平成28年新春講演会 報告[2016年02月09日(Tue)]
福岡で新春公演会を開催
〜第1部「トラック事業を取り巻く課題」〜
〜第2部「本 年 の 経 済 見 通 し」〜
〜第2部「本 年 の 経 済 見 通 し」〜
(公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成を受けて、平成28年2月4日(木)、福岡市において、福ト協政策研究会(会長 三村彰一:(公社)福岡県トラック協会副会長)との共催による、「平成28年新春講演会」を開催いたしました。
当日は、トラック事業者、港運事業者、海運事業者等の物流事業者をはじめ九州各地から、
200名を超える参加がありました。
はじめに主催者を代表して、当センターの田中会長の開会挨拶、竹田浩三九州運輸局長の来賓挨拶のあと講演に入りました。
講演は、(公社)全日本トラック協会理事長の福本秀爾氏による「トラック事業を取り巻く課題」。次いで、日本銀行福岡支店長の秋山修氏による「本年の経済見通し」の2部構成で行われました。
第1部では、福本理事長から、労働基準法改正法案を視野にトラック運送事業における労働条件改善に向けた全日本トラック協会の取組み等について説明がありました。
トラックドライバーの長時間労働の改善においては、荷主都合による手待ち時間等も大きく影響しており業界の自助努力だけでは困難なことから、都道府県毎に主要荷主等も参画した「トラック運送における取引環境・労働時間改善協議会」を設置し、トラック運送における実態調査を基に、長時間労働改善の普及・定着までの各種検討・取組み(パイロット事業(実証)の実施、対策の具体化、長時間労働改善ガイドラインの策定・普及)等について説明がありました。
また、労働時間遵守対策の一環として昨年9月からフェリー乗船時間を全て休息時間とする取り扱いとしたフェリー特例の活用、18歳から運転することが可能となる「準中型免許制度」の創設、NEXCOが実施するETC2.0利用者に対する高速道路料金割引の臨時措置、トラック運送事業にかかる平成28年度予算概算要求や税制改正などについて解説がありました。
第2部では、秋山支店長から、まず、ニュース等でも大きく取り上げられている日本銀行が1月29日に発表した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入・金融政策について、昨今の我が国の経済情勢等に触れながら説明がありました。マイナス金利が実施されるのは、日本銀行に当座預金を開設している金融機関の当座預金の一部(政策金利残高)について実施されるもので、個人や企業の銀行預金とは別な話であること。また、日本銀行は、これまで消費者物価指数2%に向けた「量的・質的金融緩和」の導入を行ってきており、企業や個人のマインドは前向きではあるが、原油価格の低下や中国や新興国の景気低迷など海外経済の減速の影響など懸念されることから、今回、これまでの経済・物価見通しを修正し、デフレマインドの脱却、賃上げ、設備投資等を促すための金融調整の手段とし実施されたものであるといった説明がありました。
次に九州の経済情勢については、緩やかに回復しているが、公共投資の減少、新興国経済の減速による一部輸出への影響など懸念材料もある。また、全国と比べて人口減少が進む中、福岡へ一極集中しており、福岡の活況を如何にして周辺地域に広げていくか、また、中国・韓国からのインバウンドを如何に旅行消費に繋げていくかといったことが今後の課題であり、九州全体の活性化を図るためには、魅力あふれる地域資源を活用しいろいろなストーリーでつなげる回遊型観光など地域間連携が重要となっているとの説明がありました。
資料の最後には、福岡に赴任された後、九州地域を回られ秋山支店長が自ら撮られた魅力あふれる「九州の地域資源」の写真28枚も掲載頂きました。
講演会は、参加された物流事業者の方々の事業経営に直接関係するものであり、また、ホットな話題の解説などもあり、大変有意義なものとなりました。