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日本科学協会の国際交流活動

図書寄贈、日本知識大会、作文コンクールのこと、
そして訪日・訪中交流のこと…
いろんな交流活動を紹介しています。


「Panda杯作文コンクール授賞式2023」を開催しました。 [2023年11月25日(Sat)]
 2023年11月23日、「Panda杯全日本青年作文コンクール2023」授賞式が、受賞者、主催者、日中関係者等の出席の下、駐日中国大使館(東京港区)で4年ぶりに対面開催されました。

 このコンクールは、本会、中国大使館、中国外文局アジア太平洋広報センター局の三者共催により、日本の若者(16歳〜35歳)を対象として中国をテーマに2014年度から開催されている作文コンクールで、日本語での応募とすることでこれまで多くの若者に参加いただいています。

 式典で呉江浩 駐日本国特命全権大使は、今年で10回目となるPanda杯全日本青年作文コンクールについて、約5,000人の若者が作品を通して自らの体験や中国への印象を共有することで、日本社会、特に若者間において客観的で多様な中国観の形成を積極的に促進しているという点を評価した上で、今回は過去最多となる846点もの応募があったことを紹介しました。
 さらに中国指導層も日中関係、日中青少年交流を重視していることに触れ、両国関係発展に対する若者の積極的な貢献を希望する旨を述べた上で、この作文コンクールを通じてより多くの若者が中国に近づくこと、中国を知ってくれることを願っていると述べました。


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中華人民共和国 呉江浩 駐日本国特命全権大使
  ※掲載写真は、全て中国外文局アジア太平洋広報センター
東京支局より提供頂いています。


 続いて、日本財団 尾形武寿理事長は、自らの40年余に亘る日中交流活動や230回を超える訪中経験から等身大の中国を知ること、政治環境に関わらず民間交流を継続することの重要性に触れた上で、日中関係の未来に対する若者の責任の重さを強調しました。
 さらに、訪中メンバーには、自分の目で実際の中国を見て中国への理解を深め今後の日中関係を担っていってほしい旨の期待を示しました。


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日本財団 尾形武寿 理事長


 日本科学協会の橋正征会長は、コロナ禍後の本会の日中交流事業について紹介した後、会場の受賞者にお祝いの言葉を贈りました。
 さらに、中国の隣国である日本は数千年にわたって知識・技術を始め様々な影響を中国から受けてきたこと、19世紀半ば以降、日本でも西欧の概念を表意文字である漢字で表した和製漢語が作られ、その多くが中国でも使われていることに言及した上で、会場の受賞の者にも日中の懸け橋としてこれからも活躍してほしい旨の希望を示しました。


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日本科学協会 橋正征 会長


 また、中国外文局アジア太平洋広報センター 東京支局 呉文欽支局長は、ここ10年の日中共同世論調査での日本人の対中感情は決して良いとは言えず、近年は、約9割の日本人の対中印象が良くないという状況に落胆を覚えるとした上で、「Panda杯」に目を向けると全く異なる風景が見えてくるとしました。無味乾燥な世論調査のデータとは異なり、日本の若者が自らの体験から誠実に綴った「私と中国」の物語を読むことで、中日友好交流という仕事へのモチベーションばかりでなく、その仕事の価値と意義を信じ進めていくエネルギーを得ることができると紹介しました。


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中国外文局アジア太平洋広報センター局アジア太平洋広報センター 呉文欽 東京支局長


 審査員講評で西園寺一晃審査委員は、今年の作品の内容の充実や多様性に触れた上で。応募数が増えるに比例して作品の質も向上していると評価し、審査に際しての共通基準として趣旨、論拠、結論の3点を挙げた上で、素直な文章、誠実な考え方、日中関係への真摯な思いが重要であるとしました。

 続いて星屋秀幸審査員は、今年の作品は例年に比べて一段とレベルが上がっているという印象を紹介した上で、日本の若者が日中関係の重要さに目覚め、それぞれの立場で動き出していることはどれほど素晴らしいことか痛感しているとしました。

 これらの挨拶を受け、受賞者代表の高野かずみさんは、目まぐるしく変化する日中関係における草の根的交流の重要性に触れた後、吉林に赴いた際の体験や卒業論文での発見を踏まえ、今後も生涯に亘って中日双方のつながりを深めることに携わり続けたいとしました。さらに大学院で中国文学・文化を研究していことから、今回の訪中では各地を巡って実際の中国を見ることができることを嬉しく思っている旨の感想を述べました。


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受賞者代表 高野かずみさん


 最後に主催者、審査員、訪中団長等から優秀賞、入選、佳作の各受賞者にそれぞれ表彰状が贈られました。


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呉江浩大使と優秀賞受賞者


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西園寺一晃 審査員と入選受賞者


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星屋 秀幸審査員と佳作受賞者


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渡邉雄一郎 訪中団団長と入選受賞者

 入賞者のうち優秀賞受賞者10名、入選受賞者10名を始めとした訪中団26名については、本会理事の渡邊雄一郎氏(東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系 教授)を団長として、11月24日〜12月1日(8日間)の日程で、中国の北京と蘇州を訪問する予定となっています。現地では日中ワークショップなどを始めとした中国の若者との直接交流、文化体験、訪問見学などを通して中国への理解や日中交流を深めていただきたいと考えています。


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出席者全員の記念撮影


★優秀賞、入選、佳作の各受賞作品については、「人民中国」webサイトでご覧いただけます。

(文責:国際交流チーム 宮内孝子)






Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 15:38 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
知日派大学生がクイズで競う〜「日本知識大会」開催〜(11月5日) [2023年11月09日(Thu)]
 11月4日、5日の両日、北京の中国人民大学で「笹川杯全国大学日本知識大会2023」が開催されました。

 この大会は、日本科学協会と中国人民大学が中国の大学の日本語学習者を対象として開催する“日本に関するクイズ大会“で、中国全国(4市22省1自治区)から97大学が参加しました。全ての日本語学科設置大学が約500大学という中国にあって、その1/5にあたる97大学(選手291名)が一堂に会し、“日本知識を日本語で競う”この大会は、中国版“日本知識の甲子園”とも言えるもので、中国の日本語教育界屈指のイベントとなっています。


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個人戦決勝(写真提供:人民網 張麗婭記者)

 5日の決勝戦の開会式で、中国人民大学の張東剛党委書記は、この大会の規模や影響力が益々拡大し社会の注目を集めていることに触れた上で、中国の若者の日本への関心の深化、日本語学習意欲の向上により日中文化交流促進のためのプラットフォームを提供するという本大会の意義について評価し、参加選手には、本大会をきっかけに日本の大学生との交流や協力などをさらに強化して欲しいとの期待を示しました。


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中国人民大学 張東剛党委書記(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 続いて、日本科学協会の橋正征会長は、日中平和友好条約締結45周年の年に中国全国から約400名の学生・指導教師の参加を得て本大会を開催することの意義を強調した後、前日の予選で出題された問題の多くが自分たち日本人でも答えられない難問であったことに触れ、選手たちの日本文化・言語・文芸などに対する深い関心と理解を感じた旨を述べ、会場の選手たちには今後もこれまでに蓄積した知識や磨いた能力を十分に活かして進んでいってほしいとの期待を示しました。


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日本科学協会 橋正征会長(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 続いて前日の予選・準決勝戦を勝ち抜いた11大学による団体戦、13名の選手による個人戦の各決勝が行われ、団体戦では天津外国語大学、個人戦では河南師範大学の黄旭鴻さんがそれぞれ特等賞を獲得しました。


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Q.)「漢委奴国王」の金印が発見されたのは、現在の何県?(個人戦)


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Q.)全国の神々が島根の出雲大社に集まるのは、何月?(団体戦)


<決勝戦結果>

★団体
特等賞 天津外国語大学
一等賞 浙江大学
    南開大学
二等賞 東南大学
    浙江越秀外国語学院
    大連大学
    華東師範大学
    西南民族大学
    北京大学
    中国人民大学
    江南大学

★個人
特等賞 河南师范大学 黄旭鴻
一等賞 中国人民大学 陳心語
    浙江越秀外国語学院 管亿嘉
    北京外国語大学 周宇豪
    上海海事大学 朱泳康
    武漢大学 辛宸
二等賞 長春師範大学 呂江涛
    瀋陽師範大学 王小雨
    洛陽師範学院 文治坤
    西南大学 彭肖潇
    聊城大学 王欣
    国防科技大学 林琳


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個人戦特等賞を獲得した河南師範大学 黄旭鴻さん(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


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団体戦一等賞を獲得した南開大学、浙江大学(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


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団体戦特等賞を獲得した天津外国語大学(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 ※団体戦上位3大学と個人戦上位6名、開催大学である中国人民大学、合計20名については、2024年2月中旬に8日間の日本招聘を予定しています。

 コロナ禍を経て4年ぶりの開催となる今大会は、中国の日本語学習者にとっても久々の対面交流であり、各大学の選手たちも大学の授業は勿論、課外活動、チーム特訓など懸命な努力を経て大会に臨んだようです。

 多くの参加者の中には入賞できた選手、叶わなかった選手もいますが、結果がどうあれ、選手たちにとっても、指導教員にとっても、大会参加には大きな意味があったように感じました。
 本会の図書寄贈先の1つである東北財経大学選手の潘奥さん、指導教師の胡偉先生もそのように感じられた方々で、次のような感想を聞くことができました。

 2019年大会では参加のチャンスがなく残念に思った。今回、4年ぶりに大会が再開されることを知っていち早く参加を指導の先生に申し込み、以来ずっと幅広い知識の習得や理解に努めてきた。その成果を十分に発揮することはできなかったが、大会準備の過程で広まった知識や深まった理解はとても有意義であったと思う。(潘さんの声/要約)

 優れた選手たちが集まっていてわくわくしました。この大会は本学の選手にとって良い刺激と励みになった。ぜひ今後も続けていただきたい。(胡先生の声/要約)


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左から東北財経大学 胡先生、潘さん、趙瑞瑄さん、趙梓淇さん


 閉会式で日本財団の尾形武寿理事長は日中間の相互理解や友好における対面交流の重要性を強調した上で、今後も日本財団は多くの日中交流事業を支援していきたいと述べました。また、会場の選手たちに対しては、国の未来に対する責任を担う若者に対して、「国家が何をしてくれるか」ではなく「国のために何ができるか」を考えることの重要性に触れ、大学での4年或いは6年間に研鑽を積み社会に必要とされる人になって欲しいとの期待を示し、知識大会は閉幕しました。


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日本財団 尾形武寿理事長(写真提供:郭莎莎記者)

(文責:国際交流チーム 宮内)

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:38 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)