先日、今年度第1回目の保育者専門研修で
野瀬内科小児科の医師・大内すこやか保育園長 野瀬橘子先生にご講演いただきました。
昨年度、野瀬先生の同タイトルの講演がとても好評だったのを受けて、
今年度は野瀬先生による講演を3回シリーズで行うことになり、今回はその第1回目でした。
今回は“子どもの熱中症”についてもお話いただき、時期的にもタイムリーな内容で
参考になったという声が多く聞かれました。
体調変化が命の危険に直結する0・1歳児については、各現場でも様々な配慮がされていると
思います。山口市内の保育園でも0・1歳児のお子さんを預ける方が増えている状況の中、
こういった緊急対応についての知識を日々学び、共有していくことが
重要になってくるのではと思います。

講演の後に約20分間のグループワークを行い
6人程度のグループを作って、自己紹介の後、講演を聞いての感想や疑問を出し合ったり、
各園の取り組み等の情報を交換したりしました。
このたびの78名の参加者の中には、保育園・幼稚園の先生方だけでなく
子育て関係の団体の方や託児等でお子さんに関わっておられる方もいらっしゃったので、
いい交流の場にもなったのではと思います。

最後の質疑応答では、皆さんから出た質問に野瀬先生が一つ一つ丁寧に
ご回答くださいました。
野瀬先生の講演3回シリーズの2回目は、11月17日(木)「感染症について」
3回目は、2月23日(木)「アレルギーについて」の予定です。
随時ブログでご案内いたします。
保育者・子育て支援者専門研修
「0・1歳児の命を守る」〜子どもの体調変化における緊急対応について〜
日時:6月28日(火)14:00〜16:00
場所:山口市立山口保育園 2階遊戯室
講師:大内すこやか保育園・園長 野瀬橘子 先生
参加人数:78名
<講演内容>
はじめに
毎日元気に園生活を過ごすための子どもの健康管理
5つのポイント
@命を守る A病気・感染症対策と予防 Bアレルギー対応 C事故防止 D心のケア
1、0・1歳児の命を守るには?
・全国の保育施設における0〜1歳児の不慮の事故報告件数
H26年度177件 → H27年度399件
全国的にここ1年で保育施設が増えているため、件数も増えている。
・死亡事故の50%は0歳児 35%が1歳児
多くは睡眠中に起こっている。うつ伏せ寝を好む子どもは危険度が高い。
1〜4歳児の主な死因は不慮の事故だが、0歳児の死因の上位は先天的な要因の次にSIDS
(乳幼児突然死症候群)である。
2、乳幼児突然死症候群(SIDS) について
「それまで元気だった児が、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡する病気」
・発生年齢:生後2〜6か月・・・2歳頃でもあり
・多発季節:1月は7・8月の2倍発生(米国で)
SIDSの予防対策
(1)うつ伏せ寝や横向きにさせない。
(2)顔や頭に寝具がかからないようにする。
(3)ベットマットは固いものを使用。布団も柔らかいものは使わない。
(4)ベッドにおもちゃは置かない。
(5)添い寝をしない。しかし生後6〜12か月間は保護者と同室で寝かせる。
(6)厚着をさせない。
※体温上昇とSIDSの発生に関係があるといわれている。大人より1枚薄着。
昼寝時に布団はかけないほうがよい。
4、不慮の事故を防ぐには
(1)発熱時の対応
(2)けいれん時の対応
(3)呼吸停止時の対応
呼吸停止→吐かせる、抱き上げる、気道確保
「いつ、どこで、誰が、何を、どうしたのか」必ずメモを取っておく。
5、0・1歳児が生きる権利
集団で保育をする者は、
『命を生かし、守る』重大な使命と任務が課せられている。
保育中“何かおかしい”“いつもと違う”と思われたら要注意
気になること が重大事件へ!
6、子どもの命を守るために習慣づけてほしいこと
(1)常に子どもをよく観察すること。
(2)“あれ、おかしいぞ”“いつもと違うぞ”と思ったら自分が納得できる確認を
速やかに行う。他の先生に相談する。自分だけで対応しない。
(ホウレンソウ/報告・連絡・相談)
(3)子どもの命を守る観察ポイント
(4)視診で大切な観察事項
(5)耳を澄まして保育しよう!重大事故の早期発見
(6)子どもの体調チェックを再確認
7、0歳児の重要なサイン−0歳児のその訴えは?−
某保育園の事例を元に解説
8、子どもの熱中症について
・熱中症になりやすいにはこんな人
・熱中症にならない対策
・T度(軽度)U度(中等度)V度(重度)の症状と対応
・園での熱中症対策例
<アンケートより抜粋>
・園で気をつけることについて、具体的に聞くことができてよかった。
丁寧に子どもを観察していく中で防げることがたくさんあるので、実践していきたい。
・実例を交えた話で分かりやすかった。
熱中症については、今後園ですぐに生かせると思う。
・エアコン、扇風機の使い方を今後見直したいと思った。
・改めて「命を預かる」ことの大切さを実感した。
・「いつもと違う」小さなサインに気付き、職員間でしっかり、ほう・れん・そう をとっていきたい。医療器具のない保育の現場でいかに子どもの異変にいち早く気付けるかが大切だと思った。
・看護師がいない園で、保育士が現場でできる具体的な対応についてもっと知りたい。
・グループワークで他園の先生と情報交換ができてよかった。他園の取り組みで取り入れたいと思うものもあり、参考になった。