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日本科学協会の国際交流活動

図書寄贈、日本知識大会、作文コンクールのこと、
そして訪日・訪中交流のこと…
いろんな交流活動を紹介しています。


浙江越秀外国語学院で学内日本知識大会を開催 [2024年06月11日(Tue)]
 6月1日、中国浙江省の浙江越秀外国語学院で、「笹川杯全国大学日本知識大会2024」に向けた学内の日本知識大会「合道・越秀杯日本知識大会」が開催されました。

 「笹川杯全国大学日本知識大会」は、2014年にスタートし今年で10周年となりますが、10月には杭州市の浙江大学で開催予定となっています。この日開催されたのは、今秋の全国大会に参加する同学院の代表選手を選抜するための学内決勝戦で、本大会に先立って開催された学内の筆記テストと準決勝を勝ち抜いた6名の選手たちが参加しました。

 まず、開会式で浙江越秀外国語学院 東方言語学院 邱鳴院長は、活発でエネルギッシュな時期にある参加者にとって、この大会は自分の才能と情熱を発揮する絶好の機会であるとした上で、広範な読書を通じて知識を深めること、視野を広げること、自身の能力を高めることを奨励しました。


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浙江越秀外国語学院 東方言語学院 邱鳴院長

 また、本会の橋正征会長は、昨年11月に北京の中国人民大学で開催された「笹川杯全国大学日本知識大会2023」に初めて参加し、白熱した戦いを実感したこと、また、日本人でもなかなか答えられない難問に選手たちが正解していて中国の学生の日本に関する知識の豊富さに驚かされたことを紹介した上で、全国大会に向けて開催される大学内選抜戦を参観するのも初めてなので、大変楽しみにしている旨を表明しました。


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日本科学協会 橋正征 会長

 さらに、この大会のスポンサーである義烏市合道電子商務有限公司の胡志鵬社長は、日本の文化、歴史、経済など多岐に亘る知識を共有し、日本についてより深く知る機会を提供することの意義を強調した上で、本会が知識の競い合いのみならず新たな友人との出会いやネットワ-クの構築の場となることへの期待を表明しました。


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義烏市合道電子商務有限公司 胡志鵬 社長

 対戦では、文学、社会、経済、文化、歴史などの分野の問題は勿論、ポップカルチャー、エンタメ、時事問題なども含まれていましたが、選手たちは見事に正解を重ね、日本知識の広さ、日本理解の深さを印象付けました。また、中国には日本に対する深い関心や理解を持ってくれている若者が沢山いることも心強く感じました。


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早押し問題


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穴埋め問題

 出題の分野だけでなく、出題形式も指定問題、早押し問題、穴埋め問題と様々で白熱した戦いが繰り広げられ、日本語学科 3年の梅旭江さんが優勝、2年の魯丹陽さんと2年王恵楽さんが二等賞に、2年の何佳宇さん、2年の王陳璐さん、1年の胡銀娜さんが三等賞に輝きました。
 成績上位の3名については、同学院の代表選手として、10月に浙江大学で開催予定の「笹川杯全国大学日本知識大会2024」に参加することになっています。


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結果発表


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浙江越秀外国語学院 修剛校長と梅旭江さん

 一等賞を獲得した梅旭江さんは、今回の受賞は自分の一生涯続くであろう学習過程の小さな一歩に過ぎないかもしれないが、引き続き努力して自分の能力を向上させ、今年の全国大会で良い成績を収めることができるよう努力していきたい旨の抱負を語ってくれました。


【設問例】
Q.A)
『万葉集』に収録されている「貧窮問答歌」は貧しい農民の困苦を描いているが、その作者は誰か?
1.大伴家持   2.大伴旅人   3.山上憶良   4.柿本人麻呂

Q.B)
労働三法といえば、「労働基準法」「労働組合法」と、あと一つは何か?
1.労働関係調整法 2.労働契約法 3. 男女共同参画社会基本法 4.労働規制法

Q.C)
カンヌ映画祭で好評された映画『万引き家族』『そして父になる』『誰も知らない』の監督はだれか?
1.是枝裕和  2.周防正行  3.山田洋二  4.北野武

Q.D)
平成と改元した年は、昭和何年か?
1.昭和64年 2.昭和65年 3. 昭和63年 4. 昭和62年

 大会の合間には、有志学生によりフルートとギターでジブリ作品の主題歌が演奏された他、中国琴の演奏に合わせた書道パフォーマンス行われました。これに応えて立教女学院の佐々理事も日本の童謡「赤とんぼ」を独唱するなど日中の文化交流が行われ、会場は日中友好の雰囲気に満たされました。


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中国の琴と書道のパフォーマンス


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立教女学院 佐々義子理事の「赤とんぼ」独唱


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大会主催者、スタッフ、参加者

【設問例の解答】
Q.A)3  Q.B)1  Q.C)1  Q.D)1




<国際交流チーム>

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:59 | BOOK ENVOY PROJECT | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
紹興で図書寄贈式を開催(浙江越秀外国語学院) [2024年06月10日(Mon)]
 6月1日午前、中国紹興市の浙江越秀外国語学院で、徐真華副理事長、修剛校長を始めとした同学院の責任者、教職員、学生、また本会と立教女学院の各関係者が参加して寄贈図書の贈呈式が執り行われました。


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浙江越秀外国語学院責任者及び日本科学協会、立教女学院関係者

 同学院は、本会の中国における図書寄贈対象86大学の1つで、2014年6月に寄贈対象となり今月で丸10年となりますが、これまで本会から贈った図書は合計82,000冊を超えます。また、これらの寄贈図書の中には、本会が立教女学院から寄贈を受けた約25,000冊も含まれています。

 2021年、同女学院は、立教女学院短期大学閉学に伴い同短期大学図書館の蔵書約80,000冊を本会に寄贈し、これら全てについては、本会を通じて同外国語学院への寄贈が決定しています。こうした一括寄贈は、日本理解や日中交流の深化に繋がって欲しいということは勿論、同短期大学の学生や教職員の方々に長年活用されてきた貴重な図書の命を生かしたいという同女学院側の強い希望によるものです。

 寄贈式の開会にあたり、浙江越秀外国語学院の修剛校長は、寄贈図書は知識の宝庫であり、図書館の外国語資料を充実させ学生、教員に多様で上質な学術資料を提供していると評価した上で、こうした支援は、教育事業への重視と配慮を示すだけでなく、中日両国民間の深い友情をも示しているとしました。さらに双方の努力により中日教育交流がより深く広くなり、両国の学生の成長と発展のために多くのチャンスとプラットフォームを提供できる旨の期待を示しました。

 これを受けて、本会の橋正征会長は、立教女学院からの一括寄贈に言及した上で、寄贈式を機に寄贈図書が大いに活用され、日本語教育や日本研究の振興に繋がることを心から願っているとの期待を示しました。また、成長のエネルギーが感じられ、将来性のある同学院に図書を寄贈し活用してもらえることを嬉しく思うとの感想を述べました。

 徐真華副理事長は、大学の学習では、授業を受けることや教科書等を読むこと以外にも沢山の本を読むことの重要性を強調しました。さらに人間には生理的、物理的生命の他に科学的、文化的、精神的生命も存在しているが、後者のために読書は極めて大きな役割を果たすことができるとし、その重要な機能として視野の拡大、情操の陶冶、興味の育成、人格の健全化などがあるとしました。

 寄贈式典では、本会の橋会長から浙江越秀外国語学院の修剛校長に図書寄贈書がおくられ、修校長から橋会長に受領証書がおくられました。また、今回の式典に出席していただいた立教女学院理事で同女学院同窓会会長でもある佐々義子氏からも、修校長に図書寄贈書がおくられ、修校長から佐々理事に受領証書がおくられました。


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修剛校長(左)、橋会長(右)

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徐真華副理事長(左)、橋正征会長(右)

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修剛校長(左)、佐々義子理事(右)

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左から李敬平図書館館長、修剛校長、徐真華副理事長、橋正征会長、
佐々義子理事、顧文君常務理事

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参加者全員記念撮影

 翌日の6月2日には、立教女学院提供図書の専用図書室の見学と本会からの寄贈図書に関する読書会の参観を行いました。

 この専用図書室は東方言語学院がある稽山キャンパスにあり、広さは200uで、現在、同女学院からの図書約25,000冊が収蔵されています。
 この図書室を見学した同女学院の佐々理事は、立教女学院短期大学図書館がかつての佇まいもそのままに再現されているようで感慨深いとの感想を述べました。今後、残りの約50,000冊も、順次届く予定となっており、これらが全て収蔵されれば、立教女学院短期大学図書館がほぼ完全な形で紹興に再現されることになります。


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専用図書室見学

 図書室見学に続き寄贈図書に関する読書会が開催されました。
 この読書会は、2チームに分かれた日本語学科学生13名が、個々の関心に応じて選定した図書について感じたこと、気付いたこと、考えたことなど発表するというもので、発表後にはそれぞれ質疑応答の時間も設定されていました。選定図書は、小説、エッセー、ハウトゥ本、日本語言語学誌、絵本、アートブックなど様々なジャンルに及びました。

 参観後、橋会長は、専門分野以外の本を読んだことは非常に少ないという自身の経験に触れた上で、専門分野以外の本を日本語で読んでその感想を日本語で発表できるのは素晴らしいとして参加者たちの日本語力の高さを評価しました。

 また、佐々理事は、日本語の本をよく読み、日本語で感想を述べ、日本語での質問に真摯に答えてくれたことに感謝するとした上で、今回読んだ本の前の読者が応援しているとのメッセージをおくりました。


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読書会Aチーム

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読書会Bチーム

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読書会参加者全員記念撮影


<国際交流チーム>










Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:10 | BOOK ENVOY PROJECT | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
延安大学医学院でオンライン講演会を開催 [2024年04月01日(Mon)]
 本会の前会長 大島美恵子氏は、3月24日、「日本の近代化と蘭学の役割」をテーマとして、中国陝西省の延安大学医学院の修士学生、教職員等200名を対象にオンライン講義を行いました。


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延安大学医学院の会場

 延安大学は本会のBOOK ENVOY PROJECTの寄贈対象大学の1つで、当日は約100名が会場で、約100名がオンラインで聴講しました。講義では、緒方洪庵の5代目の子孫である大島氏が、洪庵の種痘による感染症克服という医学的功績、また幕末から明治維新にかけ数多くの名士を輩出した適塾における人材育成の面での功績を紹介することで、明治以降の日本の近代化において洪庵や適塾が果たした役割、さらにCovid-19パンデミックの経験を踏まえ日本における感染症の克服状況についても、紹介しました。


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PPTに沿って講義する大島氏


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聴講する医学生


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PPT(緒方洪庵の功績)


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PPT(日本における感染症の拡大と克服)


 延安大学の欧周羅特任教授は、講義後の挨拶の中で「当時の日本が如何にオランダの先進的な科学技術を学び導入したか、また、人々に深刻な災害をもたらした伝染病に打ち勝ったかを紹介していただいただき、日本における近代化の歩み、医学レベルの急速な向上への道筋について学ぶことができた」旨の感想を述べました。



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「日本の歴史的経験は新たな感染症を克服する上で重要な参考」と欧特任教授


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オンラインで繋がる日中参加者


 この講演会は、現在、延安大学が、開催に向けて準備中の「延安大学医学・人文国際学術シンポジウム」の先駆けイベントとして開催するものです。


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開催ポスター




<国際交流チーム>




Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 11:35 | BOOK ENVOY PROJECT | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「2024年笹川杯訪日団」研修旅行 [2024年03月05日(Tue)]
日本科学協会は中国国内で
知識大会作文・論文のコンクールを実施しています。
成績優秀者に贈られる副賞が、7泊8日の訪日研修旅行です。


2024年2月17日(土)〜24日(土)、
2023年度の「笹川杯全国大学日本知識大会」、

2022年度及び2023年度の「笹川杯 本を味わい日本を知る作文コンクール」(中国語版、日本語版)笹川杯日本研究論文コンクール」の成績優秀者など45名が日本を訪れました。


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訪日団の学生はまず、2日間のワークショップに参加。
日本の学生と一緒に東京の街をフィールドワークし、
理想の未来や日中協働の可能性について探りました。

その後、山梨、長野、栃木へ。
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(山梨県・大石公園にて記念撮影)


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(長野県・松本市美術館。中国でも人気の草間彌生氏の作品を鑑賞)


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(栃木・若竹農場の竹林を散策)


6日目には、茨城・笠間市で民泊を体験しました。
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日本の家庭にホームステイするのは初めてという学生がほとんど。

民泊を終えた学生からは、

「着物体験をさせてもらえた!」

「畳や布団など、障子の日本の家のすべてが新鮮だった」

といった感想があがりました。

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学生たちを迎え入れた各家庭からは、

「日本を訪れたら、またうちに来てほしい」

といった声も。

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民泊後、学生たちは東京へ戻り、都内で自由時間を過ごしたのち
帰国の途につきました。


笹川杯訪日団について詳しくはこちらのページをご覧ください。

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 10:07 | BOOK ENVOY PROJECT | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ウズベキスタン・タシケント国立東洋学大学とのオンライン調印式 [2024年01月16日(Tue)]

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日本科学協会の国際交流チームの主な事業のひとつが図書寄贈です。

1999年にはじまった図書寄贈はおもに中国を対象にしてきましたが、
2022年から対象をアジア諸国に拡大。

フィリピン、タイ、インド、ウズベキスタン、ベトナムの
5か国の大学への寄贈がはじまっています。


今回、あらたにウズベキスタンのタシケント国立東洋学大学
寄贈対象大学にくわわり、2024年1月16日、
オンラインでの調印式をおこないました。

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(橋会長)

「タシケント国立東洋学大学は、
中央アジア地域における日本語教育の最大拠点のひとつ。

図書寄贈が中央アジアの日本語教育のみならず
日本研究の振興に役立つことを期待している」。

と日本科学協会の橋会長。


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(リキシエワ学長)

タシケント国立東洋学大学のリキシエワ学長は、

「当校は長年、日本語だけでなく、日本の文学、経済、文化
の教育、研究をおこなってきた。

BOOK ENVOY PROJECTへの参加が
日本教育のさらなる振興につながることを願っている」

と述べました。

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(日本財団 尾形理事長)

日本財団の尾形理事長は、

「日本財団は、科学、芸術はじめさまざまな分野で
諸外国との民間交流を実施している。

言葉を勉強することは、
その国の文化や知識を知ることになり、
民間交流の要といえる。

学生たちが寄贈図書から
日本語や日本への学びを深め、将来日本を訪れることは
両国にとって重要」

と、今後の日ウ交流への期待をにじませました。


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日本科学協会の図書寄贈についてくわしくは
こちらのページをご覧ください。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 16:47 | BOOK ENVOY PROJECT | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
外国貿易大学で覚書調印式を開催(ハノイ) [2023年12月19日(Tue)]
 12月8日、本会と外国貿易大学(FTU)は、ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC/ JICAとFTUの協力により設立された国際人材育成機関で、外国貿易大学内に併設)で、本会のBOOK ENVOY PROJECTに関する覚書調印式を開催しました。

 このプロジェクトは、日本の各界から贈られた多様な図書をアジア諸国の大学等に寄贈することで寄贈先の教育・研究と国際理解の促進を図るというもので、1999年の事業開始以来、寄贈対象を中国に絞って実施してきました。

 2022年にはフィリピン、タイ、インド、ウズベキスタンにも寄贈対象を広げ、日越外交樹立50周年にあたる今年は、新たな寄贈先として外国貿易大学(FTU)と場トナム国家大学ハノイ校 人文社会科学大学(VNUハノイ校 USSH)の2大学選定し、各大学との間で覚書を締結することになりました。

 FTUは、教育訓練省に属する国立大学で外交官や政治家、経済界のリーダーなど優秀な人材を輩出してきたベトナム屈指の有力大学です。また、ベトナム日本人材開発インスティチュート(Vietnam-Japan Institute for Human Resources Development / VJCC)はFTUとJICAの協力により同大学内に併設されている人材育成機関で、ビジネス研修や日本語教育を通じてベトナム経済の発展に資する人材の育成を行っています
 本会からの寄贈図書は、VJCCとFTUの日本語学部の両機関での活用を想定しており、日本語学習・教育のみならず日本研究の振興にも繋がるものと期待されます。

 本会の橋正征会長は、図書寄贈を通じてアジア諸国における日本理解の促進と国際人材育成に寄与するという本プロジェクトの趣旨に言及し、最も相応しい寄贈先としてFTUを選定した経緯を紹介しました。
 さらに今後の国際社会において、アジア諸国、特にベトナムと日本が果たす役割の大きさを強調した上で、FTU及びVJCCには日本語教育、日本研究などを通して日越関係の将来を担う人材育成の拠点になって欲しいとの期待を示しました。


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挨拶する日本科学協会 橋会長※
※の写真は、全てVJCCから提供していただいたものです。


 続いて、FTUのPham Thu Huong副学長は、FTUがベトナム初の日本語学科設置大学であることに誇りを持っているとした上で、日本からの支援・協力によって本学の教育研究等が向上していることに感謝の意を表しました。
 また、読書文化の発展は学生の自習能力の向上に繋がると期待できることから、FTUでは、在学中も卒業後も学生が読書を通じて学習能力を向上させていけるよう教育しているとして、読書文化の重要性を強調した上で、寄贈図書を通じて日本に関する教育・研究の質を向上させたいとの意向を示しました。


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挨拶するFTU 挨拶※

 その後、本会の橋会長とFTUのHuong副学長は、覚書にそれぞれ署名し、調印式は終了しました。


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覚書への署名※


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覚書の交換※


 調印式に先立ちVJCCの図書館を見学させていただきました。日本の文化、歴史、社会など広範な分野の図書が所蔵されている他、ハノイの日本大使館からも、随時、新しい図書が寄贈されているとのことで、既に日本語学習環境はかなり整っていると感じました。今後は、本会からの寄贈図書により更に充実した日本関係資料室になるものと期待しています。


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VJCC図書館見学


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JCC図書館の所蔵図書


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VJCC図書館の所蔵図書



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FTU正門での記念撮影
(文責:宮内孝子)

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ベトナム国家大学 人文社会科学大学で覚書調印式を開催(ハノイ) [2023年12月18日(Mon)]
 12月7日、本会とベトナム国家大学ハノイ校 人文社会科学大学(VNU USSH)は、同大学で、本会が実施するBOOK ENVOY PROJECTに関する調印式を開催しました。

 このプロジェクトは日本の各界から贈られた多様な図書をアジア諸国の大学等に寄贈することで、寄贈先の教育・研究と国際理解の促進を図るというもので、1999年の事業開始以来、寄贈対象を中国に絞って実施してきました。
 2022年にはフィリピン、タイ、インド、ウズベキスタンにも寄贈対象を広げ、日越外交樹立50周年にあたる今年は、新たな寄贈先としてベトナムのUSSHと外国貿易大学(FTU)の2大学選定し、各大学との間で覚書を締結することになりました。

 USSHは、ハノイにあるベトナム国家大学ハノイ校(Vietnam National University, Hanoi)に属するベトナムの最高学府のひとつで、通常の国立大学が教育訓練省の管轄下にあるのに対して国家大学である同大学はは首相直属となっています。
 USSHへの寄贈図書は、主に東洋学部の日本研究科での活用を想定していますが、この学科は、日本語教育というよりは日本語を使った日本研究を旨としており、日本語学習のみならず日本研究の振興に繋がるものと期待しています。

 まず、USSHのHoang Anh Tuan学長は、挨拶の中で、歴史研究の専門家の立場から図書が日本の近代化に果たした役割は大きいとした上で、図書寄贈は本学の日本研究の振興に有意義であると評価しました。更に、先月、ハノイで開催された日越外交関係樹立50周年記念シンポジウムにおいて山田滝雄駐ベトナム日本国大使が「産業交流だけでなく、学術交流、知的交流も重要」と挨拶されたことに言及し、図書寄贈を通じた本会とUSSHとの学術交流への期待を示しました。

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挨拶するVNU USSHのTuan学長 ※
※の写真は、全てUSSHから提供頂いたものです。

 続いて、本会の橋正征会長は、挨拶の中で、図書寄贈を通じてアジア諸国における人文社会科学の振興と人材育成に寄与するという本プロジェクトの趣旨に言及し、最も相応しい寄贈先としてUSSHを選定した経緯を紹介しました。さらに今後の国際社会において、アジア諸国、特にベトナムと日本が果たす役割の大きさを強調した上で、USSHには将来の日越関係を担う人材育成の拠点になって欲しいとの期待を示しました。


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挨拶する日本科学協会の橋会長※


 その後、Tuan学長と橋会長はそれぞれ覚書に署名し、調印式は終了しました。


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覚書への署名※


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覚書の交換※


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調印式出席者※


 調印式に先立ち、日本人講師の藤浪先生が日本研究学科3年の学生を対象としたビジネス日本語の講義を参観させていただきました。
 この日のテーマは、自分の強みを効果的にアピールするレポートの書き方かということで、日系企業等への就職を目指す学生にとっては、重要なテーマです。和やかな雰囲気で進められる講義は、日本人の大学生への講義と変わらない内容、スピードでしたが、先生からの質問に迅速に答える学生の回答の適切さに講義の趣旨が十分に伝わっているかことが分かり、彼らの日本語レベルの高さに感心しました。


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フレンドリーな日本語で講義する藤浪先生


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ビジネス日本語の講義を受講する学生たち


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学生たちに挨拶する橋会長


 また、東洋学部 日本研究学科長のVu先生の案内により、日本研究学科図書室を見学させていただきました。
 所蔵図書は日本十進分類御法に沿って整然と分類されていて、これは学生たちが日本に留学した際、留学先の図書館でも図書を十分に活用できるようにとの考えによるものと伺い、その行届いた配慮にとても感心しました。


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日本十進分類法により配架されている日本研究学科図書室


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USSHの外観

(文責:宮内孝子)

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