紹興で図書寄贈式を開催(浙江越秀外国語学院)
[2024年06月10日(Mon)]
6月1日午前、中国紹興市の浙江越秀外国語学院で、徐真華副理事長、修剛校長を始めとした同学院の責任者、教職員、学生、また本会と立教女学院の各関係者が参加して寄贈図書の贈呈式が執り行われました。
同学院は、本会の中国における図書寄贈対象86大学の1つで、2014年6月に寄贈対象となり今月で丸10年となりますが、これまで本会から贈った図書は合計82,000冊を超えます。また、これらの寄贈図書の中には、本会が立教女学院から寄贈を受けた約25,000冊も含まれています。
2021年、同女学院は、立教女学院短期大学閉学に伴い同短期大学図書館の蔵書約80,000冊を本会に寄贈し、これら全てについては、本会を通じて同外国語学院への寄贈が決定しています。こうした一括寄贈は、日本理解や日中交流の深化に繋がって欲しいということは勿論、同短期大学の学生や教職員の方々に長年活用されてきた貴重な図書の命を生かしたいという同女学院側の強い希望によるものです。
寄贈式の開会にあたり、浙江越秀外国語学院の修剛校長は、寄贈図書は知識の宝庫であり、図書館の外国語資料を充実させ学生、教員に多様で上質な学術資料を提供していると評価した上で、こうした支援は、教育事業への重視と配慮を示すだけでなく、中日両国民間の深い友情をも示しているとしました。さらに双方の努力により中日教育交流がより深く広くなり、両国の学生の成長と発展のために多くのチャンスとプラットフォームを提供できる旨の期待を示しました。
これを受けて、本会の橋正征会長は、立教女学院からの一括寄贈に言及した上で、寄贈式を機に寄贈図書が大いに活用され、日本語教育や日本研究の振興に繋がることを心から願っているとの期待を示しました。また、成長のエネルギーが感じられ、将来性のある同学院に図書を寄贈し活用してもらえることを嬉しく思うとの感想を述べました。
徐真華副理事長は、大学の学習では、授業を受けることや教科書等を読むこと以外にも沢山の本を読むことの重要性を強調しました。さらに人間には生理的、物理的生命の他に科学的、文化的、精神的生命も存在しているが、後者のために読書は極めて大きな役割を果たすことができるとし、その重要な機能として視野の拡大、情操の陶冶、興味の育成、人格の健全化などがあるとしました。
寄贈式典では、本会の橋会長から浙江越秀外国語学院の修剛校長に図書寄贈書がおくられ、修校長から橋会長に受領証書がおくられました。また、今回の式典に出席していただいた立教女学院理事で同女学院同窓会会長でもある佐々義子氏からも、修校長に図書寄贈書がおくられ、修校長から佐々理事に受領証書がおくられました。
左から李敬平図書館館長、修剛校長、徐真華副理事長、橋正征会長、
佐々義子理事、顧文君常務理事
この専用図書室は東方言語学院がある稽山キャンパスにあり、広さは200uで、現在、同女学院からの図書約25,000冊が収蔵されています。
この図書室を見学した同女学院の佐々理事は、立教女学院短期大学図書館がかつての佇まいもそのままに再現されているようで感慨深いとの感想を述べました。今後、残りの約50,000冊も、順次届く予定となっており、これらが全て収蔵されれば、立教女学院短期大学図書館がほぼ完全な形で紹興に再現されることになります。
図書室見学に続き寄贈図書に関する読書会が開催されました。
この読書会は、2チームに分かれた日本語学科学生13名が、個々の関心に応じて選定した図書について感じたこと、気付いたこと、考えたことなど発表するというもので、発表後にはそれぞれ質疑応答の時間も設定されていました。選定図書は、小説、エッセー、ハウトゥ本、日本語言語学誌、絵本、アートブックなど様々なジャンルに及びました。
参観後、橋会長は、専門分野以外の本を読んだことは非常に少ないという自身の経験に触れた上で、専門分野以外の本を日本語で読んでその感想を日本語で発表できるのは素晴らしいとして参加者たちの日本語力の高さを評価しました。
また、佐々理事は、日本語の本をよく読み、日本語で感想を述べ、日本語での質問に真摯に答えてくれたことに感謝するとした上で、今回読んだ本の前の読者が応援しているとのメッセージをおくりました。