何を以て
[2022年03月23日(Wed)]
新型コロナウイルスに感染しても、
十分な診察や治療を受けられずに
亡くなることがある、と耳にします。
でも、それとはちがう、
十分な診察や治療をされることなく
亡くなった、という記事を目にしました。
「 重度の知的障がいの男性、コロナ感染
「診察されず死亡」遺族が訴え 」
( 2022年3月9日付け:毎日新聞 )
新型コロナウイルスに感染し
静岡市立静岡病院に搬送された
重い知的障がいのある24歳の男性が、
十分な診察や治療をされずに自宅に帰され
4日後に死亡していたことが明らかになりました。
静岡病院は遺族に対して
「状況を確認中」と明確な説明がなく、
毎日新聞に対しても
「規約にないが 今 公表すべきではないと判断した」と
取材に応じていない、とありました。
2月12日夕方、男性は40度を超える高熱が出て
意識がもうろうとした様子で
顔が真っ赤だったため、23歳の弟が
救急車を呼び、静岡病院に搬送されました。
到着後、PCR検査を受け、
個室で待機中に
男性は車いすから落ちたり
床に頭を打ち付ける自傷行為をしたため
弟は 看護師を呼んだが
研修医から解熱剤を渡されるものの
特段の治療もなく放置され、
2時間後に 医者から陽性を告げられ、
血中の酸素飽和度の数値が
基準値だったことなどを理由として
療養のため自宅に帰るように促されました。
弟によると男性は
血中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターは
数値が安定する前に
看護師の目の前で
指先から外してしまっていたことや、
重い知的障がいがあることから
自身の症状を的確に訴えることができなかったことを
医師や看護師が
配慮することはありませんでした。
自宅に戻った4日後の午前、弟は
男性の顔の血の気が急に引いて反応がない姿に
慌てて救急に通報。
救急車の到着を待つ間も弟は
必死で心臓マッサージを繰り返します。
病院到着後、ICUに運ばれましたが
その場で死亡が確認されました。
男性が亡くなったのち、
弟や家族は 男性と過ごした日々を思い出しては
悲しみくれる中で、
「最初に救急搬送された後に、
薬を渡されただけで放置された。
診察をしてくれていたら、
結果は変わっていたのではないか」という思いが。
「医療機関が今、どれだけ大変かは分かっているつもり。
ただ、介護の世界で 放置 は虐待に等しい。
命との向き合い方について 考え直してほしい」とも
ありました。
「解熱剤を渡すだけ」、「診察もなく」。
重い知的障がいがあっても、
家族の問診を受け止めて、
正しいパルスオキシメーターの数値かを
再度確かめることもなく
自宅療養の判断を下したコトが
正しい医療だと言えるでしょうか。
いくら ひっ迫した医療現場でも
このような 措置 を取ることは
介護の世界での 虐待 にあたるのではないか と
社会は問う必要がある、と。
この記事にあったような状況が
もしかしたら
全国でもっとあるかもしれない と
記事を読みながら思いました、
あってはほしくないけれど。
そして、この病院の対応が
「他の病院の対応と同じではない」のであれば
そう 伝えてください、
反論してください。
「今、公表すべきではないと判断した」とする
病院の「今ではない」理由とともに。
【障がいのことの最新記事】