「日本知識大会・作文コンクール」日本招聘(2)〜中国の大学生の“日本発見”の旅〜
[2017年03月27日(Mon)]
“日本発見の旅”の第2弾は、沖縄、関西編です。
沖縄では、環境保護と平和の大切さを、また、関西では日本の歴史、文化、社会などについて、理解を深めてもらいました。
≪沖縄編≫
2月25日には、ひめゆり平和祈念資料館を見学しました。
沖縄では、太平洋戦争の末期、民間人を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられ、看護要員として動員されたひめゆり学徒隊も、戦争に翻弄され悲劇的な運命を辿ることとなりました。
ここでは、ひめゆり生存者の証言映像や遺品・写真のほか数々の展示物を通して、戦争の悲惨さ平和の大切さを実感してもらいました。
見学後、訪日団から次のような感想が聞かれました。
・年若い少女たちが命を落としたのはこの上もなく惨めなこと。この世から戦争がなくなることを心から祈っている。
・戦争の中で亡くなっていった命の悲痛さのため、みんなの気持ちも重苦しくなった。祈念館を離れる時、世界平和を望む小さい願いを書いて投函した。
・元ひめゆり学徒隊の証言映像を通して戦争経験者の恐れと絶望を感じ、気持ちを同じくすることができた。戦争の痛み、反戦の理念はこのように一つの映像で国も年代も超えて伝わる。
こうした沢山の痛ましい記憶を残し、展示することで戦争という痛ましい過ちを犯さないようにできるのではないかと思った。
・映像を見ていると、涙が止まらなかった。戦争はとても残酷で、人の命と引き替えに「悪」が限りなくふくれ上がる。
戦争で亡くなった人々はある特定の国の痛ましい記憶でも、ある民族だけの苦痛でもなく、人類史上の傷痕だ。平和への祈りは時間も空間も超えて永遠に続いていく。
2月26日、沖縄市でゴミ問題をテーマに地元の高校生・大学生等と意見交換をしました。
日本ではゴミ処理の有料化を進める地域が年々増加していますが、中国においては未だ馴染みのない制度で、日中の若者たちはそれぞれの立場から本音で意見を交換しました。
6組に分れたグループ討論の後の代表者発表では、有料化することでゴミやゴミ処理コスト、リサイクルなどに対する意識が高まり、ゴミの減量化に繋がるという賛成意見が出た一方、不法投棄などが増え、環境悪化に繋がるという反対意見、貧困層など料金を支払えない人たちもいるので、ゴミ処理にお金がかかる制度は現実的ではないという意見も出ました。
また、サンゴの養殖や海への移植活動を通じてサンゴ礁の再生に取り組んでいる施設“さんご畑”を訪問し、ガイドの方からの説明やサンゴの養殖体験を通して、サンゴの生態、また地球温暖化などの影響で絶滅の危機に瀕しているサンゴ礁の現況などについて理解を深めるとともに、自然を愛し、環境を守ることの大切さについても実感してもらいました。
訪日団からは、次のような声が聞かれました。
・ガイドさんの「帰国後、周りの人にサンゴの良さを伝え、誰もが自然を愛し環境を守れるようにして欲しい」という言葉が印象に残っている。
・サンゴの苗を作ったが、弱い子なので、ちゃんと海で生きていけるか少し心配に思う。
さらに、倉浜衛生施設組合を見学し、安全で衛生的なゴミの処理とリサイクルシステムについて、理解を深めてもらいました。
訪日団員からは、中国では未だこうした収集・リサイクルのシステムが発達していないが、日本の経験を生かせば、経済発展と共に環境に優しいのを意識し、きっと私の国も循環型社会になると信じているとの感想も聞かれました。
≪京都編≫
28日には京都を訪問し、清水寺、銀閣寺の見学、参道や街並みの散策、西陣織の着物ショー見学などを通して日本の歴史、伝統文化、風俗などについて理解を深めてもらうとともに古都の趣を実感してもらいました。
清水寺は平成の大改修のため清水の舞台もシートに覆われていて、そこから望む絶景も眺めることはできませんでしたが、霊験あらたかな音羽の滝、縁結びの神といわれる地主神社、沢山のお土産店が軒を連ねる参道・・・と、訪日団は清水寺の魅力を満喫していました。
また、銀閣寺は東山文化を代表する名刹ですが、簡素で落ち着いた雰囲気の観音堂、向月台や銀沙灘などの枯山水の庭園などの見学を通して、日本人独特の美意識である“詫び、さび”を感じてもらいました。
≪まとめ≫
今年は国交正常化45周年の節目の年とは言え、日中関係は依然として微妙な状況にあります。最近の日中関係は、民間レベルでは文化、経済、観光など多方面に亘る交流活動が活発に行われている一方、政治レベルでは、関係改善を模索しながらも首脳会談の見通しも立たず依然として厳しい状況が続いています。
こうした中にあって国は国、民間は民間と割り切ってしまうという考え方もありますが、今回の交流活動に参加した日中の若者たちは、将来の日中関係の担い手は自分たちであるという認識を共有したうえで、関係改善のため活発な交流活動を行うこと、環境保護や世界平和のため積極的に関わっていくことの重要性を確認しました。
また、今回の交流活動を通して日中の若者は友情を共有することができたが、この友情が両国の国家の友情になることを願っているとの声も聞かれました。
沖縄では、環境保護と平和の大切さを、また、関西では日本の歴史、文化、社会などについて、理解を深めてもらいました。
≪沖縄編≫
2月25日には、ひめゆり平和祈念資料館を見学しました。
沖縄では、太平洋戦争の末期、民間人を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられ、看護要員として動員されたひめゆり学徒隊も、戦争に翻弄され悲劇的な運命を辿ることとなりました。
ここでは、ひめゆり生存者の証言映像や遺品・写真のほか数々の展示物を通して、戦争の悲惨さ平和の大切さを実感してもらいました。
見学後、訪日団から次のような感想が聞かれました。
・年若い少女たちが命を落としたのはこの上もなく惨めなこと。この世から戦争がなくなることを心から祈っている。
・戦争の中で亡くなっていった命の悲痛さのため、みんなの気持ちも重苦しくなった。祈念館を離れる時、世界平和を望む小さい願いを書いて投函した。
・元ひめゆり学徒隊の証言映像を通して戦争経験者の恐れと絶望を感じ、気持ちを同じくすることができた。戦争の痛み、反戦の理念はこのように一つの映像で国も年代も超えて伝わる。
こうした沢山の痛ましい記憶を残し、展示することで戦争という痛ましい過ちを犯さないようにできるのではないかと思った。
・映像を見ていると、涙が止まらなかった。戦争はとても残酷で、人の命と引き替えに「悪」が限りなくふくれ上がる。
戦争で亡くなった人々はある特定の国の痛ましい記憶でも、ある民族だけの苦痛でもなく、人類史上の傷痕だ。平和への祈りは時間も空間も超えて永遠に続いていく。
ひめゆりの悲話に耳を傾ける訪日団
慰霊塔の前の洞穴は、沖縄陸軍病院第三外科壕跡
2月26日、沖縄市でゴミ問題をテーマに地元の高校生・大学生等と意見交換をしました。
日本ではゴミ処理の有料化を進める地域が年々増加していますが、中国においては未だ馴染みのない制度で、日中の若者たちはそれぞれの立場から本音で意見を交換しました。
6組に分れたグループ討論の後の代表者発表では、有料化することでゴミやゴミ処理コスト、リサイクルなどに対する意識が高まり、ゴミの減量化に繋がるという賛成意見が出た一方、不法投棄などが増え、環境悪化に繋がるという反対意見、貧困層など料金を支払えない人たちもいるので、ゴミ処理にお金がかかる制度は現実的ではないという意見も出ました。
討論会の企画・進行を務めた悠野さんは高校生
日中米による意見交換
また、サンゴの養殖や海への移植活動を通じてサンゴ礁の再生に取り組んでいる施設“さんご畑”を訪問し、ガイドの方からの説明やサンゴの養殖体験を通して、サンゴの生態、また地球温暖化などの影響で絶滅の危機に瀕しているサンゴ礁の現況などについて理解を深めるとともに、自然を愛し、環境を守ることの大切さについても実感してもらいました。
訪日団からは、次のような声が聞かれました。
・ガイドさんの「帰国後、周りの人にサンゴの良さを伝え、誰もが自然を愛し環境を守れるようにして欲しい」という言葉が印象に残っている。
・サンゴの苗を作ったが、弱い子なので、ちゃんと海で生きていけるか少し心配に思う。
触れて、嗅いで、サンゴの生態を理解
サンゴの苗づくり指南
苗づくり実践
さらに、倉浜衛生施設組合を見学し、安全で衛生的なゴミの処理とリサイクルシステムについて、理解を深めてもらいました。
訪日団員からは、中国では未だこうした収集・リサイクルのシステムが発達していないが、日本の経験を生かせば、経済発展と共に環境に優しいのを意識し、きっと私の国も循環型社会になると信じているとの感想も聞かれました。
ペットボトルや古紙が、シャツやトイレットペーパーに再生
≪京都編≫
28日には京都を訪問し、清水寺、銀閣寺の見学、参道や街並みの散策、西陣織の着物ショー見学などを通して日本の歴史、伝統文化、風俗などについて理解を深めてもらうとともに古都の趣を実感してもらいました。
清水寺は平成の大改修のため清水の舞台もシートに覆われていて、そこから望む絶景も眺めることはできませんでしたが、霊験あらたかな音羽の滝、縁結びの神といわれる地主神社、沢山のお土産店が軒を連ねる参道・・・と、訪日団は清水寺の魅力を満喫していました。
定番スポットで記念写真(仁王門)
向かって左から“学業成就”、“恋愛成就”、“延命長寿“のご利益(音羽の滝)
恋占いおみくじの結果は?(地主神社)
また、銀閣寺は東山文化を代表する名刹ですが、簡素で落ち着いた雰囲気の観音堂、向月台や銀沙灘などの枯山水の庭園などの見学を通して、日本人独特の美意識である“詫び、さび”を感じてもらいました。
わび・さび”を感じさせる銀沙灘、向月台(銀閣寺)
≪まとめ≫
今年は国交正常化45周年の節目の年とは言え、日中関係は依然として微妙な状況にあります。最近の日中関係は、民間レベルでは文化、経済、観光など多方面に亘る交流活動が活発に行われている一方、政治レベルでは、関係改善を模索しながらも首脳会談の見通しも立たず依然として厳しい状況が続いています。
こうした中にあって国は国、民間は民間と割り切ってしまうという考え方もありますが、今回の交流活動に参加した日中の若者たちは、将来の日中関係の担い手は自分たちであるという認識を共有したうえで、関係改善のため活発な交流活動を行うこと、環境保護や世界平和のため積極的に関わっていくことの重要性を確認しました。
また、今回の交流活動を通して日中の若者は友情を共有することができたが、この友情が両国の国家の友情になることを願っているとの声も聞かれました。
未来を担う若者たち
国司交流チーム