映画『 わたしは、ダニエル・ブレイク』
[2017年03月22日(Wed)]
「 今だからこそ、伝えたい 」。
イギリスを代表する映画監督
ケン・ローチが、
引退表明を撤回してまで制作した
映画『 わたしは、ダニエル・ブレイク 』。
―― イギリス北東部 ニューカッスルで
大工として働く
59歳の ダニエル・ブレイクは、
心臓の病を患い 医者から仕事を止められる。
国の援助を受けようとするが、
複雑な制度が立ちふさがり
必要な援助を受けることが出来ない。
悪戦苦闘するダニエルだったが、
シングルマザーのケイティと
二人の子供の家族を助けたことから、
交流が生まれる。
貧しいなかでも、寄り添い合い
絆を深めていく ダニエルとケイティたち。
しかし、厳しい現実が
彼らを次第に追いつめていく。――
( フライヤーより )
イギリスの北東部が 舞台。
イギリスの複雑な制度に振り回され、
貧困という現実に直面しながらも、
人間としての 尊厳を失わず、
助け合って生きる人びとの姿が
描かれた映画です。
この映画は、昨年5月
第69回 カンヌ映画祭で
最高賞の パルムドールを受賞。
イギリスでは、すでに 公開されていて、
ケン・ローチ監督作品の
史上最大のヒットを 記録しています。
日本でも、やっと
今月18日から
主要都市で 劇場公開が始まりました。
そして、
来月4月からゴールデンウイークにかけて、
全国で 劇場公開される予定です。
「 今だからこそ、伝えたい 」。
ケン・ローチ監督が
映画で描いた姿、想いは、
一部の国や 地域だけでなく
全世界に通ずるものなのだ と思うと、
とても 複雑な気持ちになりました。
「 尊厳を 失ったら、終わりだ 」。
主人公のダニエル・ブレイクの
この言葉に、
力強さと 湧き上がる勇気を感じるとともに、
この映画が問いかける現状を
社会は 正面から応えないといけない
という 危機感があふれています。
「 映画は、ひとびとに
イマジネーションを もたらすもの。
自分にとって 映画の伝統のひとつは、
困難な状況にあるひとびとの戦いを描くこと。
大切なのは 希望を持ち続けること。
異なる世界をつくりだすことは 可能であり、
そして 必要なことなのだ、
ということを 訴えていきたい 」という
ケン・ローチ監督。
さまざまな立場のひとに、観てほしい映画です。
*映画『 わたしは、ダニエル・ブレイク 』
公式HP
http://danielblake.jp/
原題: I, Daniel Blake
監督:ケン・ローチ
製作:レベッカ・オブライエン
製作年:2016年
製作国:イギリス・フランス・ベルギー合作
配給:ロングライド
上映時間:100分
タグ:映画
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