中国の図書活用者からメッセージ
[2018年05月18日(Fri)]
当会は、日本全国の様々な方から提供していただいた図書を中国の大学に寄贈しています。贈り先は中国全国の69大学等で、各大学の学生、研究者、教員がその活用者です。
約62.5万人(世界最多)もの大学生、院生たちが日本語を学んでいる中国ですが、日本語図書など日本関係資料が不足している大学が少なくなく、当会には図書寄贈を望む声が中国全国から多数届いています。こうした声に応え、当会がこれまで中国の大学に贈った図書は370万冊を超えます。
これらの図書は日本語教材として、卒論執筆の資料として、また日本の文化や社会、政治、経済、習慣など日本を広く知るための資料として学生たちに活用されています。そして、日本の図書館、出版社、企業、個人の方など沢山の方々から「中国の方々へ」と寄贈していただいたこれらの図書は、日本人の友好の気持ちを伝える使者としての役割も果たしています。
いつでも、誰でも、何度でも、手軽に利用できる寄贈図書が持つ可能性は無限に広がります。中国に届いた図書がその役割を十分に果たし、ひとりでも多くの学生、先生方が日本のこと、日本人のことをより深く知ってくれるようになることを期待しています。
日本からの寄贈図書を活用している中国の大学の学生や教職員の方から生の声が届きました!!
中国に贈られた図書が、“どのように役立っているのか”、“どのように受け止められているのか”など寄贈図書の“その後”を、活用者の声を通して、報告したいと思います。
活用者の声をいくつか抜粋して紹介します。
全文は、「寄贈図書活用者からの声2017」(PDF)でご覧いただけます。
また、蘭州大学から寄贈図書の活用状況に関する調査報告書、大連医科大学からは、「浮世絵展覧会」に関する報告が届いておりますので、こちらも翻訳版を紹介します。
南京大学図書館特蔵文献部主任・博士 劉舒曼
日本語書籍を管理してきた短い間に印象に残ったことが2つあります。ある南京林業大学の日本語専攻の学生が、卒業論文のテーマを「日本の職人文化」としており、同大学の南京図書館ではあまり関係資料が見つからないということで、当館の文献を見に来ました。私が蔵書目録を照会してみると、参考になりそうな日本語書籍が十数冊見つかりました。この読者は関連箇所をコピーしていましたが、論文にとても役立ったかと思います。
蘭州大学歴史研究科二年 劉瑩
蔵書は内容が豊富で、種類が多様で、社会科学、法律や文学など各分野のものがあります。デザインも精巧で美しく、大量の日本語の書籍は先生方や学生たちが日本社会の文化を理解する度台と機会になっています。これらの蔵書を読むことで、文化をまたぐ研究の中で各国文化のさまざまな面での相違を理解できます。
おかげ様で、学校の図書館には文学、文化、歴史、政治、経済、社会など様々な学科を含め、古くて得難い図書も最新情報を伝達する本もどんどん増えてきて、我が学校の学生達の勉強と論文を書くことに大変手伝っていただけます。一冊一冊の本は、日本の沢山の提供者からの優しさと友好な気持ちを感じて、非常に感動しました。私たちも自分の力を出して中日友好のためにかけ橋の役割をしたいんです。
東北師範大学 日本研究所大学院生 一年 李浩
わたくしは今院生の一年生ですが。一度も日本に行ったことがありません。当校の授業時間以外、毎日図書館で本を読んでおります。本を読めば読むほど、自分の知っていることは本当に氷山の一角であることが分かりました。日本文学の専門ですが。特に日本古典和歌に深い興味を持っております。漢詩の国とされる中国に対して、日本は和歌の国だと言われます。貴協会の御寄贈のおかげで、和歌についての書類をいろいろお読みいたしまして、本当にお勉強になりました。
広西師範大学外国語学院日本語翻訳専攻修士1年 李玫瑰
日本語専攻の私達にとって、教材だけ頼って日本語を学んでいては足りません。時間があれば、日本の文化、科学、歴史、教育などの著作をそのままに読んで吟味し、とても重要な役割を果たします。日本語翻訳専攻の学生にとって、日本語のレベルをアップするために、多くの日本語の原書を読むことは重要です。
井岡山大学外国語学院 日本語学科 赖子玲
この一箱、もう一箱の豊富な種類の図書は私たちの世界への大きな扉を開けてくれ、私たちの知識を豊かにし、視野を広げてくれます。課外生活ではこれらの面白い本を読むことで、忙しく張り詰めた学習生活の中で少しリラックスできるのです。書籍とは巨大な精神的宝です。
国際交流チーム