2016年02月19日
長瀬美子先生講演会を開催しました
今回は、大阪大谷大学の長瀬美子先生による
「0・1・2歳児の発達と保育」〜主体的な生活、手ごたえのある活動〜
と題しての講演でした。
あいにくの雨模様にもかかわらず、93名もの参加がありました。
0.1.2歳児はできることこそ少ないけれど、実は
「やってみたい」「楽しいな」という意欲や気持ちが芽生える
発達の大事なスタート期であり基礎作りの時期であること、
だからこそこの時期に大切にしたいこと、
乳幼児期の子どもにかかわる大人に求められること、などを
丁寧に分かりやすくお話してくださいました。
長瀬先生は語りが穏やかで、子どもの発達の観点に温かさが感じられ
なおかつ理論的で分かりやすく、あっという間の2時間でした。
今回、幼稚園保育園関係者以外にも、
預かりや託児をされているスタッフの方も多く参加されていました。
「具体的で勉強になった」
「0.1.2歳児の保育は地味で根気がいる仕事だが、
本当に奥が深くて意味のある3年なんだなと感じさせられた」
などの感想も聞かれました。
0.1.2歳児の保育の大切さについて改めて実感し
より理解を深められたのではないでしょうか。
皆さんそれぞれの現場でいかされるといいなと思っています。
専門研修「0・1・2歳児の保育と発達」〜主体的な生活、手ごたえのある活動〜
日 時・・・2月13日(土)14:00〜16:00
場 所・・・山口市立山口保育園 2階遊戯室
講 師・・・大阪大谷大学 教授 長瀬美子先生
参加人数・・・94名
<講演内容>
はじめに
「発達を学ぶ」ということ
各年齢の特性を理解することで 見通しを持った保育ができる
※発達するということは
「〜できる」ことが発達なのではなく、「〜しようとする」ことこそが発達
1、乳児期の発達で大切にしたいこと−自我の育ちを中心に−
(1)生活習慣の確立に向かう時期
(2)意欲の高まり
(3)自我のめばえ、「自己主張期」
※「イヤ!」の表出が「自我のめばえ」ではない
「イヤ!」の裏返し、裏側にあるものとしての「こうしたい!」が 生まれていることが重要
(4)他者とのかかわりの中で自我が育つ
2、乳児期に保障したい生活−「わかりやすい生活」から意欲・主体が生まれる
*乳児にとって「わかりやすい生活」とは?・・・「見通しがもてる」生活
(1)乳児の意思を尊重した生活づくり
(2)リズムのある規則正しい生活:生活のリズムをつくる
※単調な中に楽しいことがあることが大事(安定した中の楽しさ、安定的な繰り返し)
(3)実感・達成感の大切さ:「自分で」という気持ち、「できた」という喜び
(4)安心できる他者の見守りの中で
*おとなとの信頼関係
→ 周囲への関心、他児への関心
できたことをほめるだけでなく頑張っていることをほめる
3.発達要求にふさわしい活動の提供−月齢・年齢にあったあそびの重要性
(1)「やってみたい」気持ちを大切に・・・「楽しい」ことを知る大切なスタート
(2)発達にあった魅力的な対象
(3)あそぶ楽しさが感じられる=五感で感じる・楽しむ経験を十分に保障する
(4)「おとなと向かい合って、共感しながらあそぶ」ことから「子ども同士が共感し合える経 験」へ
4.乳児の保育者に求められること
(1)乳児期の重要性の理解:乳児期に重要なことを、ていねいに積み重ねること
(2)気づく力・読み取る力
(3)思いが出せる、受容・共感される
(4)育てる視点−ふくらませ、広げる力、ことばにして返す力
(5)つなぐ力
子ども同士/子どもと環境/保護者と子ども/保護者同士
◆講演報告の詳細はこちら
《参加者アンケートの抜粋》
○0.1.2歳児の発達の中で保育者として何を大切にすべきか改めて考えることができました。
0.1.2歳での生活が3.4.5歳の何につながっているのかが分かりました。今担任している子どもた ちをもう一度以前の生活から考えていくきっかけをもらえました。育ちのとらえ方を見直しなが ら、今からこどもたちとしっかり関わっていけるようにしていきたいです。
○現在0歳児クラスの担任をしていますが、今日の話を聞いて、日々の当たり前な生活の大切さ、見通しを持った言葉かけの大切さを改めて知り、一人ひとりの思いを感じとり、受け止める力を もっと養っていきたいと思いました。
○難しい0.1.2歳が身近に感じました。自分の子育ての時勉強していれば、もっと
いい子育てができたかも。子どもと一緒に楽しむ大切さを心にきざみ、目線は子どもに合わせて ゆったり託児ができればと思いました。
○「はじめて」が印象に残りました。0.1.2歳児保育の日々のかかわりの中での子どもの姿、様子を思い浮かべながら聞きました。何気なくしている言葉での代弁など、大切なんだと改めて実感 しました。読みとり力つけていきます。「つなぐ」的環境の一人として毎日笑顔で過ごしていき たいと思いました。
2016年02月02日
講演会「0・1歳児の命を守る」を開催しました。
先日、野瀬内科小児科の医師で、大内すこやか保育園長でもある
野瀬橘子先生をお招きして、子どもの体調変化における緊急対応について
お話いただきました。
76名の方にご参加いただきましたが、
事前に募った「こんな時どうすれば?」
「この方法でよかったの?」の質問も多く寄せられ、
体調管理や変化の対応について、現場での関心が高いことがうかがえました。
後半に質問時間を設けて、色々なケースについての質問にも
お答えいただきました。
実際に患者さんを診られた経験から、また園児さんの事例を
スライドも交えながらお話いただきました。
医師である先生だからこその具体的なお話が
とても分かりやすく、また
改めて命を預かる仕事の重みと責任を感じた研修となりました。
専門研修「0・1歳児の命を守る」〜子どもの体調変化における緊急対応について〜
日 時・・・1月28日(木)14:00〜16:00
場 所・・・山口市立山口保育園 2階遊戯室
講 師・・・社会福祉法人光善会理事長・大内すこやか保育園 野瀬橘子先生
参加人数・・・76名
内容・・・0・1歳児の命を守るには?
集団生活の中でどうする?みんなで考えましょう!
T.はじめに
・インフルエンザやRSウイルスは0・1歳児から始まるのはなぜ?
→親の健康に関係している。
今は人の多い場所に赤ちゃんを連れて行く親も多い。
人の出入りの多い場所でウイルス・菌をもらってしまう。
大人だとうつっても鼻水程度で済むが、小さい子どもほど命に関わる。
呼吸が苦しくなるので鼻水も要注意。
・地域でのかぜ・感染症発生の情報交換が大切である。
「どこの園で何人発生した」等の情報を共有することが望ましい。
U.保育園における0〜1歳児の不慮の事故死
保育施設における事故報告(厚生労働省平成26年1月1日〜12月31日)より
・報告件数 177件
負傷などは5歳児が最多(160人中54人)
死亡事故は0歳児が最多(17人中8人)→いかに0歳児の保育が大切であるか。
・死亡事故の死因と死亡状況
睡眠中の死亡事故が64.5%
発見時うつ伏せ寝 36.4%
→うつぶせ寝の子どもは注意する。窒息の危険だけでなく、顔の表情が見えないため異常に
気付き難いので危険。鼻づまりの子どもは危険なので注意。
お昼寝時間はブラックタイム
V.保育園で発生しうる0〜1歳児のいわゆる突然死
1、乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome)
2、窒息死
3、誤飲によるもの
4、その他(虐待、外傷性事故死他)
5、先天異常の病気によるもの(心疾患、神経疾患、代謝疾患他)
6、その他の病気によるもの(RS性肺炎、脱水、熱中症、けいれん、喘息
アナフィラキシー他)
※これらの状況が取り巻く中で保育しているという意識が必要。
W.乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome)について
○定義
「それまで元気だった児が、事故や窒息ではなく、眠っている間に突然死亡する病気」
・発症頻度:約6000〜7000分の1人(平成23年度全国で148人)
・多発年齢:生後2〜6か月
・多発季節:1月が7〜8月の2倍発生(米国で)
※冬は厚着しがちで、からだや顔の表情などが観察しづらい。
部屋の温度を上げて厚着するが、乳幼児は体温が高く暑がりで、大人の適温では暑すぎることが よくある。
※特に寝返りがさかんになる5・6か月頃は油断ができない。
(うつぶせたり、布団や衣服で呼吸が妨げられたり・・・)
※子どもによって寝方に癖があったり、決まったタオルを持たないと眠れないなどの
こだわりがある子どももいるが、寝入ってしまってからそっと取り除くなどの工夫を。
※寝ている時間はほっとしがちだが、ちょっとした変化や異常に気づけるように普段から
よく観察していること。“見張る”気持ちで“見守る”こと。
○SIDSの予防対策
@児は仰向けで寝かせる(うつぶせや横向きにしない)
Aベットの足側にスペースがないように寝かせ、寝るときに顔や頭に寝具がかからないようにす る。
Bべットマットは固いものを使用。布団も柔らかいものは使わない。
C児の寝るベットに一切おもちゃ類は置かない。枕は使わない。
D添い寝をしない。しかし、生後6〜12か月間は保護者と同室で寝かせる(ベビーベットも)
E児に厚着をさせない。
※児の体温の上昇とSIDSの発生に関係があるといわれている。
室内温度は大人の快適温度より低めに設定し、大人より一枚薄着をさせたほうがよいとされる。
(適温20℃・・・春の気温なので、服も春物をイメージすればよい。)
掛布にも要注意!
(タオルケットなど掛けるなら胸から下だけにする。肩から掛けない。
あまり重たい掛布は呼吸の妨げになるのでよくない。
服を着て寝ていれば、夏はほとんど布団は掛けなくてよい。)
F過剰に部屋を暖めることはSISDの原因となることが知られている。
Gできるだけ一人にしない(長時間は危険)
※保育室は保育士一人に0歳児3人で三つ子ちゃんの家庭のようだが、保育園は複数の職員が
交代で必ずついている。複数での見守りができるという点で安全。
H受動喫煙をさせない。
I母乳で育てよう。
X.不慮の事故を防ぐには
あなたならどうする?まず落ち着きましょう!
1.発熱時の対応
・保育中の子どもの様子チェック
・発熱状態の観察
・看護はどうする?(冷やす?冷やさない?着せる?)
2.けいれんの時の対応
・けいれん前の様子チェック
・けいれん状態の観察(持続時間、けいれんの状態、呼吸、意識)
・検温する
・保護者に連絡を!
・救急車を!
3.呼吸停止時の対応
・呼吸停止直前の様子をチェック
・呼吸停止時間の推定をする
・口腔鼻腔の異物を確認
・直ちに救急蘇生開始
・救急車を要請する
・保護者に連絡(同時進行で手分けして行う)
※泣き入り無呼吸、けいれん、心臓発作等は自然回復する。あわてない。
※窒息による呼吸停止→吐かせてみる
※SIDSによる呼吸停止→抱き上げる、気道を確保し救急蘇生
(たてに抱き上げることで気道が確保されることもある)
Y.泣き入りの呼吸停止事例のお子さんの事例をもとに(スライド写真を見ながら)
○個人の保育計画案
児の保育記録を作る。
朝の受け入れ時、前日の泣き入りはどうであったかを尋ね、把握しておく。
保育中は常にすべての職員が本児の状態を把握する。
午睡のときは抱いて寝かせたり、常に寝息に注意。
前日泣き入りが激しかったようなら、しっかりスキンシップをとり、
できるだけ抱っこやおんぶ等して一人にしない。
泣き出したときは、すぐに抱き上げ気持ちを落ち着かせる。
○ひきつけ、けいれんを起こした時の対応
・主治医の指示(親の指示)
すぐに縦抱きをし、名前を呼びかける。
落ち着ける場所に移動する。(0歳の部屋)
横に寝かして服のボタンをはずして衣服の締め付けを緩める。
・看護師、主任に知らせる。
・保護者に連絡をし、状況説明を行う。
・30秒以上ひきつけが続くようなら救急車を手配する。もしくは自家用車で病院に連れて行く。
Z.0・1歳児が生きる権利
◆0・1歳児は成長発達をまっしぐらに、日々を過ごす権利がある。
◆0・1歳児は様々な環境に依存し、人に守られる権利を有している。
(悪い環境は大人が良くしていくことが必要)
◆0・1歳児は人に生命を守ってもらう権利がある。
集団で保育をするものは、“命を生かし、守る”重大な使命と任務が課せられている。
健康な子どもたちを育てていく任務がある。
※保育中、“何かおかしい”“いつもと違う”と思われたら、要注意
※保育中時間と共に“異常が?”“何か気になることが”増大していくと、重大事件につながる
◆子どもの命を守るためには 必ず習慣づけてほしいこと
@常に子どもをよく観察しましょう。
A“あれ、おかしいぞ?いつもと違うぞ”と思ったら、自分が納得できる確認を速やかに行う。
他の 先生に相談する。決して自分だけで対応しない。(報告・連絡・相談)
若い先生は先輩に何でもよく聞くこと。
◆子どもの命を守る観察ポイント
1、保育現場での子どもの観察方法
@問診→A視診→B聴診・触診→C問診をすべての園児にチェックすることが望ましい。
特に0・1歳児には不可欠。
※朝の検温が健康のバロメーター全てではない。
2、視てわかる異常発見の第一歩(最も大切な観察事項)
・登園時の親子の様子
・子どもの顔色と表情
・保育中の子どもの行動
・目ヤニや涙・鼻水・よだれ・尿・便などの異常
・全身について皮膚の色や発疹その他の異常
※ベテランの保育士が若い保育士に見方やポイントをしっかり指導し
育てていくことが大事になる。
3、耳を澄まして保育しましょう!
異常を感じたら飛んでいく。絶対に放置しない。
大きな音、変な音、泣き声、寝息・・・
4、子どもの体調チェックを再確認しましょう
機嫌は?泣き声と泣きの状態は?抱かれたがる?その理由は?睡眠状態は?
食事の様子は?遊びの様子は?排泄物・分泌物の確認、傷は?発疹は?
※激しい泣きの時は、いい顔になるまで無理させずしっかり縦抱きをする。
[.緊急対応についての質疑応答
○後頭部を打った時
→頭部外傷は必ず脳外科受診が基本。
たんこぶがあれば大丈夫”ではない。
反応がない場合はすぐに救急車要請
○転倒によるこぶの応急措置
→冷やす
“こぶに砂糖水をつけるとよい”は根拠がない。また傷がある場合に砂糖はよくない。
最近は、スポーツ用のアイシング(氷嚢のようなもの)でよいものがある。
○かみつきの時
→冷やす (炎症を抑えるには、あたためるのでなく冷やす)
○肘が抜けやすい
→触らず、整形外科で受診。
抜けやすい子どもは繰り返すので注意。
○薬、座薬を持ってこられる場合
→薬簸予約依頼書を保護者に書いてもらう。
座薬については看護師のいる園はよいが、そうでない園では
対応について園であらかじめ決めておくことが必要。
○けいれんを起こした時
→小さい子どもは寝かせずに抱いたほうがよい。(気道確保、吐しゃ物誤飲を防ぐため)
舌はめったにかまない、危険なので口の中に手や物を入れない。
○熱はないが咳がひどく、機嫌や食欲がない。
→ぜん息も考えられる。
咳がひどいと食べられないので無理に食べさせない。
ミルクも誤飲のおそれがあるのでやめる。肺に入ると危険。
○慢性的な病気を持つお子さんへの対応
→主治医からの指示をいただくこと。
<参加者アンケートより抜粋>
・写真もあり、眼に見える症状、状態だったので園ですぐに役に立つと思います。
一人が“いつもと違うな”と感じたことをまわりの仲間にも伝えて、
共感し、見守り、命をしっかり守っていける保育ができたらなと思います。
・スライドによる、乳児の顔の表情や体の様子がとても分かりやすかった。
特に、一時保育の受け入れの時に参考にしていきます。
・0・1歳児の命を守るためには、子どもを日頃からしっかり観察し、いつもと違った
いつもと違う時はすぐ対応することの大切さを改めて考えました。
・寝ている子どもも心をこめてみていきたいと思いました。そして子どもの要求を
しっかりみられる保育者でありたいです。
・いつ何があるか分からない子どもたちの病気ですが、「保育者全体で子どもたちを
守る」という言葉に少し安心しました。ほんとにそうですね。園に戻って全体で見守ることを
伝え、心がけていこうと思います。
・“ほう・れん・そう”。本当に一人で見えないところが、複数いることでカバーし合える。
そのためにもっと大切にしていきたいと思いました。
・全体を観察して、冷やす、冷やさない、あたためるなどの具体的な対応を看護師の
いない園では、知識として知っておく必要があると思いました。
2016年01月19日
二本松はじめ先生講演会を開催しました
つながりあそび・うた研究所の二本松はじめ先生(愛称はピカリン)と
コーラスの“みやちゃん”(元保育園の園長先生でとってもパワフルな女性)
のお二人による実践指導でした。
「今日は皆さんがしっかり遊んで、遊びの面白さや楽しさを感じてください。
それをぜひ子どもたちに伝えてください。」の言葉を受けて、
初対面の先生同士が向かい合って手をつなぎ、自己紹介をして
「今週の保育で嬉しかったこと」を伝え合うことから始まりました。
初めはぎこちなかった先生たちも、なんだか自然に肩を組んで、抱き合って、
くすぐりあってつながって・・・
いい笑顔で「ワァ〜」「キャハハハ〜」と
会場いっぱいに走り回って楽しんだ、あっという間の2時間でした。
そして講演会の最後の「夢わかば」という歌と紙芝居がとても素敵で、
皆さん感動されていました。
子どもたちに関わる大人が、心から「楽しいね!」と
笑って思いきり遊べることは
素敵であり、大切なことだと思います。
参加された先生方から、つながる楽しさがたくさんの人に広がっていきますように。
専門研修「0〜5歳のつながりあそび」
日 時・・・1月16日(土)14:00〜16:00
場 所・・・山口市立山口保育園 2階遊戯室
講 師・・・つながりあそび・うた研究所 所長 二本松はじめ先生(他1名)
参加人数・・・69名
内容・・・二本松はじめさん作詞・作曲の曲を中心に、実際に体を動かしながら歌って
遊びながらのつながり・うたあそびの研修
T.実践したあそび
◆「元気いっぱい」(ピカリンベスト5『ばんざい』収録)
“おはよ”で始まる朝のあいさつにぴったりの曲。
◆「誕生日って」(ピカリンベスト5『バンバンザイ』収録)
◆「ゴシゴシゴシ」(ピカリンベスト4『どっこいしょどっこいしょ』収録)
野菜を洗うあそびうた。お互いに手をつないだり、子どもを膝にのせたり、寝転んでお風呂のように体をゴシゴシしたりしてふれあう遊び。色々な遊び方が楽しめて歯みがきや手洗いの時にも使える曲。
◆「デンデン音頭」(作者不詳、CD『笑う門には福来る』収録)
“でんでんむしどこだ”でおなじみのあそびうた。
◆「ぐるぐるぐるぐる」(ピカリンベスト4『どっこいしょどっこいしょ』収録)
子どもたちの好きなかいぐりのまねっこ遊び。「工夫次第でいろいろ楽しめ、この曲
だけでも1時間は遊べます」
◆「でんしゃにのってゴーゴーゴー」(ピカリンベスト4『どっこいしょどっこいしょ』収録)
お友達とつながって遊ぶ電車ごっこ。遊ぶうちに電車がモノレールになったり新幹線になったりとテンポを変えたり、信号や急ブレーキを入れたりすることで、「速さの違いが分かるかな?」「止まれるかな?」など、自分の体をコントロールしながら遊べる。
また、親子ペアの設定で「おおかみがでた」の掛け声で、子ども役がお母さん役の相
手のところまで急いで走って戻る、というイス取りゲームの要素も入れて遊べる。
つながる遊びを通して、人に手を差しのべられる子どもになってほしい。
◆「だるまさんが大変身」(CD『笑う門には福来る』収録)
おなじみの絵本「だるまさんが」(作・絵 かがくいひろし/ブロンズ新社)
絵本と連動したあそびうた。
“だるまさん”のにらめっこ遊び→今、こういったにらめっこ遊びやいないいないばあ
などの遊びの「面白さや意味が分からない」という親が増えている。
子どもの思いを受け止めて返していく→寄り添う保育
「どうやって子どもの思いを受け止め、返していくか」を考えるのが保育という仕事。
◆「おやまにのぼりましょう」(ピカリンベスト4『どっこいしょどっこいしょ』収録)
最後の“こちょこちょ"が楽しい親子のふれあい遊び。
◆「夢わかば」(ピカリンベスト5『バンバンザイ』収録ピカリンベスト4『どっこいしょどっこいしょ』収録
土の中に眠っているちいさな“ゆめのたね”が大地の栄養を吸って“ゆめの芽”になり、
木になり枝が増えて“夢わかば”になり、そこからどんな花を咲かすのか?それはぼく
らがきめていく。好きな時期に、好きな季節に、好きな花を咲かせよう。“ゆめのたね”
とは「こども」である。 この歌には紙芝居と絵本もあり、歌詞の最後は“ぼくらは
うまれてよかったよ ぼくらをうんでくれてありがとう”。
卒園式にもぴったりの感動的な曲。
大人はよく子どもに「早く着替えなさい」「早く食べなさい」「早くして」と言う。
けれどそれは早く、大きくなったわが子の姿を見たいから。逆に子どもに対してそう思わ
なくなったとしたら、それは怖いこと。ついせかしてしまうのは、子どもを愛している
証拠である。
保育士がつながる楽しさを感じ、“ゆめのたね”の子どもたちに、人とつながる喜びや
いのちの大切さを伝えていきましょう。
U.レジュメより
「あそべやあそべ みなあそべ」〜子どもたちへ そして子どもたちから〜
1.子どもたちへの前に、まず、つながり遊びの楽しさを経験しましょう。
@人のいのちは、人と人とのつながりの中から生まれ、育まれてきた事実から出発
2.抱っこしあって、みつめあって、微笑みあって
@からだとこころを許しあう関係をたっぷりつくろう=委ねる楽しさと安心の世界
Aからだが触れ合う時、心もふれあう。こころがふれあう時、からだも触れ合う。
Bおもわずからだが笑っちゃう=人のつながりって楽しい
・今、人と触れ合うことができない大人もいる。手がつなげない。触れられるのが嫌など。
3.子どもに育てられながら一生かけて親(保育士)になればいい
@振り返ったとき、自分を見つめてくれる、受け止めてくれる人がいる。
Aドンマイ・・・失敗したっていいんだよ。ありのままの自分が、あなたが好き。
Bゆっくりあなた自身が子ども色に染まって・・・揺れて揺られる楽しさを
4.子育て・保育の楽しさを奪うものに立ち向かう楽しさを=笑顔で
@子育ては、戦争をしない子どもを育てること、戦争を許さない子どもを育てること。平和を広げる子どもを育てること=九条の子ども
Aあなたの夢は
B人は幸せになるために、人を幸せにするために生まれてきた
〈参加者アンケートより抜粋〉
○歌って動いてつながって笑顔がいっぱいになりました。
子どもたちと一緒につながりたいと思いました。
○実際に歌ったり踊ったり遊びながら、あっという間に時間が過ぎました。
来週からの保育でやってみたいと思います。子どもの願いを丸ごと受け止めて、
返してあげられるようになりたいなと思いました。
○とても楽しく、心の温まるもので、人と触れ合うことって大切だなと
感じさせてもらいました。 人と触れ合うことで友達に優しくしたり、
友達のことを思ったりすることにつながるんだ ろうなと感じることができました。
自分のクラスでもやってみようと思います。
○二本松先生、とても魅力的な方で引き込まれました。今日学んだことを、
子どもたちと楽しみた いと思います。また二本松先生の研修を受けたいです!!!
○歌や体を動かす中で緊張がほぐれ始めて、一緒に参加した方とも笑顔で
面白く遊ぶことができました。ピカリンの言葉に耳を傾け、笑い、気付き学びがありました。
みやちゃんの姿に子どもと向き合う姿勢も知りました。
もっと自然体に保育していこうと思いました。
2015年11月06日
倉石先生の講演会を開催しました
先日、倉石哲也先生の講演会が行われました。
行楽日和の土曜日の午後にも関わらず、会場は大勢の関係者で満席となりました。昨年も来てくださった倉石先生への期待の高さと同時に、これからの教育・保育・子育て支援に保護者や家族の理解が不可欠だと考えている方が多いことがうかがえました。人数調整をお願いした事業所もあり、大変ご迷惑をおかけしました。
講演では、専門的な内容をたくさんの事例を交えて具体的に分かりやすくお話しいただきました。終了後のアンケートにも、「子どもや保護者の顔が浮かんだ。さっそく月曜日から実行してみたい。」という意気込みが多く書き込まれていました。多くの関係機関の皆さんと共に、知識を得るだけでなく、意識を変える講演会となりました。
やまぐち子育て福祉総合センター実績報告
専門研修「保護者(家族)支援〜保護者とのよりよいコミュニケーションのために〜」
日 時 ・・・10月24日(土)14:00 〜16:00
場 所 ・・・山口市立山口保育園 2階遊戯室
講 師 ・・・武庫川女子大学 文学部 教授 倉石哲也先生
参加人数 ・・・136名
内容
テーマ1 一人の人間が親になるということ
親が思春期をどう過ごしたか?自分がどうやって育ってきたかを振り返ること
母としての自分だけでなく、嫁として妻として違う立場としての自分と向き合うこと ができるとよい
他人からの評価を気にし、常に緊張感を持っている親が多い
子どもに対しての愛着関係作りは、妊娠期から始まっている。不安だったか?うれしかったか?が重要。
子育てのイメージが浮かびにくい人は子どもとの関係作りが難しい
テーマ2 親の愛着スタイルの理解/親の困難
子育てに負担や不安を感じている親の心理を理解する
養育者の愛着スタイルの4分類
@安定型 約70%
A愛着軽視型 10〜15%
泣いている子どもに関心を示さない/子ども→親を求めない
B不安定・囚われ型 10〜15% 日本に多いと言われている
親がいいと思ったことは子どもがいやがってもさせる
子どもの気持ちを読み取る力が弱い
保育者にたくさん質問をするが、その助言をうまく吸収できない
HowToを求めがち
/子ども→よく泣く、気分の切り替えができない
C未解決型 5%以下
園にあまり顔を見せない
精神的に不安定で、行動に一貫性がない
地域差あり。生活困難を抱えている場合もある。
/子ども→感情表現に波があり、パターンが読みにくい
※親の愛着スタイルと子どもの愛着行動は63〜74%の一致率
テーマ3 愛着の回復を目的とした親対応
@保護者のタイプは変わらない 変えようとしない
A子どもの愛着行動を変える
保育者も親と苦労を分かち合う
B保育者の愛着行動の了解を得る
家での子育てや生活スタイルを認めつつ、園では保育者がしっかり甘えさせることに対して理解を得る
「園と家とで対応が違っても子どもはちゃんと育ちます、大丈夫ですよ」
保育の苦心も語る
「私たちもなかなかうまくいかないこともあるんですよ…」
C軽視型の親…親の状況に想像力を持って、親自身の話を受け止める
不安定型の親…子どもの心情を丁寧に解釈。助言ばかりしない
・不信感の強い保護者は担任以外の先生からどう見られているかも気にしがちなので、担任だけでなく、全職員による見守り(あいさつ、声かけなど)
・波長を合わせる 親の興味・関心のあることを話題にすることで、その保護者との関係を作る。仲良くなる
・「愚痴」は大人の甘え行為。信頼の兆しなので、吐露されるものをそのまま受け止める
※うつ傾向の人は要注意
・他者の役に立ち、評価される経験(園舎の掃除日設定など)の場を作ってあげる
親が支援慣れ・お客様化すると、感謝の気持ちが薄くなり、クレームが多くなる
・アメリカ、オランダ/イスラエルの研究の紹介
テーマ4 障がいのある子を持つ親の障がい受容
・周囲からの偏見や圧力がある
・これまで思い描いた子ども像や自らの人生設計の崩壊
・混乱とアンビバレント(「治るのではないか」という揺れ動き)
・最終的に覚悟が決まるのは中高生ごろ 将来を真剣に考えざるを得なくなる
・最終的に進路を決めるのは親だが、園は「困った時に来られる場所」であること
・療育を受けることは金銭的負担も大きい
・コーディネートの重要性 地域包括支援センター(ケアマネ)的役割が療育の現場にはまだない
テーマ5 親の精神疾患など
・うつ 長く話を聞いても徒労に終わることが多い
マイナス感情には同調せず、できている行動を評価する
・境界性パーソナリティ障がい 落ち着いて一貫した態度で対応する
チームで役割を分担する
・知的発達の課題 親の特性に応じた支援
・親が心の病を持つ子どものケア
子どもは自分を責めてしまうので、年齢に応じた説明をしていく責任がある
<参加者アンケートより抜粋>
○保護者を巻き込んで共に子育てをしていこうと保育をしています。事業所内保育所というところなので保護者の大変さを理解し負担を少なくしようと。そうすることで保護者が笑顔で子どもと接することができると信じています。やはり保護者支援の大切さが正しいとわかり安心すると共にいっそう支援をすすめていきたいと思いました。
○今までの経験の中で、リンクする所が数々ありました。「なるほど」と共に「やはり」と思うことも多く、とった行動の中であれでよかったと思うこと、どうだったかな、他に方法があったのかなと考えさせられることがたくさんありました。結局自分に何ができるかというより落ち着いて対応したり話をきくことが大切だという思いを強くしました。
○保育園では子どもたちとは長く過ごしているが、保護者の方のことはほとんど分からないことが多いので、いろんなこと、例えば仕事の面、趣味のことなど知り、いろいろと理解し、一歩でも近づいていろんな話が出来たらよいと思いました。
○親の愛着のスタイルについての見方や、子どもの特徴など、分かりやすく説明して頂けてとても勉強になりました。また心の病を抱える保護者への対応など、みんなで協力しながら対応していくことの大切さなど改めて感じました。講演でのお話を参考にこれからの保護者対応に生かしていきたいです。
○今まで「園でこんなにがんばっているのに、、、家でもこうしてくれたら」と、保護者に対して思ってしまっていた所があったのですが、今日のお話を聞いて考えが変りました。また倉石先生のお話を聞きたいです。
行楽日和の土曜日の午後にも関わらず、会場は大勢の関係者で満席となりました。昨年も来てくださった倉石先生への期待の高さと同時に、これからの教育・保育・子育て支援に保護者や家族の理解が不可欠だと考えている方が多いことがうかがえました。人数調整をお願いした事業所もあり、大変ご迷惑をおかけしました。
講演では、専門的な内容をたくさんの事例を交えて具体的に分かりやすくお話しいただきました。終了後のアンケートにも、「子どもや保護者の顔が浮かんだ。さっそく月曜日から実行してみたい。」という意気込みが多く書き込まれていました。多くの関係機関の皆さんと共に、知識を得るだけでなく、意識を変える講演会となりました。
やまぐち子育て福祉総合センター実績報告
専門研修「保護者(家族)支援〜保護者とのよりよいコミュニケーションのために〜」
日 時 ・・・10月24日(土)14:00 〜16:00
場 所 ・・・山口市立山口保育園 2階遊戯室
講 師 ・・・武庫川女子大学 文学部 教授 倉石哲也先生
参加人数 ・・・136名
内容
テーマ1 一人の人間が親になるということ
親が思春期をどう過ごしたか?自分がどうやって育ってきたかを振り返ること
母としての自分だけでなく、嫁として妻として違う立場としての自分と向き合うこと ができるとよい
他人からの評価を気にし、常に緊張感を持っている親が多い
子どもに対しての愛着関係作りは、妊娠期から始まっている。不安だったか?うれしかったか?が重要。
子育てのイメージが浮かびにくい人は子どもとの関係作りが難しい
テーマ2 親の愛着スタイルの理解/親の困難
子育てに負担や不安を感じている親の心理を理解する
養育者の愛着スタイルの4分類
@安定型 約70%
A愛着軽視型 10〜15%
泣いている子どもに関心を示さない/子ども→親を求めない
B不安定・囚われ型 10〜15% 日本に多いと言われている
親がいいと思ったことは子どもがいやがってもさせる
子どもの気持ちを読み取る力が弱い
保育者にたくさん質問をするが、その助言をうまく吸収できない
HowToを求めがち
/子ども→よく泣く、気分の切り替えができない
C未解決型 5%以下
園にあまり顔を見せない
精神的に不安定で、行動に一貫性がない
地域差あり。生活困難を抱えている場合もある。
/子ども→感情表現に波があり、パターンが読みにくい
※親の愛着スタイルと子どもの愛着行動は63〜74%の一致率
テーマ3 愛着の回復を目的とした親対応
@保護者のタイプは変わらない 変えようとしない
A子どもの愛着行動を変える
保育者も親と苦労を分かち合う
B保育者の愛着行動の了解を得る
家での子育てや生活スタイルを認めつつ、園では保育者がしっかり甘えさせることに対して理解を得る
「園と家とで対応が違っても子どもはちゃんと育ちます、大丈夫ですよ」
保育の苦心も語る
「私たちもなかなかうまくいかないこともあるんですよ…」
C軽視型の親…親の状況に想像力を持って、親自身の話を受け止める
不安定型の親…子どもの心情を丁寧に解釈。助言ばかりしない
・不信感の強い保護者は担任以外の先生からどう見られているかも気にしがちなので、担任だけでなく、全職員による見守り(あいさつ、声かけなど)
・波長を合わせる 親の興味・関心のあることを話題にすることで、その保護者との関係を作る。仲良くなる
・「愚痴」は大人の甘え行為。信頼の兆しなので、吐露されるものをそのまま受け止める
※うつ傾向の人は要注意
・他者の役に立ち、評価される経験(園舎の掃除日設定など)の場を作ってあげる
親が支援慣れ・お客様化すると、感謝の気持ちが薄くなり、クレームが多くなる
・アメリカ、オランダ/イスラエルの研究の紹介
テーマ4 障がいのある子を持つ親の障がい受容
・周囲からの偏見や圧力がある
・これまで思い描いた子ども像や自らの人生設計の崩壊
・混乱とアンビバレント(「治るのではないか」という揺れ動き)
・最終的に覚悟が決まるのは中高生ごろ 将来を真剣に考えざるを得なくなる
・最終的に進路を決めるのは親だが、園は「困った時に来られる場所」であること
・療育を受けることは金銭的負担も大きい
・コーディネートの重要性 地域包括支援センター(ケアマネ)的役割が療育の現場にはまだない
テーマ5 親の精神疾患など
・うつ 長く話を聞いても徒労に終わることが多い
マイナス感情には同調せず、できている行動を評価する
・境界性パーソナリティ障がい 落ち着いて一貫した態度で対応する
チームで役割を分担する
・知的発達の課題 親の特性に応じた支援
・親が心の病を持つ子どものケア
子どもは自分を責めてしまうので、年齢に応じた説明をしていく責任がある
<参加者アンケートより抜粋>
○保護者を巻き込んで共に子育てをしていこうと保育をしています。事業所内保育所というところなので保護者の大変さを理解し負担を少なくしようと。そうすることで保護者が笑顔で子どもと接することができると信じています。やはり保護者支援の大切さが正しいとわかり安心すると共にいっそう支援をすすめていきたいと思いました。
○今までの経験の中で、リンクする所が数々ありました。「なるほど」と共に「やはり」と思うことも多く、とった行動の中であれでよかったと思うこと、どうだったかな、他に方法があったのかなと考えさせられることがたくさんありました。結局自分に何ができるかというより落ち着いて対応したり話をきくことが大切だという思いを強くしました。
○保育園では子どもたちとは長く過ごしているが、保護者の方のことはほとんど分からないことが多いので、いろんなこと、例えば仕事の面、趣味のことなど知り、いろいろと理解し、一歩でも近づいていろんな話が出来たらよいと思いました。
○親の愛着のスタイルについての見方や、子どもの特徴など、分かりやすく説明して頂けてとても勉強になりました。また心の病を抱える保護者への対応など、みんなで協力しながら対応していくことの大切さなど改めて感じました。講演でのお話を参考にこれからの保護者対応に生かしていきたいです。
○今まで「園でこんなにがんばっているのに、、、家でもこうしてくれたら」と、保護者に対して思ってしまっていた所があったのですが、今日のお話を聞いて考えが変りました。また倉石先生のお話を聞きたいです。
2015年08月28日
肥後功一先生講演会を開催しました
先日、島根大学の肥後功一先生をお迎えし、専門研修を開催しました。講演前、レジュメに目を通すと、いろんな図があって難しそうな印象を受けます。ところが、先生の講演ではおなじみのジブリアニメをはじめ、ビデオや歌、ご自身の飼い犬まで登場し、気がつけばあっという間の2時間でした。
「ことばは、リアリティ(話し手の動作や表情、音の速さや抑揚)とファンタジー(意味)から成り立っている」との講義内容の通り、ブログの書き言葉だけではとても講演会の臨場感をお伝えできません。「団らん」の時間を家庭でも職場でもしっかり持って、ことばとコミュニケーションの力を鍛えていきたいと思います。
やまぐち子育て福祉総合センター実績報告
専門研修「児童期につながる学力をどう形成するか〜幼児期の“教育”のめざすもの〜」
日 時 ・・・8月22日(土)14:00 〜16:00
場 所 ・・・山口市立山口保育園 2階遊戯室
講 師 ・・・島根大学 教育学部 教授 肥後功一先生
参加人数 ・・・148名
講座内容
1.はじめに
□求められる「計画性」「21世紀型能力」
□5歳児の「牛の絵」からわかること
牛の模様を規則的に描く→記号化・表象化
その過程で、自分で考えたり、友達と一緒に気づいていくことが大事
そこに教師・保育者がどう関わるか
■今後、保育者(教師)に求められる力=保育実践研究力
子どもの思考力を高めるために最も重要なのは、保育者自身の思考力
□発達の全体性をとらえる視点
□大切なのは通常の保育のベースライン
特別なメニューよりも「なんでもない毎日」のクオリティ
2.教育のベースにあるべきもの
□おにぎる?おにぎらない?
映画「千と千尋の神隠し」のおにぎりのシーンより
千尋が「まじ無理」という日が来る!?
小学生の4人に1人が、他人の作ったおにぎりに抵抗がある →人間関係の希薄化
□人というもののイメージ(対人距離感)の変化
「公共性」の範囲が小さくなっている 2〜3世代前からの変化 体にしみこんでいるもの
「傍若無人」しゃべっている若者たちのグループがそのままエレベーターに乗り込んでくる
昔に比べて、先客を意識して黙る、声を落とす、ということがなくなった
□スティル・フェイス(Still Face)実験から
ビデオ:母親の表情の変化に対する子どもの反応
(母親が無表情を続け、子どもに対して全く反応を返さないと、子どもが不安になり泣き出す)
「なぞり−なぞられる」関係が、心の土台となり、学習の土台となる
人と人の間にかかっているベルトを切ることは、人権侵害に等しい
□21世紀型能力の中核である「思考力」を形作っているのは「言語力」
どんな「言語力」を育むことが「将来の教育につながる本当の思考力」になっていくのか?
そこを捉えることが重要!!
3.「わかり」と「かかわり」
□「言語力」が弱くなると…消えてしまうものとは?
抽象的な理念(権利、平和、責任、自由、正義、誇り…)
□「人の話が聴ける子」のために必要な「言語力」とは?
映画「となりのトトロ」のシーンより メイがさつきのことばを繰り返している場面
人との「かかわり」(関係機能)を通して「わかり」(認知機能)、コミュニケーションが身につく
□「人の話」=「情報」だけでない
団らんの力:「話す」と「聞く」が混ざり合い、主客が一体化する
ことばからエネルギーを得る力は団らんの中で育つ その場を作っていくのが保育の力量
□子どもの心に届く「おとなの言語力」の問題=あなたの「ことばの魔法」はどうですか?
「ことば」は単なる意味ではない
非ことば(身振り、表情など)+ことばの音(歌)+ことばの意味(歌詞)
講演の内容も講師(ことば、体)を通して参加者に伝わる
□幼児期に特有な時間、そして幼児期の価値をしっかりと捉えた「教育」を!
「何もしないでいる」時間、「ひとりで充実して過ごす力」
そうしたものが本当は後のほんものの「学ぶ力」になっていく
「ことばは、リアリティ(話し手の動作や表情、音の速さや抑揚)とファンタジー(意味)から成り立っている」との講義内容の通り、ブログの書き言葉だけではとても講演会の臨場感をお伝えできません。「団らん」の時間を家庭でも職場でもしっかり持って、ことばとコミュニケーションの力を鍛えていきたいと思います。
やまぐち子育て福祉総合センター実績報告
専門研修「児童期につながる学力をどう形成するか〜幼児期の“教育”のめざすもの〜」
日 時 ・・・8月22日(土)14:00 〜16:00
場 所 ・・・山口市立山口保育園 2階遊戯室
講 師 ・・・島根大学 教育学部 教授 肥後功一先生
参加人数 ・・・148名
講座内容
1.はじめに
□求められる「計画性」「21世紀型能力」
□5歳児の「牛の絵」からわかること
牛の模様を規則的に描く→記号化・表象化
その過程で、自分で考えたり、友達と一緒に気づいていくことが大事
そこに教師・保育者がどう関わるか
■今後、保育者(教師)に求められる力=保育実践研究力
子どもの思考力を高めるために最も重要なのは、保育者自身の思考力
□発達の全体性をとらえる視点
□大切なのは通常の保育のベースライン
特別なメニューよりも「なんでもない毎日」のクオリティ
2.教育のベースにあるべきもの
□おにぎる?おにぎらない?
映画「千と千尋の神隠し」のおにぎりのシーンより
千尋が「まじ無理」という日が来る!?
小学生の4人に1人が、他人の作ったおにぎりに抵抗がある →人間関係の希薄化
□人というもののイメージ(対人距離感)の変化
「公共性」の範囲が小さくなっている 2〜3世代前からの変化 体にしみこんでいるもの
「傍若無人」しゃべっている若者たちのグループがそのままエレベーターに乗り込んでくる
昔に比べて、先客を意識して黙る、声を落とす、ということがなくなった
□スティル・フェイス(Still Face)実験から
ビデオ:母親の表情の変化に対する子どもの反応
(母親が無表情を続け、子どもに対して全く反応を返さないと、子どもが不安になり泣き出す)
「なぞり−なぞられる」関係が、心の土台となり、学習の土台となる
人と人の間にかかっているベルトを切ることは、人権侵害に等しい
□21世紀型能力の中核である「思考力」を形作っているのは「言語力」
どんな「言語力」を育むことが「将来の教育につながる本当の思考力」になっていくのか?
そこを捉えることが重要!!
3.「わかり」と「かかわり」
□「言語力」が弱くなると…消えてしまうものとは?
抽象的な理念(権利、平和、責任、自由、正義、誇り…)
□「人の話が聴ける子」のために必要な「言語力」とは?
映画「となりのトトロ」のシーンより メイがさつきのことばを繰り返している場面
人との「かかわり」(関係機能)を通して「わかり」(認知機能)、コミュニケーションが身につく
□「人の話」=「情報」だけでない
団らんの力:「話す」と「聞く」が混ざり合い、主客が一体化する
ことばからエネルギーを得る力は団らんの中で育つ その場を作っていくのが保育の力量
□子どもの心に届く「おとなの言語力」の問題=あなたの「ことばの魔法」はどうですか?
「ことば」は単なる意味ではない
非ことば(身振り、表情など)+ことばの音(歌)+ことばの意味(歌詞)
講演の内容も講師(ことば、体)を通して参加者に伝わる
□幼児期に特有な時間、そして幼児期の価値をしっかりと捉えた「教育」を!
「何もしないでいる」時間、「ひとりで充実して過ごす力」
そうしたものが本当は後のほんものの「学ぶ力」になっていく