• もっと見る

日本科学協会の国際交流活動

図書寄贈、日本知識大会、作文コンクールのこと、
そして訪日・訪中交流のこと…
いろんな交流活動を紹介しています。


ベトナム国家大学 人文社会科学大学で覚書調印式を開催(ハノイ) [2023年12月18日(Mon)]
 12月7日、本会とベトナム国家大学ハノイ校 人文社会科学大学(VNU USSH)は、同大学で、本会が実施するBOOK ENVOY PROJECTに関する調印式を開催しました。

 このプロジェクトは日本の各界から贈られた多様な図書をアジア諸国の大学等に寄贈することで、寄贈先の教育・研究と国際理解の促進を図るというもので、1999年の事業開始以来、寄贈対象を中国に絞って実施してきました。
 2022年にはフィリピン、タイ、インド、ウズベキスタンにも寄贈対象を広げ、日越外交樹立50周年にあたる今年は、新たな寄贈先としてベトナムのUSSHと外国貿易大学(FTU)の2大学選定し、各大学との間で覚書を締結することになりました。

 USSHは、ハノイにあるベトナム国家大学ハノイ校(Vietnam National University, Hanoi)に属するベトナムの最高学府のひとつで、通常の国立大学が教育訓練省の管轄下にあるのに対して国家大学である同大学はは首相直属となっています。
 USSHへの寄贈図書は、主に東洋学部の日本研究科での活用を想定していますが、この学科は、日本語教育というよりは日本語を使った日本研究を旨としており、日本語学習のみならず日本研究の振興に繋がるものと期待しています。

 まず、USSHのHoang Anh Tuan学長は、挨拶の中で、歴史研究の専門家の立場から図書が日本の近代化に果たした役割は大きいとした上で、図書寄贈は本学の日本研究の振興に有意義であると評価しました。更に、先月、ハノイで開催された日越外交関係樹立50周年記念シンポジウムにおいて山田滝雄駐ベトナム日本国大使が「産業交流だけでなく、学術交流、知的交流も重要」と挨拶されたことに言及し、図書寄贈を通じた本会とUSSHとの学術交流への期待を示しました。

1.jpg
挨拶するVNU USSHのTuan学長 ※
※の写真は、全てUSSHから提供頂いたものです。

 続いて、本会の橋正征会長は、挨拶の中で、図書寄贈を通じてアジア諸国における人文社会科学の振興と人材育成に寄与するという本プロジェクトの趣旨に言及し、最も相応しい寄贈先としてUSSHを選定した経緯を紹介しました。さらに今後の国際社会において、アジア諸国、特にベトナムと日本が果たす役割の大きさを強調した上で、USSHには将来の日越関係を担う人材育成の拠点になって欲しいとの期待を示しました。


2会長.jpg
挨拶する日本科学協会の橋会長※


 その後、Tuan学長と橋会長はそれぞれ覚書に署名し、調印式は終了しました。


調印.png
覚書への署名※


4.jpg
覚書の交換※


5.jpg
調印式出席者※


 調印式に先立ち、日本人講師の藤浪先生が日本研究学科3年の学生を対象としたビジネス日本語の講義を参観させていただきました。
 この日のテーマは、自分の強みを効果的にアピールするレポートの書き方かということで、日系企業等への就職を目指す学生にとっては、重要なテーマです。和やかな雰囲気で進められる講義は、日本人の大学生への講義と変わらない内容、スピードでしたが、先生からの質問に迅速に答える学生の回答の適切さに講義の趣旨が十分に伝わっているかことが分かり、彼らの日本語レベルの高さに感心しました。


6.jpg
フレンドリーな日本語で講義する藤浪先生


7.png
ビジネス日本語の講義を受講する学生たち


8.JPG
学生たちに挨拶する橋会長


 また、東洋学部 日本研究学科長のVu先生の案内により、日本研究学科図書室を見学させていただきました。
 所蔵図書は日本十進分類御法に沿って整然と分類されていて、これは学生たちが日本に留学した際、留学先の図書館でも図書を十分に活用できるようにとの考えによるものと伺い、その行届いた配慮にとても感心しました。


9.JPG
日本十進分類法により配架されている日本研究学科図書室


10.JPG
USSHの外観

(文責:宮内孝子)

続きを読む...
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 16:33 | BOOK ENVOY PROJECT | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)