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日本科学協会の国際交流活動

図書寄贈、日本知識大会、作文コンクールのこと、
そして訪日・訪中交流のこと…
いろんな交流活動を紹介しています。


「Panda杯作文コンクール授賞式2023」を開催しました。 [2023年11月25日(Sat)]
 2023年11月23日、「Panda杯全日本青年作文コンクール2023」授賞式が、受賞者、主催者、日中関係者等の出席の下、駐日中国大使館(東京港区)で4年ぶりに対面開催されました。

 このコンクールは、本会、中国大使館、中国外文局アジア太平洋広報センター局の三者共催により、日本の若者(16歳〜35歳)を対象として中国をテーマに2014年度から開催されている作文コンクールで、日本語での応募とすることでこれまで多くの若者に参加いただいています。

 式典で呉江浩 駐日本国特命全権大使は、今年で10回目となるPanda杯全日本青年作文コンクールについて、約5,000人の若者が作品を通して自らの体験や中国への印象を共有することで、日本社会、特に若者間において客観的で多様な中国観の形成を積極的に促進しているという点を評価した上で、今回は過去最多となる846点もの応募があったことを紹介しました。
 さらに中国指導層も日中関係、日中青少年交流を重視していることに触れ、両国関係発展に対する若者の積極的な貢献を希望する旨を述べた上で、この作文コンクールを通じてより多くの若者が中国に近づくこと、中国を知ってくれることを願っていると述べました。


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中華人民共和国 呉江浩 駐日本国特命全権大使
  ※掲載写真は、全て中国外文局アジア太平洋広報センター
東京支局より提供頂いています。


 続いて、日本財団 尾形武寿理事長は、自らの40年余に亘る日中交流活動や230回を超える訪中経験から等身大の中国を知ること、政治環境に関わらず民間交流を継続することの重要性に触れた上で、日中関係の未来に対する若者の責任の重さを強調しました。
 さらに、訪中メンバーには、自分の目で実際の中国を見て中国への理解を深め今後の日中関係を担っていってほしい旨の期待を示しました。


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日本財団 尾形武寿 理事長


 日本科学協会の橋正征会長は、コロナ禍後の本会の日中交流事業について紹介した後、会場の受賞者にお祝いの言葉を贈りました。
 さらに、中国の隣国である日本は数千年にわたって知識・技術を始め様々な影響を中国から受けてきたこと、19世紀半ば以降、日本でも西欧の概念を表意文字である漢字で表した和製漢語が作られ、その多くが中国でも使われていることに言及した上で、会場の受賞の者にも日中の懸け橋としてこれからも活躍してほしい旨の希望を示しました。


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日本科学協会 橋正征 会長


 また、中国外文局アジア太平洋広報センター 東京支局 呉文欽支局長は、ここ10年の日中共同世論調査での日本人の対中感情は決して良いとは言えず、近年は、約9割の日本人の対中印象が良くないという状況に落胆を覚えるとした上で、「Panda杯」に目を向けると全く異なる風景が見えてくるとしました。無味乾燥な世論調査のデータとは異なり、日本の若者が自らの体験から誠実に綴った「私と中国」の物語を読むことで、中日友好交流という仕事へのモチベーションばかりでなく、その仕事の価値と意義を信じ進めていくエネルギーを得ることができると紹介しました。


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中国外文局アジア太平洋広報センター局アジア太平洋広報センター 呉文欽 東京支局長


 審査員講評で西園寺一晃審査委員は、今年の作品の内容の充実や多様性に触れた上で。応募数が増えるに比例して作品の質も向上していると評価し、審査に際しての共通基準として趣旨、論拠、結論の3点を挙げた上で、素直な文章、誠実な考え方、日中関係への真摯な思いが重要であるとしました。

 続いて星屋秀幸審査員は、今年の作品は例年に比べて一段とレベルが上がっているという印象を紹介した上で、日本の若者が日中関係の重要さに目覚め、それぞれの立場で動き出していることはどれほど素晴らしいことか痛感しているとしました。

 これらの挨拶を受け、受賞者代表の高野かずみさんは、目まぐるしく変化する日中関係における草の根的交流の重要性に触れた後、吉林に赴いた際の体験や卒業論文での発見を踏まえ、今後も生涯に亘って中日双方のつながりを深めることに携わり続けたいとしました。さらに大学院で中国文学・文化を研究していことから、今回の訪中では各地を巡って実際の中国を見ることができることを嬉しく思っている旨の感想を述べました。


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受賞者代表 高野かずみさん


 最後に主催者、審査員、訪中団長等から優秀賞、入選、佳作の各受賞者にそれぞれ表彰状が贈られました。


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呉江浩大使と優秀賞受賞者


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西園寺一晃 審査員と入選受賞者


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星屋 秀幸審査員と佳作受賞者


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渡邉雄一郎 訪中団団長と入選受賞者

 入賞者のうち優秀賞受賞者10名、入選受賞者10名を始めとした訪中団26名については、本会理事の渡邊雄一郎氏(東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系 教授)を団長として、11月24日〜12月1日(8日間)の日程で、中国の北京と蘇州を訪問する予定となっています。現地では日中ワークショップなどを始めとした中国の若者との直接交流、文化体験、訪問見学などを通して中国への理解や日中交流を深めていただきたいと考えています。


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出席者全員の記念撮影


★優秀賞、入選、佳作の各受賞作品については、「人民中国」webサイトでご覧いただけます。

(文責:国際交流チーム 宮内孝子)






Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 15:38 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
知日派大学生がクイズで競う〜「日本知識大会」開催〜(11月5日) [2023年11月09日(Thu)]
 11月4日、5日の両日、北京の中国人民大学で「笹川杯全国大学日本知識大会2023」が開催されました。

 この大会は、日本科学協会と中国人民大学が中国の大学の日本語学習者を対象として開催する“日本に関するクイズ大会“で、中国全国(4市22省1自治区)から97大学が参加しました。全ての日本語学科設置大学が約500大学という中国にあって、その1/5にあたる97大学(選手291名)が一堂に会し、“日本知識を日本語で競う”この大会は、中国版“日本知識の甲子園”とも言えるもので、中国の日本語教育界屈指のイベントとなっています。


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個人戦決勝(写真提供:人民網 張麗婭記者)

 5日の決勝戦の開会式で、中国人民大学の張東剛党委書記は、この大会の規模や影響力が益々拡大し社会の注目を集めていることに触れた上で、中国の若者の日本への関心の深化、日本語学習意欲の向上により日中文化交流促進のためのプラットフォームを提供するという本大会の意義について評価し、参加選手には、本大会をきっかけに日本の大学生との交流や協力などをさらに強化して欲しいとの期待を示しました。


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中国人民大学 張東剛党委書記(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 続いて、日本科学協会の橋正征会長は、日中平和友好条約締結45周年の年に中国全国から約400名の学生・指導教師の参加を得て本大会を開催することの意義を強調した後、前日の予選で出題された問題の多くが自分たち日本人でも答えられない難問であったことに触れ、選手たちの日本文化・言語・文芸などに対する深い関心と理解を感じた旨を述べ、会場の選手たちには今後もこれまでに蓄積した知識や磨いた能力を十分に活かして進んでいってほしいとの期待を示しました。


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日本科学協会 橋正征会長(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 続いて前日の予選・準決勝戦を勝ち抜いた11大学による団体戦、13名の選手による個人戦の各決勝が行われ、団体戦では天津外国語大学、個人戦では河南師範大学の黄旭鴻さんがそれぞれ特等賞を獲得しました。


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Q.)「漢委奴国王」の金印が発見されたのは、現在の何県?(個人戦)


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Q.)全国の神々が島根の出雲大社に集まるのは、何月?(団体戦)


<決勝戦結果>

★団体
特等賞 天津外国語大学
一等賞 浙江大学
    南開大学
二等賞 東南大学
    浙江越秀外国語学院
    大連大学
    華東師範大学
    西南民族大学
    北京大学
    中国人民大学
    江南大学

★個人
特等賞 河南师范大学 黄旭鴻
一等賞 中国人民大学 陳心語
    浙江越秀外国語学院 管亿嘉
    北京外国語大学 周宇豪
    上海海事大学 朱泳康
    武漢大学 辛宸
二等賞 長春師範大学 呂江涛
    瀋陽師範大学 王小雨
    洛陽師範学院 文治坤
    西南大学 彭肖潇
    聊城大学 王欣
    国防科技大学 林琳


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個人戦特等賞を獲得した河南師範大学 黄旭鴻さん(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


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団体戦一等賞を獲得した南開大学、浙江大学(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


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団体戦特等賞を獲得した天津外国語大学(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 ※団体戦上位3大学と個人戦上位6名、開催大学である中国人民大学、合計20名については、2024年2月中旬に8日間の日本招聘を予定しています。

 コロナ禍を経て4年ぶりの開催となる今大会は、中国の日本語学習者にとっても久々の対面交流であり、各大学の選手たちも大学の授業は勿論、課外活動、チーム特訓など懸命な努力を経て大会に臨んだようです。

 多くの参加者の中には入賞できた選手、叶わなかった選手もいますが、結果がどうあれ、選手たちにとっても、指導教員にとっても、大会参加には大きな意味があったように感じました。
 本会の図書寄贈先の1つである東北財経大学選手の潘奥さん、指導教師の胡偉先生もそのように感じられた方々で、次のような感想を聞くことができました。

 2019年大会では参加のチャンスがなく残念に思った。今回、4年ぶりに大会が再開されることを知っていち早く参加を指導の先生に申し込み、以来ずっと幅広い知識の習得や理解に努めてきた。その成果を十分に発揮することはできなかったが、大会準備の過程で広まった知識や深まった理解はとても有意義であったと思う。(潘さんの声/要約)

 優れた選手たちが集まっていてわくわくしました。この大会は本学の選手にとって良い刺激と励みになった。ぜひ今後も続けていただきたい。(胡先生の声/要約)


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左から東北財経大学 胡先生、潘さん、趙瑞瑄さん、趙梓淇さん


 閉会式で日本財団の尾形武寿理事長は日中間の相互理解や友好における対面交流の重要性を強調した上で、今後も日本財団は多くの日中交流事業を支援していきたいと述べました。また、会場の選手たちに対しては、国の未来に対する責任を担う若者に対して、「国家が何をしてくれるか」ではなく「国のために何ができるか」を考えることの重要性に触れ、大学での4年或いは6年間に研鑽を積み社会に必要とされる人になって欲しいとの期待を示し、知識大会は閉幕しました。


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日本財団 尾形武寿理事長(写真提供:郭莎莎記者)

(文責:国際交流チーム 宮内)

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:38 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
中国武術を通じた日中の民間文化交流 [2023年09月15日(Fri)]
 2023年9月5日、中国の少林寺訪日団が日本財団ビル(東京港区)を訪問し、少林武術の演武等を通じて日中の民間交流と相互理解を深めました。


 この交流は、中国河南省の嵩山少林寺第30代住職 釈永信氏を団長とする訪日団が、日中平和友好条約締結45周年記念事業の一環として実施する文化交流活動で、この日は、少林寺武僧2名による少林拳の演武披露となりました。


 演武に先立ち、日本財団 吉倉和宏常務理事は、日本財団は日中医学生交流や日中佐官級交流を始めとした多様な日中交流事業を実施していること、少林寺との関わりは笹川良一元会長の頃の普及・周知活動にまで遡ることに言及したうえで、「本日は、中国関連事業の一端を見ていただき、中国を感じ、交流を深めることで、各事業も深みをもって見ることができるのではないかと思う。まずは少林拳の演武という貴重な機会を楽しんで欲しい」との期待を述べました。











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演武を披露した延Y氏(左)延j氏(右)


 演武後、日本側観賞者から「迫力とキレのある演武を拝見でき、文化交流としても良い機会」、「演武者の息遣い、表情を間近で感じる臨場感は、感動的だ」、「緊張状態にある日中関係が、ほんの少しほっこりしたような温かな時間だった」、「中国武術の歴史の奥深さのようなものを感じた」、「言葉は無くても文化で演武者の心を感じられた気がする」等の声が聞かれるなど会場は大いに盛り上がりました。


 また、訪日団団長の釈永信方丈は、「少林拳を通じて日本財団や日本科学協会の皆さんと文化交流をすることができ非常に嬉しく思っております。こうした活動は日中の相互理解促進に繋がるものと期待しています」として今回の交流活動の意義を評価しました。

 この日を皮切りに訪日団一行は日本各地を巡り日中の文化交流を更に深めました。



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少林寺釈永信方丈(右)と日本財団尾形武寿理事長(左)



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日中の参加者




国際交流チーム






Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 18:47 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
日中未来創発ワークショップ〜海の未来を考えるin 沼津〜の開催(6月17日) [2023年06月20日(Tue)]
 地球規模で増え続ける海ごみが生態系に与える影響は年々深刻化し、海洋環境保全が喫緊の課題となる中、豊かな海を未来に引き継ぐため、若者目線で海ごみ問題を考えようという交流イベント「日中未来創発ワークショップ」が、6月17日、沼津御用邸記念公園 東附属邸学問所等で開催されました。

 このワークショップは、笹川平和財団(東京都港区、理事長:角南篤氏)が、 日本科学協会と学生団体(「京論壇」、「茶話日和」)の協力により開催するもので、日本人学生と中国人留学生(合計33名)が、海ごみ問題の中でも海洋プラスチックごみ問題に焦点を当て、未来視点で対話し、日中民間レベルでの協力可能性を探りました。

 参加者は、海岸清掃体験や 「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲーム、専門家によるレクチャー、対話などを通じて海洋プラスチックごみ問題の現状や具体的な取り組みを把握した上で、その削減方策等について、日中民間協力の観点からアイデアを出し合い、今後10年間のアクションプランに取りまとめました。 

 今回のワークショップは、昨年9月6日9月9日、日中国交正常化50周年記念事業として東京で開催された初回ワークショップに続く第2弾で、今後も第3弾、第4弾を開催する予定となっています。

◆ 海岸清掃体験

 この日最初のワークは、“海ごみゼロウィーク”活動の一環として、地元ボランティア団体「地球をきれいにする会」(代表:尾澤裕氏)ともに実施する牛臥海岸の清掃体験です。

 まず、尾澤代表から、60年〜70年前のこの海岸にはプラスチックごみが見られなかったこと、海ごみの多くはプラスチックごみであること、海ごみは絶えず漂着するため、今日きれいにした海岸も次週の清掃時には元の状態に戻っていて活動に終わりというものがないということ等、この海岸における海ごみのかつての状況と今の状況、清掃活動の現状などを紹介していただいた後、実際にペットボトル、プラスチック容器・製品の一部、アルミ缶、流木、紙ごみなど様々な漂着ごみの回収作業を行いました。


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尾澤代表からのレクチャー

 清掃体験後の参加者からは、次のような感想をいただきました。

・非常に細かいプラスチックごみが堆積していて、清掃が難しい
・海ごみの多くは川から流れついているということを知り驚いた
・一見きれいそうでも、よく見ると様々なごみが有って悲しい気持ちになった
・海ごみは砂の中にも有ることを知り、この問題は深刻な問題である思った
・海ごみ問題を研究しているのでこのイベントに参加したが、海ごみ問題は重要な問題と感じた
・海ごみの量の多さに驚いた
・マリンスポーツをしている人の姿と海ごみや流木は、非常に対照的であると感じた


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”海ごみゼロウィーク活動”に参加

◆「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲーム

 海ごみ問題を“自分ごと”として捉え多角的な観点から考えるきっかけを掴むため、石川千里さんと玉谷圭子さんにファシリテーターを担当していただき、参加者は「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームに挑みました。

 ゲームの舞台を“日本と中国が開発支援している近隣の第三国のあるまち”で、“海ごみ問題が深刻化している状況”と設定した上で、12チームに分かれた参加者が農家、漁業、林業、容器製造業、自動車製造業、清掃会社、メディア、役場、ボランティア等このまちの様々な職業を分担します。

 具体的には、各チームがその職業における海ごみ削減のための行動(カード)を選択すると、その結果が市民意識、技術、便利さ、ごみの汚れという観点からそれぞれポイント化されるので、その結果を他の職業チームと情報交換しながら社会全体として海ごみ問題の改善を目指すというもので、ゲームプレイを通して海ごみ問題の原因、削減のための取り組みや課題等を探りました。
 プレイ後の参加者からは、次のような声が聞かれました。

・良かれと思って選択した行動が、逆に市民意識の低下、ごみの増加に繋がることもあったので、環境に配慮する正しい知識が必要だ
・全ての側面が互いに関係し合っていると実感でき、良い学びとなった
・市民意識が高くなれば、ごみも減っていくので、自ら日々実行していく必要がある
・他のチームが選択する行動により自分のチームの結果も影響を受けるので、まち全体で情報共有することが大切だ
・思い通りにいかないことが多々あり、ごみ問題の複雑さを実感した
・まちを変えるためには、基礎となる市民意識と技術が必要だ


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海ごみ削減のための行動カードを「仕事面」と「生活面」から選択


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選択カードは4つの観点からポイント化

◆専門家レクチャー

 参加者が海洋プラスチックごみ問題について科学的視点でも考えられるよう、海ごみ対策の具体例から海ごみ問題への理解を深められるよう、日本財団 海洋事業部 シニア・オフィサーの塩入同氏から講話をいただきました。

 塩入氏は、まず、海ごみの約7割は自然分解することがないプラスチックごみであること、また、海ごみの8割は陸で発生していることに言及し、陸ごみが川へ運ばれ、川から海へ流れていく過程を紹介した上で、海より川、川より陸と早い段階でのごみ回収はより容易であり、より低コストであることから、できるだけ早い段階でのごみ回収の重要性を強調しました。

 さらに、海ごみは、広範な地域や国々に関係する問題であることから、自治体連携による海洋ごみ対策の具体例「瀬戸内オーシャンズX」を紹介し、海ごみ問題を根本的に解決するためには、自治体、企業、市民が協働して海ごみ削減のための行動を実践すること、ひとりひとりが海ごみ問題を意識し、地域社会や国、世界国々の意識が変わっていくこと、そして行動を実践することの重要性を強調しました。


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川のごみ拾いは海ごみ回収の「最後の砦」と、塩入氏

◆対 話

 この日最後のワークはブレインストーミングで、参加者は、海岸清掃体験、カードゲーム、専門家レクチャー等を通じて得られた理解、発想、気づきなどをベースに対話し、最終目標である海ごみ削減のためのアクションプランづくりに臨みました。

 今後10年間における日中民間協力で海ごみを減らすため、日中の“誰と誰が”、“どのようなアクションで”実現させるのか、実現のための“課題は何か”などをポイントに、グループ毎にアイデアを出し合った後、他のグループとの意見交換、ブラッシュアップを経てアクションプランを確定させました。


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グループ毎のアクションプランづくり

 最終発表では、海洋プラスチックごみ削減のため、プラスチック製品のリデュースやリユース、リサイクルの観点から日中間の学術ツアー、観光地のごみ巡り、自然分解素材の開発、廃プラスチックを活用した商品開発、フォーラム開催など様々なアクションが提案されました。
★グループ1
・アクション:企業協賛学術ツアー
・課題:企業の収益性、法制度の違い/分別法の違い
<参加者からの感想>
・日中間で学生の段階でごみ問題の意識をもてるのは良い
・技術所有権はどうするのか
・海洋研究とIT技術の組み合わせがいい
・企業のメリットが課題

★グループ2
・アクション:日中ゴミ巡り〜日中の大学と観光協会との協働〜
・課題:ビザ問題・意欲・資金
<参加者からの感想>
・観光をインセンティブに両国の意識改革を図るのは面白い
・お金がかかりそうだが、影響範囲は限定的
・日中両国の比較、データ収集は実践可能性が高く良性的競争を促せる
・観光とゴミ問題をミックスさせることに驚いた。具体性、社会性、独自性の説明も良い

★グループ3
・アクション:日中の研究機関による自然分解素材の開発と生産
・課題:開発資金、生産コストと販売価格、知的財産権、国により違う法規制
<参加者からの感想>
・知的財産権に関する課題が興味深い(法規制の面も)
・課題とそのソリューションに対して広範な考察がなされている
・その国の研究機関と企業が、なぜ、自国ではなく他国の研究機関と企業と協力するのかと思った
・生産の段階でその量を減らすことは良い

★グループ4
・アクション:日中デザイナーによる商品開発
・課題:収益化、著作権・特許等、資金・人材
<参加者からの感想>
・回収プラスチックの商品による循環のための考察とアプローチが面白い
・私もNIKEの環境にやさしい素材の靴好きなので、デザイナーの協力は楽しそう
・経済的な角度からの分析も大事、発展できない場合、環境も守れない
・協力に関わる法規制や著作権の複雑さがよく分かった

★グループ5
・アクション:日中フォーラム(研究機関、企業、学生ボランティア)
・課題:意識の低い人の参加、海ごみの対する国際的な意識
 <参加者からの感想>
・開催国を毎回変えるのはとても良い 国は異なっても海は世界に 1 つしかないので、その点を感じられたら有意義
・今のごみをどう減らす?これからのゴミはどうするか?この二つの問題提起が非常に良い
・ボランティアに継続性があるのかなと思った 一過性にならなってしまわないのか
・参加者のインセンティブの方策が面白い

★グループ6
・アクション:海ごみを減らすための諸対策
       (ゴミ分別制度、既存・今後のゴミ対策、日中韓協力研究、材料開発等)
<参加者からの感想>
・CO2 と同様に各国でごみの排出量を定めるのが面白い!民間レベルだと限界があるかもしれない
・規制だけでなくインセンティブも考慮しており、既存の枠組みをうまく拡張していて興味 深い
・对于现存的垃圾和未来的垃圾领着都有所考虑,不仅时中日两国之间,中日韩三国情况都有 所考虑
・学校教育の中に海洋ごみを取り入れるのはいいアイデア


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最終発表(Gr.3 自然分解素材開発)


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最終発表(Gr.5日中フォーラム)

◆講 評

 各グループが発表したアクションプランを受けて、塩入氏は、「今回のワークショップ参加者の中から海ごみ問題を解決できる人が出てくることを期待する」旨の講評を述べられました。

 また、笹川平和財団 海洋政策研究所 研究員の田中広太郎氏は、今回のワークショップのキーワードである日中民間協力に関して「法的な拘束力がある政府レベルの協力は動きが遅いが、民間レベルでは即効性がある。一人ひとりが動けば、世界的な動きになる」として、民間協力の意義を強調しました。

 ファシリテーターの石川さんは、「今日は楽しかったですか。楽しむということがとても大事だと思います。楽しければ自然と続けていくことができ、その継続がいつしか大きな力になる」として、今後も参加者が海ごみ削減のための活動を続けていくことへの期待を述べました。

最後に、主催者を代表して笹川平和財団 笹川日中友好基金 特任グループ長の尾形慶祐氏は、「今後もこうした交流の場を多く作っていきたい。交流に関する希望や提案があれば是非聞かせて欲しい。財団で手伝えることがあれば、全力で応援する」と参加者に呼びかけた上、「皆さんと共に交流イベントを開催し、共に国際交流の場を盛り上げて行きたい」との希望を述べてワークショップを閉会しました。


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「共に交流の場を盛り上げていきたい」と尾形慶祐氏


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海の未来を共に考え対話した日中の参加者











Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 13:18 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「日中未来創発ワークショップ」(2日目)が開催されました。 [2022年09月12日(Mon)]
 9月9日、日本財団ビル(東京・港区)で、「日中未来創発ワークショップ」(主催:笹川平和財団)が、日本科学協会、学生団体である「京論壇」と「日中学生会議」の協力により開催されました。
 2日目となるこの日の課題は、「日中のありたい未来実現のためのプロジェクト」構想を練ることで、具体的には3つのタスクが設定されていましたが、日中の参加者は、それぞれの視点で自由活発に、楽しく、そして熱く意見を交換しながら、タスクに取り組んでいました。

<タスク1>
 ありたい未来像に影響を与えそうな"変化の兆し"についてアイデアを出し合い、グループ毎にトップ5を選定する。
★変化の兆し
自動翻訳技術、SNSの流行、アクティブラーニング、メタバース、VR、XR、AI、カーボンニュートラルエネルギー革命、介護ロボット、ビッグデータ、遠隔医療・・・

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<タスク2>
 10年後(2032年)にありたい未来像が現実化した時、起こっていると想定されることを新聞記事の形で表現する。

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<タスク3>
 ありたい未来像実現のための企画(プロジェクト名、趣旨、活動内容、ステークホルダー等)を考え、アイデアシートに取りまとめる。
★プロジェクト名
・日中両国企業の男女共同参画プロジェクトPRJ
・全学年で日中文化交流PRJ
・「日中バーチャルアベンジャーズ:みんなヒーローになろう」PRJ
・宇宙葬PRJ
・日中生徒会交流PRJ
・「結仁祭典」PRJ
・「恋愛・結婚の可能性を広げる」PRJ
・「第2の人生」プロジェクト

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 これらのステップを経て、各グループは全てのタスクを完了させ、「日中のありたい未来実現のためのプロジェクト」構想を全体に共有しました。

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 続いて、高原明生氏(東京大学 大学院法学政治学研究科 教授)は、若者らしく自由な発想による発表であり、日中の若者が心を寄せ共に未来について語り合う姿には大きなインパクトを受けたと講評しました。また、今日の絆を大切にして更に深め、日中がより良い関係になれるよう貢献して欲しいとのメッセージをおくりました。

     
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高原明生氏(東京大学 大学院法学政治学研究科 教授)



 最後に、閉会挨拶の中で、笹川平和財団理事長 角南篤氏は、今回、テーマとなった宇宙空間やメタバース空間については、国家間の競争に如何に勝ち抜くかに両国とも腐心している現状に触れた上、日中の若者世代が、高齢化社会に向けてこれらの空間を活用すべきかを一緒になって考えなければならないと述べました。さらに、今回のテーマは全て重要であり、それらを実現するため、頑張ってほしいとのメッセージをおくりました。

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笹川平和財団 角南篤理事長


 コロナ禍により、長い間、交流事業もオンライン開催が当たり前のようになっていましたが、久し振りに対面で開催した今回のワークショップは、参加者の声からも分かるように、「直接聞いてみないと分からないこともあるし、実際交わってみないと感じられない思いや築くことができない絆もある。」ということを参加者たちにも実感してもらうことができた交流イベントとなりました。

★参加者の声
<日本人学生>
・率直な意見交換ができてよかった。
・みんなの考えから多くの事を学ぶことができた。
・民間交流が万能とは思わないが、このような機会があるかないかでは大きな違いがあると思う。
・ワークショップの2日間があっという間に終わってしまった。
・グループメンバーの豊富な知識や率直な意見のおかげで最終プレゼンも上手くいった。
・たくさんの新しい友人や人生の先輩に出会うことができた。
・初めての参加で、いろいろ勉強になった。周りの学生は皆レベルが高く、このような人たちと友だちになれて嬉しかった。
<中国人留学生>
・たくさんの面白い友人ができた。 
・日本語で人前で話す人生最初の機会が、今回になるとは思いもしなかった。
・日本に来て、なかなか日本人の学生との交流はなかったが、今回、日中双方の友人が出来てとても嬉しかった。今後のようなイベントにもっと参加したい。


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「日中未来創発ワークショップ」が開催されました。 [2022年09月08日(Thu)]
 日中未来創発ワークショップ」が開催され、日本人学生と中国人留学生、合計47名の有志学生が参加しました。

 このワークショップは、笹川平和財団(理事長:角南篤)が、日中国交正常化50周年記念事業の一環として、日本科学協会、学生団体である「京論壇」と「日中学生会議」の協力により、9月6日、9月9日に開催するもので、2日間の対話を通じて、両国の若者が相互理解を深めると同時に新たな気づきや価値観を共有し、未来に繋がる関係を構築することが、このイベントの主な目標です。

 開催初日となるこの日は、笹川平和財団安達一常務理事が開会挨拶を行い、コロナ禍や日中情勢の影響で国交正常化50周年記念イベントを開催し難い状況、また、観光客や留学生など人的往来の激減により日中の相互印象が低下している状況等に言及した上で、今、未来を担う若者たちを対象に、対話の機会を設ける意義などを強調しました。

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主催者挨拶をする安達一常務理事


 続いて、菊池健司氏(日本能率協会総合研究所 MDB業本部エグゼクティブフェロー)が、「最新のDX事例と未来を拓く発想方法」というテーマで、また王瑩影氏 (36Kr ジャパン・パートナー )が、「日中DXから見る未来の協力の可能性について」というテーマでそれぞれ基調講演を行い、日中の未来における協力を考えるヒントを提供しました。

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日本能率協会総合研究所 菊池健司氏



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36Kr王瑩影氏



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基調講演を聴講する参加者


 その後、本格対話に向けた関係性づくりの第1ステップとして、ワールドカフェ方式による対話が行われました。参加者は、ラウンドごとに設定されたテーマ―「日本の好きな(関心がある)ところ」、「中国の好きな(関心がある)ところ」、「日本と中国が一緒にやると面白そうなこと」について、メンバーをシャッフルしながら、自由に意見や発想を交換し、相手に対する理解や親近感を深めました。


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ワールドカフェによる対話


 ★日本の良い(関心がある)ところ
マナー、私的空間の尊重、サービス、料理、環境、医療、社会福祉、伝統文化、POPカルチャー、忘れ物が戻ってくる等

            
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 ★中国の良い(関心がある)ところ
 AI、食・料理、生活の利便性、人情、自己中な点、歴史、eコマース、タクシー、中華コミュニティ、人目を気にしない等

            
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 次に、各参加者は、これまでの対話を踏まえ「日本と中国で一緒にやってみたいこと」を考えて紙に書き出し、共に対話し課題を解決していきたい仲間を探した結果、8つのグループが結成されました。さらに、各グループは、日中協力の観点から取り組んでみたいテーマについて意見交換の上、素案を作成して参加者全体に共有し、第2日目(9月9日)の本格対話に向けた道筋をつけました。

                
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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:10 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
panda杯全日本青年作文コンクール2021 受賞者発表 [2021年10月12日(Tue)]


わーい(嬉しい顔)皆さん、こんにちは!

国際交流チームの阿羅です。panda杯全日本青年作文コンクール2021の受賞者が決定いたしました。グッド(上向き矢印)わーい(嬉しい顔)

詳しくはこちらをクリック晴れ








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山東大学威海校区図書館の活動 [2021年04月12日(Mon)]
皆さん、こんにちは!
国際交流チームの阿羅です。



当会の図書寄贈対象大学は80校あり、各大学図書館は日本から寄贈された図書の有効活用を目的に様々な活動を行っています。活動の規模は大きなものから、小さなものまで色々ありますが、現地の寄贈担当の先生方が心を込めて準備してくださっており、学生達からアンコールの声や実際に読んだ寄贈図書の感想が届くなど、素晴らしい成果をあげています。



今回は、その中で、山東大学威海校区図書館の活動を紹介させて下さい。



威海校区図書館の楊威先生は当会の寄贈図書の担当をして2年半になり、今回の寄贈図書特別展の責任者として、図書館側とのスケジュール調整や、推薦図書の選定及び推薦文、科学協会に関する必要な資料収集、そして、学生達への広報活動に至るまで、すべてを一人で担当してくださいました。



楊威先生は、図書館の寄贈図書が所蔵されているエリアに「2020年日本科学協会寄贈図書展」と題して、科学協会の紹介、図書が寄贈されるまでの流れ、日本の寄贈者からのメッセージ、オススメ寄贈図書の紹介が記載されているバナーを設置し、オススメの寄贈図書を展示する一角を作って下さいました。



そういった楊威先生のご努力の結果、日本語学部ではない学生達も含めて100人以上が見学に訪れたそうです。





オススメ寄贈図書を読んで感想文を出してくれた学生達



初マ蔚さん
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何雨珊さん
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オススメ図書が並べられた棚
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バナーが置かれた一角
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バナー内容をUP
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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:03 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
笹川杯本を味わい日本を知る作文コンクール(中国語版)審査結果発表 [2021年01月08日(Fri)]
笹川杯本を味わい日本を知る作文コンクール(中国語版)
審査結果発表



 日本に対する関心や理解を深めるため、中国全土の大学生等を対象に2016年度から開催している“日本に関する図書の感想文”コンクール「笹川杯本をわい日本を知る作文コンクール」(中国語版)が2020年も厳選なる審査の結果、受賞作品が決定した。



 同コンクールは、全国の大学図書館が予選コンクールを開催し、1大学2作品を上海交通大学図書館に提出し、最終審査が行われる。



 2020年は計601作品の応募があり、一等賞5名、二等賞10名が受賞し、投稿総数が多い上位5校が最高組織賞を受賞した。


一等賞 (氏名、所属、作文タイトル日本語訳 )

周矞澤 寧波大学図書館与信息中心 「改作でテキストがうろつかなくなる」

王詩妍 浙江越秀外国語学院 「坂道に立つ女性たち」

余韋瑭 北京化工大学  「人生はつかの間、風の歌を聴け」

韋雨果 中国傳媒大学 「二律背反−−『菊と刀』 を読んで日本の感性について得たもの」

孔勁閣 四川軽化工大学 「仏法も王法も共に滅ぶ 比叡山の織田信長」




二等賞 (氏名、所属、作文タイトル中国語原文 )

彭宏宇 上海交通大学   写给我心里藏着的那个小孩

宋科淇 鞍山師範学院  读《解忧杂货店》有感

吉義天宇 西南石油大学 川端康成:清醒但孤独的徒劳

王驛塵 北京化工大学 日本是朵烟花

王燕 大連外国語大学 家:一条无法逾越的鸿沟−论《人间失格》的现世思考

張兰 中国科学技術大学 异类

陳楚婷 中南大学 “借来”文化的重塑与新生

李一一 北京大学 拥抱平凡

黄靖 武漢大学 品日本文学书籍,知百般治愈力

高輝 安徽外国語学院 读《人间失格》有感




最高組織賞

澳門大学、北京大学、西南財経大学天府学院、 鞍山師範学院、中国人民大学



Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:36 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
第七回「Panda杯全日本青年作文コンクール」 オンラインで授賞式を開催 [2020年12月01日(Tue)]
2020年11月23日、第7回を迎えるPanda杯全日本青年作文コンクールの授賞式がオンライン上で開催され、約60名の受賞者及び来賓等が各自宅からパソコンを通しての参加となり、駐日中国大使館で開催される例年の授賞式とまた一味違った特別な授賞式となった。



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今年度の応募総数は481点で、優秀賞10点、入選10点、佳作35点、団体賞3校が選ばれた。応募作品はwithコロナをテーマにした作品が数多く、コロナ禍の中で経験した中国との繋がりについて若者目線でつづられている。

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中国外文局方正輝副局長は、コロナ終息後、延期されている受賞者の訪中研修旅行が実現することについて触れ、「その時は、五感全てを使って中国の歴史、文化、風土、経済などを感じて」とエールを送り、「若者との率直な交流を通して、よりリアルな中国を知ってほしい」と述べた。

孔鉉佑駐日大使から寄せられたメッセージには、荀子の言葉「之を聞くは之を見るに若かず、之を見るは之を知るに若かず」が紹介され、直接的な交流を通して、相手を理解することこそが日中に存在する偏見を解消する鍵であると強調した。



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国際交流において一番大事なことは等身大の相手を知ることと語る尾形理事長



日本財団尾形武寿理事長は、「世界はアメリカの大統領選からも分かるように大きく動こうとしている。グローバリゼーションという言葉自体死語になるかもしれない」と警鐘を鳴らし、このような環境下で日中関係があるべき姿を考える事は非常に重要になってくると受賞者にビデオメッセージを通して語りかけた。

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ビデオメッセージを通してエールを送る日本科学協会橋会長


日本科学協会橋正征会長は受賞者の訪中研修旅行が来年に延期になってしまった事について、「訪中まで1年間の準備期間ができたと前向きに考えて」と呼びかけ、「訪中では、現地の若者から、色々な質問や考えを聞かれる。その時、皆さんは日本の若者を代表して答えることになる」と述べ、意見交換がより実りあるものになるよう、興味、関心事、できれば日中に関する事について調べ、考えておくよう受賞者たちに提案した。


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  優秀賞受賞者を代表して挨拶した岩崎春香さんは、青年海外協力隊として北京市中日友好病院国際部で看護活動をしていた時に体験したコロナに立ち向かう医療従事者の仲間との交流を描いた。挨拶で岩崎さんは、今、自由な往来ができない中でも、違う形で繋がりを途切れないように努力する日中関係について、「それは相手を想い、理解したい、この先も繋がりたいという気持ちの表れ」と述べ、コロナに負けず、前向きな考えを持つよう呼び掛けた。


  審査員の西園寺一晃氏は受賞作品について講評を行い、未来志向であり、過去にとらわれない作品が多数あったことについて評価しつつも、未来は過去の延長線上にあることについて強調し、特に、戦後から国交正常化が実現するまでの23年間、両国を繋いできた民間の情熱について学ぶ事は、両国の未来を考える上で素晴らしいヒントが詰まっていると受賞者に呼びかけた。


優秀賞(10名)、入選(10名)



第七回「Panda杯全日本青年作文コンクール」に関する詳細情報:
https://www.jss.or.jp/kouryu/sakubun/panda/

日本科学協会が実施する日中交流事業について:
https://www.jss.or.jp/kouryu/








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