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ESD(持続発展教育)ワークショップに参加して [2018年01月22日(Mon)]
10年生の息子は、高等部に進学してからの2年間、大阪ユネスコスクールネットワークの活動に参加しています。
月1回程度おこなわれるESDワークショップでは、地域や学校が抱えている課題について各自が時間をかけて考え、意見交換してきました。

そして、年末には、中国の小中学校の生徒、教員を迎えて、国籍、学校、年齢の枠組みを超えたグループに分かれ、問題解決のためのプレゼンテーションをおこなったそうです。

大阪ユネスコネットワークの活動は活発で、初参加の昨年は、『他の学校の人と知り合って楽しい』『皆テキパキ動いて気持ちがいい』と、年齢や学校を超えて、積極的に参加し発言する様子に刺激を受けていました。

参加2年目の今年は、ESDについて考えたことを言葉にする余裕が出てきたようです。
また、年末の交流会に向けての具体的作業でまかされる部分が増え、息子の様子からは、学校の行事とは違う緊張感が伝わって来る一年間でもありました。

ちょうど、京田辺シュタイナー学校がESD重点校に認定されたこともあり、私も知りたいと言う気持ちから、ESDとは何か、他校ではどのような活動をしているのか、息子に尋ねてみました。

 「そうだなあ、ペットボトルの蓋を集めたり、挨拶しましょう、とか、地域清掃とか、学校によってしていることはいろいろあるけれど、でも、それがESDということではなく、
『それも』ということ、、、
大事なのは『サステイナブル・ディベロップメント』この世界が持続してゆくために必要なこと何でも、、、
あるものが存続できなくなったり、生き難くなったり、絶滅したり、持続を阻害するものは何か考えるということ、、、
遠くの場所で起こった問題に、直接は関わりなくても自分の身近な問題には共通点はないのか、身近なところに置き換えるとどういうことなのか、そういうことを考える、、、」

と、息子なりに理解した言葉で、ぽつりぽつりと語ってくれました。

休日の土曜・日曜に、日常生活の場である京都郊外から大阪まで出かけて行き、次回までの課題もあり、大変そうではありますが、
他校、異年齢の人と出会い、考え実行するプロセスから学ぶことは大きいと感じます。


T.S.
Posted by 京田辺シュタイナー at 20:11 | 持続発展教育 | この記事のURL
京田辺シュタイナー学校とESD 2 [2010年09月26日(Sun)]
シュタイナー教育には、
体験的な学習がたくさん取り入れられています。
それがESDの実践、と思われる方は多いと思います。
確かにその一面はあります。

でも、実はシュタイナー教育の理念の中には、
ESDの根源的な考え方が含まれていて、
それが、12年間の学びの中に一貫して響いています。
だからこそ、12年間を通してのESD実践校と言えるのです。

では、それはどんな部分か…。
学校報『プラネッツ』に掲載された記事に
その一例があるのでご紹介します。
1年生のクラス担任が執筆した記事からの抜粋です。
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桜が咲き、その根元に
色とりどりの花が咲き乱れている丘の話を、入学式でしました。
一人ひとりが自分らしい花を咲かせ、
自他の素敵なところを見つけるとともに
一緒にいられることを喜び合っていきたいというような話でした。
そんな思いを込めながら、
その日から毎日続けている手遊びがあります。

 「心の庭」 

ちいさな庭をよく耕して
小さな種をまきました
ぐんぐん伸びて 春になって
小さな花が咲きました
“ぽっ(小さい声)”

中くらいの庭をよく耕して
中くらいの種をまきました
ぐんぐん伸びて 春になって
中くらいの花が咲きました
“ぽっ(中くらいの声)

大きな庭をよく耕して
大きな種をまきました
ぐんぐん伸びて 春になって
大きな花が咲きました
“ぽっ(大きめの声)

心の庭をよく耕して
光の種をまきました
ぐんぐん伸びて 大きくなって
素敵な花が咲きました
“ぽっ(優しく広がるように)”


「心の庭」の最後に発する「ぽっ」では、
夢見るような雰囲気が教室に広がり、
その後、メインレッスンの中心の学びに入っていきます。

季節の香りあふれる教室で、
子どもたちがどんな花を咲かせていくのか楽しみであると共に、
私たちがそれをどう支えて行くことが出来るのか、
そんな責任をひしひしと感じています。」

〜 学校報『プラネッツ』2010年夏号
 新1年生のクラスだよりより(抜粋)〜
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それぞれが自分らしく、
そして一緒にいられることを喜び合って生きていく、
これはとてもシンプルなことですが、
ESDの出発点であり、目指すところでもあるような気がします。

世界を優しく包み込むような気持ちを、
子どもたちの心の庭に、
未来に向かって育ち花開く種として撒き、
その成長を見守ること。

すぐに結果が見えるものではありません。
でも、こんな未来を描くことが、この学校が、
シュタイナー学校としてとても大事にしていることだと
私たち保護者は考えています。

その想いが、
ブログのタイトルである「未来への種」に込められています。
そして同じタイトルは2010年6月より
京都地域創造基金の事業指定を受けてスタートした、
京田辺シュタイナー学校の新しい寄付の名前でもあります。

もうひとつの「未来への種」
どうぞよろしくお願い致します。



写真は、新入生を迎える教室の「季節のテーブル」。
プレスクールの時に、子どもたちが入学を楽しみに
ひとりひとりみつろう粘土で作った花から
やさしい香りが漂います。

:n.m:
Posted by 京田辺シュタイナー at 10:15 | 持続発展教育 | この記事のURL
京田辺シュタイナー学校とESD 1 [2010年07月05日(Mon)]
シュタイナー学校には、一つのテーマを集中して
3〜4週間学ぶ「エポック授業」と呼ばれる
ユニークな授業形態があります。

これはシュタイナー教育の特徴の一つで、
大きな視点を持ちながら、物事の関係性を
深く意識して学んでいくことができます。
そして、世界をこのように大きなつながりとして捉えてゆくことが、
実はESDそのものと言えるのです。

ESDを形作るものとして、
国際理解教育、環境教育、エネルギー教育、
世界遺産・文化財教育などの分野があるとされていますが、
当校では、分野も教科も横断し、
エポック授業に体験学習や実習も交えて
複合的、包括的なESDの実践を行っています。

例えば3年生では、
1年をかけて衣食住に関することを
幾つかのエポックに分けて取り組みます。
米を作り、家を作り、羊の毛を刈って自分が使用する作品を作るなど、
エポック授業以外の、専科の手仕事の授業なども連動して、
生きる術の根本を実体験していきます。

その中で、日本以外の国の食事、気候、住居、衣服など、
それぞれの暮らしの違いを知り、時には体験もしていくのです。

これから、折りに触れ学校のESDの実践例をご紹介していきます。
学校ホームページもご覧ください。
ユネスコスクールとESD

:n.m:
Posted by 京田辺シュタイナー at 12:06 | 持続発展教育 | この記事のURL
ESD [2010年07月05日(Mon)]
ESDって、ご存知ですか? 
「聞いたことない…」「最近、どこかで聞いたような…」
という方が大半かもしれません。

では、「持続可能な社会」、あるいは「サステナビィリテイ」という言葉はどうでしょう。
「あ、それなら知っている」という方はぐんと増えるかもしれませんね。
そして、何だかそれが、私たちの将来を左右するキーワードとして使われている
と感じている方も多いのではないでしょうか。

ESD(Education for Sustainable Development)は、
その「持続可能な社会」と深くつながりのある言葉なのです。

日本では、持続発展教育と訳されていて、
私たちの未来を、みんなができるだけ幸せな形で持続していくためには
どうしたらよいかを考え、実行できる人を育てる教育の総称です。

今、世界中でESDの研究・普及が広がっています。

ESDは、実は2002年に日本が国連に提案した新たな教育理念です。
現在、ESDはユネスコが世界規模で普及活動を行っています。
日本国内ではユネスコスクールのネットワークを通じて活動を推進しています。
         ユネスコスクールホームページ 

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Posted by 京田辺シュタイナー at 11:44 | 持続発展教育 | この記事のURL