• もっと見る
九州経済圏における交通及び観光の振興と近代化を図るための事業を行い、もって地域経済の均衡ある発展に寄与し、あわせて民生の安定に資することを目的として、調査研究事業、施設整備事業、その他広報啓発等事業を柱に活動しています。
<< 2025年11月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
カテゴリアーカイブ
最新記事
プロフィール

九州運輸振興センターさんの画像
リンク集
https://blog.canpan.info/ktrc/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/ktrc/index2_0.xml
「陸・海・空の多様な輸送モードを活用したモーダルシフトによる 物流効率化セミナー」開催案内[2025年11月12日(Wed)]
 この度、(公財)九州運輸振興センターでは、九州運輸局、九州トラック協会との共催により、「陸・海・空の多様な輸送モードを活用したモーダルシフトによる 物流効率化セミナー」を下記により開催することとなりました。
 本セミナーでは、各輸送モードの専門家をお招きし、内航海運、鉄道、航空輸送の活用事例や最新動向をご紹介いただきます。
企業の経営戦略を考える上で、物流の最適化は重要な鍵となります。本セミナーが、皆様の事業の一助となれば幸いです。ご多忙の折とは存じますが、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

1.日時:令和7年11月19日(水) 13:30〜15:30
2.会場:オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階 YAMAKASA
3.主催:九州運輸局、九州トラック協会、(公財)九州運輸振興センター
4.後援:九州地方倉庫業連合会、九州冷蔵倉庫協議会、九州冷凍事業協議会、九州長距離フェリー協議会 
5.概要:<情報提供>
      JILS調査から読み解く物流2024年問題の影響と取組の方向性(公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会)
     <各輸送モードの取組発表>
     @海運モーダルシフトの活用について(国土交通省海事局内航課)
     A貨物鉄道輸送の現状(日本貨物鉄道株式会社)
     Bモーダルシフトにおける航空輸送の活用(日本航空株式会社)    
6.申込:参加費:無料、定員:約150名
会場の都合等がございますので、11月14日(金)17:00までに下記申込フォームよりお申込み下さい。なお、申し込みが定員に達した場合は、ご希望に添えないこともございますので、あらかじめご了承をお願いします。
↓↓↓
申込みフォーム

Posted by 九州運輸振興センター at 09:59 | 企業経営基盤強化等セミナー | この記事のURL

「バリアフリー講習会in鹿児島新港 奄美・沖縄フェリーターミナル」開催報告[2025年11月11日(Tue)]
 高齢者、障害者等が安心して日常生活や社会生活を送れるようにするためには、施設整備(ハード面)だけではなく、その困難を自らの問題として認識し、心のバリアを取り除く「心のバリアフリー」の取組を広げることが重要です。
 当センターでは、この「心のバリアフリー」社会の実現を目指し、九州運輸局との共催により、令和7 年10 月29 日(水)、鹿児島新港奄美・沖縄フェリーターミナルにて、旅客航路事業に従事する船員等を対象に「バリアフリー講習会」を開催いたしましたので、その概要をご報告いたします。

〇開催概要
1.開催日時:令和7年10月29日(水) 9:00〜11:55
2.開催場所:鹿児島新港奄美・沖縄フェリーターミナル、マルエーフェリー会議室、クイーンコーラルクロス(船内)
3.対 象 者:鹿児島県内の旅客航路事業に従事する従業員(職員)等 36名
4.目 的:講話および車いす・高齢者疑似体験を通して、バリアフリー及び介助等に対する理解を深め、助け合いの心を醸成する(心のバリアフリー社会の形成)
5.共 催:九州運輸局と公益財団法人九州運輸振興センター
6.協 力:鹿児島県旅客船協会、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団、障害者の生活と権利を守るかごしまの会、鹿児島県介護実習・普及センター、マルエーフェリー株式会社、マリックスライン株式会社、鹿児島県、鹿児島市、国土交通省九州地方整備局
7.プログラム(9:00〜11:55)
  9:00 開講式(主催者挨拶等)
  9:10 座学(「旅客船事業者に求められること」)
     講師:公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団
     障害者の生活と権利を守るかごしまの会
  10:00 体験学習(「高齢者疑似体験学習および車いす体験学習」)
     講師:鹿児島県介護実習普及センター
  11:40 閉講式(質疑応答、体験者の感想・講評)
8.講習概要
 参加者は、座学と実習を通じ、高齢者や障害者の方との接し方・注意点などを学ぶとともに、令和6 年4 月から事業者に義務化された合理的配慮への提供に適切に対応にするため、障害者差別解消法についても知識を深めました。
 座学では、まず、交通エコロジー・モビリティ財団の高橋徹氏より「旅客船事業者に求められること」と題して、「エコモ財団の活動」や「バリアフリー法」及び「障害者差別解消法」等について解説がありました。

バリアフリー写真4.JPG


 合理的配慮の提供にあたっては、障害のある方と事業者等との「建設的対話」が重要であり、対話を重ねながら相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが求めらます。
 社会には多様な人々が存在することを前提に、障害の種類ではなく、その人が何に困っているかに着目することが大事である。また、最適な接遇・介助に繋げるため、以下のような心構えが求められます。
 ・お客様の人格を尊重することは、接遇・介助において最も重要で基本的なことである。
 ・お客様の困難に気づき、勝手な思い込みや判断をせず、何を必要としているのかニーズを的確に把握すること。
 ・お客様ができることは自主性に任せ、介助は必要な部分のみにとどめること。
 これらの研修を通じて正しい知識や技術を身につけ、必要なサポートを提供できるようになって欲しいとの期待が示されました。
 続いて、橋講師の司会進行のもと、障害者の生活と権利を守るかごしまの会の所ア事務局長(車椅子利用者)ほか要氏(知的障害者の保護者)、春田氏(視覚障害者)による座談会が行われました。
 ご自身の障害の特性や日常生活で不便を感じる場面、旅客船の利用状況や移動時に困っていること、注意していること、交通事業者の良かった対応、困った対応など、当事者目線での移動における困りごとや旅客船事業者に知ってほしいことなど貴重なお話が紹介されました。
 次に、体験学習では、鹿児島県介護実習普及センターの指導のもと、フェリーターミナル及び船内での移動におけるバリアを体感し、適切な接遇・介助に必要な知識や技術を身につけることを目指しました。
 まず、高齢者疑似体験学習では、体験用キットを装着し、フェリー「クイーンコーラルクロス」船内での移動などを通じて、加齢による身体機能の低下が移動に及ぼす影響や身体的負担について学習しました。

バリアフリー写真1.JPG


 さらに段差や通路の傾斜などが車いす使用者にとって、大きな障
壁となること、上肢に障害がある場合、手腕による操作や作業が難しく、エレベーターやトイレ、券売機等の操作ボタンが困難な場合があること等を学習しました 。

バリアフリー写真3.JPG


 高齢者や車いす使用者等への対応にあたっては、利用者の要望を的確に把握し、利用者が何を必要としているのかよく確認することが大切であり、 利用者の立場に立った対応を行うことの重要性をあらためて確認しました。

バリアフリー写真2.JPG


 参加者からは、
 ・普段、段差や坂道をあまり気にするようなことはないが、高齢者や障害のある方にとっては、ほんのちょっとした段差でもバリアになるということがわかった。
 ・バリアフリーや合理的配慮の提供について年々浸透していると感じていたが、当事者の話を聞いて、まだ当事者にしかわからない課題が残っていると実感した。
 ・座学で「もう少し係の人から進んで手助けをしてもらえるとありがたい」という声を聞き、率先してコミュニケーションをとることの大切さを感じた。
 ・どういう声かけが助かるのか、どの場面で時にサポートが必要なのかを、座学と体験を通じて確認できた貴重な機会だった。
といったような感想が寄せられ、高齢者や障害のある方の特性を理解し、配慮ある接し方を考えるうえで、心のバリアフリーの重要性を再認識する貴重な機会となりました。


〇2024年度センター調査より「旅客航路事業者における障害のあるお客様への合理的配慮に関する事例集」も是非参考にしてください。

Posted by 九州運輸振興センター at 17:11 | バリアフリー | この記事のURL

第66回九州運輸コロキアム 開催報告[2025年09月08日(Mon)]
 令和7年8月29日(金)、福岡市において第66回九州運輸コロキアムを開催しましたので、概要を報告いたします。
本コロキアムは、公益財団法人九州運輸振興センターが日本財団の支援・助成を受けて実施したもので、少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、持続可能な地域産業の維持・発展に向けた外国人材の活用をテーマに、制度の最新動向や現場での取り組みについて情報共有を行いました。

○ 日  時 令和7年8月29日(金) 13:30 〜 15:30
○ 会  場 オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階「YAMAKASA」
○ 主  催 公益財団法人 九州運輸振興センター
○ 後  援 JR九州、西日本鉄道
○ プログラム
【開会挨拶】
公益財団法人九州運輸振興センター 理事/実行委員長 大黒 伊勢夫 氏
【講演1】
講 師:福岡出入国在留管理局 就労・永住審査部門 統括審査官 佐藤 聖樹 氏
テーマ:特定技能制度について
【講演2】
講 師:(公社)全日本トラック協会 常務理事 山ア 寛 氏
テーマ:特定技能外国人ドライバーについて
【事例発表】
登壇者:叶シ鉄ホテルズ ソリューション本部人財マネジメント部長 河原 政志 氏
テーマ:外国人材と共に働く
〜外国籍社員との“すれ違い”はなぜ起きる?現場で見つけた答え〜
登壇者:西鉄エアサービス梶@代表取締役社長 木津 勇治 氏
テーマ:航空分野における外国人材活用事例について

<質疑応答・意見交換>

○ 参 加 者 運輸・観光事業  62名

【講演・事例紹介概要】
 佐藤統括審査官(福岡出入国在留管理局)からは、在留外国人数や在留資格、外国人労働者数の内訳、政府の基本方針、特定技能制度の対象分野、自動車運送業分野の制度概要、地域の共生施策との連携、受入れ機関と登録支援機関流の基準や義務、届出制度、育成就労制度の位置づけ、技能実習に関する経過措置のイメージ、特定技能制度の運用状況などについて体系的な説明があり、参加者にとって実務に直結する有益な情報提供となりました。

 山ア常務理事(全日本トラック協会)からは、深刻化するドライバー不足への対応策として導入された特定技能制度について、導入の背景、全日本トラック協会の取組、受入事業者の要件、登録支援機関活用のポイント、特定技能1号評価試験の実施状況や、外国免許から国内免許への切替手続き(事前準備、流れ、取得後の留意点)、導入に伴う費用の目安など、実務面での留意点が具体的に示されました。また、制度運用を支える「自動車運送業分野特定技能協議会」の役割や、業界としての支援体制についても言及があり、制度の活用による持続可能な人材確保と業界全体の安定化への期待が示されました。

HP用写真_全体.JPG


 河原部長(叶シ鉄ホテルズ)からは、「外国人材と共に働く」と題し、同社における外国籍人材活用の取り組みについて紹介がありました。事業展開と4ブランドの紹介に続き、外国籍社員の国別内訳や2000年以降の変遷が示され、2022年には海外サポート部を新設し、管理体制を強化。優秀な外国籍人材の長期就労や管理職登用も視野に、精度の高い支援体制を構築しています。2024年10月には自社で特定技能「登録支援機関」を取得。実務面では、帰属意識の違いや言語表現の曖昧さによるすれ違いを防ぐための対応を徹底しており、文化的背景への理解と、率直なコミュニケーションの重要性が提言されました。

HP用写真_河原講師.JPG


 木津社長(西鉄エアサービス梶jからは、航空分野における外国人材活用事例について紹介がありました。同社では特定技能1号により、2024年にフィリピン籍2名、2025年にインドネシア籍4名、さらに同年10月にフィリピン籍4名の採用を予定しており、在留資格や国籍別の社員構成も紹介されました。また、空港グランドハンドリング協会の調査結果をもとに、高度人材(技人国)資格を有した外国人材が活躍している一方で、特定技能制度を活用する事業者が増加傾向にあるとの報告がありました。その後、特定技能外国人材の受入れに必要な準備(求人票の作成から入社、運転免許取得等に至るまでのプロセスやスケジュール)、求められる日本語レベル、住居・生活備品等について具体的な説明がありました。導入にあたっては、十分な準備期間の確保、送り出し機関・国の選定に対する慎重な対応、社内窓口の整備、文化理解の重要性が強調されました。特定技能制度はコスト削減を目的とするものではなく、持続可能な人材確保の手段として捉えるべきとの提言がありました。

HP用写真_木津講師.JPG


 会場参加者を交えた意見交換では、制度運用に関する具体的な質問や、地域における受入体制整備のあり方などについて活発な議論が行われました。特定技能制度の実務的課題や、社内体制の整備の必要性が共有され、特に、文化的背景の違いへの理解促進や、受入れ後の定着支援の重要性が強調されました。単なる人材確保に留まらず、持続可能な雇用環境の構築に向けた取り組みの必要性が改めて認識されました。

【センターより】
 運輸・観光分野では、少子高齢化による人手不足や訪日客の多様なニーズへの対応が課題となっており、外国人材の活用は現実的かつ重要な選択肢となっています。制度整備や支援策が進む中、単なる労働力としてではなく、共創の担い手としての外国人材の可能性が注目されています。

Posted by 九州運輸振興センター at 15:11 | コロキアム | この記事のURL

第66回九州運輸コロキアムの開催案内[2025年08月12日(Tue)]
 この度、九州運輸振興センターでは、日本財団の支援と助成により、運輸・観光業における喫緊の課題である人手不足の解消をテーマに、「運輸・観光業における外国人の活用について」を掲げ、「第66回九州運輸コロキアム」を下記のとおり、開催する運びとなりました。
 本コロキアムでは、外国人材の活用に関する最新の動向や成功事例、制度に関する情報などを幅広く共有し、外国人材の活用を検討されている皆様にとって有益な機会となることを願っております。   
 つきましては、ご多忙のところ誠に恐縮ですが、ご関心をお持ちの皆様には、ぜひご参加いただきたく、お願い申し上げます。
                               

                    記
 ◎日  時 : 令和7年8月29日(金)13:30 〜15:30
 ◎会  場 : オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階 YAMAKASA
         福岡市博多区博多駅中央街4-23
 ◎講演等の概要
 13:40 <講演1> 
     テーマ:特定技能制度について
     講 師:福岡出入国在留管理局 就労・永住審査部門 統括審査官 佐藤 聖樹 氏
 14:10 <講演2>
     テーマ:特定技能外国人ドライバーについて
     講 師:(公社)全日本トラック協会 常務理事 山ア 寛 氏
 14:30 <事例発表1>
     テーマ:外国人と共に働く
     講 師:(株)西鉄ホテルズ ソリューション本部人財マネジメント部 部長 河原 政志 氏
 14:50 <事例発表2> 
     テーマ:航空分野における外国人活用事例について
     講 師:西鉄エアサービス(株) 代表取締役社長 木津 勇治 氏
 15:10 <意見交換>
     会場参加者を交えた自由討論
 ◎参 加 者 : 約70名(参加無料)
 ◎参加申込 : 令和7年8月29日(水)までに、お電話をいただくか、当センターホームページ
         のお問合せフォームにて「コロキアム参加希望」と明記し、会社名・住所・電話
         番号・参加される方の役職名及びお名前を記入の上、お申込み下さい。

Posted by 九州運輸振興センター at 17:05 | コロキアム | この記事のURL

第27回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)開催報告[2025年08月05日(Tue)]
令和7年7月29日(火)、福岡市において第27回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)を開催しましたので、概要を報告いたします。

 本セミナーは、公益財団法人九州運輸振興センターが日本財団の支援・助成を受け、九州クルーズ振興協議会との共催により実施したもので、クルーズ市場の持続的発展と地域への貢献をテーマに、最新の動向や今後の展望について情報共有を行いました。

○ 日  時 令和7年7月29日(火) 14:00 〜 15:00
○ 会  場 オリエンタルホテル福岡 博多ステーション
○ 主  催 公益財団法人 九州運輸振興センター 九州クルーズ振興協議会
○ 後  援 JR九州
○ プログラム
講演1
 講 師:国土交通省海事局外航課 課長補佐 楠山 賀英 氏
 テ−マ:日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた有識者検討会(R7.2月〜6月)の検討結果と将来に向けた取り組みについて
講演2
 講 師:クルーズトラベラーカンパニー株式会社 チーフコンサルタント 本郷 芳人 氏
 テーマ:@関係者が喜ぶ寄港地観光
     Aクルーズ誘致に繋がるアウトバウンド対応
○ 参 加 者 自治体・関係団体等より 80名

【講演概要】
 国土交通省海事局外航課課長補佐 楠山賀英氏からは、日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた課題と方向性についてご講演いただきました。令和7年2月〜6月に開催された有識者検討会の中間とりまとめをもとに、クルーズ市場の回復状況や今後の方向性、地域との連携による成長戦略などについて詳細な説明がありました。
 まず、クルーズ市場を取り巻く市場環境について、世界のクルーズ人口、日本人のクルーズ人口の推移、クルーズ旅客の各国別の年代・期間の平均、日本におけるクルーズ船の稼働推移、日本のクルーズ事業者による船舶供給状況や供給増に伴う旅客数予測等について紹介がありました。その後、楠山氏が事務局を務めた「日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた有識者検討会」の設置目的、検討経過、取りまとめ内容について、説明がありました。
 検討会の取りまとめのポイントとして、これまで日本のクルーズ産業は、主として「現役引退後のシニア世代の楽しみ」としたラグジュアリー船を中心に普及・発展してきましたが、これからは、ラグジュアリー及びプレミアムクラスの日本船、プレミアムおよびカジュアルな外国船により、ファミリー層、ヤングアダルト層等を含めた幅広いターゲットに訴求する商品づくりが期待され、「多様化のフェーズ」へと発展していくことが示されました。
 「2030年日本人のクルーズ人口100万人」の目標達成に向け、行政、事業者・業界団体がそれぞれ取り組むべきこと、推進していくにあたっての具体的な手法など、関係者が日本のクルーズ市場の将来像を共有することの重要性が強調されました。未来像を共有することで、より一層、前向きに取り組んでいくきっかけとなる旨、述べられました。
 検討会の取りまとめを背景に取り組むべきこととして、「2030年の訪日旅客数6000万人」を目指す中、日本人を含む旅客を受け入れることで人や文化の交流が活性化する。これを歓迎し、地域が裨益する流れを生むために、行政機関のみならず、観光、輸送事業に携わる関係者一人ひとりが地域活性化の担い手となり、主体的に行動することの重要性を述べられ、講演を締めくくられました。

IMG_5401.JPG


 クルーズトラベラーカンパニー株式会社チーフコンサルタントの本郷芳人氏からは、「関係者が喜ぶ寄港地観光」「クルーズ誘致に繋がるアウトバウンド対応」をテーマにご講演いただきました。乗客の国籍・ニーズに応じた寄港地観光のあり方や、アウトバウンド需要の可能性、多言語対応といった受入体制整備について、具体的な事例なども交えてご紹介いただきました。
 まず、「関係者が喜ぶ寄港地観光」として、「喜ぶ関係者は誰なのか」、「寄港地観光の現状はどのような状況か」、「寄港地観光利用率を上げるために出来ることは何なのか」について解説がありました。クルーズ関係者に対し、相手の現状や今後希望することなどについて、時間をかけてしっかりとヒアリングを行うことが重要であり、船会社・乗船客に合った観光コンテンツ資料を作成し、提案することが求められていること。また、寄港するからには経済効果が大きくなることが重要であり、地元観光施設や受入れ施設、DMO等に、クルーズ寄港時の対応をしてもらえるよう十分に説明を行い、クルーズ船が寄港すれば「売り上げが上がる」と思ってもらえるようにすることが不可欠であると力説されました。
 次に、「クルーズ誘客に繋がるアウトバウンド対応」として、昨年からの外国籍クルーズ船の日本への発着事例をもとに、発着する地域に乗船客がいなければ、乗船客のいる地域・国へ運航するようになるなど、日本発着の見直しの動きがあることが指摘されました。一方で、乗船客が6名いたことで、船会社が興味を示し、寄港に繋がった事例も紹介され、クルーズ誘致に繋がる対応として、@寄港時に多くの県民・市民に来てもらいクルーズと触れ合ってもらう、Aクルーズセミナーなどを開催する、B地元旅行会社でクルーズ販売を増やす、などの取り組み事例について紹介がありました。こうした取り組みを通じ、クルーズ船に乗る県民・市民が増えれば、船社も日本市場に目を向けるようになるだろう、と述べられました。クルーズ船の誘致活動は、「インバウンド」のイメージもありますが、インバウンドとアウトバウンドは表裏一体であり、「アウトバウンド」も必要だということを理解していただきたいと述べられました。

IMG_5413.JPG


【センターより】
 2024年の訪日クルーズ旅客数は前年比約4倍の143.8万人、クルーズ船寄港回数は約1.3倍の2,479回と力強い回復を示しています。こうした市場拡大に対応しつつ、環境負荷の低減、寄港地の魅力づくり、多様なニーズへの対応など、持続可能性を重視した戦略が今後求められています。
 本セミナーを通じて、地域と連携したクルーズ振興への理解が深まり、今後の寄港促進や地域活性化の一助となることが期待されます。今後も九州クルーズ振興協議会等との連携を図りながら、情報発信等に努めてまいります。

IMG_5406.JPG

Posted by 九州運輸振興センター at 15:05 | 海事振興セミナー | この記事のURL

第27回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)開催案内[2025年07月16日(Wed)]
        第27回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)開催のご案内

 この度、九州クルーズ振興協議会と(公財)九州運輸振興センターは日本財団の支援と助成を受け、第27回海事振興セミナー(九州クルーズセミナー)を下記のとおり開催することと致しました。
 2024年(1月〜12月)の訪日クルーズ旅客数は、前年比約4.0 倍の143.8万人、我が国港湾へのクルーズ船の寄港回数は、前年比約1.3倍の2,479回(うち外国クルーズ船1,923回、日本クルーズ船556回)となりました。また、外国クルーズ船が寄港する港湾数は前年比1.0倍の97港となりました。(いずれも速報値)
 クルーズ市場は、我が国の観光にとってニューフロンティアであり、今後の観光立国への貢献が期待されます。一方で、市場の間口・裾野を広げていくことが喫緊の課題となっており、質量両面でクルーズ市場の多様化・高度化、個人旅行での利用に則したサービスの拡大などが必要です。
 本セミナーでは、楠山様より「日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた有識者検討会(最終とりまとめ)」を踏まえ、検討のプロセスと今後の展望等について、また、本郷様からは、インバウンドとアウトバウンドの二つの側面から、クルーズ業界の現状と今後の取り組みについてご講演頂きます。
 これらの講演は、日本のクルーズ市場に関する興味深い内容となっており、クルーズ船の寄港促進や新たな寄港地観光に取り組まれる方々はもとより、これを生かした地域活性化に取り組まれる方々にとって、今後の活動等のお役に立つものと確信しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
 
                     記
     ○日時:令和7年7月29日(火)14:00 〜 15:00
     ○会場:オリエンタルホテル福岡 博多ステーション3階「EBISU」
         福岡市博多区博多駅中央街4−23 TEL 092−461−2091
     ○プログラム
     講演1 講師:国土交通省海事局外航課 課長補佐 楠山賀英氏
         テ−マ:「日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた有識者    
             検討会(R7.2月〜6月)」の検討結果と将来に向けた取組みについて
     講演2 講師:クルーズトラベラーカンパニー梶@チーフコンサルタント 本郷芳人氏
         テーマ:@関係者が喜ぶ寄港地観光
             Aクルーズ誘致に繋がるアウトバウンド対応
     ○定員:30名(参加無料)※クルーズ振興協議会総会終了後の開場となります。
     ○参加申込:令和7年7月25日(金)までに、お電話をいただくか、当センターホーム
           ページのお問合せフォームにて、「セミナー参加希望」と明記し、会社
           名・住所・電話番号・参加される方の役職名及びお名前を記入の上、お申
           込み下さい。

Posted by 九州運輸振興センター at 14:30 | 海事振興セミナー | この記事のURL

2025(令和7)年度懸賞論文を募集します[2025年05月12日(Mon)]
九州圏の交通運輸・観光の発展につながる研究論文を募集しています。
(詳しくは「懸賞論文募集」ページをご覧ください。)
 
 (公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成を受け、九州圏における交通運輸・観光事業の発展及び地域経済社会の活性化に寄与することを目的に、以下の内容で「懸賞論文」を募集しています。どうぞ奮ってご応募ください。

○募集の趣旨
 本研究論文は、次世代を担う方たちの叡智を通じて、新たな切り口を発掘し、九州圏など(九州7県及び山口県)における交通・観光産業の一層の発展と地域社会の活性化に寄与するために実施するものです。

○テーマ等
 上記趣旨に沿ったもので、公共交通・物流・観光に関するもので、「創造性、独自性、発展性に富んだ提案・提言」を求めます。

○応募資格
 学部生及び院生(社会人院生を含む)とします。なお、応募資格を有する方による共同執筆
も可能になっております。

○応募方法
 応募方法の詳細につきましては、当センターホームページ「懸賞論文募集」をご覧下さい。

○表彰
 最優秀論文賞  副賞10万円(1編)
 優秀論文賞   副賞 5万円(若干編)

○応募締切
 2025(令和7)年10月31日(金) 必着

サムネイル.jpg

Posted by 九州運輸振興センター at 17:26 | 懸賞論文 | この記事のURL

令和6年度懸賞論文受賞者を決定(報告)[2025年04月11日(Fri)]
令和6年度懸賞論文受賞者を決定(報告)


 懸賞論文募集は、九州圏における交通・観光事業の発展及び地域社会の活性化に寄与することを目的に、平成25年度から開始し令和6年度で12回目となります。例年同様、大学や関係機関のご支援、ご協力を頂き、九州内外の大学・大学院から9編応募をいただきました。
 応募のありました論文、令和7年1月17日に開催しました「懸賞論文審査委員会」において審査を行った結果、以下の通り優秀賞3編、奨励賞1編が決定されました。
(本年度は最優秀賞該当者はありませんでした)

【優秀賞(3編)】
 受賞者:津田櫂臣
 大学名:日本文理大学経営経済学部経営経済学科
 テーマ:日田彦山線BRTの増客と地域振興
     〜ひこぼしラインが沿線地域の星となるためには〜

 受賞者:案浦 快
 大学名:九州産業大学地域共創学部地域づくり学科
 テーマ:第三セクター鉄道に未来はあるのか 〜肥薩おれんじ鉄道を事例に〜

 受賞者:木本涼平
 大学名:九州産業大学地域共創学部観光学科
 テーマ:日田彦山線BRTひこぼしライン(地方BRT)の持続可能性について
     〜東峰村の専用道に着目して〜

【奨励賞(1編)】
 受賞者:多田愛美
 大学名:久留米大学商学部商学科
 テーマ:持続可能な生活支援交通について考える〜久留米市にEVを〜

 優秀賞の3編について、「日田彦山線BRTの増客と地域振興〜ひこぼしラインが沿線地域の星となるためには〜」は、BRTの利用実態の分析がよくなされています。また、分析と提言の双方がしっかりとつながった、BRTそのものの誘客効果等に着目した利用客の増加案として大変優れた内容で、学生らしい意欲的な提案がなされている点も評価できます。提案の実現可能性や期待される効果について関係者ヒアリングを行うなど、客観的な説明を加え提案内容に説得力を持たせられれば、さらに貴重な振興策の提案になると思います。
 また、「第三セクター鉄道に未来はあるのか〜肥薩おれんじ鉄道を事例に〜」は、第三セクター鉄道の事例として、肥薩おれんじ鉄道の現状、取組、課題について他の第三セクター鉄道との比較を含め大変良い分析がされており、主張がわかりやすく現状の厳しさが理解できます。また、論文の構成と分析が明確で高く評価できます。観光資源の活用等についてより具体的な提案があればさらに良くなると思います。
 「日田彦山線BRTひこぼしライン(地方BRT)の持続可能性について〜東峰村の専用道に着目して〜」は、執筆者がよく勉強されており、自ら地域住民にアンケートも実施するなど研究への意気込みが伝わり評価できます。また、BRT化の中で地域住民利用の増加のための具体的な提案が十分なされています。日常利用だけでなく観光利用の促進についても考察するほか、BRTの特性をより深く分析した上で、住民ニーズ、コストなどを整理し、どんな対策が望ましいのか、あるいはすでに開業したBRTをどう活用・改善すべきかを論じれば、さらに素晴らしい提案論文になったと思います。
このような意見が委員会において出されました。

 これらの優秀賞は、当センター「九州うんゆジャーナル夏号Vol.128」に論文要旨を掲載することにしております。また、優秀賞の論文全文および奨励賞の論文要旨は当ホームページ「懸賞論文」よりご覧いただけます。
なお、受賞者に対して、令和7年2月17日(月)、当センター青柳俊彦会長より表彰状と副賞(優秀賞各5万円)が授与されました。

IMG_5130.JPG

Posted by 九州運輸振興センター at 16:16 | 懸賞論文 | この記事のURL

令和7年新春経営セミナー開催報告[2025年02月04日(Tue)]
               令和7年新春経営セミナー開催報告

 (公社)熊本県トラック協会との共催による「令和7年新春経営セミナー」を、令和7年1月24日、熊本市において開催しましたので、その概要を報告致します。

   〇日 時:令和7年1月24日(金)15:00 〜 17:40
   〇会 場:ホテル日航熊本 5階 阿蘇
   〇講演T:(講 師)公正取引委員会事務総局九州事務所 下請取引調査官 梅木俊明 氏
        (テーマ)労務費の適切な転嫁
   〇講演U:(講 師)ジャーナリスト 後藤謙次 氏
        (テーマ)これからの政治のゆくえ
   〇参加者:約150名

 講演に先立ち、(公社)熊本県トラック協会 田上明仁副会長兼経営改善委員長((有)青井運送代表取締役)と当センターの大黒伊勢夫理事・講演会等実行委員長((一財)国際観光ビジネス協会理事)が主催者挨拶を行い、次いで、来賓の原田修吾九州運輸局長様より来賓挨拶を頂戴した。

【講演概要:講演T「労務費の適切な転嫁」】 
 労務費や原材料価格、エネルギーコストの上昇が続く中、原材料価格やエネルギーコストの価格転嫁は比較的進んでいると思われるが、労務費の転嫁はあまり進んでいない。原材料価格やエネルギーコストのみならず、賃上げ原資の確保を含めて、適切な価格転嫁による適正な価格設定をサプライチェーン全体で定着させることが極めて重要。このため、公正取引委員会では、令和5年11月29日、内閣官房と連名で「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を策定・公表した。
 この指針は、労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のうち、労務費の転嫁にかかる価格交渉について、発注者及び受注者が採るべき行動/求められる行動を12の行動指針として、取りまとめたもの。
 これら12の行動指針に沿わないような行為をすることで、公正な競争を阻害する恐れがある場合には、公正取引委員会において、独占禁止法及び下請代金法に基づき厳正に対処する。   
 他方で、記載された発注者としての行動を全て適切に行っている場合、通常は独占禁止法及び下請代金法上の問題は生じないと考える。
 その後、それぞれの指針に該当する取組事例のほか、受注者が用いている根拠資料や取組内容について、事業者からの指摘事項なども交え、12の指針について解説があった。

HP用写真.png


【講演概要:講演U「これからの政治のゆくえ」】
 石破政権の誕生からそれ以降の政治の動きについて、国内の政治情勢や第2期トランプ政権との向き合い方のほか2025年度予算の成立や夏の参議院選挙区に向けた政権運営の見通しなど、新聞等では報道されない裏話などもあり、参加者は興味深く聞き入っていた。

 
 物流の革新と持続的成長に向けた取り組みが政府一丸となって進められる中、本講演は国の施策やその実現に大きく関係する国の政治に関してのテーマ、内容となった。トラック運送事業者や倉庫事業者といった物流事業者をはじめ荷主や行政機関の方の参加もあり、非常に有意義な講演会となった。

Posted by 九州運輸振興センター at 10:45 | 講演会 | この記事のURL

令和7年新春経営セミナーのご案内[2024年12月24日(Tue)]
              令和7年新春経営セミナーのご案内

 この度、(公財)九州運輸振興センターでは、日本財団の支援と助成を受け、(公社)熊本県トラック協会との共催により「令和7年新春経営セミナー」を下記により開催することとなりました。
 物流は、国民生活・経済を支える社会インフラです。物流産業を魅力あるものとするため、働き方改革に関する法律が本年4月から適用される一方、物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面しています。
 こうした状況に対応するため、荷主企業、物流事業者、一般消費者が協力して我が国の物流を支えるための環境整備に向けた取り組みが進められています。
 本セミナーでは、公正取引委員会事務総局九州事務所の担当官から「労務費の適切な転嫁」について、また、ジャーナリストの後藤謙次様から「これからの政治のゆくえ」と題して、ご講演いただきます。
 いずれも関係の皆様には大いに関心をお持ちいただけるテーマとなっており、今後の事業展開の参考になるものと思っております。
 業務多忙の折、大変恐縮に存じますが、多くの皆様にご参加いただきますようお願い申し上げます。
 なお、会場の都合等がございますので、ご参加の申し込みは令和7年1月17日(金)までに下記要領にてお願いいたします。

                    記
  1 日 時 令和7年1月24 日(金) 15:00〜17:40(14:00 受付開始)
  2 会 場 ホテル日航熊本 5 階「阿蘇」 熊本県熊本市中央区上通2-1
  3 講演・スケジュール
       開会挨拶(熊本県トラック協会)
       主催者挨拶(九州運輸振興センター)
       来賓挨拶
       講演T 講 師:公正取引委員会事務総局九州事務所 担当官
          テーマ: 「労務費の適切な転嫁」
       講演U 講 師:ジャーナリスト 後藤 謙次 氏
          テーマ: 「これからの政治のゆくえ」
       閉会挨拶(熊本県トラック協会)
  4 申 込 令和7年1月17日(金)までに、お電話をいただくか、または当センターホームペー
      ジのお問合せフォームにて、通信欄に「セミナー参加希望」と明記して、会社名・住
      所・電話番号・参加される方の役職名及びお名前を記入の上、お申込み下さい。
      ※定員150 名
  5 参加費 当センター賛助会員のセミナー受講は無料。会員以外で参加を希望される方は、
      (公社)熊本県トラック協会事務局(096-369-3968)までお問い合わせください。

Posted by 九州運輸振興センター at 15:44 | 講演会 | この記事のURL

| 次へ