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九州経済圏における交通及び観光の振興と近代化を図るための事業を行い、もって地域経済の均衡ある発展に寄与し、あわせて民生の安定に資することを目的として、調査研究事業、施設整備事業、その他広報啓発等事業を柱に活動しています。

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運輸・観光 女性活躍促進セミナー(令和4年3月18日開催)報告[2022年04月06日(Wed)]
              運輸・観光 女性活躍促進セミナー開催報告

 令和4年3月18日(金)、福岡市において「運輸・観光 女性活躍促進セミナー 〜女性活躍の一層の促進に向けて〜」を九州運輸局との共催により開催しましたので、その概要を報告致します。
   〇 プログラム
    ・基調講演 
      @『女性採用に向けた事業者の意識改革』
      講 師:一般社団法人女性バス運転手協会  代表理事 中 嶋 美 恵 氏
      A『観光における女性の力』
      講 師:大正大学社会共生学部公共政策学科 教 授 柏 木 千 春 氏
      B『女性採用活動におけるポイント』
      講 師:潟潟Nルートジョブズリサーチセンター センター長 宇佐川 邦子 氏
      C『女性活躍のための環境整備に向けて』
      講 師:厚生労働省 福岡労働局 雇用環境・均等部 部 長 室 谷 留 美 氏
    ・全体討論
        
   〇 参加申込 会場36名、オンライン視聴115名

   〇 講演概要

@『女性採用に向けた事業者の意識改革』
 バス運転手不足の原因として、高齢化「団塊の世代退職の10年問題(2007年に団塊の世代が60歳に達し、2022年に75歳。団塊世代ジュニアが現在50歳で10年後に定年)」や中高年の男性に偏った採用であり、改善のポイントは「若者と女性の採用」にある。しかし、応募は未経験の中高男性からがほとんどで、若者や女性のバス運転手のなり手は少ない。
 バス運転手に必要な大型二種免許所有者は、約6割が60歳以上で、男性833,000人に対し女性は15,000人、2019年と2020年の比較では男性が3000人減少し女性は34人増加している。
 女性バス運転手への懸念として「運転が苦手」、「ステアリングが重いのでは」、「MT車は無理では」などが言われているが、逆に運転が得意で好きな人もいれば、バスもAT車が増えるなど状況は変わってきており、女性運転手のイメージも、運転がソフト、アナウンスが優しい、お年寄り・子供たち、からだの不自由な方から評判が高いなどとなっていると説明されました。
 また、運転手の募集にあたって、ポスターを張って応募する従来型とネットによる求人など二極化しているが従来型では応募が少ないのが現状、バス運転手の採用を増やすには、積極的に女性を採用する意識改革が必要であり、また、バス運転手未経験者でも幅広く採用し自社で研修を進め育てることが重要であることなどバス業界の現状が説明されました。

中嶋講師.png

 最後に女性を採用するにあたって、女性用設備は年齢・状況を問わず必要であるが、平均的な女性の生涯を考慮すべきで、初婚30歳、第1子出産31歳、32〜38歳子供が保育園、38歳〜44歳子供が小学校、44歳子供が中学校となり、子供が中学生以上であれば男性と同じよう勤務が可能となるため、この年齢を中心に採用を進める必要性を説明されました。


A『観光における女性の力』
 観光統計データから女性は観光旅行市場を創造している存在であり、全就業者数に占める女性の比率は、男女雇用機会均等法の施行以来増加傾向にあり、平均初婚年齢、第一子出産平均年齢が遅くなっている。しかし、逆に経験値を持っている人が増えていることが言え、また子育て期間でも働きたい人が増えているなど観光地域づくりに活かせる女性の資質と経験が高くなってきていることが説明されました。
 女性は、「働きたい」「学びたい」「誰かのために行動する」といった意欲が地域活性化の原動力になるととらえられており、女性の特性として、情動、感情が豊か、感情を伝えるのが上手い、情緒的な出来事をよく覚えている、ながら仕事が得意などの能力が男性より高い。また、「つながり」「謙虚」「素直」「忍耐」「共感」「信頼」「寛容」「柔軟性」「弱さ」「調和」など女性的な資質がリーダーシップとして優れていると言われており、女性と男性には身体的な構造上、「性差」はあり、社会的・文化的背景も影響するが、差や女性的な資質に目を向けることで、女性の活躍だけでなくイノベーションを生む機会に繋がるのでと説明されました。

柏木講師.png

 最後に、女性の資質と経験を活かすには、観光地域づくり法人などにおいて積極的な役員の登用を図ることにより変革型・女神型リーダーシップを発揮することにつながり、また、戦略会議・理事会などで発言の機会を創出することで、平和的な関係づくり、共感力を活かした機会が増えることにつながる。また、観光地域づくりに関わる女性を増やすためには、活躍の場は沢山あるが経験・知識・スキルを持った人を特定し、その人たちを誘い出し見つける機会を沢山つくり、その人達が活躍できる柔軟な時間設定するなどを支援すればダイナミックな事業に繋がっていくと考えていると締めくくられました。


B『女性採用活動におけるポイント』
 有効求人倍率はリーマンショック時(2009年)に0.47倍まで悪化したが、コロナ禍でも1倍を超えたままで失業率もリーマン時5.1%まで悪化したが、コロナ禍でも3%を割っていない。離職率でもリーマン時5.1%から減少し2019年が底で2021年11月は2.8%で人余りではない。産業別雇用者の2019年及び2021年7−9月の対比でも宿泊・飲食で50万人減少したが、医療福祉・情報通信等では68万人増加しており、失われる雇用部分を吸収する産業があるなど労働市場全体の説明がありました。
 しかし、人手不足感はコロナ禍でも一時改善したが現在では悪化して来ており、人口減少、若年人口の激減、高齢化の構造的な課題が原因で、労働人口は30年間で1割減り、29歳以下は4割減り、2030年にはシニアも減少する状況にある。
この人手不足解消のためには、働く女性を増やす、働くシニアを増やす、外国人を増やす、生産性を向上させることが解消のポイントである。特に女性を増やすためには働いていない既婚女性180万人に働いてもらうことが必要で、そのために働く時の不安要素を解消しなければならない。中小企業では人出不足・育成難を4割以上が考えており、2022年注力したい分野でも人材確保・育成を過半数の企業が考えていることの説明がありました。
 次に、求職者の意識として仕事探しの重点に考えているのは、勤務日数、勤務時間、勤務地で、女性6割、男性で4割が重要視しており、賃金より働き続けられる勤務時間や確実な休日取得など考えている。33歳以下の初職離職理由も、勤務時間・休日、心身負担、やりたい仕事ができないというのが原因となっている。
 また、勤務時間も新入社員の残業時間の許容範囲は、1か月残業31時間はOKが約3割、20時間までが男性1/3、女性2/3で、若者の勤務時間の理想は1日7時間であり、女性の場合は6時間程度を希望する者が多く、正社員も7時間までが希望であり、勤務時間7時未満、残業なしの求人の効果は大きいとの解説がありました。
 ドライバーの実態では、求職者がドライバーを希望するケースは男性でも低いが女性はさらに低くメカニックも同様である。一方、避けたい職種として男性ではドライバーは3割、メカニック2割、女性ではドライバー5割、メカニック4割程度となっているが、職種として認知されていないことも要因として考えられる。また、ドライバーが離職した理由の上位は、仕事がきつい、体力的にきつい、時間が長い、残業が多い、休日が少ないが上位で、給与に関しては現状より今後期待できないことの理由が大きい。現在働いている人が改善してほしいところは、人員増、有給休暇、残業減、シフトを変えてほしいなど負荷軽減と評価、スキルアップ、適材配置の環境改善が上位となっており必ずしも賃金が要因ではなく働くことを如何に柔軟にしていくかが大事であることが説明されました。

宇多川講師.png

 最後に、職員の採用には「勤務日数・時間」と「心身負担軽減」への対応が大切であり、これがうまく改善することによって、女性に限らず若者の離職・転職防止に繋がり、採用力が上がることに繋がることを考えると、「女性だから」「女性は特別」と考えるのではなく各社の従業員全員にメリットがあることだと考えていただきたい、これからの少子化で若手の採用が益々難しくなる中、いかに若者を採用するかを考えるとき避けて通れないことであると締めくくられました。


C『女性活躍のための環境整備に向けて』
 女性活躍促進法は女性能力を十分に発揮してできる社会とするため平成28年に施行された。今般、一部改正され、@常用労働者301人以上から101人以上の事業主に一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大、A女性の職業生活における活躍に関する情報公表の強化、
B女性活躍に関する取り組みが特に優良な事業主への「プラチナえるぼし」の創生が図られ令和4年4月1日から施行されたことが報告されました。
 行動計画では、@採用、就業継続、労働時間等、管理職の割合など自社の女性労働者の「活躍状況の把握」と「課題の分析」、A1つ以上の数値目標を定めた行動計画の策定、社内周知、公表、B行動計画に策定した旨の都道府県労働局への届出、C女性の活躍に関する1項目以上の情報公表など事業主の責務と行うべき具体的内容が説明され、また創設される「プラチナえるぼし」では商品や求人広告等に付けることができ、企業イメージ向上や優秀な人材確保などが期待でき、福岡県内では38社が認定を受けていることが説明されました。
 また、男女雇用機会均等法の性差別禁止の順守にとどまらず、企業における男女差別解消を図るため、女性の能力発揮を図るために個々の企業が進める自主的かつ積極的な取り組みとして「ポジティブアクション」が説明され、女性活躍を雇用管理上の施策と考えず経営戦略ととらえ継続した取り組みを期待するもので、具体的には募集・採用、職域拡大、登用、継続就業、環境整備・風土改善をテーマとして各社での取り組み進めてほしいことが説明されました。

室田講師.png

 さらに、改正育児・介護休業法に基づく取り組みとして、令和4年10月1日から実施され育児休業を取得しやすい雇用環境整備、妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、産後パパ休の創設、育児休業の分割取得など法制度を中心に説明がされました。



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会場全体

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全体討論(モデレーター:長ア真友子氏)

 今回のセミナーでは、色々な視点で女性活躍の一層の促進に向け取り組まなければならない課題を講演いただき、女性が志望する職場こそ若者や男性も希望する職場基盤であると感じました。このセミナーが女性の活躍、企業基盤の構築に資することを期待します。

Posted by 九州運輸振興センター at 11:14 | コロキアム | この記事のURL