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お父さんの活動について [2023年09月26日(Tue)]
京田辺シュタイナー学校では、教員と保護者が運営の他、様々な形で関わることにより学校を創り上げています。その中でお父さんの関わりについて少し紹介します。

本校には「父の会」という自主活動が存在します。元々は、他のシュタイナー学校から編入してきたあるお父さんが、京田辺のお父さんの学年を超えたつながりをもっと深めたい、と親睦会をしたことがきっかけでした。子ども同士が同じ学年であれば、なんとなく接点があるけれど、他の学年の様子を知ることができなかったり、お互いの状況を知らないために、どのようにして学校に関われるのかわからなかったりするので、学年を超える交流をすることに意味があると感じたのです。

その後、忘年会・新年会や、学校行事や運営会議の後などに、不定期ですが「父の会」を行い楽しくお酒を酌み交わしています。学校の活動について熱く語り合うこともあれば、今後の学校のあり方についてのアイデアが出て来ることもあり、貴重な場となっています。

飲み会に誘ってもらい参加したことが嬉しくて、それがきっかけで学校への関わりをはじめることができたお父さんもいますし、和気あいあいと楽しみながらやっています。新しく来られる方も大歓迎です。編入学されましたら、父の会にご参加ください。 
M.M

Posted by 京田辺シュタイナー at 21:36 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
7年後の学校は…? [2022年04月26日(Tue)]
京田辺シュタイナー学校では、7年ごとに中長期計画を立てて、運営を行なっています。
本校はNPO法人の学校であるため、通常の学校とは異なり、国や地方公共団体からの経済的な支援が受けられません。そのため、運営費をどう賄っていくか、教育の質と教員が働きやすい環境をどう両立させるか、といった課題を教員と保護者で考えていく必要があります。2001年の開校以来、こういったさまざまな課題を教員と保護者で乗り越えてきました。

開校まもない頃に立てられた中長期計画では「高等部(中3〜高3)の施設や教育の充実、生徒数を増やすこと」を掲げ、7年後の次の計画では「教育の充実、運営の充実、社会とのつながり」を掲げてきました。

そして、今回の中長期計画は「Vision2028」と名付けられ、4月の話し合いでは「持続可能な次世代の京田辺シュタイナー学校にむけて」と題し、会場には多くの教員と保護者が集まりました。
教員からの話のあと、小さなグループに分かれて一人一人自分の意見を出しました。
私の入ったグループでは“世代交代”と、運営を支える“ひと”の重要性が話題となりました。開校当初から関わっている複数の教員が数年後に定年を迎えようとしている今「どのようにその当時の想いと熱を次につなげていけるのか」は、今後の大きな課題に思えました。また、保護者が担う運営に関しては色々なアイデアは出るのだけれど「では、それは誰がやるのか」ということも話し合いました。

今回の中長期計画の結果が出るであろう2028年には、我が子は卒業しているため、在校保護者の立場で結果を振り返ることはできないけれど、私たちの立てた計画がどんな実を結び、どんな課題を残したのか、どんな学校になっているのかは、卒業後も見守っていきたいと強く感じました。

J
Posted by 京田辺シュタイナー at 20:34 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
3.11をきっかけに… [2022年03月04日(Fri)]
2011年3月11日に起きた東日本大震災とそこから発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故。本校にも、原発事故による放射能被ばくを軽減するため、東北や関東地方から避難・移住してきた子どもたちとその家族がいます。その数は全校生徒のおよそ1割。当時、乳飲み子だった子どもたちは5年生となり、高学年で転入してきた子どもたちは卒業し巣立って行きました。子どもたちとともに避難・移住してきた親たちもこの地に迎え入れられ、この地での生活に根をおろしています。
そして4年前の2018年、東北・関東地方から避難・移住してきた保護者有志と防災に関心を持っていた保護者が集まり、災害時の子どもたちや教職員の安全をどのように確保していくのか、検討し、提案していこうと「防災自主活動グループ」を作りました。災害時の備蓄食料の用意、各クラスの非常用持ち出し袋の用意、避難引き取り訓練ができるようにマニュアルや体制の整備、避難はしごの設置、地域の避難所との関係構築などなど、長い間、手つかずであった学校の防災への備えを整え始める動きが始まりました。
費用や仕組みについて教員と保護者で話を進めていくうちに、より責任をもって活動していってはどうかとの提案を受け、翌年に「安全管理ワーキンググループ」となり、学校の運営活動として行うことになりました。

災害時の子どもたちや教職員の安全を確保するためには、設備の整った建物や防災倉庫、避難経路の確保など、様々な想定をしての備えが必要となりますが、木造建築物である本校は、(あたたか味が感じられる反面、)鉄筋コンクリートほどの耐震はなく、防災倉庫を保有しているわけではありません。でも、東日本大震災で経験したことを生かして、災害時に子どもたちと一緒にいる教職員の負担が少しでも減るように、子どもたちや教職員のいのちが守られるように、できることから準備していこうと活動しています。
気づいた人が気づいたことを行う、災害への備えも手づくりの学校です。 

M
Posted by 京田辺シュタイナー at 20:27 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
親子の会「お日さま雨さん」 [2021年12月22日(Wed)]
京田辺シュタイナー学校では、学校がお休みの日に1年生教室を使用して、0〜2歳児の親子さんを対象とした「お日さま雨さん」という親子の会を、年に5回ほど行っています。
昨年度は新型コロナウィルス感染防止のために、残念ながら全回を休会としました。
今年度は緊急事態宣言が発令されていなかった10月と11月の2回のみ開催しました。

保護者スタッフとして、私がこの会に関わって実感するのは、子どもたちはお父さんやお母さんと一緒にいることや一緒に何かをすることが大好きだということです。

例えば、
困った時に助けてもらえる安心感の中で遊ぶことや、見てほしいときにまなざしを向けてもらえること。
手仕事をするお父さんやお母さんに時々手を伸ばして触ること。
おかたづけの時間に、一緒にテーブルを運んだり、木の実をかごの中に集めたり、きれいにひもを巻いたり、一緒に布をたたんだりすること。
うた遊びの時、おんぶをしてもらうことや、手足に触れてもらうこと。
「のどが渇いたねー。おいしいねー」って一緒にお茶を飲むこと。

何が大好きかは子どもによって違います。
大好きの味わい方も違います。
どの子にもたくさんの「大好き」があって、そこから新たな出会いやふれあいがあって、成長する姿を見せてくれます。
そんな時、お日さま雨さんの教室の中はなんだか明るくあたたかくなっていきます。

それから、お日さま雨さんの時間の中でとても素敵だなと感じることは、子どもの「大好き」や成長に大人が気づくということです。気づいて、愛しく、大切に思えることです。
そのさまざまな気づきや気持ちに大人同士が耳を傾け合った時、教室の中はまたふわっとあたたかくなります。

きっと、子育てに大切なものは目の前の子どもの中にあり、その子を見つめる大人の中にもまたあるのではないかと思います。そして、その大切なものを、自分一人ではなく仲間たちと探すことは、とても心強くて楽しい道のりなのではないでしょうか。
私にとっても、たくさんの気づきと喜びがある「お日さま雨さん」のひとときです。
S




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Posted by 京田辺シュタイナー at 23:20 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ベルマーク集計のための集まりにて [2020年11月15日(Sun)]
京田辺シュタイナー学校には学校の運営を支える活動をする保護者のグループがいくつもあります。
以前このブログでご紹介したベルマークの収集を行うグループもそのひとつです。

この春からのコロナ禍で、大人数で集まる機会がありませんでしたが、先日久しぶりに集計のために集まりました。ミーティングが無かった期間に新しくグループに参加した人もあり、メンバーの顔合わせも兼ねていました。

子どもの学年も、数あるグループの中からこのグループを選んだ理由もさまざま。
「同じクラスの人に誘われて」
「こまごました作業が好きだから」
「どんな活動があるかわからないから、いろいろなグループに参加してみている」
「仕事・生活との兼ね合いで活動がしやすそう」

「高等部のことがよくわからない」
という低学年の保護者には
「こういうときにどんどん聞いたらいいよ」
と高学年の保護者。

そうそう。
ひとりっ子で、おまけに他府県から引っ越してきて知り合いがいなかった私も、こういう機会にいろいろと質問したり、相談に乗ってもらったりしたなあ。

その後予定があった私は途中で退席しましたが、メンバーみんな、手と口をたくさん動かして、きっと作業もはかどったことでしょう。

n*h
Posted by 京田辺シュタイナー at 00:00 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「シュタイナー教育100周年記念イベントin京都」について [2019年10月24日(Thu)]
 11月3日(日)・11月4日(月・祝)の二日間、【世界がかわる学び−シュタイナー教育100周年記念イベントin京都−】を開催します。この両日にはさまざまな催しを企画しており、内容は盛沢山です。日本で培われたこの教育の広がりと、京田辺シュタイナー学校の活力をじっくりと味わっていただけるよう、保護者、教員、皆で準備しています。

 今回の催しの大きな柱となっているのは、全国のシュタイナー学校7校が協力して作成した【シュタイナー教育100周年記念 写真パネル展】です。世界で初めてのシュタイナー学校が生まれて100年の年にあたり、パネル作成と動画作成の企画が持ち上がりました。パネルと動画の作成までには何度も話し合いを重ね、内容を検討しました。

 写真パネルには、日本の文化の中に根を下ろした教育の様子が表れており、また、医療、建築、農業についても触れ、興味深い内容となっています。このパネル展示は各地を巡回展示し、大きな会場でも狭く感じるほどにボリュームがあります。今回の京田辺シュタイナー学校の校舎内での展示では一部屋ではおさまらず、二つの教室を使用してする予定です。

 また、同じく7校の協力のもと作成した、映画監督の河P直美さんによる十数分間の動画「未来へ To the future」も上映予定です。シュタイナー学校の日常から拾い上げた子どもと教員の様子はとても美しく、ご好評いただいています。
どうぞみなさま、お越しください。

T.S.

概要:
11月3日(日)
【秋祭り&バザー 100周年記念バージョン】
【教員による体験講座:親子体験講座「手仕事」】(定員になり受付を締切りました。)
【教員による体験講座:大人向け講座「骨学」】(定員となり受付を締切りました。)

11月4日(月・祝)
【染織家・志村洋子さん 講演会「色という奇跡」】(申込受付中)
【卒業生座談会】ファシリテーター吉田 敦彦さん (大阪府立大学教授/本校顧問)(申込受付中)

11月3日・4日両日
【特別展示:シュタイナー教育100周年記念 写真パネル展】
【シュタイナー思想に基づく活動グループ 紹介ブース展】
【河P直美監督による 100周年記念映像「未来へ To the future」 】

※バザー、パネル展示、ブース展示は申込み不要、入場無料。
※駐車場はありません。
※荒天により中止となる場合があります。
※詳細はこちらをご覧ください。
Posted by 京田辺シュタイナー at 12:31 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
『2019年夏 企画展 in 渋谷』に参加しました [2019年08月26日(Mon)]
 猛暑の中、『2019年夏 企画展 in 渋谷』に、京田辺シュタイナー学校のスタッフとして参加してきました。

 来場者が会場に入ると、一番に訪れるのはパネル展でした。100周年を記念して全国のシュタイナー学校7校が協力して各校から集めて作り上げたこのパネル展示はとても好評で、会場全体にあたたかな雰囲気が広がっていました。

 パネル展の近くの部屋では、親子の遊び場、ミニ体験、学校紹介、卒業生のコーナーなど、保護者や卒業生と来客の方々が気軽に交流できる場になっていました。
私は京田辺シュタイナー学校の紹介ブースで、興味を持ってくださった方の質問にお答えしていましたが、一番多い質問は卒業後のことでした。
この教育を受けてどう育ってゆくのか、
さらにその先はどうなってゆくのか、
みなさん教育のその先のことに興味をもってくださっていることがよく分かりました。

 隣の卒業生コーナーでも質問される方が多かったようで、卒業生の青年が、自分が受けた教育のことを一生懸命説明していました。内側から言葉があふれてくるような青年たちの様子からは、卒業演劇や卒業プロジェクトのときの12年生の姿と通じるものを感じました。

 会場では、三日間通してたくさんの講座や座談会がありました。幼児から高等部までの、音楽、オイリュトミー、美術、数学、英語など実際に各校で行っている授業は親子や教育者を目指す方などでほぼ満席でした。

 ホールで行われた、講演会、座談会にも大勢の方が来られていました。登壇者は、日本にシュタイナー教育を紹介してこられた方、芸術家、現役教員、学者、俳優、映画監督、卒業生などで、それぞれの立場から多様なテーマでシュタイナー教育について語りました。

 そして三日目のクロージングでは、全国シュタイナー学校高等部合同公演(オーケストラ、オイリュトミー、合唱)がありました。
練習期間が数日のみだったため、完成された発表会とはちょっと違ったかもしれませんが、お互いに協力して呼吸をあわせながら場をつくりあげてゆくという、高等部生のありのままの姿から、シュタイナー教育で大切にしていることの一端がお伝えできたのではないかと思います。

 我が家の12年生の息子もこの高等部合同公演にオーケストラのチェロで参加しましたが、先だって数日間あった練習と、ホームステイでの交流はとても良い経験だったようで、終了後、「音を合わせるのが大変だったんだよ」と言いながらすっきりと満足気な様子でした。

 想定以上にスタッフは忙しく講座や講演会を聞くことはできませんでしたが、裏側から支えるスタッフとして、各校の保護者や教員、卒業生と話す機会が多く、「世界がかわる学び」というメインテーマについて考えることができました。来てくださった方、支えてくださった方、ありがとうございました。

 なお、パネル展示については今後全国を回り、京田辺では11月と2月に展示予定となっています。また、京田辺シュタイナー学校でも、今回ほど大規模ではありませんが「世界がかわる学び」をテーマに、バザー、体験講座、講演会、卒業生座談会、シュタイナー関連団体紹介などを企画しています。どうぞお越しください。

※詳細はこちらをごらんください。

T.S.

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Posted by 京田辺シュタイナー at 19:55 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
春のメンテナンス&交流会 [2019年05月14日(Tue)]
気持ちよく晴れたGW初日、京田辺シュタイナー学校では「春のメンテナンス&交流会」がありました。
学内でのバザー、学校のメンテナンスを通しての保護者と教員の親睦、新規家庭(新1年生・編入生)と在校家庭の交流、など諸々の企画が一緒になって、ここ数年は次のような一日となっています。

まず、午前中は校舎や校庭のメンテナンス。
高等部生徒と教員、保護者、そして卒業生やその保護者が参加します。
今年の作業内容は木部(本校は廊下や外壁に木材がたくさん使われています)への紙やすりがけとオイル塗装、竹垣を作って道路との境界に設置、草引き、暖房器具と扇風機の入れ替え、換気扇・蛍光灯の掃除、など。他にも、教室の壁の漆喰を塗りなおしたり、樹木の剪定をしたりする年もあります。
参加者全員が校庭に集まって簡単な説明を聞いたのち、各自必要な道具を持って、それぞれの作業場所へ。
途中休憩をはさみながら3時間ほど、そろそろお腹がすいてきたな、という頃にもう一度校庭に集まります。

その少し前から、各教室では、いろいろなお店が準備を整えています。販売するものは、お弁当やお菓子、お茶やジュースやコーヒー、古着・本・雑貨などのリサイクル品、手作りのおもちゃ・雑貨など。

さて、12時を過ぎたら、ここからは交流会。
メンテナンスに参加していた人、お店を出している人、低学年の子どもたちを連れて交流会から参加の人、しばらくは思い思いに食事や買い物、おしゃべりを楽しみます。
そうこうしているうちに「ホールへ集まってください」という呼びかけがあり、そう広くはないホールは大人と子どもでいっぱいになります。
ここで改めて新1年生と編入生の家庭の紹介があります。
新しい家庭の方に「これから長い時間をともに過ごすことになりますね、どうぞよろしく」という気持ちを込めたこの企画。参加するたびに、ああ、私もこうして迎えられたのだなあと感じます。

交流会の最後はみんなで後片付けと掃除。お店で使った机やイスを教室に元通りに並べて、この盛りだくさんの一日が終了です。

今年はとりわけ長かったGWが、先日明けました。
たくさんの人の手によってきれいになった学校で、子どもたちはまた元気に学んでいることと思います。

n*h
Posted by 京田辺シュタイナー at 12:00 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
All for One [2019年03月25日(Mon)]
京田辺シュタイナー学校は「親と先生でつくる学校」。その場の一つが、親も先生も参加して自由なテーマで意見交換する「全体集会」です。

学期に1度、年3回ほど開かれ、毎回100人以上が参加します。先月あった集会のテーマは「持続可能な教育環境を考える」。今回は先生方の働き方、給料や生活状況についても突っ込んで話し合いました。NPO法人立である私たちの学校には一条校(※)のような公費助成はなく、財政は潤沢ではありません。先生方は家族を養いながら何とか生活をやりくりしています。

それでもある先生は「子どもたちを、この学校を愛している」と言い、またある先生は「子どもと接している時、自分は何て幸せだろうと思う」と語り、その思いと志が胸に染みました。この学校は先生方に支えられ、また同時に私たちが支えていることを互いに共有する場でした。

巨大な経済社会の中で、ともすると自分の位置を見失いそうになります。この学校にいると、自分はコミュニティーの一員なのだと改めて思います。One for all, All for one を実感するのです。   

N.S.

※京田辺シュタイナー学校は、学校基本法に基づく学校(いわゆる一条校)として認可を受けた私立学校ではありません、学校法人の認可を受けるには、校舎や敷地の面積、設備、資金などに関する厳しい条件が数多くあり、数億円を超える資金が必要になります。 
抜粋引用「親と先生でつくる学校」せせらぎ出版

Posted by 京田辺シュタイナー at 00:00 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
校舎が出来るまでの思い出〜両方の翼を広げたい・その2〜 [2018年09月20日(Thu)]
【今回のブログ記事は卒業保護者に執筆依頼しました。9月前半後半2回の掲載になります。】

●校舎が出来るまでの思い出
〜両方の翼を広げたい・その2〜

私たちの学校は、保護者と教員が一丸となって「学校づくり」をしています。
教育は教員の方々にお任せしていますが、運営については保護者がみんなで力を合わせて行っています。
「どのくらい関わらないといけないのですか?」という質問を学校見学会でもよく聞きますが、「いけない」というよりは、「やろう」という意思が大切だと私は思っています。

開校当時、私は1年生保護者でした。
実は当初、私は左半分の校舎(当時は「二期校舎」と呼んでいました)その建設には反対でした。
この学校では「全員で話し合う」ということが大変尊重され、保護者も教員も、先輩も後輩もなく、全員で意見をかわしていましたので、私もその場に積極的に参加しました。
その後、私の気持ちも変化し、学校全体として「二期校舎を作ろう」という大きな決意をしました。

さて、それからは、みんなで本当に力を合わせました。経済的にも体力的にも。
人それぞれ出来ることは違っても、みんなで力を合わせたという実感がありました。
2003年春、二期校舎は完成、今のL字型の校舎となりました。天井を塗ったり、棚を作ったり、カーテンを染めたり、シェードを縫ったり、楽しい思い出です。
左半分の校舎を「二期校舎」と呼ぶ人も、いまではもうかなりの少数派になっているかもしれません。
あの廊下より先がなかった時代を知る世代にとっては、みんなで力を合わせて「想いを形にした」象徴のように思えます。

もし、これをお読みくださっている方が、校舎の右半分、かつての「一期校舎」の教室にお入りになることがあったら、ちょっと下を見てみて下さい。
ちょうど教室の真ん中あたりに、1本のレールが敷いてあります。そこで教室を半分に分けていました。黒板もここで半分となって、それぞれの教室で開くようになっています。
1つの教室で、同時に別々の授業をしていた、ということがお分かりいただけると思います。
多いクラスで、1学年16人いました。
狭いとお感じになるでしょうが、それでも、私たちがそこでシュタイナー学校を始められたことは大変大きな喜びでした。

そして、あの時には想像も出来なかった未来がいま、学校にはあります。空間的にも教育内容的にもです。ということは、いま想像もできないようことも、未来には何か出来るのかもしれません、みんなで力を合わせれば。それが何かはいまの私にはわかりませんが、「目の前の子どもを観る」ということの積み重ねが、その未来を切り開いていくのかもしれない、と、両方の翼を広げた今の校舎を見るたびに思います。

<おわり>

卒業生保護者 M・T
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Posted by 京田辺シュタイナー at 20:31 | 運営 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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