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日本科学協会の国際交流活動

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「笹川杯日本研究論文コンクール2024」決勝戦を開催 [2024年11月02日(Sat)]
 10月12日、中国長春の吉林大学で「笹川杯日本研究論文コンクール2024」決勝戦が開催されました。

 このコンクールは、本会、中国日語教学研究会、吉林大学が中国全国の大学の日本語学部学部生を対象に2018年から開催している中国初の本格的な日本研究論文コンクールで、執筆論文、プレゼンテーション、質疑応答の各内容を総合的に審査して入賞論文を決定するというものです。論文については、最多3人までの共同執筆が可能です。


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吉林大学外国語学院 張玫玫院長


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中国教育部高等学校外国語言文学類専業教学指導委員会日語分委員会 修剛主任委員


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中国日語教学研究会 陳多友会長


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日本科学協会 和崎春日理事


 決勝戦となるこの日は、一次審査を通過した一次審査を通過した3部門・合計29本(言語学10本、文学9本、文化10本)の論文執筆者(合計42名)が、3部門に分かれて研究成果の発表と審査員による質疑応答に臨み、次のとおり入賞論文が決りました。


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天津外国語大学 呉偉泉さん(言語学)


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西南民族大学 赖雨林さん(文学部門)


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吉林大学 麻月朋さん、 張祚铮さん(文化部門)

 特等賞を受賞した3本の論文執筆者3名については、副賞として2025年2月16日から8日間の日本招聘に参加する予定となっています。
 授賞式の後、受賞者の声を聴くことができました。

 「『坂』の概念メタファー ―日本の地形と精神世界の探求―」という表題で張祚铮さんと共同執筆し文化部門で特等賞を獲得した吉林大学の麻月朋さんは、「分からない気持ちをしたい。若者として中分からないことがあって、研究を行い、答えを探していくことは自分たち若者にとって重要な過程であると感じた」との感想を話してくれました。

 また、言語学部門で特等賞に輝いた天津外国語大学の呉偉泉さんは、
「私の論文のテーマは漫画ユーモア表現に集中し、日本語の原版漫画から代表的なユーモアテキストを抽出してコーパスを作成するプロセスがあります。これらのデータの整理作業は比較的退屈で困難で、多くの時間と精力が必要なので、論文を書いている間に徹夜をするのはよくあることです。しかし、最後に堅持し、真剣に整理してまとめてこのコーパスが作成され、私は強い達成感がします。この作成されたコーパスも私がなぜ特等賞を取ることができるかの重要な要素だと思います。だから、どんな努力も無駄にはならなくて、払うことができれば、それはいつも私たちにいくつかの収穫と成長をもたらすことができると信じています。」
との感想を寄せてくれました。


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特等賞受賞者

【言語学部門】
◆特等賞
受賞者:天津外国语大学 呉偉泉
表題:機能的等価理論から見る漫画ユーモア表現の翻訳研究―漫画『クレヨンしんちゃん』を例に―
◆一等賞
受賞者:北京大学 陈易洲
表題:「VP+的」と「VP+の」の二義性に関する日中対照―結合価理論を中心に―
◆二等賞
・受賞者:北京外国语大学 唐淑媛 陳倩倩 胡潔
 表題:「ムード的意味」を表す「よかった」に関する一考察
・受賞者:天津外国语大学 李思洋
 表題:中国人日本語学習者による撥音の産出と認識
    ―撥音音長を中心に―
・受賞者:福建師範大学 杨贺婷 杨安h
 表題:中国人日本語学習者の日本語相づちの習得特徴に関する研究
◆三等賞
・受賞者:湖北大学 張明志
 表題:日本語学習者の音韻認識と聴解能力の相互関係に関する実証的研究
・受賞者:上海外国語大学 徐弈唯
 表題:日本語語彙学習ストラテジーに関する考察―大学日本語学習者を対象に―
・受賞者:東北師範大学 王雪 刘馨怡 杨睿涵
 表題:社会言語学の視点から見るスポーツ解説の特徴―パリオリンピックの解説を例に―
・受賞者:広州商学院 邱敬雨
 表題:N1聴解資料における語用前提トリガーの研究について
・受賞者:南京農業大学 楊璇
 表題:「ほめへの返答」における中日比較分析―「大衆点評」と「食べログ」店舗のポジティブロコミへの返信を例として―

【文学部門】
◆特等賞
受賞者:西南民族大学 赖雨林
表題:激変する時代における近代知識人の矛盾―「こころ」に書かれた故郷―
◆一等賞
受賞者:華東師範大学 呉嘉欣
表題:動物表象における主体性の構築――大江健三郎「人間の羊」論
◆二等賞
受賞者:湖南大学 匡笑
表題:コギトエルゴスム:川端康成『青い海黒い海』における自己探求の旅についての研究
◆三等賞
・受賞者:湖南大学 季颖
 表題:精神的な血縁の構築―ちか子と菊治の「母子」関係について―
・受賞者:天津外国語大学 林家h 『
 表題:コンビニ人間』におけるマージナルマンの自己構築と再構築
・受賞者:吉林大学 鲁馨陽
 表題:『コンビニ人間』における「私」と「公」の和解
・受賞者:天津外国语大学 李瑾
 表題:『歯車』から見る芥川龍之介の「現代」への不安
・受賞者:西南民族大学 李肖宣
 表題: 『南京の基督』における「西瓜の種」のメタファーについて
・受賞者:中央財経大学 成惟一
 表題:「山月記」と「人虎伝」の比較から 袁傪の異なる形象と意義の探究

【文化部門】
◆特等賞
受賞者:吉林大学 麻月朋 張祚铮
表題:「坂」の概念メタファー ―日本の地形と精神世界の探求―
◆一等賞
受賞者:北京外国語大学 谢写意、徐雨宸、王泺媛
表題:朱鷺を中心とした中日間民間外交の一考察
◆二等賞
・受賞者:北京第二外国語学院 姜鴻毅
 表題:ジブリ映画におけるコンテンツと作者の関連性についての考察―『君たちはどう生きるか』を例として―
・受賞者:東華大学 彭佳欣
 表題:伝統芸能の現代化への一考察――呉汝俊の新京劇を中心に
・受賞者:中国人民大学 呉詩妍
 中国における漫才の受容に関する研究――2019−2023年の作品を例に
◆三等賞
・受賞者:北京外国語大学 郭晓菲、王婕、張载钰
 表題:Z世代のファストフード式恋愛文化の生産―「蛙化」現象に注目して―
・受賞者:西南大学 楊玺宇、欧莹
 表題:中日両国における「孤独死現象」をめぐる言説分析―ディスコースのインタラクションを中心に―
・受賞者:上海海事大学 宋雅茹、胡灵鋭、陳子怡

 表題:中日の2.5次元ミュージカル産業の比較研究―製作側から見る―
・受賞者:華中師範大学 姚雪洁
 表題:言霊に関する詩歌から見る中日文化―『詩経』と『万葉集』を中心に
・受賞者:北京外国語大学 李金洹
 表題:農業従事者支援政策の中日対照研究


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一等賞受賞者


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二等賞受賞者


<国際交流チーム>

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 17:24 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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