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九州経済圏における交通及び観光の振興と近代化を図るための事業を行い、もって地域経済の均衡ある発展に寄与し、あわせて民生の安定に資することを目的として、調査研究事業、施設整備事業、その他広報啓発等事業を柱に活動しています。
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令和5年 新春講演会のご案内[2023年02月01日(Wed)]
                令和5年新春講演会のご案内

 この度、(公財)九州運輸振興センタ−と(公社)大分県トラック協会は共催により「令和5年新春講演会」を下記の通り開催いたします。

 「新型コロナウィルス」感染症の影響が続く我が国では、経済環境や企業の経営環境、そして雇用・働き方がこれまで以上に変化していると言われています。
 特に、私たちの経済活動や国民生活に不可欠な社会インフラであるトラック運送業界は、物流環境の変化や業界が抱える人材不足が深刻な状況となっています。その改善のために労働環境の整備、生産性の向上、物流DXに向けた取組みの対応が求められており、2024年4月1日からはトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用されることとなります。さらに、最近では燃料価格高騰といった問題も生じています。

 経営環境に影響する経済状況は令和4年12月内閣府の月例経済報告において、景気は緩やかに持ち直している。先行きについては、ウィズコロナ下で各種政策効果もあり、景気が持ち直していくことが期待されるが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染動向に十分注意する必要がある、という経済の基調判断が示されています。

 こうした状況から、国土交通省及び日本銀行大分支店から専門の講師の方をお招きし、その最新の動向をご紹介していただきます。


      〇日 時  令和5年2月9日(木) 13:30 〜 15:30(13:00開場)

      〇会 場  レンブラントホテル大分 2階 二豊の間 
            大分市田室町9−20 TEL 097−545−1040(代)

      〇講 演 第一部 「トラック運送事業の課題と行政の取組」
               講 師  国土交通省自動車局 貨物課 課長 小熊弘明 氏
           第二部 「最近の金融経済情勢について」
               講 師  日本銀行大分支店 支店長 徳高康弘 氏

      〇参 加 料 無料

      〇参加申込 お電話をいただくか、または当センターホームページのお問合せフォーム
            にて、通信欄に「新春講演会参加希望」と明記して、会社名・住所・電話
            番号・参加される方の役職名及びお名前を記入の上、令和5年2月3日(金)
            までにお申込み下さい。

Posted by 九州運輸振興センター at 15:08 | 講演会 | この記事のURL

令和4年度 冷凍コンテナの引渡し式について[2023年02月01日(Wed)]
            離島航路で使用する冷凍コンテナを提供しました
            −電源設備のない地域・場所での使用に期待が−


 (公財)九州運輸振興センターは、鹿児島県内の離島航路で使用する冷凍コンテナ9個を製作し、12月16日に鹿児島新港旅客ターミナル(鹿児島市)において引渡し式を行い、離島航路事業者3社へ提供しました。
 日本財団の離島活性化活動と連携した取り組みで、同財団の支援と助成を受けており、当日はセンターの竹永健二郎理事長、離島航路事業者の代表者等、あわせて約30名の関係者が参加しました。

 冷凍コンテナは、離島住民への生鮮食品や冷凍・冷蔵品の安心・安全な輸送の為に不可欠なものとなっており、この取り組みは離島航路の持続的な運営確保を支援することにつながっています。

 引渡式には、中原禎弘国土交通省九州運輸局鹿児島運輸支局長、市山拓朗鹿児島県企画部交通政策課主事を来賓に迎え、竹永理事長から「日本財団の多大な助成により製作したこれらコンテナが離島住民の生活向上に役立てれば幸いです。末永く大切に使ってほしい」などの挨拶に続き、関係航路3社の代表者へ目録が手渡されました。

 引渡しを受けた航路事業者を代表して奄美海運竃{坊隆幸社長から「離島住民の生活に密着した冷凍コンテナの需要は毎年急激に増大している。離島航路に必要不可欠な資機材であり、提供して頂いた(公財)九州運輸振興センターと、これに大きな助成を頂いた日本財団には大変感謝している。」との謝辞がありました。

 引渡し後、ターミナル横に整列した真新しい冷凍コンテナの見学では、電源設備のない地域・場所での使用が可能となるよう今年度試験的に製作した発電機を取り付けた冷凍コンテナ2個への注目が高く、製作メーカーによる機能や利用方法など説明や参加者による運転状態の確認などが行われ、参加者からは「これまで以上に温度管理が容易になる」「活用範囲が広がる」などの意見が聞かれました。


冷凍コンテナ9個.png

発電機付冷凍コンテナ2個.png

Posted by 九州運輸振興センター at 15:03 | 施設整備事業 | この記事のURL

第64回九州運輸コロキアム「離島航路の現状と課題」開催報告[2022年12月13日(Tue)]
          第64回九州運輸コロキアム「離島航路の現状と課題」開催報告
            −離島航路の改善は離島住民との合意形成が不可欠−

 令和4年10月24日(月)、福岡市において第64回九州運輸コロキアムを開催しましたので、その概要を報告致します。

  〇 日 時 令和4年10月24日(月) 13:30 〜 15:00
  〇 会 場 オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階
  〇 講 師 九州産業大学 地域共創学部 地域づくり学科 講師 行 平 真 也 氏
  〇 テ−マ 離島航路の現状と課題
  〇 参加者 92名(会場参加者41名、オンライン参加者51名)
  〇 開催概要
 大黒伊勢夫氏「九州運輸コロキアム等実行委員長」の主催者挨拶及び鈴木史朗氏「九州運輸局長」の来賓挨拶の後、行平真也氏「九州産業大学講師」による講演が行われました。

『講演』
 離島航路は、本州・九州などの本土に附属する島である離島及び、離島と離島を結ぶ手段として全国に291の航路があり、離島住民の移動手段や物資の輸送を支えている。
陸上の多様な交通システムに比べて、離島への移動手段は航空路を除けば「船のみ」で、離島にとって船より大切な交通手段はなく、特に物資の輸送は航空路があっても船によるところが大きく、航路は島の生活に必要不可欠である。
 このため国では「海上運送法」「離島航路整備法」「(旧)国内旅客船公団法」の制定により、離島航路の維持改善に努めてきた歴史がある。特に島民の生活のため航路確保維持は重要となってくる。そのため赤字航路である126航路の離島航路に対し運営費補助として、欠損見込額全体の1/2を補助し、住民の大切な移動手段として国等が支えていることが説明されました。

HP用_1.png

 次に離島航路の現状として、離島の人口は年々減少傾向にあり、昭和50年は120万人であったが現在は半減しており、2019年4月では全国離島住民が約61万人となり、今は60万人を下回る状況にある。九州でも平成27年に31万人であったが現在30万人を下回っている。
 離島航路は全国で291航路あり、全国の約30%の85航路が九州の航路となっている。またその内、国庫補助航路となっているのは全国126航路、九州では約40%の50航路が国庫補助航路となる中、島民生活を支えている。全国の国庫補助航路推移は横ばいが続くが、九州では最近4航路が補助航路として新たに指定されている。
 補助航路の乗客数の推移は減少傾向であり、津久見市保戸島航路を事例として、島の人口減少は離島航路の乗客減に直結することが紹介されました。離島航路の現状は、深刻な少子高齢化、進学・就学に伴う人口減少による輸送人員の減少によるもので、航路運営事業者や地方公共団体にとって厳しい経営環境であり、航路の維持が困難となっている。しかし代替えの交通手段がなく、航路なしでは島民の生活が出来なくなることから廃止は絶対にできない。また、コロナ前は離島人口の減少分を観光客で補おうと観光振興に力を入れる島も多かったが、コロナ禍においては渡航自粛を呼びかける島も多く、利用者数の減少が著しく、事業者の経営はますます厳しくなっている状況が説明されました。

 個別航路の事例では、北九州市の小倉〜藍島、馬島航路の新型コロナ感染症拡大初期の離島航路の状況として、地域の特徴を生かし観光客の利用が多い航路であったが、観光客への来島の自粛や親族などの帰省の自粛により利用者が4割まで減少した事例が紹介されました。

 また、直近話題となったのは2022年10月に津久見市の保戸島航路が、民営から市営に転換を図った事例である。
 マグロで有名な保戸島だったが、人口減少と相まって高齢化が進み、輸送実績も減少傾向であった。そうした中、2021年5月に経営者の高齢化と船員不足により、航路事業者が撤退を表明したため、2021年7月15日に津久見市は同航路の運航に係る新規事業者の公募を実施したが、応募する事業者がなく津久見市が市営(運航は以前からの会社に委託(2024年9月末まで))として運営することとなった。
 航路運営に際しては、サービス基準の変更を行い、運航回数を「6往復/日」から「3往復/日」に減便、始発地を保戸島港から津久見港に変更した。しかし、2024年10月1日以降の運航体制は未定であることから、存続するために如何していくかが今後の課題であることが説明されました。

 最後に、今後の航路維持のための方策として、観光などによる交流人口の増加への取組み、部分的なデマンド運航の導入、燃料費や修繕費など船舶にかかるコスト削減や船員不足など対応ができる可能性がある小型船舶の導入などが考えられる。しかし、航路によって状況が異なっていることから、これら航路維持のための方策が、どの航路にも適用できるわけではない。例えば、海域や定員によっては既存の船舶を小型船舶に置き換えることが困難な場合もある。さらに船員確保の問題も大きくなっており、多くの離島航路の始発地が離島側にあるため、離島に住まなければいけないという問題もある。
 人口減少・少子高齢化において離島航路は厳しい状況に置かれているが、離島住民にとって欠かすことの出来ない交通手段であり、その維持・確保は最優先事項となっている。今後の航路改善に際しては、離島航路の最大の受益者である離島住民に対する丁寧な説明と合意形成が必要である。と締めくくられました。

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Posted by 九州運輸振興センター at 16:34 | コロキアム | この記事のURL

令和4年度「バリアフリー講習会in宮崎港」開催のご報告[2022年12月13日(Tue)]
        宮崎カーフェリーで乗組員などを対象にバリアフリー講習会を開催

 (公財)九州運輸振興センターでは、日本財団の支援と助成を受け、九州運輸局との共催により12月2日(金) 「バリアフリー講習会in宮崎港」を開催しました。 
 バリアフリー講習会は、宮崎県内の旅客船の乗組員や陸上員を対象としたもので、昨年に続き2回目となり、宮崎港フェリーターミナルと今年10月に新船として投入された「フェリーろっこう」を利用しての開催となりました。

 宮崎県内では今年4月と10月に宮崎〜神戸航路に新船が投入されるなど、海上航路のハード面での整備が進んでおり、来県者の増加が見込まれています。このため、高齢者、障害者等と直接接する機会が多い旅客船乗組員など24名が参加、高齢者や障害者等の困難を自らの問題として認識し、今後の対応に活かすことを目的に講習会に臨みました。

 講習は、座学と実技で実施され、座学ではエコモ財団高橋徹氏から、バリアフリー制度の説明と高齢者・障害者への接遇・介助に当たっての心構えなどの講義が行われました。
 また、障害者の日常等を知ってもらうために、高橋氏とNPO法人障害者自立応援センターYAH!DOみやざきの永山昌彦理事との直接対話方式により、公共交通機関の利用を始め日常の生活などを紹介して頂き、如何に障害者が活動するにあたり困難が多いかなど、生の声を聞くことができました。

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 実技では、一般社団法人宮崎県介護福祉士会の指導のもと、車いすのブレーキ操作など使い方の説明を受けた後、2つのグループに分かれ、車いすでのフェリーターミナル窓口受付体験、ターミナルから船舶への通路、エレベーター、タラップを使った移動、さらにフェリー内での移動や船内各部屋の施設を利用する際の障害を体験しました。
 また、NPO法人YAH!DOみやざきの障害のあるメンバーの協力を得て、実際に電動車いすを使い車からの乗り降りなどの体験を行いました。

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 参加者からは「声かけが大切だということがわかった」「車椅子の方の目線がわかったのでよかった」「この体験を今後の仕事に生かしていきたい」などの感想が上がり、参加者にとって貴重な機会となりました。

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Posted by 九州運輸振興センター at 15:40 | バリアフリー | この記事のURL

令和4年度簡易待合所の引渡しについて[2022年12月12日(Mon)]
        十島村の諏訪之瀬島で使用する簡易待合所を無償提供しました

 (公財)九州運輸振興センターは、鹿児島県十島村の諏訪之瀬島に設置する簡易待合所を製作し、鹿児島県十島村へ無償提供しました。
 これは、日本財団の離島活性化事業と連携した取り組みで、同財団が支援。11月15日に同センターの福山二也専務理事から十島村の福澤章二副村長へ目録が手渡され、引渡しが行われました。

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 十島村は、鹿児島市の南約200〜330キロメートルの海上に位置し、通称「トカラ列島(有人島7島、無人島5島で構成)」と呼ばれており、7つの有人島に約650人が生活しています。このトカラ列島への唯一の交通、輸送機関であり生活物資の輸送や島民の足として、鹿児島港南埠頭から「フェリーとしま2」が週2便運航しており、島民の方はこの船舶を利用し九州本土や奄美大島への移動を行っています。

 諏訪之瀬島は人口76人が暮らす島で、今でも活発に活動している火山を有しています。港には火山灰からの避難壕として、また、真夏の炎天下での強烈な日射や雨の日や風の日の風雨を避けフェリーを待つために待合所として2基設置されていましたが、その内の1基は激しい風雨や火山灰による老朽化が激しく、修理しても使用も出来なくなってきたことから、島民から簡易待合所の設置が強く求められていました。

 十島村では、その設置について検討を進めていましたが、財政上の事情等で設置できなかったことから、当センターへ相談、設置要望が出されたところです。
 その要望を受け、当センターの海運振興関連施設整備事業として、日本財団の離島活性化事業の一環としての支援と助成を受け、今般、諏訪之瀬島へ設置する簡易待合所を製作し、無償提供することとし、引渡しを行ったものです。

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 今回、引渡された「簡易待合所」は、九州本土から遠く、火山灰や風雨の厳しい場所に設置されることから、屋根部分を従来の鉄の骨組みテント生地張から、木製の骨組みの上にアルミ複合板の屋根とし、破損した際に地元住民でも容易に修繕ができるよう制作しています。

Posted by 九州運輸振興センター at 17:16 | 施設整備事業 | この記事のURL

海上モーダルシフト利用促進セミナー(2022年10月11日開催)報告[2022年10月19日(Wed)]
             海上モーダルシフト利用促進セミナー開催報告

 令和4年10月11日(火)福岡市において「海上モーダルシフト利用促進セミナー」を開催しました。
 本セミナーでは、九州発着の長距離フェリー及び内航RORO船の11社が一堂に会し航路概況等を説明する機会として全国で初めてとなりました。その概要を報告いたします。

 〇 日 時 令和4年10月11日(火) 13:30 〜 14:45
 〇 会 場 オリエンタルホテル福岡 博多ステーション
 〇 主 催 (公財)九州運輸振興センター、九州運輸局、九州トラック協会
     九州長距離フェリー協議会
 〇 後 援 JR九州
 〇 説 明 九州発着の海上輸送サービスの案内
   説明事業者 オーシャントランス梶A東京九州フェリー梶A阪九フェリー
         名門大洋フェリー梶A潟tェリーさんふらわあ、宮崎カーフェリー
         商船三井フェリー梶A日本通運梶A近海郵船梶A川崎近海汽船
         マルエフェリー
 〇 モーダルシフト支援施策の紹介
    説明者 九州運輸局 交通政策部 環境・物流課長 小山 充 氏
 〇 参 加 者 135名
 〇 資 料 @九州発着長距離フェリー、内航RORO船航路概要(11社)
     Aモーダルシフト支援施策について
 
 〇 セミナー概要

【主催者挨拶】
 鈴木九州運輸局長から、トラック事業が抱える課題として、トラック運転手不足への対応があり、特に時間外労働の上限規制が令和6年4月から適用される「2024年問題」への対応が喫緊の課題となっている。トラック事業における働き方改革を進め、労働環境・労働時間の改善が求められる。また、環境問題への対応として、温室効果ガスの排出量を削減し、カーボンニュートラルを推進する必要がある。さらに災害時の物資輸送への対応として、災害時に陸上輸送の継続が困難となった場合に、海上航路が救援資材や支援物資等の輸送に大きな役割を果たすことが期待されている。
 このような様々な課題へ対応するため、長距離フェリーや内航RORO船など海上輸
送の活用を図る「海上モーダルシフト」は極めて有効であると考えている。九州は関東、関西向けに多くの長距離フェリーや内航RORO船が就航しており、特にここ数年は、船舶の大型化が計画的に進められ、自動車航送能力が増強されるなど、海上モーダルシフトを進めるための環境が整っている。
 本日のセミナーで、荷主やトラック事業者にフェリー航路や運航ダイヤ、トラック積載台数など知っていただき、その活用に向けて検討いただく貴重な機会になると考えている。との挨拶がありました。

【九州発着長距離フェリー、内航RORO船航路概要等】
 九州を発着する長距離フェリー事業者6社、内航RORO船事業者5社から、船舶概要、運航航路・ダイヤ、積載能力、電源設備、船内設備、予約サービスやその他自社で特に提供するサービスなど各社から資料に沿って説明がありました。

【モーダルシフト支援施策について】
 トラックドライバーの働き方をめぐる状況では、少子高齢化の影響などでドライバー不足が喫緊の課題となっている。2024年度からトラックドライバーに関する時間外労働の上限規制が罰則付きで適用され、これまでの輸送が出来なくなる恐れがあり、特に市場から距離のある九州では大きな影響があると思われる。
 そのためモーダルシフトの対策を推進し、早急に物流の効率化を図ることは有効な対策の1つとなる。さらに2050年までにカーボンニュートラルの実現達成という政府の大きな目標がある。この目標達成に向けてもモーダルシフトの推進が必要となってくる。
 このような中、政府は昨年6月に新たな「総合物流施策大綱」を閣議決定した。この大綱では「簡素で滑らかな物流」、「担い手にやさしい物流」、「強くてしなやかな物流」の3つを柱とし取り組むべき施策を実施しているが、モーダルシフト推進も施策の大きな柱となっている。
 物流効率化、モーダルシフト等を推進するために物流総合効率化法が制定され、モーダルシフト等の取り組みを実施するにあたり国として支援策、補助制度が定められている。
具体的なモーダルシフト等推進事業は、計画策定経費の補助として、物流の効率化を始めてみようと思う意欲のある荷主・運送業者に対して、その方法を検討する会議の開催経費や試験的な運行を行うためのトライアル経費等を補助するもの。運行経費補助として、物流総合効率化法に基づく総合効率化計画の認定を受け、その計画に基づきモーダルシフトや幹線輸送の集約化を行う事業者に対し、初年度の運行経費の一部を補助するもの。効率化を進めたいが、コストアップの懸念を抱いて転換を迷っている荷主や運送事業者に、国が経費の一部を支援し転換に踏み切りやすい環境を提供するもの。
 物流総合効率化法の計画認定状況は、令和3年度末までにモーダルシフト事業として全国104件、そのうち九州が起終点となる計画は43件で、九州に関係する計画は全体の41%に当たり、九州でモーダルシフト推進の必要性がわかる結果となっている。
 令和4年度は5月10日から6月10日の1ヵ月間で募集が行われ、九州管内では計画策定経費補助が1件、運行経費補助が2件採択されており、毎年事業認定されている との説明があった。その後、認定事業の例が資料により解説があり、環境負荷の低減効果が大きく、また長距離ドライバーの負担軽減など働き方改革に繋がる省力化の効果も大きいということが認定の重要な点だと説明されました。

会場写真.JPG

〇 その他
 セミナー後、長距離フェリー事業者、内航RORO船事業者とトラック運送事業者において、セミナー時に説明できなかった詳細情報の交換が行われていました。
 この機会を通じ「海上モーダルシフト」への転換が進み、労働環境・労働時間の改善、環境問題への対応が一層促進されることを期待するところです。

Posted by 九州運輸振興センター at 17:34 | 企業経営基盤強化等セミナー | この記事のURL

2022(令和4)年度懸賞論文を募集しています[2022年10月04日(Tue)]
         九州圏の交通運輸・観光の発展につながる研究論文を募集しています
          
 (公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成を受け、九州圏における交通運輸・観光事業の発展及び地域経済社会の活性化に寄与することを目的に、以下の内容で「懸賞論文」を募集しています。締め切りが迫っております。どうぞ奮ってご応募ください。

○募集の趣旨
 本研究論文は、次世代を担う方たちの叡智を通じて、新たな切り口を発掘し、九州圏など(九州7県及び山口県)における交通・観光産業の一層の発展と地域社会の活性化に寄与するために実施するものです。

○テーマ等
 上記趣旨に沿ったもので、交通運輸・観光に関するもので、「創造性、独自性、発展性に富んだ提案・提言」を求めます。

○応募資格
 大学等(短期大学を含む。)の学生及び院生で、締切日における年齢が満35歳未満の方とします。なお、応募資格を有する方による共同執筆も可能になっております。

○応募方法
 応募方法の詳細につきましては、当センターホームページ「懸賞論文募集」内の「2022(令和4)年度(公財)九州運輸振興センター懸賞論文募集要項」をご覧下さい。

○表彰
 最優秀論文賞  副賞10万円(1編)
 優秀論文賞   副賞 5万円(若干編)

○応募締切
 2022(令和4)年11月25日(金) 必着

Posted by 九州運輸振興センター at 18:10 | 懸賞論文 | この記事のURL

第64回九州運輸コロキアム「離島航路の現状と課題」開催のご案内[2022年10月04日(Tue)]
          第64回九州運輸コロキアム「離島航路の現状と課題」開催のご案内

 この度、(公財)九州運輸振興センターでは、日本財団の支援と助成による「第64回九州運輸コロキアム」を下記により開催致します。
 九州地域の有人島は108島と全国416島の35.5%を占め、これら島への交通手段は多くの場合船を使ったもので、航路数は85航路と全国291航路の29.6%を占めています。
 また、赤字を国や地方自治体が補てんする国庫補助航路は、50航路で全国126航路の39.7%を占め、国庫補助事業者数は43者で全国112者の38.4%を占めています。
 このように離島が多い九州において、離島航路は人の移動に欠かせない交通手段であるものの、人口減少に伴う運賃収入の減少による運営状況の悪化、少子高齢化に伴う乗組員の確保難など、今後の運営に課題を抱えています。
 こうした状況を踏まえ、離島航路の研究をしている九州産業大学、地域共創学部地域づくり学科講師の行平真也氏をお招きし、「離島航路の現状と課題」をテーマにご講演頂きます。
 今回のテーマは、離島航路の運営に携わる皆様、航路維持にご協力をいただく皆様、離島航路を利用される皆様にとりまして、今後の事業の在り方などに直結した大変有意義な内容になっておりますので皆様のご参加をお待ちしております。


                        記

日  時 : 令和4年10月24日(月)13:30 〜15:00
会  場 : オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階
        福岡市博多区博多駅中央街4-23  TEL 092-461-2091
講  師 : 九州産業大学 地域共創学部 地域づくり学科 講師 行 平 真 也 氏
テ − マ : 「離島航路の現状と課題」
参 加 者 : 約50名(参加無料) Zoomによるオンライン配信も併用します。
参加申込 : お電話をいただくか、または当センターホームページのお問合せフォームにて、通信欄に「企業強化セミナー参加希望」と明記して、会社名・住所・電話番号・参加される方の役職名及びお名前を記入の上、令和4年10月21日(金)までにお申込み下さい。

※オンラインでの視聴希望の方は、下記のQRコードまたはURLよりお申し込みください。後日、視聴用URLをメールにてご連絡します。
なお、自由討議の時間での発言は会場参加者のみとさせていただきます。

【申込フォーム】 https://forms.gle/rcorGh1kLdAqeBZE7

64コロキアム.png

ritoukouroseminar.pdf

ryokyakusenseminar.jpg

Posted by 九州運輸振興センター at 18:05 | コロキアム | この記事のURL

第23回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)開催報告[2022年08月29日(Mon)]
          第23回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)開催報告

 令和4年7月28日(木)、福岡市において第23回海事振興セミナーを開催しましたので、その概要を報告致します。
 なお、今回の海事振興セミナーは、九州クルーズ振興協議会との共催として、同協議会総会の後に「九州クルーズセミナー」として開催致しました。

 ○ 日  時 令和4年7月28日(木) 14:20 〜 16:00
 ○ 会  場 TKPガーデンシティ博多新幹線口4−A
 ○ 主  催 公益財団法人 九州運輸振興センター、九州クルーズ振興協議会
 ○ 後  援 JR九州

 ○ 講  演
      テーマ@ Withコロナ時代のクルーズ振興
      講 師 大阪大学大学院 国際公共政策研究科長・教授  赤井 伸郎 氏
      テーマA 日本船クルーズの現状及び今後について
      講 師 商船三井客船 営業グループ グループリーダー 松本 士郎 氏
      テーマB 外国船運航再開に向けた取組について
      講 師 日本国際クルーズ協議会 副会長 糸川 雄介 氏
       
 ○ 参 加 者 96名
 ○ 資  料 @Withコロナ時代のクルーズ振興
        A日本船クルーズの現状及び今後について
        B外国船運航再開に向けた取組について

 ○ 講演概要
【Withコロナ時代のクルーズ振興】
 カジュアルクルーズは、規模拡大による一人当たりのコスト減、船の閉塞空間による安全性の確保などの魅力で世界的にヒットしてきた。しかし、コロナによる行動制限が逆効果となり苦しい状況となっている。環境問題・SDGsなどこれまでと違ったコスト増の中でもクルーズを牽引するアメリカを中心に一時回復しつつあったが、ウクライナ・ロシアの問題などの国際情勢や燃料高でのコストアップなどクルーズ業界では逆境が続いている。しかし今後、ICT化など革新的なアイデアによる飛躍的なイノベーションが進めばこの逆境は乗り越えられると考える。新しいことを求め挑戦していくことが重要だが、この先も感染症対策ガイドラインのアップデートなどは不可欠となる。クルーズでは寄港地それぞれの魅力、船ならではの効率的な島めぐり、限られた安全空間などポテンシャルは無限大であり、新しいITイノベーションに挑戦しやすい環境でもある、とクルーズ業界の直面する状況と今後の取組への期待が説明されました。

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約2年間クルーズの受け入れができてない上、関係者の異動等で受け入れの知識・経験の引継ぎがなされていない。港・寄港地観光先での受け入れにおいて意思疎通ができない、関係者の役割分担が決まっていない、コスト負担が決まっていないなどの課題が山積。関係者間で情報共有し協議できる仕組みをつくることが重要となる、そのための事例として約7年前からクルーズ客船誘致による地域活性化に向けた情報共有の取組みの紹介がありました。

 最後に、国際クルーズは敷居が高いので、まずは手軽なクルーズ体験の機会を創出する。フェリーでの洋上体験やフェリーチャーターなど市民クルーズで地域住民にクルーズの魅力を知ってもらう。特に九州・沖縄地域は多くの航路が存在することからクルーズコースのポテンシャルは高く、クルーズで島々を回るコースを実際に構築・発信し、地域住民に楽しんでもらう。このような経験を重ね、将来国際クルーズにもチャレンジしてもらえればクルーズ振興につながるだろうと、まとめられました。

【日本船クルーズの現状及び今後について】
 日本船クルーズは、1989年「ふじ丸」により始まり、日本籍船3隻が運航、60〜70歳代の日本の富裕層が主要顧客層で、1泊5〜8万円のプレミアムからラグジュアリーが市場であったが、2020年2月に横浜港で新型コロナによる事案が発生し、運休となった。その後再開に向け、検温・スクリーニング、食事の提供方法、寄港地のバスツアーの定員対策やPCR検査の実施、濃厚接触者アプリ導入、全室に空気清浄機設置、抗菌フィルター導入などの設備投資、環境衛生管理者の取得などの対策を行い2020年10月にはクルーズが再開した。配船に関しても21年度までは国内のみだったが、今年度からは外航クルーズが開催の予定となっている。寄港地も大きな港から現在は離島などにも寄港、泊数も3泊4日から開始し徐々に増やし、今は最長で47泊。定員も4割の200名から開始し、隔離部屋10%を除き9割まで販売している、などの現況が報告されました。

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 商品の企画販売では、泊数、寄港地、船内運営等のしばりがあり、寄港地においても祭りなどの開催できないなど厳しい状況だが、お客様に楽しんでもらうために花火を上げる、シェフが目の前で調理するなど創意工夫を心掛け、港湾関係者とも連携をしっかりとるようにした。これにより当初、WEB系代理店からの送客が多かったがリピーターの創出となり、現在では長い舶数も含め9月まで完売、それ以降も博多発着は好調な状況となっている、との報告がなされました。

 最後に、カイドラインの改訂に伴い、感染症対策の見直しや船内運営の見直しに努め、今後のチャータークルーズへの対策を行う。また、港湾とのパートナー関係を互いに認識しあい連携していく。さらに増加の予想されるインバウンドなどのニーズに応えるために、日本船らしいきめ細かなサービスなどの戦略に取組む。現在を乗り切ることから、ゼロコロナに向け前進するためには、関係者との協力が不可欠である、と締めくくられました、

【外国船運航再開に向けた取組について】
 国際クルーズ船の日本発着・寄港を活性化し日本におけるクルーズ振興や地方再生に寄与することを目的に、2021年4月に「日本国際クルーズ協議会」が設立された。日本に事務所を置くのは、外国クルーズ船社8社9ブランドの正会員、さらに準会員で構築される外国のクルーズ商品販売総代理店、旅行会社、船舶代理店、ランドオペレーター29社となっている。2022年に日本発着国際クルーズを再開、2024年までにクルーズ人口を2019年同等比(35万人)まで復活することを目標としている。現在、クルーズ再開に向け政府と港湾管理者が連携し運航再開に向けた共通手順の整備、港湾管理者との意見交換などを行い、実働は広報委員会、オペレーション部門など5部門の体制であるが、現状ではクルーズ再開ワーキンググループ活動が始まっていることが説明されました。

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 2020年3月全世界で運航中止になった国際クルーズは、2020年6月ノルウェーでの国内クルーズが開始され、8月にイタリア・ドイツ、10月に日本、12月にシンガポールと順次再開されたが、その地域住民のみを対象とした国内クルーズだった。2021年5月に最大の市場である北米がスタートしクルーズブーム再来となったが、感染対策の同じレベル地域での運航、乗客定員を削減しての運航となった。現在は、北米、南米、欧州、中東、オセアニアで国境を跨ぐクルーズが再開されているが、日本、シンガポールなどアジアでは国内クルーズに限られている(今月からシンガポール/マレーシア間が再開)。国際クルーズは国境を越えて移動することが大きな魅力であるが、現状アジアでは国境を跨ぐクルーズの再開は遅れている。このように外国船社の運航状況と再開に向けた動きの説明がありました。

 国際クルーズ関係者は日本での国際クルーズの1日も早い再開を願っているが、@新たな外航クルーズ感染予防対策ガイドラインの作成、Aカボタージュ規制、B現在の法制度では通常の検疫が適用される水際対策では、検疫法及び国内感染症法にも続く分類のルールが最大の課題となっている。感染対策は国により異なるため日本の対策との乖離が大きい。ここをどう乗り越えていくか厚生労働省等との協議を継続している。また、2020年10月での日本での国際クルーズ再開が期待されたが、日本を含むアジアは受け入れ基準が厳しいため遅れている。しかしアメリカ・ヨーロッパ市場が動き出したことで世界の動静が変わり、日本でも早急に再開しなければ、クルーズ市場に出遅れるとの危機感がある、など日本での国際クルーズ再開の見通しの説明がありました。

 最後に、運航に向けた感染対策は、基本的には日本船社の基準で外国船社にも行っている。船内に持ち込まないための「ワクチン接種や事前の検査」、もし持ち込んだ場合には「感染拡大をさせない」、「発生時の港の機関との緊急時対応」、「感染地域への寄港を避け、観光客の現地での管理」、「定期的検査、上陸時の管理など乗組員のリスク管理」の5つの柱で行っている。また、各国の感染対策が微妙に違う場合は合わせ実施することが重要となる。ワクチン接種も当初は義務付けだったが徐々に緩和され、スクリーニング、寄港地管理なども緩和となり、感染対策のハードルは高かったが少しずつ低くなっている。地域住民に感染対策をきちんと説明することにより、国際クルーズの再開に向けた機運を高めていきたいと締めくくりました。

 今回の海事振興セミナーは、九州クルーズ振興協議会メンバーの一部の方々に会場参加いただき、その他の方々はWEBでの講聴となり、クルーズ振興等の関係者96名が参加されました。

Posted by 九州運輸振興センター at 14:28 | 海事振興セミナー | この記事のURL

第23回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)開催のご案内[2022年07月22日(Fri)]
        第23回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)開催のご案内

 この度、九州クルーズ振興協議会と(公財)九州運輸振興センターは日本財団の支援と助成を受け、第23回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)を下記のとおり開催することに致しました。
 九州へのクルーズ船の寄港回数は2017年までは順調に増加し、その後、中国クルーズ市場の急拡大に対応した各船社の配船が急増した結果、採算性の悪化等により寄港回数が減少傾向にありました。さらに2020年に入り新型コロナウイルスの影響により急激に減少し、一時は各船社ともクルーズ船を休止する状況となっていました。
 しかし、2020年秋からは「新しい生活様式」での経済活動に対応し、「外航クルーズ船事業者の新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」が策定され、それを踏まえた国内クルーズから徐々に運航が再開されています。
 このような状況下、九州におけるクルーズ客船誘致活動の取組みに寄与できるよう、専門の講師をお招きし、クルーズの再開に向けた情勢等を講演頂くことに致しました。
 本セミナーは、クルーズ船寄港誘致に取組まれる方々を始め関係者の皆様にとって、今後の活動等のお役に立つものと確信しております。
 なお、会場の都合で講演はオンライン配信のみとさせていただきます。業務ご多忙の折ではございますが、多くの方に聴講頂きますようご案内申し上げます。

                      記
        〇日  時 :令和4年7月28日(木)14:20 〜 16:00
        〇プログラム:テーマ@Withコロナ時代のクルーズ振興(仮)
                講師:大阪大学 国際公共政策研究科長・教授 赤井伸郎氏
                テーマA日本船クルーズの現状及び今後について
                講師:商船三井客船株式会社 営業グループ
                             グループリーダー 松本士郎氏
                テーマB外国船運航再開に向けた取組について
                講師:日本国際クルーズ協議会 副会長 糸川雄介氏
        〇参加申込 :下記のURLまたはQRコードより7月27日(水)までに
                お申し込み下さい。
                 URL:https://forms.gle/pyyPvqGP5EXAjifYA

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Posted by 九州運輸振興センター at 15:01 | 海事振興セミナー | この記事のURL

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