• もっと見る

きょうの福祉

「障がい者というコトバを
    使わなくて済む社会になればいいなぁ」
 障がいのあるひとが、
 地域で役割を担い、ふつうに生きる。。。
 この願いに向かう kyokyo の日々をつづります。


    canpan.info ドメイン常時SSL化対応に伴い、
    2019年11月以前にいただいた
    「いいね!」は消えています


「今出来ること」という一人ひとりの小さな道が一緒になって大きな道へ
日本財団ROADプロジェクト
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
タグクラウド
!-style FSトモニ― NPO法人さまさま YOUYOU館 NPO法人つくし つくしハウス NPO法人ゆいまある NPO法人アクセプションズ NPO法人ウブドベ NPO法人サリュ NPO法人スウィング NPO法人ハイテンション NPO法人プラッツ おーぷんせさみ NPO法人リべルテ poRiff あおい苑 あしたーる工房 あやべ作業所 あらぐさ福祉会 いきいき・いわくら かしの木学園 かめおか作業所 がんばカンパニー きょうだい ぐらん・ぶるー さくさく工房 しょうぶ学園 たんぽぽの家 ともの家 どうほうの家 なづな学園 なづな展 はじまりの美術館 みずなぎ学園 みずのき美術館 みつみ福祉会 みやこ缶入パン製造センター みやこ西院作業所 やまなみ工房 やまびこ やよい工房久貝事業所 よさのうみ福祉会 アイアイハウス アイアイハウス とうふ屋あい愛 アトリエインカーブ アトリエコーナス アトリエパッチワーク アトリエ・エレマン・プレザン アンプティサッカー アートピクニック アール・ブリュット エイブル・アート・ジャパン オリーブホットハウス ケアラー コトノネ コラボレーション効果 ジョイント・ほっと テミルプロジェクト テンダーハウス トライアングル ハハヨ、コロスナ バスハウス パラリンピック ブラインドサッカー ヘラルボニー マイナンバー マジェルカ ワークショップ北山 ワークショップ野の花 ワークスおーい 七彩の風 丹波桜梅園 乙訓ひまわり園 京きよみず工房ソラ 京都いたはし学園 京都のぞみ学園 京都フレンドリーハウス 京都ワークハウス 京都太陽の園 京都市うずまさ学園 京都市だいご学園 京都市ふしみ学園 京都市やましな学園 京都市立北総合支援学校 京都市立東総合支援学校 京都府立与謝の海支援学校 京都府立中丹支援学校 京都府立丹波支援学校 京都府立八幡支援学校 京都府立城陽支援学校 京都府立宇治支援学校 京都府立舞鶴支援学校 伝福連携 修光学園 働く 兵庫県 分けない教育 勇気工房ほほえみ 協働ホーム 命の選択 和歌山県 土と色展 埼玉県 塔本シスコさん 大阪府 奈良県 子ども食堂 学ぶ作業所・専攻科 宮城県 寄付 富山型デイサービス 居川晶子さん 山形県 山科工房 岐阜県 岡山県 岩手県 工房しゅしゅ 徳島県 支援 新倉壮朗さん 日本ダウン症協会 映画 東京都 板東の丘 洛南共同作業所 渡辺あふるさん 滋賀県 災害医療 申請主義 白百合会 リ・ブラン西京 白百合会 衣笠授産所 知ってもらう 神奈川県 福岡県 福島県 福祉避難所 第三かめおか作業所 累犯障がい者 舞台 花水木 西寺育成苑 農福連携 選挙 金澤翔子さん 長野県 障害者差別解消法 障害者週間 青空工房 青谷学園 静岡県 鳥取県 FSトモニー
ケイヨウの写真館 [2022年08月04日(Thu)]

満を持して、今日はこちらの紹介です。

6才になる年に覚えた
「 しゃしんをとること 」。

13才で 初個展、以来
個展や企画展、フォトコンテストなどに多数参加。

現在も
京都市内の福祉事業所に通所するかたわら、
日常の風景を撮る。

そのひとの名は、
中田啓瑛(なかたけいよう)さん。

ダウン症のある という冠の必要がない
アーチストです。

その 中田啓瑛さんの個展が 開催されます。


断片的記憶のあるストーリー.jpg


         ケイヨウの写真館 
         19 to 20 years old
      〜 断片的記憶のあるストーリー 〜

 場 所:同時代ギャラリー
      コラージュプリュス
     京都市中京区三条通御幸町東入弁慶石町56
     1928ビル2階
     https://www.dohjidai.com/gallery/

 会 期:2022年 8月9日(火) 〜 21日(日)
       12時〜19時
       【 最終日は17時まで、月曜休廊 】

 Photographer:中田啓瑛
 Planning producer:中田千代



―― 突然失われた日常
  あるべきはずのものが
  突然無くなってしまった
  それでも残しておいた 
  こんな瞬間や日々もあった ――
   ( 同時代ギャラリーHP内 紹介より )

“ 同時代性をキーワードに、
完成の無い「ギャラリー」という空間で、
同時代を生きる表現者たちとともに、
社会の有り様や生き方を問う ”というコンセプトが光る
同時代ギャラリーでの個展は、
今回が 6回目。

これまでに開催された個展におじゃまするたびに、
温かさと
ゆるやかな時間の流れを感じ、
また「逢いたい」という思いに駆られていました。

これは、
彼の撮った写真 はもちろんのこと、
彼をサポートし続けるお母さまの姿勢、
その時々に彼の周りでサポートするひとびとの思いが
あってのことだと思えてなりません。


二人三脚で歩みながら、
その日常を
なにげない日常を
さりげなく思いのままに切り取った
風景や人物の数々。

個展だけなく、
写真家とのコラボ展も開催されている
啓瑛さんの世界を
ぜひ、自分の目で確かめてみてください。

それはきっと、素敵な時間になると思います。














CARE VOTE  [2022年07月17日(Sun)]

先月、選挙に行くこと、投票するということ10 で、
知的や発達に障がいのあるひと向けにつくられた
『 わかりやすい主権者教育の手引き 』を参考に
特別支援学校で特別授業を行われたことなど、
障がいのあるひとの
選挙、投票について記しました。

今月10日に
参議院議員通常選挙が行われましたが、
その選挙前には、SNS上で
障がいのあるひとをはじめ
介助が必要なひとたちの投票方法などの情報が
これまで以上に
たくさん発信されていました。

その中のひとつで、
ぜひ 知ってほしいと思った
記事がありました。


「 知的障害者の投票をケア 
 盛岡・ヘラルボニー、役立つ情報紹介 」
 ( 2022年7月8日付け:岩手日報 )

一般社団法人スローコミュニケーションさんが監修し、
株式会社ヘラルボニーさんが発行した
『 やさしい投票ガイド 』は、
選挙所投票日の2日前に
岩手日報 朝刊、別刷り4ページで掲載されました。


CAREVOTE3.jpg

       ケアしたい一票がある。
       # CARE VOTE

―― 選挙に行く。投票する。
 そんな、あたりまえのことがかなわない人がいます。
 ヘラルボニーは、
 知的障害のある人たちの可能性を信じて
 さまざまな事業を行う会社です。
 今日、知ってほしいのは
 知的障害のある人たちと、その家族の一票のこと。
 いま、知的障害のある人が投票するためには
 さまざまな「むずかしさ」を
 乗りこえなくてはいけません。
 たとえば、慣れない投票所への不安。
 たとえば、正しい判断ができるのかどうかを問う、
 周囲の声。
 たとえば、選挙についてのわかりやすい情報が
 少ないことも、そのひとつ。
 知らないうちに
 興味が持てなくなってしまう。あきらめてしまう。
 ヘラルボニーは、
 この状況を少しでも変えたいと思っています。
 そこで今回は、小さな一歩ですが、
 スローコミュニケーションさん、
 岩手日報社さんと一緒に
 「やさしい投票ガイド」をつくりました。
 これは選挙で投票するために知っておくといいことや
 投票所で困ったときに助けてくれるものを
 まとめたガイドです。
 解決しなくちゃいけない問題は、
 まだまだたくさんあるけれど
 ヘラルボニーはまず、やさしい情報づくりで
 やさしい社会の土台をつくることから、はじめます。
 さあ、やさしい未来に向けて。
 私たちにできることを、考えてみませんか。――
             ( 紙面より )


社会に手を挙げ、
声を届ける人たちの「手」をモチーフとした
背景が 紙面には描かれています。

3、4ページ目には、
「字が書けなくてもOK」
「メモを持っていってもOK」などの
投票に向けた事前準備の情報や、
「代わりに書いてください」
「わかりやすく説明してください」、
「トイレはどこですか」や「出口はどこですか」など
この紙に書かれた部分を指さしすることで
伝えられるように なっています。

『 やさしい投票ガイド 』制作のきっかけは、
家族と選挙の話をしても
重度の知的に障がいのある長兄とはしなかった、
1票を持っていても
行使されずに生きていくのかなと思ったし
分断されていると感じた、という
ヘラルボニーの松田社長と副社長の日常経験から
と、記事にはありました。

そして、ヘラルボニーの松田社長は
「 選挙の分かりにくさから
1票を行使できない状態になっているひとたちが
たくさんいる。やさしい情報を届け、
ありのままの姿でいられる社会の醸成につなげたい」 と。

この『 やさしい投票ガイド 』は、こちら から
ダウンロードできます。


ここ数年、国政選挙が行われるごとに
障がいのあるひとが
選挙に行くこと、投票するということ について、
さまざまな議論が 深まっています。

誰もが参加できる社会をつくるためには、
政治の力が必要です。

国政選挙に限らず、
地方選挙でも
これらの情報は もちろん 生きています。

そのための
かけがえのない1票を
誰もが 投票できるために、
より多くのひとへ
この情報が 届きますように。





*株式会社 ヘラルボニー(HERALBONY Co.,Ltd.)
岩手県花巻市東宮野目1地割2番地
http://www.heralbony.jp

*一般財団法人 スローコミュニケーション
https://slow-communication.jp/
「わかりやすさ」をみんなに。
知的に障がいのあるひとたちへの
わかりやすい情報の研究や実践に努めてこられた方々が
設立された法人です。

*岩手日報社
https://www.iwate-np.co.jp/













選挙に行くこと、投票するということ10 [2022年06月23日(Thu)]

2013年夏、拙ブログでは
参議院選の際に
障がいのあるひとの選挙投票に関し、
障がいのあるひとの国政選挙について を記しました。

あれから、
障がいのあるひとが投票するということについて
伝え続けてきました。

そして、今年4月より
成人年齢が18歳に引き上げられたことや
来月参議院選挙が行われることから、
18歳、19歳、若い世代の選挙投票について
スポットをあてたニュースを目にすることが増えています。

18歳、その多くは、高校3年生。

障がいのある18歳の多くが通う特別支援学校では、
選挙について、投票について学べる環境が
どのくらい整っているのか、
気になっていました。

そのような中で、
東京都内の特別支援学校で
投票の方法などを学ぶ授業が行われたという
ニュースを耳にしました。

東京都調布市にある
都立調布特別支援学校で、
隣接する狛江市が全国で初めて作った
知的に発達に障がいのあるひと向けの
『 わかりやすい主権者教育の手引き 』を参考に
特別授業を行った、とありました。

その授業とは、
自分で選ぶことの
楽しさと大切さを知ってもらおうと、
生徒たちに
来月の特別給食のメニューを決めるものでした。

メニューのうち、
デザートは スイカかメロン、
メインは 夏野菜カレーか夏野菜ミートスパゲティを
選ぶことになり、
投票にあたっては
選ぶのは デザートとメイン1つずつで、
何を選んだかは他のひとに見せない などと教わったあと、
生徒たちは投票用紙に記入し
実際の選挙で使われる投票箱に投票しました。

開票の結果、メロンと夏野菜カレーに決まり、
選ぶこと、投票することを体験しました。

授業の最後には
「大人になったら選挙というものがあります、
投票には今回のように
自信をもって1票を投じてください」と
教員の話しがあった、とありました。


「 選ぶ 」ことを学ぶことが
障がいのあるひとにとっては
まず 大きなハードルで、
それをクリアしたのちに
「 投票 」という行動があるのです。

この “ 授業 ” は、
障がいのある生徒がわかりやすく経験できる
取り組みだと思います。

中学、高校のうちに
このような “ 授業 ” が
繰りかえし行われることの意味を
特別支援学校・学級の教員は
真摯に受け止めてほしいし、
これを受け止めるということは
知的に発達に障がいのある生徒にとって
「 一番必要なことは何か 」を
考え直すことにも つながります。

机上の空論 ではなく、
一人ひとりの生徒の “ 必要なこと ” が
身に付く教育を
考え直すきっかけにも。


最後に、
『 わかりやすい主権者教育の手引き 』は、
学校や福祉事業所、障がいのあるひとの親などが協力して
東京都狛江市が
2020年2月につくったもので、
2021年1月末までに
全国の特別支援学校の教員に配布されているそうです。

皆さんの住む地域の特別支援学校で
このような “ 授業 ” が行われていますか。

少なくとも
私の住む地域では、
耳にしたことがありません。






※『 わかりやすい主権者教育の手引き 』は、
東京都狛江市HPから見ることができます。
https://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/46,92842,c,html/92842/wakariyasuitebiki.pdf

















ユニバーサルシアター  [2022年05月17日(Tue)]

先日、初めて知った 映画館があります。

そこは、2016年秋に
東京都北区にオープンし、
「 ユニバーサルシアター 」と称さています。

目の不自由なひとも、
耳の不自由なひとも、
車いすで移動するひとも、
発達障害のある子も、
小さな子連れのママも、
だれもが いつでも安心して
一緒に 映画を楽しむことのできる
すべてのお客様を対象とした映画館
『 シネマ・チュプキ・タバタ 』が、そこです。

上映されるすべての映画は、
イヤホン音声ガイド付き
(目の不自由なひとが場面の描写などについて
音声の詳しい説明を聞きながら鑑賞できます)、
日本語字幕付き(セリフだけでなく、
効果音を表す字幕による解説付き)で、
館内には 車いすスペースが設置されており、
親子鑑賞室(子どもに限らず大人も利用できます、
照明・音量調整可)も 設置されています。

そして、今まで
上記のような障がいや制約のあるひとは、
映画の新作を
すぐに観たくても
観れないケースがほとんどだったのですが、
ここでは
新旧さまざまな
選りすぐりの映画が上映されています。

「障がい者がいない ユニバーサルシアターでありたい」。

チケット代金に関しても、
障がい者割引を設ける というものではなく、
他の映画館も取り入れてほしい
画期的な料金形態があります。

1つは、
同行援護サービスなどで
介助者のチケット代金も
障がいのあるひと自身が負担しなければならない現状を鑑み
「ヘルパーパス」を発行し、
このパスポートを入場時に提示すれば
介助者のチケット代金は
障がいのあるひとが負担しなくてもよいという制度。

もう1つは、
障がいが理由で就業に支障があったり
経済的に困難があるひとに対して
「プアエイド割引」を適応させ、
チケット代金が 1,000円で鑑賞できる という制度です。

どちらも
深くうなずき
感心する取り組みで、
ああ、全国の映画館で
同様の制度というか
サービスを取り入れてくれないかなぁと
即刻 強い思いが。


ちまたに耳にする「バリアフリー」は、時として
段差がなかったり
エレベーター設置など
車いすで移動するひとだけだったり、
目が不自由なひとだけだったり、
耳の不自由なひとだけだったり、と
「誰かだけのため」の状況を指すことが多いです。

が、本来、「バリアフリー」とは、この
『 シネマ・チュプキ・タバタ 』のようなことであり、
「 バリアフリー 」という言葉が
真意とずれた意で使われている今を変えるためにも
『 シネマ・チュプキ・タバタ 』を
たくさんのひとに知ってほしい。


映画館『 シネマ・チュプキ・タバタ 』の
“ チュプキ”とは、アイヌ語で
“ 自然界の光”だそうです。

幼い子がいるひとも、
周囲にひとがいる環境が苦手なひとも、
映画を観たくても経済的に苦しいひとも、
誰もが集える映画館。

座席は20席のミニシアターですが、
映画好きにとって
パラダイスであることは
手に取るようにわかります。

どのような状況下でも
いや、苦しいときだからこそ、なおさら
『 シネマ・チュプキ・タバタ 』のような場が
全国各地に在ってほしい。

全国のミニシアターに
まずは、広がってほしい取り組みです。





*CINEMA Chupki TABATA
(シネマ・チュプキ・タバタ)
東京都北区東田端2-8-4
(JR山手線田端駅北口から徒歩5分)
水曜定休
https://chupki.jpn.org/
















24時間365日対応 [2022年04月04日(Mon)]

今月より 新たに整備される
自治体のサービスで、
目を瞠るものがありました。

東京都板橋区での取り組みです。


「 高齢、障害、児童の相談を
 24時間365日受け付けに 」
 (2022年3月1日付け:福祉新聞)

東京都板橋区では、
高齢のひとと障がいのあるひとからの
24時間、365日対応
相談体制を4月から整備する、とありました。

窓口は2つで、
日中に相談時間が取れない家族や
閉庁時以降に
急な相談が必要になった高齢のひと本人に対応する
「おとしよりなんでも相談」と、
これまでにもあった
「高齢のひとと障がいのあるひとの
虐待専用電話窓口」を
外部のコールセンターに委託することで
24時間365日 対応できるように。

板橋区では、2021年度に
子どもを対象とした相談窓口と
児童虐待を対象にした相談窓口を開設済みで、
「子ども」「高齢のひと」「障害のあるひと」
3部門の相談を
24時間365日体制にするのは 全国では珍しく、
今後は 相互連携の強化も図りながら
福祉全般の重層的支援につなげていく、とありました。


行政の仕組みを考え直すことにもつながり、
住民が望む福祉が見える化されて、
さまざまな「福祉」問題への対応が
期待できる取り組みです。


これまで何故なかったのか、を問いつづけるよりも
こういうことができる、と提案する。

一住民として
皆さんの住むまちにも 伝えてください。

やってやれないことはない、
「 板橋区で やっていますよ 」と。

この取り組みが全国へ広がりますように。




*東京都板橋区HP
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/














映画『 旅のはじまり 』  [2022年03月16日(Wed)]


「 子どもの居場所 とは、子どもを守る とは。
傷ついた子どもを 抱きしめられる大人に。」

先日、目に留まった
この言葉に引き寄せられて、
今日は こちらの映画の紹介を。



       映画『 旅のはじまり 』





―― 家庭環境にめぐまれなかった子供達が自立にむけて
 歩んでいく様子、それを支える
 大人たちに密着取材した本作。
 それぞれの子どもに必要なサポートの形。
 一人一人にどれだけの大人が関わってこれたのか、
 深く抱きしめてくれる人はいたのか。
 血のつながりを超えて
 支え合う社会を目指して。――
               (公式HPより)



ちがったサポートが必要な子ども一人ひとりに、
一人ひとりの大人が
どのようにかかわってこれたのか。

現代における家族の在り方、
社会のあり方を見つめる作品です。


さまざまな背景の子どもたちが入所する
児童養護施設、
虐待や家庭環境等で児童相談所を経由して
15歳〜20歳の子が入所する
自立援助ホーム、
施設への保護を望まない子どもたちが
オンライン居場所をして集まる
オンライン子どもの居場所、
見守りが必要な家庭の子どもたちが放課後を過ごす
子ども第三の居場所、
頼れる場がなく
社会への不信感をもつ少年たちと向き合う
非行少年の自立を支えるNPO、
それぞれの場で向き合う大人と子どもの
ありのままの姿は
私たちに何を問いかけているのでしょうか。

相談できるひとを見つけられなかった子どもたちを
見守る大人たちの姿から
あなたは何を感じますか。


それぞれの子どもたちに
必要なサポートの形は
それぞれちがいます。

その一人ひとりに
どれだけの大人がかかわってこれたのかを
考えた時、
障がいのある子たちにも
同じようなことが言える、と思いました。

その根底には、
血のつながりを超えて支え合う社会が必要だ、と。



2022年4月8日(金)に
シネ・リーブル池袋(東京)、
シネ・リーブル梅田(大阪)を皮切りに、
4月15日からは
名演小劇場(愛知)、
別府ブルーバード劇場(大分)、
その他、アップリンク京都、シネ・リーブル神戸など
順次全国ロードショーの予定です。
詳しくは 公式HPでご確認ください。

子どもたちの悲痛な叫びと
親の本音も交えながら、
彼ら彼女だけの責任なのかを
社会に問う作品であると同時に、
今、苦しんでいる子どもたちにも
届いてほしい作品です。






*映画『 旅のはじまり 』公式HP
https://tabihaji.net/

監督:松本和巳
プロデューサー:石原ゆり奈
出演:自立援助ホームの子どもたち、
  子ども第三の居場所の子どもたち、
  オンライン居場所の子どもたち、
  児童養護施設の子どもたち、他
主題歌:「旅立ちの日に…」川嶋あい
特別協力:つばさエンタテイメント
協力:株式会社リコー、
  リコーインダストリー株式会社、日本財団、
  一般社団法人HOMEおかえり、
  NPO法人陽和、 社会福祉法人中央有鄰学院、
  一般社団法人障がい者みらい創造センター、
  NPO法人若者メンタルサポート協会、
  NPO法人心澄、田栗由美、東口さつき、
  株式会社フェアスタート、 
  NPO法人フェアスタートサポート、 
  株式会社つぼぐちフードサービス、東富士病院、
  NPO法人Support for Woman’s Happiness、
  一般社団法人シンプルライフ協会
特別協賛:株式会社ノースゲイト、
     NPO法人ノースガイア











ちがうちがうそうじゃない  [2022年02月14日(Mon)]


「 家族にケアを要するひとがいる場合、
大人が担うようなケアを引き受け、
家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを
行っている18歳未満のこども 」を
「ヤングケアラー」と呼ばれています。

近ごろ、「ヤングケアラー」について
頻繁に メディアで取り上げられています。

取り上げられることで知ってもらえることは
よいことだと思うのですが、
それを 見るたびに
違和感が つのっています。


「ヤングケアラー」を知ることは
子どもの課題として発見されたに過ぎず、
支援すべき本来の対象は、大人。

支援が必要な大人に対する支援がないから
子どもが背負って
「ヤングケアラー」と呼ばれていて、
子どもの問題だけではありません。

親が働いても
生活に十分な収入が得られない
家庭が増えている、ということ。

「ヤングケアラー」のような光景が近所にあっても、
「若いのに偉いねぇ」と声をかけて見守ってくれ
何かあれば助けてくれる
ご近所さんがいた、ということ。

そして 「家族で支え合う」という意味が、
今と昔では 変わってきている、ということ。


子どもへ直接的な道筋を付けようとすることは
無意味ではありませんが、
その前に問いたい、
「大人側、親側が使える
支援や制度を伝える努力が成された社会ですか」。

使える支援や制度を
伝える立場のひとびとに問いたい、
「必要としているひとへ伝えるという
義務を果たしていると 胸を張って言えますか」。


「ヤングケアラー」と ひとくくりにしないで、
「子どもには 今すぐに 必要なケア」を
「大人には 根本的なケア」を。

今、支援を必要としているひとは 大人です。
















DWAT 3 [2022年02月02日(Wed)]


大規模災害で被災した
障がいのあるひとや高齢のひと、
妊産婦や乳幼児、配慮を要するひとの
避難生活を支援する
災害派遣福祉チーム=DWAT

DWATは、都道府県の
災害福祉支援ネットワークに登録された
介護福祉士や社会福祉士など
1チーム 3〜5人で構成。

避難所に派遣され、
上記のような
配慮を必要とするひとたちの
相談を受けたり、
体調の維持、精神的なケアなどを担います。

その避難所が
だれもが生活しやすい場になるように
授乳室の整備や
段差へのスロープ設置の助言なども行います。

近年 DWAT2 で紹介したように
その存在を
知ってもらうための活動も広がっています。

そのような中で、
DWATが全国各地で活動できる体制にしようと
新たな試みを告げる 記事を目にしました。


「 災害派遣福祉隊に司令塔
 DWAT 応援調整や人材養成 」
 ( 2022年1月24日付け:読売新聞 )


厚生労働省は 2022年度、
災害派遣福祉チーム=DWATの
中央センターを設置し、
都道府県をまたぐ応援派遣の調整や
人材養成のための
全国研修を一体的に実施し
被災者の支援体制を強化する、とありました。

2021年3月末現在、
DWATは 36府県で設置され、
登録者は 全国で約5000人にのぼります。

一方、避難所での活動経験があるのは
半数以下の府県にとどまり、
過去の活動では 経験不足などから
複数の避難所への対応に苦慮したり、
地域間の応援派遣の調整に時間がかかる といった
課題が指摘されていました。

中央センターは、
平時には
全国で研修を実施して人材養成を進めるほか
地域ごとに会議を開催するなどして
広域的な連携体制を構築、
災害時には
培ったネットワークを生かし
応援派遣の調整にあたる、とありました。

そして、中央センターの運営は
福祉分野の全国団体や
災害支援を行う非営利組織などに
委託することを想定しており、
委託先は 公募で選定する方針、と。



災害が起こるたびに、
その時々の対応について
「これでよかったのか」と
振り返り、検証することで
必要な支援を明確化し、次へつなげる。

DWATは
その機能を十二分に果たすために
大きな一歩を 踏み出しそうです。

でも、これが、生きたものになるには
その人材が 必要です。

わたし、やりたい。
我が団体で、やりたい。
我が法人が、やりたい。

日々の支援や仕事で大変な状況が続いていますが、
そんなときこそ
次の、先のことを見据える。

そんなひと、団体、法人が出てくることを願います。

今ある 自分のスキルを、
より多くのひとたちのために
活かしたいと意識するひとびとが
増えることも。













オレンジカフェ  [2022年01月15日(Sat)]

オランダで始まった
アルツハイマーカフェを源流として
世界各国でさまざまな形で広がった
「認知症カフェ」。

日本では「オレンジカフェ」とも呼ばれています。

2012年、日本では
認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)で
初めて明記され、その後
全市町村で設置を目指すとされて、
2017年末時点で その数は
5800ヵ所以上と言われています。

実際には、もっと多くの認知症カフェが
日本には点在しているとも言われています。

その「オレンジカフェ」の
今を知る記事を目にしました。


「 カフェが巡回 相談所に 」
 ( 2022年1月10日付け:読売新聞 )

福島県いわき市では
これまで、市中心部などで
「オレンジカフェ以和貴」を開催していますが、
高齢化率が4割以上の山間部では
その十分な活動は 難しい状態でした。

そこで、キッチンカーを導入し、
看護師や作業療法士らが
公民館などを 巡回することに。

認知症の知識や
相談できる窓口の情報を伝えるだけでなく、
スープを食したり
簡単な健康チェックや体操をしたり、
キッチンカーの周りが 集える場に早変わり。

巡回型の認知症カフェ。

「 介護は家族がするものとの思いから
家族が悩みを抱え、
ぎりぎりまで頑張ってしまうケースが少なくない。
SOSをキャッチできる
気軽に相談できるような場所を作っていきたい 」と
カフェ事業者は話す、とありました。



認知症カフェは、
認知症のあるひと、介護するその家族、地域住民、
そして専門職が、
年齢や所属、地域に関係なく
身近で入りやすい場所で 開催されています。

認知症カフェを継続していくうえで大切なことは、
地域に住むひとたちが訪れる場所として
知られ、続くように、
地域住民や地域の既存団体との協働。


これを
障がいのあるひととその家族に
置き換えることはできないだろうか。

この記事を目にして、思ったことです。


今 在る「親の会」などの団体の一事業として、
オレンジカフェのような
キッチンカーを使った“巡回型カフェ”があれば、
未就園児から学齢期の子、
成人した
障がいのあるひととその家族や、
日中支援を受けられない
障がいのあるひととその家族、
「どこに相談に行けばよいのかわからない」親や
「相談することに躊躇している」家族など、
ひとりで抱え込んでいるひとたちを
手助けする、救うことができるのではないか、と。

ひとところで開催することが難しくても、
2、3ヵ月に一回、半年に一回でも
定期的に地域ごとの
“ 巡回カフェ ” の告知があれば、
一歩を踏み出すひとが
きっと 増えるのではないか、と。


認知症のあるひとであれ
自閉症のあるひとであれ
地域で暮らしているひとは たくさんいます。

地域で見守ることに、
高齢、障がい、と選別する理由が
どこにあるのでしょうか。

高齢のひとも
子どもも 大人も 誰もが
“ 認知症 ” という キーワードのもとに集まれる場所が
「オレンジカフェ」であるならば、
障がいののあるひとも
子どもも大人も誰もが
“ 障がい ” という キーワードのもとに
集まれる場所が あってもいい、あってほしい。


「親の会」の存続が
より難しくなっている という声を耳にしますが、
今まで培った つながりや蓄えをもとに
「 今、必要とされていること 」に注視し
方向展開できれば、
自ずと 必要とされる存在になるでしょう。


最後に、
高齢のひとには手厚く
障がいのあるひとに手厚くないのは
なぜなのでしょうか。

福祉を考えた時に いつも ぶつかる疑問です。

もう、これ以上、
障がいのある子と親の心中を耳にしたくない、という
思いとともに。














選挙に行くこと、投票するということ 9  [2021年12月16日(Thu)]

「 障がいのあるひとの投票方法だけでなく
投票方法そのものについて
問題提起される記事が続いている 」と
選挙に行くこと、投票するということ8
記しましたが、先日
耳を疑うような 事実を知りました 。


「 付添い投票で異例の在宅起訴 障害者の母 大阪地検」
 ( 2021年11月18日付け:共同通信 )

大阪都構想の賛否が問われた
昨年11月の住民投票において、
障がいのある娘の期日前投票に付き添った母親が
娘の分を記入し投票したとして、
公選法違反の罪で
大阪地検に在宅起訴されていたことが
母親らへの取材で分かった、と ありました。

専門家は
起訴は異例のケースとしており、
選挙管理委員会が代理投票に
適切に対応していなかった可能性を指摘、
しかし、
選挙管理委員会側は
問題はなかった としています。

この母親は 大阪府警に書類送検され、
今年3月に 在宅起訴されました。

母親は取材に
「 代理投票のルールの説明はなく、
どのようにして意思を確認するか協議もなかった」
と話した、と。


見慣れない場所に固まってしまった子の代わりに
母親が投票用紙に記入し 投函したことが
公職選挙法違反の罪となり、
起訴される。

まさか起訴するとは、と
関係者の間で 衝撃は広がっています。

「 障がいのあるひと自身だけでなく
家族も含めて支援する 」という意識が
支援する側に
常にあれば
知識があれば
このような事態は 起こっていませんでした。

もちろん、
障がいのあるひとの投票について
サポートするという
社会の認識が
欠如していたことも否めません。

そして、
投票所の現場にいる職員の対応が
一番の問題であるのに、
この母親だけを処罰することに
かなりの違和感を持たざるを得ません。


「 そこまで、やるか 」。

障がいのあるひとの家族にとって
ひとごとではありません。


母親は「 子の投票を偽造しようと考え、
投票した事実がないのに賛否を記入して投票した」と
投票偽造の罪 で起訴され、
さらに、投票干渉の罪 を追加されました。

選挙は 民主主義の根幹であり、
公正さが求められるのは当然のことですが、
同様に、障がいがあるひとの選挙権も
憲法に保障され、
最も重要かつ基本的な権利であることは 明白です。

「 その意思を 投票行動で適切に示せるような
配慮はなされるべき 」ということを、
総務省も「 選挙人への丁寧な対応の必要性」として
全国の選挙管理委員会に
繰り返し 通知しています。


「 一罰百戒 」とも言える、今回の事件。

苦しさに押しつぶされそうになりながらも
伝え続けないと
まだまだわかってもらえない
社会の理不尽さに、
頭を抱えて うつむいていては いられません。

「一人の罪人を罰することで多くの人への戒めとする」。

こう思われても仕方ないことを
あなたたちは やっているのです。

無知で 配慮という言葉を知らない あなたが。










| 次へ
プロフィール

kyokyoさんの画像
<< 2022年08月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/kyofukushi/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/kyofukushi/index2_0.xml