外国貿易大学で覚書調印式を開催(ハノイ)
[2023年12月19日(Tue)]
12月8日、本会と外国貿易大学(FTU)は、ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC/ JICAとFTUの協力により設立された国際人材育成機関で、外国貿易大学内に併設)で、本会のBOOK ENVOY PROJECTに関する覚書調印式を開催しました。
このプロジェクトは、日本の各界から贈られた多様な図書をアジア諸国の大学等に寄贈することで寄贈先の教育・研究と国際理解の促進を図るというもので、1999年の事業開始以来、寄贈対象を中国に絞って実施してきました。
2022年にはフィリピン、タイ、インド、ウズベキスタンにも寄贈対象を広げ、日越外交樹立50周年にあたる今年は、新たな寄贈先として外国貿易大学(FTU)と場トナム国家大学ハノイ校 人文社会科学大学(VNUハノイ校 USSH)の2大学選定し、各大学との間で覚書を締結することになりました。
FTUは、教育訓練省に属する国立大学で外交官や政治家、経済界のリーダーなど優秀な人材を輩出してきたベトナム屈指の有力大学です。また、ベトナム日本人材開発インスティチュート(Vietnam-Japan Institute for Human Resources Development / VJCC)はFTUとJICAの協力により同大学内に併設されている人材育成機関で、ビジネス研修や日本語教育を通じてベトナム経済の発展に資する人材の育成を行っています
本会からの寄贈図書は、VJCCとFTUの日本語学部の両機関での活用を想定しており、日本語学習・教育のみならず日本研究の振興にも繋がるものと期待されます。
本会の橋正征会長は、図書寄贈を通じてアジア諸国における日本理解の促進と国際人材育成に寄与するという本プロジェクトの趣旨に言及し、最も相応しい寄贈先としてFTUを選定した経緯を紹介しました。
さらに今後の国際社会において、アジア諸国、特にベトナムと日本が果たす役割の大きさを強調した上で、FTU及びVJCCには日本語教育、日本研究などを通して日越関係の将来を担う人材育成の拠点になって欲しいとの期待を示しました。
※の写真は、全てVJCCから提供していただいたものです。
続いて、FTUのPham Thu Huong副学長は、FTUがベトナム初の日本語学科設置大学であることに誇りを持っているとした上で、日本からの支援・協力によって本学の教育研究等が向上していることに感謝の意を表しました。
また、読書文化の発展は学生の自習能力の向上に繋がると期待できることから、FTUでは、在学中も卒業後も学生が読書を通じて学習能力を向上させていけるよう教育しているとして、読書文化の重要性を強調した上で、寄贈図書を通じて日本に関する教育・研究の質を向上させたいとの意向を示しました。
挨拶するFTU 挨拶※
その後、本会の橋会長とFTUのHuong副学長は、覚書にそれぞれ署名し、調印式は終了しました。
覚書への署名※
調印式に先立ちVJCCの図書館を見学させていただきました。日本の文化、歴史、社会など広範な分野の図書が所蔵されている他、ハノイの日本大使館からも、随時、新しい図書が寄贈されているとのことで、既に日本語学習環境はかなり整っていると感じました。今後は、本会からの寄贈図書により更に充実した日本関係資料室になるものと期待しています。
JCC図書館の所蔵図書
VJCC図書館の所蔵図書
FTU正門での記念撮影
(文責:宮内孝子)