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日本科学協会の国際交流活動

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知日派大学生がクイズで競う〜「日本知識大会」開催〜(11月5日) [2023年11月09日(Thu)]
 11月4日、5日の両日、北京の中国人民大学で「笹川杯全国大学日本知識大会2023」が開催されました。

 この大会は、日本科学協会と中国人民大学が中国の大学の日本語学習者を対象として開催する“日本に関するクイズ大会“で、中国全国(4市22省1自治区)から97大学が参加しました。全ての日本語学科設置大学が約500大学という中国にあって、その1/5にあたる97大学(選手291名)が一堂に会し、“日本知識を日本語で競う”この大会は、中国版“日本知識の甲子園”とも言えるもので、中国の日本語教育界屈指のイベントとなっています。


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個人戦決勝(写真提供:人民網 張麗婭記者)

 5日の決勝戦の開会式で、中国人民大学の張東剛党委書記は、この大会の規模や影響力が益々拡大し社会の注目を集めていることに触れた上で、中国の若者の日本への関心の深化、日本語学習意欲の向上により日中文化交流促進のためのプラットフォームを提供するという本大会の意義について評価し、参加選手には、本大会をきっかけに日本の大学生との交流や協力などをさらに強化して欲しいとの期待を示しました。


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中国人民大学 張東剛党委書記(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 続いて、日本科学協会の橋正征会長は、日中平和友好条約締結45周年の年に中国全国から約400名の学生・指導教師の参加を得て本大会を開催することの意義を強調した後、前日の予選で出題された問題の多くが自分たち日本人でも答えられない難問であったことに触れ、選手たちの日本文化・言語・文芸などに対する深い関心と理解を感じた旨を述べ、会場の選手たちには今後もこれまでに蓄積した知識や磨いた能力を十分に活かして進んでいってほしいとの期待を示しました。


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日本科学協会 橋正征会長(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 続いて前日の予選・準決勝戦を勝ち抜いた11大学による団体戦、13名の選手による個人戦の各決勝が行われ、団体戦では天津外国語大学、個人戦では河南師範大学の黄旭鴻さんがそれぞれ特等賞を獲得しました。


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Q.)「漢委奴国王」の金印が発見されたのは、現在の何県?(個人戦)


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Q.)全国の神々が島根の出雲大社に集まるのは、何月?(団体戦)


<決勝戦結果>

★団体
特等賞 天津外国語大学
一等賞 浙江大学
    南開大学
二等賞 東南大学
    浙江越秀外国語学院
    大連大学
    華東師範大学
    西南民族大学
    北京大学
    中国人民大学
    江南大学

★個人
特等賞 河南师范大学 黄旭鴻
一等賞 中国人民大学 陳心語
    浙江越秀外国語学院 管亿嘉
    北京外国語大学 周宇豪
    上海海事大学 朱泳康
    武漢大学 辛宸
二等賞 長春師範大学 呂江涛
    瀋陽師範大学 王小雨
    洛陽師範学院 文治坤
    西南大学 彭肖潇
    聊城大学 王欣
    国防科技大学 林琳


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個人戦特等賞を獲得した河南師範大学 黄旭鴻さん(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


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団体戦一等賞を獲得した南開大学、浙江大学(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


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団体戦特等賞を獲得した天津外国語大学(写真提供:人民画報 郭莎莎記者)


 ※団体戦上位3大学と個人戦上位6名、開催大学である中国人民大学、合計20名については、2024年2月中旬に8日間の日本招聘を予定しています。

 コロナ禍を経て4年ぶりの開催となる今大会は、中国の日本語学習者にとっても久々の対面交流であり、各大学の選手たちも大学の授業は勿論、課外活動、チーム特訓など懸命な努力を経て大会に臨んだようです。

 多くの参加者の中には入賞できた選手、叶わなかった選手もいますが、結果がどうあれ、選手たちにとっても、指導教員にとっても、大会参加には大きな意味があったように感じました。
 本会の図書寄贈先の1つである東北財経大学選手の潘奥さん、指導教師の胡偉先生もそのように感じられた方々で、次のような感想を聞くことができました。

 2019年大会では参加のチャンスがなく残念に思った。今回、4年ぶりに大会が再開されることを知っていち早く参加を指導の先生に申し込み、以来ずっと幅広い知識の習得や理解に努めてきた。その成果を十分に発揮することはできなかったが、大会準備の過程で広まった知識や深まった理解はとても有意義であったと思う。(潘さんの声/要約)

 優れた選手たちが集まっていてわくわくしました。この大会は本学の選手にとって良い刺激と励みになった。ぜひ今後も続けていただきたい。(胡先生の声/要約)


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左から東北財経大学 胡先生、潘さん、趙瑞瑄さん、趙梓淇さん


 閉会式で日本財団の尾形武寿理事長は日中間の相互理解や友好における対面交流の重要性を強調した上で、今後も日本財団は多くの日中交流事業を支援していきたいと述べました。また、会場の選手たちに対しては、国の未来に対する責任を担う若者に対して、「国家が何をしてくれるか」ではなく「国のために何ができるか」を考えることの重要性に触れ、大学での4年或いは6年間に研鑽を積み社会に必要とされる人になって欲しいとの期待を示し、知識大会は閉幕しました。


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日本財団 尾形武寿理事長(写真提供:郭莎莎記者)

(文責:国際交流チーム 宮内)

Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:38 | 日中未来共創プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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