、
先月下旬、テレビ朝日「報道ステーション」で
特集されました。

“「怒りの矛先は社会」
障害のある作家のアートを「ビジネス」に
双子の兄弟が描く未来 ” と題した 特集映像が、
完全版として 観ることができます。





障がいのあるアーティストの作品のなかには、
今年4月に盛岡市内にオープンした
HERALBONY GALLERYで6月13日迄開催中の
『 木村全彦展 』
アトリエやっほぅ!! 所属 )の様子が冒頭に。

ヘラルボニーさんの今に至る活動の説明、
そして、ヘラルボニーを立ち上げた双子のご兄弟
松田崇弥さん 文登さんの
4歳上の兄 翔太さんの存在。

ビジネスの原点は 兄の翔太さんで、
自閉症のある兄に対しての
無意識な偏見を
幼い頃から感じて生きてきた
崇弥さん 文登さん の思い。


「 障がい者 というものになった途端に
その枠の中でしか 生きていけないとか、
その枠からはみ出した時に
他のひとから手が差し伸べられる環境が
まだまだ少ない 」。

「 生活の中で ひたすら描いた作品。
一人ひとりのアーティストと信頼関係を築き、
創作の場に立ち会う 」。

「 知的に障がいのあるからこそ
描ける世界がある、できる仕事がある」。

「 福祉領域というのは もっと拡張できる」。

「 支援、貢献ということばに 逃げないことが大切」。

と、心に残ることばが 其処此処に。

そして、一番心に響いたことは、
「 ぼくがいつもいやだなぁと思うことがあります。
それは デパートやレストランに行った時に
お兄ちゃんのことをじろじろ見るひとがいます。
小さい子が お兄ちゃんのことを変な人あと言います。
こう言うときに いつも思うことがあります。
「 障がい者だって 同じ人間なのに 」。」と
文登さんが 小学4年生の時に書いた作文。
そして、
22分を過ぎたところから最後にかけて
文登さんが語っていること、
「 社会側に「障がい」=「何もできないひとたち」
というものが当たり前のように存在することによって
そのような(差別する)言葉が生まれている。
アートというリスペクトが生まれてくる世界との出会いを
つくっていくことで、
それを親が知ったのであれば
子どもに対して
障がいのあるひとの伝え方が変わるのかもしれない。
それが伝わった子どもが育っていった時、
友人たちと障がいのあるひとと出会った時に
接し方が変わっていくのかもしれないし、
すべてはつながっていくことだと思っているので、
このヘラルボニーを
ちゃんと認知度を広げていって、
優しい世界になっていったらいいなと思っています」。



思いを そのままで終わらせることなく、
社会の課題をビジネスから解決しようとする
おふたりの思いに、
胸を締めつけられる思いがしました。

「 障がい者ではなく、〇〇さんと呼ばれる未来へ」。

その未来をつくるのは、
まぎれもない
わたしたち一人ひとりです。





*株式会社 ヘラルボニー(HERALBONY Co.,Ltd.)
岩手県花巻市東宮野目1地割2番地
http://www.heralbony.jp












映画『 わたしはダフネ 』  [2021年05月29日(Sat)]

イタリアで 一昨年に製作された
映画『 わたしはダフネ 』が、7月から
日本でも 劇場公開されます。







―― あなたとなら、信じられる。
 世界はやさしさに満ちている、と。

 ある朝、突然母が逝った。
 残ったのは悲観論者の父と、
 日々の暮らしを愛する娘。
 この悲しみ、ふたりならきっと乗り越えられる…。
 ベルリンを温かく包み込んだ、
 イタリアのちいさな家族の物語。――
           ( 映画フライヤ―より )


ダウン症のある35歳のダフネは、
近所のスーパーで働き、
休日にはダンスパーティーを楽しみ、
友だちもいて
充実した日々を送っていました。

夏の終わり、休暇を楽しむ中で
突然母が倒れ、亡くなります。

あまりに唐突すぎる母の死に
ダフネは混乱しますが、
母の葬儀を終え
周りの見守りの中
徐々に 普段の生活へ戻ります。

一家の精神的支柱だった母がいなくなり、
ダフネは
喪失感に苛まれる父へ
一緒に 母の故郷へ旅しようと提案し
旅に出ます。

ネガティブ思考の父と
その娘ダフネが
旅を通じて
2人の会話を重ねながら
お互いの価値観を受け入れていきます。


「人生はしんどいもの、つまり人間らしいということ」。

ダフネの言葉は
ダフネの父のみならず
観るひとの中へ
すうっと入っていくように思えました。

悲観的な考えしか持てなかった父が
ダフネによって変わっていき、
ダフネとともに
悲しみを乗り越えていこうとする姿は、
ダフネが
ダウン症であるからとか
障がいがあるからとかを感じさせない
それをも超えている、と。

“ イタリアの ちいさな家族の物語 ”
映画『 わたしはダフネ 』は、
7月3日(土)
東京都・岩波ホールでの上映を皮切りに、
愛知、大阪、沖縄、福岡など
全国の劇場にて順次公開の予定です。

詳しくは、下記 公式サイトで ご確認ください。






*映画『 わたしはダフネ 』公式サイト
http://www.zaziefilms.com/dafne/
原題:DAFNE 
監督・脚本:フェデリコ・ボンディ 
原案:フェデリコ・ボンディ、シモーナ・バルダンジ 
プロデューサー:マルタ・ドンゼリ、
グレゴリオ・パオネッサ 
出演:カロリーナ・ラスパンティ、
アントニオ・ピオヴァネッリ、
ステファニア・カッシーニ、ほか
字幕翻訳:関口英子 
配給:ザジフィルムズ 
後援:公益財団法人日本ダウン症協会
2019年/イタリア/イタリア語/94分/
カラー/シネマスコープ 


*主人公 ダフネ役の俳優、
カロリーナ・ラスパンティ(Carolina Raspanti)さんは
1984年、イタリア・エミリア・ロマーニャ州生まれ。
地元の生協スーパーに就職し、
現在も働いているそうです。
タイトル「This is my life」と
「Meet and get to know each other:
the World of Carolina」の2冊の自伝小説を上梓し
本の収益は、全て
ダウン症のあるひとを支援する協会に寄付、
イタリアの各地で講演活動も行い、
現在は 映画『わたしはダフネ』の
出演体験をもとに3冊目を執筆中だそうです。









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