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2019年度日本鉄道保存協会見学会 その3 [2019年11月01日(Fri)]
こんにちは。交通文化振興財団事務局です。

11月に入り今年も残すところあと2ケ月。事務所の窓から伺える日没も早くなり、朝晩の冷え込みには少しずつ冬の気配が感じられます。

さて、前回から引き続いて日本鉄道保存協会見学会の様子をご紹介します。
前回にご紹介した敦賀港付近での見学後は昼食をはさんで、敦賀から今庄まで旧北陸線の廃線跡をたどりました。廃線跡は現在、道路となっており、鉄道時代のトンネルが残されています。明治26年竣工の樫曲トンネルから始まり、葉原(明治29年竣工)、鮒ヶ谷(明治28年竣工)、曽路地谷(明治28年竣工)、第一観音寺(明治27年竣工)、第二観音寺(明治28年竣工)、曲谷(明治28年竣工)、芦谷(明治27年竣工)、伊良谷(明治28年竣工)の明治時代に建造されたトンネルをバスの車窓に見ながら、下車見学地の山中トンネルへと向かいます。最初の樫曲トンネルは、国道の脇にあり自動車での通行はできませんが、それ以外は県道のトンネルとして利用されており、自動車での通行が可能です。自動車の行き違いが困難で狭隘なトンネルをくぐり、山中トンネルへと到着しました。
山中トンネルは、敦賀〜今庄に残された旧北陸線のトンネルの中では一番長いトンネルで、岩盤の堅さや漏水の影響を受けた難工事の末、明治29年に竣工しています。トンネルの今庄側には、後年に設けられた山中スイッチバックの折り返し線の延伸トンネルも残されており、少し歩くと山中信号所跡も確認できました。

山中トンネル外小.jpg
山中トンネル(今庄側)


山中トンネル小.jpg
山中トンネル内部(今庄側から敦賀側)
まっすぐなトンネルです


行き止まりトンネル小.jpg
行き止まりトンネル
山中トンネルの今庄側にあるスイッチバック折り返し線用のトンネル

山中バス小.jpg
山中トンネルを通るマイクロバス
かつてはここをSLが走っていた


山中トンネルを出発し、昭和28年建造の山中ロックシェッド(落石覆工)や大桐駅跡を通過し、今回の見学のゴールである今庄駅へ。今庄駅では、平成29年のリニューアルで新たに設けられた展示コーナーを見学。展示コーナーでは北国街道の宿場町「今庄宿」や鉄道と今庄の関わりが展示されていました。また、駅の構内には蒸気機関車が活躍した時代に使用されていた給水塔と給炭台が残されていました。

今庄駅小.jpg
リニューアルされた今庄駅


今庄展示2小.jpg
展示コーナー
昭和30年代頃の今庄駅構内を再現したジオラマもあります


今庄展示小.jpg
展示コーナー
旧北陸線の路線跡の紹介・解説もなされています

今庄給水.jpg
今庄駅構内に残っている給水塔と給炭台


見学後はバスで敦賀駅へ戻り、駅前で解散。前日の総会と合わせて、2日間の全行程が終了しました。

Posted by 交通文化振興財団事務局 at 15:56 | 文化遺産調査 | この記事のURL