第13回海事振興セミナー 報告[2013年08月06日(Tue)]
「船舶事故ハザードマップ」は、船舶事故防止に大きな効果!
〜第13回海事振興セミナーを開催しました〜
(公財)九州運輸振興センターでは、日本財団の助成により、7月29日(月)、福岡市において、国土交通省運輸安全委員会事務局長玉木良知氏、次席船舶事故調査官金子栄喜氏、門司事務所長大山繁樹氏、長崎事務所事故調査調整官牧野陽一氏の4名を講師に迎え「第13回海事振興セミナー」を開催しました。
国土交通省運輸安全委員会では、港の出入り口や船舶輻輳海域などでの船舶事故をはじめとして、年間1,000件余りの船舶事故を調査し、事故原因やその防止策を内容とした事故等調査報告書を取りまとめ、船舶事故の再発防止に係る提言等が行われていますが、同委員会では、当該報告書をさらに活かすため、これを基に、海事関係者が利用しやすくかつ船舶事故防止促進に役立てるため「船舶事故ハザードマップ」を作成されました。
事故の概況や事故原因さらには事故防止対策などを内容とした船舶事故報告書が事故防止に多大の貢献ができるものであるにもかかわらず、その内容が膨大であることなどにより、関係者がこれを利用する機会が少なったことから、この報告書を活かし、地図上で事故の発生状況や発生密度を示し、また、地図上の事故地点のマークをクリックすることでその事故概況、事故原因、事故防止策などが容易にわかるように、報告書を整理、「見える化」することにより、できるだけ多くの関係者に活用してもらい、船舶事故防止の促進を図ることを目的に、海運業界、漁業界などの関係業界や航海訓練所、海洋関係大学・教育機関等の多くの関係者から意見・要望を取り入れて「船舶事故ハザードマップ」が作成されました。
今回のセミナーでは、実際にこのハザードマップを使用しながら、九州一円における事故の発生状況・事故原因・事故防止策や、九州各地において発生した貨物船、旅客船、漁船、プレジャーボートなど船種別の個別の事故事例ごとに、また、これに収録されている重大事故等の事故に至る経過等をC.G(コンピュータグラフィック)を用いて、その使用方法・容易さ、効果の大きさなどを説明するとともに、このハザードマップを有効活用し、航行予定水域における船舶事故の発生状況、事故原因等を予め把握し、実際に船舶が航行する際の事故防止などに努めてほしいとの要請がありました。
参加者からは、「参加するまではハザードマップの効用が見えなかったが、説明を聞いて、大変利用しやすく、安全運航の確保には非常に有効なものであり、早速、自社で活用したい」など、積極的な活用を図る意向の声が多く聞かれました。
なお、当日は、参加予定100名を大きく上回る160名の方が参加した大盛況なセミナーとなりました。
※当日の講演録は、Canpan事業成果物の「第12~13回海事振興セミナー プログラム、講演録」のページの一番下の「事業成果物」→「第13回海事振興セミナー プログラム、講演録」からがご覧になれます。