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九州経済圏における交通及び観光の振興と近代化を図るための事業を行い、もって地域経済の均衡ある発展に寄与し、あわせて民生の安定に資することを目的として、調査研究事業、施設整備事業、その他広報啓発等事業を柱に活動しています。

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企業経営基盤強化等セミナー(事業承継セミナー)開催報告[2024年09月05日(Thu)]
              企業経営基盤強化等セミナー開催報告

 令和6年8月28日(水)、福岡市において企業経営基盤強化等セミナー(「事業承継セミナー」)を開催しましたので、その概要を報告致します。

   〇 日  時 令和6年8月28日(水) 13:30 〜 15:30
   〇 会  場 オリエンタル福岡 博多ステーションホテル3階 YAMAKASA
   〇 主  催 公益財団法人 九州運輸振興センター
   〇 後  援 JR九州
   〇 協力団体 九州旅客船協会連合会 九州地方海運組合連合会
            全国内航タンカー海運組合西部支部
   〇 プログラム(講演のみ)
     第1部(20分) 
     講師 九州産業大学 地域共創学部地域づくり学科 准教授 行平真也氏
     テーマ 「九州管内における海運事業者の事業承継の現状について」       
     第2部(80分) 
     講師 福岡県事業承継・引継ぎ支援センター 
        サブマネージャー 廣門 和久 氏(中小企業診断士)
     テーマ 「〜円滑に事業承継を進めるため、今から準備を始めませんか?〜」
   〇 参 加 者 会場23名、オンライン参加31名 合計54名

   〇 概  要

【第1部:九州管内における海運事業者の事業承継の現状について】 
 離島を多く抱える九州地域において、生活物資の運搬や人の移動を担う海運事業者は重要な役割を担っているが、少子化、高齢化が急速に進む中、労働力不足や後継者不足が大きな課題となっている。これを受け、事業承継に関する現状や課題を把握することを目的とし昨年度、九州運輸振興センターからの委託によりアンケート調査を実施した。
 経営者年齢別の後継者の決定状況について、「後継者は決めていないが、事業は継続したい」という回答において、経営者が50歳未満では40.9%、70歳以上の経営者でも15.4%となっている。
 「既に後継者を決めている」についての回答では経営者の年齢が上がるほどその割合が高く70 歳以上では40.4%となっている。
後継者を決めていない理由として、「これから検討を始める予定」との回答が最も多かったが、「適当な後継者が見つからない」「子・親族に事業を継ぐ意思がない」「事業を継ぐ子・親族がいない」などの理由もみられた。
また、「後継者は決めていないが事業は継続したい」と回答した者において、事業承継を行うにあたっての障害・課題では「後継者の探索・確保」を挙げる者が多く、後継者の確保が重要な課題となっている。
さらに、「事業承継について相談を行っている」と回答した者はわずか14.0%で、その相談先としては、税理士、会計士、金融機関が多かった。
 今回の調査結果をもとに考察すると、事業承継の進め方や支援策について、事業者に知見が得られているのかが懸念される。
 今後も事業を継続するにあたり、第2部での講演を含め本日のセミナーが事業承継を考えるきっかけになれば幸いである。
行平講師.png

【第2部:〜円滑に事業承継を進めるため、今から準備を始めませんか?〜】
 事業承継とは現経営者から後継者への事業のバトンタッチを行うことであり、企業がこれまで培ってきたヒトやモノ・カネのほか、目に見えにくい経営資源(知的財産)を含め、様々な資源を引き継ぐことである。事業を渡す者(現経営者)は、引き継ぐ者(後継者)ができるだけ順調に事業運営が行えるように多面的に事業を磨き上げるとともに、支援を行う必要がある。後継者は伝統を守りつつ、新たな知識・技術を用いて事業の成長を遂げなければならず、事業承継は会社の存続において極めて重要な課題である。
 事業承継の成功のカギは「バトンタッチの日」を決めることであり、「ゴール」を決めることから始まる。
 事業承継は親族内承継、従業員承継、第三者承継の3つに分けられる。事業承継の現状として、1983年以前は後継者の大半が親族だったが、近年は従業員と第三者承継が大幅に増加している。そして、日本において事業承継が遅れているということをまず認識しなければならない。
 事業承継の進め方は3つそれぞれではあるが、親族内承継、従業員承継については事業承継に向けた必要性を認識し、事業承継の意思を固めることから始まる。その後は、経営状況・経営課題の把握(見える化)、事業承継に向けた磨き上げを行い、段階を踏みながら進めていくのが一般的。
 第三者承継については、まずは相談・検討といった準備段階から交渉段階、実行段階へと進めていくが、M&Aの成功の鍵で重要なのは、最初の取り掛かりである。ここではその業界に強いアドバイザーをつけるということが大きなポイントとなるが、何れにしても早め早めに動いていくことが重要。
 事業承継に関する支援策として国や県等でも補助金や税制面での支援メニューを用意している。各支援メニューにおいて、補助対象となる経費や補助率、補助上限、申込受付期間などが異なるので、詳細は各機関のHP等により確認願いたい。
 福岡県事業承継・引継ぎ支援センターは国が設置する公的相談窓口であり、事業承継計画書の策定支援のほか情報提供、マッチングなども無料で行っており、中小企業の事業承継に関するあらゆる相談に対応している、と締めくくられた。
廣門講師.JPG

 現在、交通運輸・観光事業者を取り巻く経営環境は、人手不足、物価高、燃料油価格の高騰など多くの課題があります。そうした中、将来にわたりその活力を維持していくためには、円滑な事業承継によって事業価値をしっかりと次世代に引き継ぎ、事業活動の活性化を実現することが不可欠といえます。今般のセミナーが皆様の今後の事業運営にお役立ていただければ幸いです。

Posted by 九州運輸振興センター at 10:46 | 企業経営基盤強化等セミナー | この記事のURL

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