笹川杯日本研究論文コンクール2023 決勝戦開催
[2023年12月25日(Mon)]
“外国語で論文を書いて、外国語で発表する”。
とても難しいことのように感じますが、外国語での論文作成・発表の完成度を競うコンクールがあります。
中国の日本語学科の大学生を対象にした「笹川杯日本研究論文コンクール」です。
学生は【文化、文学、言語学】の3分野から研究テーマを設定し、日本語で論文を作成。
一次審査の査読を通過した論文が決勝戦へと進みます。
2023年11月18日、4年ぶりに中国・吉林省の吉林大学で決勝戦が開催されました。
(撮影:人民網日本語版)
開会式にて吉林大学の張国興副学長は、
「中国の日本語教育界で注目を集めるコンクール。学生の日本文化、社会の理解が深まることを期待」と述べました。
決勝戦で論文作成者は、審査員の前で日本語でプレゼンテーションを行います。
実際の発表をみてみるとーー。
「商品紹介におけるオノマトペの使用と翻訳―ユニクロを例として―」(言語分野)
を執筆した華東師範大学の周驍ウん。
日本では商品紹介でよくオノマトペ(擬音語・擬態語)が使われます。周さんは、「サラリ」や「チクチク」などの中国語にない擬音語が、どう翻訳されているのかを論文にまとめました。
日中のユニクロの商品紹介について、写真を交えながら比較、日本語で発表しました。
この日、プレゼンテーションと質疑応答をへて、特等賞2本、一等賞3本、二等賞9本、三等賞12本が選出されました。
決勝戦後の講評で、審査員を務めた中国日語教学研究会の修剛主任委員は、
「毎年応募者のレベルが上がっている。(優秀論文に選出されなかった学生も)在学中に努力を続け、二等賞、一等賞、特等賞をとるようにがんばってほしい」
と学生を激励。
(撮影:人民網日本語版)
「質疑応答での、学生たちの的確な日本語の回答におどろいた」と日本科学協会の高橋会長。
中国日語教学研究会の名誉会長で北京外国語大学日語学院の周異夫院長は、
「論文コンクールは、各大学の教員、学生の交流プラットフォームとして重要な役割を果たしている」とコメント。
今後のコンクールの発展に期待を寄せました。
論文コンクールの詳細や、特等賞受賞論文についてはこちらのページをご覧ください。