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今の親に示そう 日本で伝わる子育ての文化の良さ
今の社会にマッチした子育ての在り方 
現状に対応できる子育て支援を みんなで探し出しましょう。
「”お母さんのお母さん”のような支援者になろう」15の学び講座から [2016年02月03日(Wed)]
1月30日(土)10:15〜12:15

「子育て支援者の基本となる学びを
            構築するために」

講師 朱まり子 子育ての文化研究所 代表
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子育て支援がなぜ必要なのか
 親子のかかわりの大切さを理解し
”お母さんのお母さん”みたいな支援者になろう
というタイトルに、集約されたお話しでした。

朱さんが子育て支援にかかわるようになったいきさつやら
さまざまなデータや表を提示しながら、
今の子育ての現状はどうなのか?
どういう変化がおきているのか?

子育ての文化とは、
子育てという行為の日々の積み重ね

それぞれの地域によって違いはあるものの、
その地域での行動様式、生活様式としての
子育てという行為が連綿と続いてきた結果の文化

でありながら、今や意識してつないでいかないと
伝わらなくなっている。
というのも、子育てをめぐる変化が大きいため。

女性の身体の変化 出産、育児に耐えうるだけの
身体の丈夫さをもたいない女性の増大していること、
産む前に赤ちゃんの世話をした経験や知識もなく、
育児文化の引継ぎもない中で、
妊娠、出産後は社会から取り残された不安感、
多くは知り合いもない地域社会の中で、
ちょっとしたことを伝えてくれる人もいなくて
孤立感を感じてしまう。
さらに、「子育ては母親である私がちゃんとしなくては、
人に頼ってはいけない」といった思いも強い。

その背景には社会環境の変化も大きい。
地域伝統や文化が失われていき、
地域社会のつながりも希薄になっている。

こうした中で、
子育ての文化を再構築しつなげていくには、
マンパワーが必要。

つながる場と、つなぐ人(子育て支援者)
多くの異年齢の人たちの出会いができる場つくり
つなぐ人は、知識とお母さんの心を理解できる
”お母さんのお母さん”になる必要がある。

対等な支援とは
正解を知っていても、先に言うのではなく、
指示や支援をふりかざないこと。

親としての自尊感情が育つよう、
親子がもつ力を十分に発揮できるよう、
親子によりそい支えることを大切にしよう。

さらに、子ども自身の育とうとする力を大切にし、
社会性を身に着け成長できる場であることを
お母さんんにわかりやすく伝えていける支援者。

自分が住んでいる地域の出生率の変化を
知っておくことも大事ではないかとのお話しも
ありました。

ランチの後は、参加者の方が一人づつ
されている活動や、講座を聞いての感想を発表しました。

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いろんな活動をされてる方のお話しを聞ける機会でもあり、
お聞きしたお話しを身近な課題と結び付けて
とらえなおしていく有意義な時間であったと思います。

今年度の子育ての学びの講座に
ご参加しただきました、皆様ありがとうございました。

残念ながら、参加できなかった方は、
講座の内容は報告書としてまとめる予定ですので、
参考にしていただけると幸いです。
15のまなび 朱まり子さん「子育て支援がなぜ必要なのか」 [2016年02月01日(Mon)]
1月30日(土) 10:15〜12:15 講座
         12:50〜14:00 ランチしながら講師を囲んで話しあい

「子育て支援がなぜ必要なのか 
 親子の関わりの大切さを理解し“お母さんのお母さん”みたいな支援者になろう」
講師:朱まり子さん 子育ての文化研究所 代表

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2015年度15のまなびもとうとう最終回を迎えました。その最後を締めくくった講師は、15のまなびを始めて3年、計45回のまなびの場を生みだしてくれた朱まり子さんにお話を頂きました。皆さんもご存じの通り、朱さんは子育ての文化研究所の代表を務めておられます。当日は、20名を超える方が他府県からも足を運んで参加して下さいました。

朱さんは京都市で生まれ育ち、大学では児童文化学を専攻されました。出版社に内定が決まっていたそうですが、当時のオイルショックで内定は取り消しとなり、大学院に進学されました。その後、幼稚園勤務、結婚、転勤、子育てをされてきました。京都に戻ってからも子育てサークルやNPOの法人化、つどいの広場施設長など子育てに関わってこられました。その中で人との繋がりを感じ、また、子育ての「文化」の希薄さを感じられたようです。子育ての「文化」ということについて、抱き方、語りかけ方、遊び方、オムツ替えなど子育てにかかることは今まで学んできたようにたくさんあります。親から子へ、繰り返された事で出来てきたものが子育ての「文化」になりますが、それが今は消えかけていると言う問題提起から始まりました。子育ての現場でそのような状況になっていることが、この3年間でわかってきたと仰っていました。現在はその問題をどうにかできないかと子育ての文化研究所を立ち上げたり、地域の子ども達の育ちのための活動(NPO法人山科醍醐こどものひろば 「町たんけんチーム」)をされたり子育てプログラムのファシリテーターをされるなど、多岐にわたる現場で子育て支援をされています。

子育ての「文化」が消えかけていることの問題提起の次の問いかけは「母性って何?」ということでした。今まで子どもが生まれたら“女性は母になる”と言われたり、お腹に赤ちゃんができたら“母性が芽生える”とまで言われてきました。しかし、子どもを育てると言う行為を積み重ねれば母性が生まれるのではなく、その行為の積み重ねこそが子育ての文化なのだと先生は仰っていました。“子育て”と一言で言ってもれは一様ではなく、民族や生活様式、行動様式によって違いはあるとのこと。違いはあるものの、子育てと言う行為が脈々と続いてきた結果としての“文化”が子育ての文化になるそうです。
しかし、その子育ての「文化」が消えかけていると言う事は、子育ての「文化」、受け継がれてきた子育てが断絶されてしまっているということでしょうか。ずっと昔から祖母、母、子へと受け継がれ伝えられてきたはずですが、それも現代は意識をしないと繋がらないし繋げないのだとお話し下さいました。それこそ一昔前は意識をしなくても生活の一部、人生の一部として受け継がれたものだったかと思います。それが意識をしないと受け継がれなくなってしまったのは社会や生活様式、情報技術の変容が大きく関係しているのだと思いました。幼い子どもを伴う生活は行動範囲を制限されます。一昔前ならそれでも親は畑に働きに出てきょうだいや祖父母がみていた環境が多かったでしょう。しかし現代社会に照らし合わせるとその状況は孤立を招くのでしょう。それが現代の子育ての特徴だと仰っていました。また、情報技術、SNSが発達し、親が獲得すべき育児の知識や技術が膨大な量となり、それに比例して戸惑いや不安が生じやすくなったそうです。赤ちゃんでも1人の人、だからこそ戸惑いがあり、それが直接赤ちゃんに向けられてしまうとのこと。そして、自分が子どもを生むまでに赤ちゃんの世話をした事が無い人が増え、経験のないことを求められるリスクは高く、そのリスクを母親1人が背負っている状況にあると教えて下さいました。このように明らかに違う子育ての環境から「今」、「子育て支援」が必要なのだと話され、途中、育児休業に関する統計などを紹介される中でその必要性を語って下さいました。

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そこで、育児不安を解消するためのポイントについて4点挙げられました。
1点目が「母親絶対」の子育てから解放されるためには、ということ。未だに3歳児神話に縛られている親も多いようです。その背景には3歳児神話をうたう祖父母の存在もあるようでした。
2点目は、母親達が追い詰められている現実は誰がつくっているか、ということ。先ほどの統計からもわかるように父親の育児参加率は全体でみると高いとは言い難いです。この現実を打開するには父親をどれだけ変身させるか、社会の認識・見方をどれだけ変えられるかだと感じました。
3点目は、子育ての負担についてです。布おむつから紙おむつへ、ベビーフードやベビーカー、多様なおもちゃの化学製品の普及により、ある視点から見ると子育ての負担は減っているようにも見えます。しかし、それでも「辛くなっている子育て」という現実があると述べられました。
そして、「働きながらの子育て」と「子育てに専念」とではどちらの方が時間が無く、育児不安が多いのか、それはどうしてなのか考えることも重要なポイントになると教えて下さいました。専業主婦の方が子育て負担を感じる率が高い統計結果もありました。また、「育児でイライラする事は多いですか?」という質問に対して子どもの年齢が上がるほどに「はい」と回答する人が多い統計結果があることを紹介して下さいました。それは、産まれた当初は言葉がわからなくてイライラする事があっても、産まれてきた喜びがあるそうですが、大きくなるにつれイライラも大きくなっているとのこと。この事も子育ての負担について考えるポイントになると仰っていました。子育ての「負担」=「責任」になってきているようで、自分だけで育てている、という意識の高さを表しているとのことでした。

このような状況から子育てについて、昔はもう少し楽だったが、何がどう変わったのか、子育てを巡る変化についてお話し下さいました。授乳やおむつにも変化がありますが、育児常識など祖父母の子育て時と比較すると、その内容は大きく変化していました。本当はそれほど変わっていないのに「今は昔と違うから・・・」と引っ込んでしまい、祖父母が子育ての助言をしにくい状況を生みだしているようでした。また、知識の求め方も変化しており、情報源がインターネットやSNSになってきているとのこと。インターネット検索はピンポイントでわかりますが、他との関連が得にくく、全体の発達が見えにくい点を指摘されました。例えば、「歩くのが遅い」という事に関して検索すると、検索者を不安にさせないように「心配はいらない」「ハイハイはなくてもいい」というワードのみ出てくるそうです。しかし、今までのまなびをみてもわかる通り、人の育ち、発達においてハイハイは必要です。このようにインターネット検索だと人の育ちの一部分を切り取って浮き上がってくるため、初めての子どもの世話が自分の子ども、という親はたくさんの「切り取られた一部分」に翻弄され惑わされ、余計に不安になるのではないかと感じました。それにプラスして育児用品の増加も親を翻弄させる一つのようです。多様化、増加した育児用品を選ぶ基準が、その子にとって本当に必要かどうかではなく、人が持っているから(逆に持っていないから)ということになってきているのだと指摘されました。
次に女性のからだに視点を合わせて昔と今との変化をお話し下さいました。生活習慣等から出産や育児に耐えるだけの体の丈夫さを持たない女性が増大しているそうです。それは欲しい時に赤ちゃんを産む事が出来ない女性が増加しているとのこと。しかし昨今の虐待報道の中で「(子どもが)できたから産んだ」という発言が多く、その発言から子どもは簡単にできると思わせるところに問題があるのではないかと仰っていました。また、社会の変化に焦点を合わせると、祖父母世代との関わり、地域の繋がりの希薄化が大きいものでした。今は隣の部屋に住む人の顔も名前もわからない状況が多く、「ちょっとしたこと」を教えてくれる人が殆どいないとのこと。またその地域に馴染まずシャットアウトしてしまうため祖父母も助言がしにくくなり「地域文化」が消失してしまっていると仰っていました。以前のまなびでもありましたが、江戸時代までさかのぼれば食、住が一緒だったのでみんな家に居り、父親も子育てに参加していました。しかし、それがこのような変化から「子育ては母親であるわたしがちゃんとしないといけない。人に頼ってはいけない。」と思いこんでいる人が多いとのこと。

このような変化を受け、先生は受け継がれてきた「子育ての文化」を子育て世代に意識的に伝える必要があると気付かれたそうです。それは虐待の未然防止になり、何より子育てが楽しくなると仰っていました。それは今までと違う視点で子育ての知識や方法を知る事であり、昔から受け継がれてきた良きものを使う事とのこと。
先生は最近出会った、電車の向かい席に居た親子(4歳ぐらいの子ども1人と母親)のお話をして下さいました。その子どもはおもちゃで遊んでいましたが、母親は全く声かけもせず目線も合わせなかったとのこと。しかし子どもがおもちゃに飽きて他のおもちゃを取ろうとするとかばんの中からさっと他のおもちゃを渡したそうです。それでも渡す際には子どもと目を合わしていなかったそうです。その母親は子育てに手抜きをしているわけではないが、子どもに向き合うこともなく、子育てへの気持ちが少しずれてしまっていたのだとお話し下さいました。
そのような「少しずれている子育て世代」が多くなってきている今こそ「子育ての文化」を再構築するにはマンパワーが必要なのだと仰っていました。その再構築のため、子育ての文化継承の道筋についてお話し下さいました。それには「つながる場(子育て支援施設)」と「つなぐ人(子育て支援者)」が必要とのこと。いろんなところでの異年齢の人達との出会い、たくさんの人間浴によって自分の子育てが認められ、“子育てをする自分”を信じられるようになるとのこと。つまり自分の子育てに自信が持て親としての自尊感情が育つのだと仰っていました。その自身は次へ繋がる一歩になり「子育ての文化」の継承と発展になるとのこと。
いくら江戸時代の子育てが良かったと言っても江戸には戻れません。その時代に合うものを取捨選択しながら「子育ての文化」を伝えてやっていきたいとお話されました。そして、子育て支援者として、みんなで「お母さんのお母さんになろう」と呼びかけられました。実の母親や義母ではなく、第三の母親として対等に出来る事を目指したいとのこと。対等さのポイントとして、正解であっても先に言わない事、と教えて下さいました。失敗は人を成長させるため、その機会を奪わず相手に「寄り添う」ことを基本にしていきたいとのこと。

子育て支援の場を考えると色々な考え方があると仰いました。その中の一つとして「社会とのつながりの第一歩の場」を挙げられました。その場に来られる事を認められる、という事が大切となりそのような配慮が必要なのだと教えて下さいました。そのような配慮は、お母さんから1人の人間としての再確認の手助けとなり、地域社会で親としての第一歩を踏み出す力を付ける場になるとのこと。そのためにも「あなたも地域の一員」と伝える事が大切だと仰っていました。家の中で孤立するのではなく、地域、社会に「必要」だと言ってもらえることが自尊感情と喜びに繋がると感じました。そのため、一人の人として認める意味でも子育て支援の場では「匿名性の排除」と、参加者が自分で考えて動く事の出来る「利用者主体」が大切だと挙げられました。その視点を持ちながら子育てを支える地域の大切さを再確認したいとお話されました。

最後に、どんな子どもを育てるのか?見通しを持って子育てできる場にしたい、ということについてお話し下さいました。まずは、子ども自身が育とうとしている力を十分に発揮できるようにすること。子どもが「どっちかな」と悩んでいる時に決めつけてしまわないこと、決めつけは子どもが努力をして到達する事を削いでしまう事だと伝え、子どもの育ちの芽を摘まないように伝える支援者でありたいとお話されました。その為には子どもをどう育て、どう豊かにするか支援者自身が考え話し合うような場が必要なのだと仰っていました。それはまさしく3年間行ってきた15のまなびのような場だと感じました。

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午後も15名ほどの方が残られ、自己紹介も含め活発な意見交換が出来ました。今までのまなびの意見も含め、抱き方など現場で技術を教える方がお母さん方に共感できること、技術を通しての方が「ちゃんとできてるよ」と受容した上で伝えられるが、それをさりげなく行うためには支援者は意識しないといけないのではないか、という意見など出ました。
毎回、本当にいろんなところから、多様な現場から来ていただき、繋がりの場にもなっていると感じます。今後、15のまなびがどのような形になるかまだ未定ですが、参加者の皆さんは15のまなびの場の大切さ、必要性を感じ、更にそこで学んだ事をどう発信していくかという課題を新たに持っておられるようでした。そのような方達の協力を得て、来年度の活動を考えていければ良いなと感じました。
「子育て支援者の基本となる学びを構築するために」講座案内 [2016年01月25日(Mon)]
生み育てる人の心と体に寄り添うための
子育て支援者「15のまなび」第15回最終回は

1月30日(土)10:15〜12:15
        12:30〜14:00
 (食事をともにしながら、講師を囲んでの語り合い
「子育て支援者の基本となる学びを
           構築するために」

 朱まり子 子育ての文化研究所 代表

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会場:宇治 つどいのひろば りぼん
◆近鉄京都線 大久保駅より徒歩3分
◆JR奈良線 新田駅より徒歩3分
http://www.ujikko.net/ujikosodate/access/

子育て支援にかかわる方たちが、
従来の教育や保育などの枠にとらわれることなく、
もっと広い視野でいろいろな人たちとつながりながら、
今の子どもを育てる親のサポートを具体的に考えていこうと
2013年度より始めた勉強会も3年目となりました。

さまざまな分野の専門家をお招きし、
多様な視点から子育て支援を考える機会を作りたいと
いう熱い情熱をもって、朱さんと迫さんが中心となり
講座をたちあげて実施していく中で、
京都府内だけでなく、大阪や愛知の方も
参加されるなど、子育ての学びを通じての
支援者同志のつながりも生まれてきたように思います。

ご自身の幼稚園教諭としての経験や、
3人のお子さんの子育て、その後の
地域の子どもを対象にした長年にわたるNPO活動などの
朱さんの体験を踏まえて上で、
子育ての学びの中で感じてこられたことを
お話ししていただけると思います。

皆様のご参加をお待ちしています。

午後の語りあいの様子
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15のまなび 谷口英子さん  「地域を知り地域をサポートする」 [2016年01月14日(Thu)]
1月11日(月・祝) 10:15〜12:15 講座
           午後:講師を囲んでのワークショップ

「地域を知り地域をサポートする」
 講師:谷口英子さん 
     NPO法人まちづくりサポートクラブ副代表理事

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 早いもので年が明けてからもう半月近くなりますが、遅ればせながらあけましておめでとうございます。
2016年、最初の15のまなびは、京都の北部に位置する「海の京都」と言われる舞鶴から谷口英子さんを講師としてお招きしました。谷口さんは今までの15のまなびにも参加者として何度も参加していただきました。小学生から高校生まで5人のお子さんの子育てをされている中、大変行動力のある方でしたが、今回のお話で行動力の高さもさることながら、積極性の高さと軸の強さも感じられ、参加者は谷口さんのお話にどっぷり浸かり感化されているようでした。
谷口さんは舞鶴で舞鶴市西市民プラザでの地域子育て支援拠点事業での子育て支援の他、介護予防事業の運営などにも携わっており、「舞鶴」という地域全体としてのサポートを考えて活動されています。まずは自分の活動するフィールドでもあり、生活する場でもある舞鶴の紹介をして下さいました。舞鶴市は年々人口と出生数が減少し、高齢化が上がっているまさに少子高齢化の状態とのこと。また、舞鶴は東西で地域性が分かれており、二つの歴史が一つになった街だとお話し下さいました。そのような舞鶴に地域子育て支援拠点は東西のバランスを考えながら6つ拠点があるそうです。
次に、ご自身のこと、「人となり」を語って下さいました。谷口さんは、もともと障害児や視覚障害の分野に関心がある方でした。大学では社会福祉士学科で社会福祉学を学ばれました。谷口さんはご自分の人となりを、いろんな人生の「教訓」からできていると仰り、話す事も聞く事も好きだと仰っていました。その教訓の中で、大学で学んだ3つの事が今でも残っているそうです。
@子どもの成長はらせん状
 子育ては下に向いているように見えるが実際は上がっている、ということを意味しているそうです。
A「言語」「非言語」のコミュニケーションがある
 障害児や障害者との関わりの中で、「言葉」以外の表現の仕方、言葉に頼らずに思いが通じた時の素晴らしさを実感されたようです。
B物事には段取りがあり見通しをもつこと
 物事を捉えるにはどこか一部分を特化するのではなく全体像、見通しを持つ事が大切とのことです。
このようなキーワードと軸を持つ事で、その都度、立ち戻れるようになるそうです。そのため、谷口さんは「自己覚知」で自分を知り、知った自分の中でダメだなと思うところも“良し”とできるかどうかの「自己肯定感」を持つ事、全部ひっくるめた自分を知ってもらう「自己紹介」を大事にされていました。自己紹介は聞いてもらう人に「えっ、それ何?」と引きつけることがコツだそうです。
それは自分の事だけではなく、自分の活動している事を紹介する時も同様なようです。例えば、まちづくりサポートクラブの活動を紹介する時3つのキーワードがあり、まずは「当事者主体の子育て支援です」と言っているそうです。ただ、それだけだと相手は「当事者主体ってどんなことですか?」と聞き返してくれるそうです。谷口さんはご自分のお子さんが小さい時から子どもを連れて子育て支援をされてきた経緯から、子育ての親は支援の受け手にもなるし担い手にもなる、と感じられたそうです。子育て支援は子どもをどうするか、親をどう支援するかなどアプローチの方法が多様ですが、「親の自立支援とは、親が前向きに子育てできること」と、思ってもらえるアプローチが必要とのことです。
2つ目のキーワードは「居心地の良い居場所作り」。
自分にとって居心地が良いと感じる場所で自分にも何かが出来る、と自分の中の力に気付ける事、その力を更に発揮できるようなエンパワメントを大切にされていました。
3つ目のキーワードは「子育てをキーワードにしたまちづくり」。
子育て支援、は何も子育てをしている親だけを対象にしているのではなく、いろんな立場の人がそれぞれの立場なりに子育てに関われると言うことのようです。それは○○だけのスタッフ、○○だけの支援者ではなく、全員が支えてもらいながら支えることのようです。実際の活動として、商店街の立地やバス会社との連携を例にお話し下さいました。

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そのように、まきこめる、まきこまれるひとたちとの繋がりを大切にするために「拠点会議」と「ひろば会」を設けているそうです。拠点会議は公的なもので、毎月一回、市内の子育て支援拠点を持ち回りで行っているそうです。メンバーは拠点スタッフと市の子ども支援課になるそうですが、内容は各拠点のスケジュール調整、事業報告、育児相談状況などです。初期の会議では毎月のスケジュール調整をするにあたり、各拠点でイベントや行事が重ならないようにしていたようです。それは色々な拠点を巡ってもらいたい、という思いがあったようですが、谷口さんは重なっていても回ればいいのではないか、自分で選択すれば良いのではないか、自分で選択すれば主体的になれる、と感じたそうです。また、事業報告も最初はどのイベントに何人来たか、という人数報告がメインだったようですが、大切なのは人数ではなく、どのような人達が来て、どのような様子だったのか、ということを6つの拠点が共有、把握する事だとお話し下さいました。それは育児相談でも同じことが言え、そのような支援者側の情報共有と把握は虐待予防にも繋がると仰っていました。
ひろば会は、親子に何かしら関わっている人との勉強会とのこと。内容は発足したメンバーが順々に幹事を回し、幹事主導で決めているそうです。ここでは、子育てに関わる方、行政、保育士など他分野の関わりがあり、今年度は保護者の寄り添いや支援者の資質向上に向けて行われました。そのため毎年、年度初めに機関同士の自己紹介を大切にしているのだとお話し下さいました。他分野の関係機関が集まると言う事は、一つの事柄を多角的に見られるとのこと。そのことを、モザイクを重ねる、と言葉にされていました。更に、自己紹介をする事で、自分の得意分野、知っている事、を知り合えます。それは「顔の見える繋がり」でありその繋がりから生まれた支援が地域の親子に返していけるのだとお話されていました。

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最後に、地域を出るともっと地域を知ることが出来る、という事についてお話し下さいました。それは、外からの風を受け、風に乗ることで更に自分達の地域を知れたり見つめ直すきっかけになるそうです。その風を受けるためにも、繋がり合うこと、知る事、が大切だと仰っていました。地域に限らず、自分の活動するフィールドに居るだけでは、一つの側面、偏った視点と先入観に捉われてしまい、そのフィールドの本質がわからないと感じました。そのフィールドで当たり前な事が、他のフィールドでは当たり前ではないと気付く事で今まで見えていた、わかっていたと思っていたフィールドが全く違うものに見え、新たに知れるのだと思いました。谷口さんは、外から見て初めて知る地域性、と仰っていました。“そういうものだ”と思っていることや、刷り込みにより不便だと気付かない事もあるそうです。それに気付く事が地域的な自己覚知であり、自分達が馴染んでいけることこそ自分達の地域になり、それが地域に対する自己肯定感になると仰っていました。
外から見る事で“知る”のは、物事の全般に言えることで、子育ても同じく、自分の育った環境が当たり前だと思って育つことが多いですが、たくさんの人と関わる事で自分が思っていた当たり前がそうではないことを知ると新たな視点、価値観に気付くと思います。それをどう取捨選択するかは、その人なりによりますが、一つの環境、視点に留まらず外からの風を受ける事は幅を広げる事になります。その意味でも子育てをまちづくりに繋げる谷口さんの活動はとても勉強になり、心に残るお話がたくさんありました。

午後は、自己紹介シートを使っての、自己紹介ワークショップを行いました。シートの種類はいくつかありましたが、今回はどの自己紹介でも使う基本的なもの(自分の名前、好きな○○、○○の事なら役に立てます、今年の私のNEWなこと)で行いました。これは「自分」にどんなタグ付けをするかを考え、タグ付けした自分を人に伝える事で、別の機会に声をかけてもらったり新たな繋がりが生まれるそうです。他には自分の過去、現在、未来を考えて自己紹介するシートがあり、これは自分のやりたい事を伝えられるので他者から応援してもらいたい時に使うのだと教えて下さいました。
ワークショップではシートを基に1人1人自己紹介(自分自身の人となり、仕事、趣味)していきました。抱っこやおんぶ、母乳育児、絵本、支援センター、助産師、子育て支援者、キャリアカウンセラーなど今回も多分野の方が参加されました。今回の自己紹介を聞き、改めてこのような多分野に渡る人達の共通のタグは「子育てとは 子育て支援とは」だと、感じました。

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次回は今年度最後のまなびとなります。講師は子育て文化研究所の代表、朱まり子さんです。朱さんの考えや現状の子育ての思いをお聴きできると思います。また、今までのまなびに参加され参加者はどのように感じたのかお聞きできたり、自分の変化は何か、と見つめ直す機会になると思います。
つながりづくりはまちづくり「地域を知り地域をサポートする」講座から [2016年01月12日(Tue)]
1月11日 10:15〜12:15
「地域を知り地域をサポートする」

谷口英子さん
 NPO法人まちづくりサポートクラブ副代表理事、
 舞鶴市社会教育委員
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まずは、舞鶴という地域と、谷口さんのプロフィールに
ついてのお話しから始まりました。

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(舞鶴というと、「岸壁の母」の歌とともに
戦後の引き揚げのまちとして知られています。)

舞鶴といっても、城下町から発展した西舞鶴と
軍港のあった東舞鶴との二つの区域があって、
子育て支援の拠点6か所も東西に配置されるという土地柄。

公設市民営の舞鶴市西市民プラザの管理運営を
NPO法人であるまちづくりサポートクラブが平成15年から開始、
そこから5年の下積みを経て、子育てひろば ひまわりが開設

西舞鶴の商店街の中にあり、アーケードに面したところで、
地域の活性化にもなるんならと認可されてとか。
昨年は、約6千人の利用者があったそうです。

まちづくりサポートクラブの取り組む子育て支援の柱

●当事者主体の子育て支援

●居心地のよい居場所づくり

●”子育て”をキーワードにしたまちづくり

こういった活動にとりくみだしたきっかけなど、
谷口さん自身の構成要素とは?

もともと大学では社会福祉学科を学び、
地域福祉も 学んでいた経験や、
当初は障碍者の方の支援にかかわろうと 学生時代に、
障碍者施設での経験から学んだことが 人生の転機となり、
その後の自分のキーワードになったこと。

 子どもの成長はらせん状

 コミュニケーションには「言語」「非言語」がある

 物事には段取りがあり、見通しをもつことが大事

自分がめざしている方向に活動していくには
自分はどういう人間か、
自分のキーワードや軸をもち、語れることが大事で
 自己覚知
 自己肯定感
 自己紹介を大切にする

大学卒業後、高校で教えていた頃は、
家と学校の往復で、会社人でしかなかった。

結婚して、妊娠し産休にはいった段階で、
このまま仕事を続けていくのは無理と判断し、
専業主婦になるも、空虚感でフラフラしていた。
その頃はあそぶ広場もなく、綾部市にまで子どもつれて
いってたところから、行政の公募委員となり
自分で子育てのひろばをつくるとかできるのではと思い
子どもを連れて、地域に出た時が
自分にとっての社会人としてのスタートだったとか。

子どもといる暮らしを、地域の中にいかにとけこませるか?
めざしているのは、

「みんなのおとうさん、おかあさんになれるひまわり、
そして、どんな子どももみんなの子どもになれるひまわり」

先輩ママとの座談会や、 身体を動かす系のプログラムに
子どもづれながらも参加し、
座布団を並べるとか、できることから手伝ってもらう、
子育て中に支えてもらいながら、自分が支えることもできる
体験を してもらったりする過程で、
そこからスタッフになってくれる方もあるのだそう。
育ったスタッフが仕事復帰なので卒業されていくことを、
私たちを通って豊かな人材となり、舞鶴の人材として
地域に帰っていってもらってると思っているのだとか。

特にすごいなと思ったのは、
つながりづくりは”まちづくり” みんな「地域資源」
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実例のエピソードが盛りだくさんでした。
いろんな会合で知り合った企業の方とのコラボとして

たとえば建材やさんで、バーベキュー好きな方に
親子むけのバーベキュー会を開催し、
防災スキルとしても役立つ体験をしてもらったり

バス会社の方の、
「バスの運行はまちのにぎわいとつながっているから、
まちのにぎわいになることに貢献したい」という思いを知り、
親子プラザでのイベントへのバスの利用者に
チケットを渡して、そのチケットがあると
帰りのバスは無料といった ガラポン抽選会だとか
バス会社とのタイアップ企画を実施。
そのやり方は後に「タニグチ方式」と呼ばれたとか。

舞鶴には転勤族の方も多く、
以前住んでいたところと比べて嘆く方もいるとかで、
いろいろなイベントや活動をとおして
今はここに住んでいるという実感や、
地域として自己覚知(舞鶴なりのよさ)
    自己肯定感
地域に愛着をもって暮らしていってもらえたらと思っている。

さらには、民間主導で、
子育て支援に関する勉強会「ひろば会」を、開催していること。

今年度は、保護者へのよりそいをテーマにやっていて
共に学びあう中での顔の見えるつながりづくりと、
支援者の資質向上 をめざしている。

理解のある行政の方とのつながりから、
「子育て支援」チャイルド社の本の読み合わせで
コンピテンシーリストを勉強する「ひろば会」に
保育士さんにも参加してもらえるようになった。

地域以外での活動もさらにひろがり、
丹育ネット(宮津市、与謝郡、京丹後市)の
保健所からの仕事もひきうけて、
抱っこ講座を開催したりする中で、
丹後では舞鶴とは違った登録方法があったり、
その地域独自のやり方があること。
それは 自分のいる地域のやり方だけしか知らないと
気づけなかったことで、外にでたことで
地域ルールや、地域スタンダードがあることに気付き
自分たちの活動をあらためてふりかえり、
多様な価値観を学んでいる。

ランチの後、午後は参加者の方のワークシートにそった
自己紹介を順にやっていきました。

各自が、私のすきなこと、なになら役にたちますよといった
得意な分野などを伝えることで、
お互いをしりあうという体験もしました。

キーワードとなる言葉がもりだくさんの、
イキイキとしたエピソードを大切にしたお話し
ありがとうございました。

最終回の15回は、
1月30日10:15〜12:15
「子育て支援者の基本となる学びを構築するために」

朱まり子 子育ての文化研究所 代表です。
綾部市志賀郷で「子育てかるた」の原画展が開催されます。 [2016年01月08日(Fri)]
絵札を担当されたアキフミキングさんのフィールドである綾部市志賀郷で
「子育てかるた」の原画展が開催されます。

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場所は、綾部駅からあやバスで30分位揺られたバス停「志賀郷」から徒歩で数分の、うどんやさん「竹松うどん」です。(すご〜く美味しいので有名)
うどんだけでなく、空気も景色も みんな美味しいですから、是非 どうぞ!

アキフミキングかるた原画展(子育てかるたより)
@ギャラリーうどんの蔵
※9日は竹松うどん店、臨時営業のスタートです。

日時/2016年1月9日(土)〜26日(火)11時〜15時
場所/竹松うどん店(京都府綾部市)
竹松うどん店→http://ameblo.jp/takematsuudon

《子育てかるたについて》
このかるたは子育ての文化研究所の企画によって
京都府民のみなさまの知恵の結集のような読み札に、
アキフミキングさんがイラストを書いて下さった作品です。
かるたよりも大きな原画です。
やさしい絵ばかりです。
是非、お越し下さい。
「地域を知り地域をサポートする」講座の案内  [2016年01月06日(Wed)]
第14回のご案内です。

1月11日(月)10:15〜12:15
        12:30〜14:00
   (食事をともにしながら、講師を囲んでの語り合い)
「地域を知り地域をサポートする」

講師 谷口英子
 NPO法人まちづくりサポートクラブ副代表理事

舞鶴市西市民プラザでの地域子育て支援拠点事業、
介護予防事業の運営、
京丹後地域での民間子育て支援団体の設立に
かかわっている方です。

小学生から高校生まで、5人のお子さんの子育ても
しながら、「15の学び」の講座にも、熱心に
参加されてきました。

今回は、舞鶴市としての
地域の課題、背景を知っていただきながら
舞鶴市内の6つある拠点(ひろば)の中で、
まちづくりサポートクラブの取り組み方の特色、

●当事者主体の子育て支援

●子育てをキーワードにしたまちづくりの活動のこと。

●民間主導で、子育て支援に関する勉強会
 「ひろば会」を、開催していること。

中心にお話ししていただく予定です。

子育て支援にかかわっていく過程では、
一つの団体だけでは
どうにもならないといった状況や
ぶるかる壁があるのではないでしょうか?
そのさい地域や行政との連携などが
どうしても必要になってきます。

地域や行政との連携をどうしたらいいかを
一緒に考えてみませんか?
参加者同志のワークもあるようですので、
皆様のご参加をお待ちしています。

会場:宇治 つどいのひろば りぼん
◆近鉄京都線 大久保駅より徒歩3分
◆JR奈良線 新田駅より徒歩3分

Mail info★kosodate-bunka.jp
(★印を@マークに変えてメールをお送りください)

15のまなび 灘 祐介さん「子育てに活かす作業療法視点」 [2016年01月04日(Mon)]
12月13日(日) 10:15〜12:30 講座
          12:50〜14:00 ランチしながら講師を囲んで話しあい

「子育てに活かす作業療法視点」

講師:灘 祐介さん (有)あーと・ねっと 作業療法士

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2015年、最後の15のまなびとなる今回は作業療法士・灘祐介先生を初めてお招きしました。先生は9年間、重症心身障害児・者施設に勤務されている中で、医療の中に作業療法士が居るのではなく、もっと気軽に必要としている方、困っている方と繋がれた方が良いと感じられ、現在はあーと・ねっとでフリーランスの作業療法士としてご活躍されています。また、外部でも活動され、支援学校や保育園、または検診の場でも活躍の場を広げられています。最初は就学前の子どもを見て来られ、その次は学童期の子ども達を見て来られました。そして今、最先端なのは乳児期だと考えておられます。乳児期を充実させていくのがとても大切だと仰っていました。乳児期は感覚が大切と言う視点もありますが、認知、という視点も大切だと考えておられます。

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作業療法士、という言葉は聞いた事があっても、まだ馴染みが無い方も居られるかと思います。作業療法とは練習ではなく、子どもの場合、遊びを通して日常の中での困り感や苦手な事象の理由を分析し、解決に繋げるもの、と説明して下さいました。その支援は、「ボトムアップ」と「トップダウン」だそうです。「ボトムアップ」とはどこに行き詰まりを感じているのか見極め力の調節を学ぶ事、能力を伸ばす事であり、「トップダウン」は道具や環境を工夫し出来る幅を広げると説明して下さいました。例えば、「ハサミが苦手」という事象に対して、ハサミの使い方を教えるのではなく、ハサミが何で使えないのか見極めて教えていく、という事だそうです。日常のそういった事を一つ一つ解決していく事は子どもの安定に繋がるのだと仰っていました。苦手な事、困っている事には何かしら理由があり、それは誰に対しても存在するので特別な事ではないとお話されました。しかし、困っていても病院に行くのは垣根があったり気が引けたりされ、相談に繋がらない方が多いようです。だからこそ、たくさんの親御さんがもっと気軽に相談に来てもらいたいと思っておられ、メールなどでも相談にのっておられるそうです。

ここから、超最先端である乳児を月齢に沿って見ていきました。
新生児期
この時期の赤ちゃんが横になっているのは当たり前のように思いますが、仰向けで姿勢を維持できるのはヒトのみだそうです。それまで羊水の中に居たため、産まれたばかりの赤ちゃんは重力のかかる世界で視覚、聴覚、触覚など様々な刺激を爆発的に受けるようになるとのことです。この時期の「遊び」というのは、主に「自己身体の確認」だそうです。赤ちゃんがもぞもぞ動いている様子も実は、この自己身体の確認のためだそうです。赤ちゃんが動いたり自分の手を口に当てたりするのは、自分の輪郭を知るためとのことです。この、ばたばた、という動きにも実は規則性があり、その規則性から外れる事は脳障害だという研究もあるそうです。また、自分の体を床にこすりつけたり、抱っこしてもらったりする事でも自分の体を知る手がかりにするのだと仰っていました。

2か月ごろ
2カ月革命と言われる時期です。この時期の遊び(体の動き)は全身をくねらせたり、ねじらせたりすることでダブルタッチをします。ダブルタッチとは、腕を動かして何かに触った、触られた、という刺激であり、体性感覚系(皮膚、筋肉、間接)を通して自分の体に気付いていくそうです。発達障害はダブルタッチに繋がらないそうなので、この時期から発見し介入すると、その後の発達がだいぶ違うと言います。また、この時期から行動が予測的になり自己の確立が始まるそうです。予測的な例えとして、自分で動かした足がおもちゃにあたり、おもちゃが動くという事を理解して、おもちゃを動かすために足でおもちゃを蹴る、という動画を見せて頂きました。そうすることで徐々に外部対象へ興味が高まり目に頼って外部を捉えようとし、首の筋肉が発達していくそうです。つまり、視覚は運動の開始であり、この時期にお母さんと目を合わせること、行動に意味付けすることは大切だと仰っていました。

3〜5カ月
この頃に入ると首もすわるようになります。今まで皮膚などを通して自分の体を知っていましたが、この時期から自分の手をまじまじと見る(ハンドリガード)ようなり、イメージだけではなく見て自分の体を認識するようになるとのことです。また、この時期の赤ちゃんは視覚的にも聴覚的にも優れ過ぎており他者の区別はもちろん、例えば2匹のチンパンジーの顔の違いもわかるそうです。(後に、この能力は必要無くなるため、能力としては下がるそうです)。これほど視覚的に発達していると外界への興味は高く、意図的に腕を伸ばす姿も見られると仰っていました。そのため、首がすわったら外界の広がりを広げていくことが大切だと説明して下さいました。

6〜9か月
寝返り、ずり這いが始まり運動機能面が劇的に変化します。寝返りには段階があるとのことでした。最初は、バタンと場所の移動ですが、上達すると、その場で腕をすべり込ませて体を巻き込み移動を伴わない寝返りになるそうです。また、仰向けでも腕がどんどん上がるため、この時期に興味の持つ物を持たせてあげる事が良いと教えてくれました。そして、視点も高くなるので平面の探索から空間探索へ移行する初期段階になると説明されていました。

10か月
四つ這いの獲得時期ですが、灘先生は最近のお子さんは四つ這いの前に立つ子や、四つ這いでも四肢の使い方に左右差があるお子さんが多い事が気になっているそうです。その一つの要因として考えられる事が、畳文化からフローリング文化に変わった事だと指摘される方が居られるそうです。フローリング文化になった事で、床に物を置く習慣が少なくなり視線も床から上へ上がって、子どももそれに伴う環境になったのではないか、という考えだそうです。四つ這いの前に立つと背中を反る事になります。私達も先生に言われ体験しましたが、背中を反ると胸の前で手と手が合いません。つまり両手の動作がしにくくなってしまうのです。
また、この時期はまだお座りは出来ませんが、中にはお座りを固定させるものもあります。しかしこの時期に座らせてしまうと筋活動をしなくなり後々、椅子に座る姿勢維持ができにくくなってしまうとのことでした。このような道具の良い悪いではなく、一概に便利とは誰にとっての便利か、ということを考えて欲しいと仰っていました。

10〜12カ月
伝い歩きや1人歩きができるようになります。移動面の発達も顕著ですが、実は手指の操作性も向上し、道具で道具に関われるようになるそうです。例えば、スプーンで食器を叩く、ということを仰っていました。また、手づかみ食べは、親にとっては少し困る事かもしれませんが、子どもにとって大事な経験とのことです。色々な触感のものを掴む事で五本指の発達が促されたり、掴んだ時に指の間から食べ物が出ることで五本指に分かれている事に気付くそうです。さらに、手で触ると、口に入れた時にどのような感じなのか見通しがもてるようになると仰っていました。

そして、産まれてきて一年の節目、12か月には歩き機能を獲得します。それにより両手がフリーに使えたり視野が変化し空間理解が広がったりするとのことでした。この状態が、人として本来の特性をようやく持てるじきになるため、人は12カ月早く産まれてくる、ということも仰っていました。
この人として本来の特性を獲得する1歳までに大切にしたい事として、灘先生は3つ挙げられました1つ目は身体を知覚する(身体図式の確立)ため生後2カ月ぐらいまでは意図的にアイコンタクトを取る事。2つ目は触る、握る、手指示など手先の機能を意識する事。四つ這いは手の感覚も広げるそうです。3つ目がコミュニケーションの土台となる他者との愛着形成。コミュニケーションは感情を伝播することから始まるそうで、親が子どもを遊ばせようとするのではなく、親が楽しむ事で、子どもにも楽しんでもらいたい、という気持ちだと仰っていました。午後の座談会でも出た話ですが、親が子ども役をする、という事はコミュニケーション形成の一つの切り口なのかもしれないと感じました。

ここまで、「身体」は運動機能の発達においての説明でしたが、「身体は」知的機能にも発揮されるそうです。そのことを、いくつか簡単なワークを入れて説明して下さいました。例えば、言葉は操作に伴う擬音語を使う事で覚えていく、何か説明する時に自分の体験談を踏まえて説明する、物を覚えるにも手を使って覚える(記憶する)、などがありました。また、「身体」は対人スキルにも繋がるとのことでした。例えば、身体の触れ合いは安心感を育む事、動きの中で相手に合わせられるようになること、自分の運動経験が相手の立場に置き換えて考えられる事、などがありました。これは他者理解にも繋がり非言語コミュニケーションだと仰っていました。
これらの事から、「身体」は様々な事の土台になるようです。その「身体」を育てるには、良く食べ、良く寝て、良く遊ぶ事、だと仰っていました。身体を使って遊んだことは脳の発達を促しますが、脳と身体を繋ぐ機関が「感覚」だそうです。だからこそ、子どもの時に感覚を通した遊びは大切であり、特に触覚(触れる)、前庭感(揺れたり)、固有受容感(筋肉を動かしたり)する感覚は身体を作るコアになると説明して下さいました。固有受容感という言葉は聞きなれませんが、腕の曲げ伸ばしのように関節の感覚を捉えることだそうです。この感覚は体を動かすのに大切であり、個人の運動神経と同じようなものと仰っていました。
これらをしっかりと感じ取り、統合される事で身体図式=体の中の身体の地図を確立させるとの事でした。この三つの感覚は生活や遊びの中で感じることが大切とのことで、例えば揺さぶりや高い高いは、この感覚を刺激するそうです。揺さぶりや高い高いは、コアを作るだけでなく、筋肉の張りを整え姿勢維持に役立つと教えて下さいました。最近は立て膝をする子や、足を組む子が居るそうですが、この姿勢は骨盤をロックさせてしまうと仰っていました。また、筋肉の張りと強さは違う事だそうです。張りとは弓が緩んでいる低緊張の状態だそうですがこれを発達させるのが揺さぶりだと仰っていました。大人の低緊張も増えており、特に女性は子宮も緩むため子どもも低緊張になりやすいのだと教えて下さいました。更に、遊びや生活の中で目を動かす事、目のブレは補正維持にも関わるそうです。しかし目を動かす事が苦手な子は後々、本読みや指差しが苦手になるため目を意識して動かせるような関わりが必要とのことでした。固有受容感を感じさせる遊びはマッサージやバランスボールなどが挙げられましたが、口を使った遊びも効果的だそうです。口を動かす事は鎮静作用と集中力を高める効果があるとのこと。そのため赤ちゃんは指吸いをしたり、スポーツ選手はガムを噛んだりしているそうです。生活の中で取り入れるならストローが効果的とのこと。吸う、吐く力は背中とお腹の筋肉も同時に使います。
このように生活の中でたくさん取り入れられる遊びがありますが、今の子どものたちは知育玩具に代表されるように、決まった使い方しかできないおもちゃに囲まれており、遊びを限定されていると仰っていました。おもちゃの変化や環境の変化は便利さを与えてくれたかもしれませんが、ここで再度「誰の為の便利さか」という投げかけをして下さいました。私達も便利さを選ぶ時にこの視点とメリットデメリットの視点をきちんと考える必要があると感じました。
子どもの環境だけでなく、親を取り巻く環境、社会そのものも変化しつつあることを指摘されました。少子高齢化がとまらない現代で親は高齢化と低年齢化の二極化しており、情報が安易に手に入る社会になったようです。困ったらすぐに検索するところは私達も思い当たる節があります。しかし、ネットはたくさんの情報があふれておりどれを信じたら良いのかわからず逆に不安になる親御さんも居られるとのこと。また、3K(きつい、汚い、危険)を避ける方も増えてきているようです。しかし、これらを避けるのではなく、正しい学びをする機会を作ることが大切だと教えて下さいました。最後に、大切なのは環境や人間関係が変わっていく社会の中で、本質として何が良いのか選択できるようになる事だと仰いました。

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作業療法、という世界に初めて関わった方にもわかりやすくユーモアを取り入れながらお話し下さいました。今までのまなびと繋がるところも多く、所々で参加者の皆さんは納得されたり目からうろこ、というような様子も見られました。

今回は参加者も多く、昼食後の質問会は多くの意見、質問が飛び交いました。中には北海道から来られた方も居られました。灘先生が最初に仰っていた、作業療法士と繋がるには病院と言う垣根がある、垣根を無くし気軽に来て欲しい、という思いが今回のまなびの場に繋がったと思います。そして今回が垣根を超える一つの発信源になれば良いなと感じさせてくれる回でした。

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「子育てに活かす作業療法視点」 [2015年12月16日(Wed)]
12月13日 10:15〜12:15
「子育てに活かす作業療法視点」
灘裕介先生 (有)あーと・ねっと
      作業療法士
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子ども支援にかかわている現場では、
最近の赤ちゃんの体が硬すぎたり、
逆にふにゃふにゃしてたりといったとまどいを
感じている方が多かったせいでしょうか?
京都府以外からの参加もあり、25名近くの方に
お集まりいただきました。
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作業療法とは、生活の中で、
うまくできないといった子どもの行動には
必ず理由がありその理由を見つけ、
訓練・練習ではなく遊びという作業を
通して解決をすすめること。

赤ちゃんにとって一番はじめのおもちゃは自分の体
だとかで、赤ちゃんの体の発達を見ていくと、
首が座るまでの2か月の赤ちゃんは
2か月革命と言われるくらい、
皮膚、筋肉、関節といった体性感覚系を通して、
自分の体に気付いて、(身体図式の確立)
見ようとすることで、首の安定性が高まるといった
大切な時期なんだそう。

10か月くらいは、四つ這い・高這いの時期 ですが、
最近では、四つ這いせずに立つとか、
四つ這いでも左右差のある動き方や、
ひざを片足ついてたりする傾向がある赤ちゃんが多いとか。

四つ這いは、左右交互にリズミカルに動けることに
意味があって、それがスムーズな歩行につながっていく。

四つ這いせずに立つ子どもの中には、
背中をそらして立つために、
両手の動作がしづらい場合もあり、そうなると
手先の機能の発達にも影響がでて
字を書くのが苦手といったことにつながることもあるそう。
 
指の運動だけでなく、手の感覚、触覚を育てることも
大切で、
手づかみ食べは、手の動作を覚える土台。
手でさわると、食べ物の食性の、
固いもの、 やわらかいもの、ぐちゃぐちゃとかの
見通しもたてやすくなり
偏食の強いお子さんの指導に、
この手づかみ食べをとりいれることもあるとか。
 
子どもが言葉を覚えていくさいにも、
たとえば「コロコロコロ」と声かけて
ボール遊びするように、
動きと音がセットになることで単語としてとらえ、
発達していく。

言葉の獲得のさいにも、わかるように
身体は、
運動や器用さ、言葉、
他者理解、コミュニケーション能力
概念、抽象的事象理解、記憶、 空間関係理解
さまざまなことの土台になっている。

この身体を育てるために必要なことは
栄養と休息、
活動=よく遊ぶこと

身体を作る3大感覚とは、
  触覚(ふれる)
  前庭覚(揺れる)
  固有受容覚(筋肉を動かす)

この3つをしっかり感じ取り、 統合されることで、
身体図式(頭の中の身体の地図)を確立させる。

前庭覚(揺れる)を感じる遊びは
ゆさぶり遊び、ロッキングチェア
ブランコ、滑り台、ジャンプ、飛び降り、
自転車、鉄棒、後ろ歩き、寝返りゴロゴロ
といった動きなど

今は小学校でも椅子に座っての姿勢の保持が
しづらい子がいて、 筋肉のはりを整える役割のある
揺れ遊びをすることで、姿勢保持がしやすくなるとか。

固有受容覚(筋肉を動かす)を感じる遊び
アスレチック、ジャングルジム、木登り
お相撲、綱引き、台車押し、
バランスボール、手足ブルブル、
目隠し運動、口を使った遊び(笛、シャボン玉)
料理、物を運ぶ、配る役割などなど。

最近は、こういった遊びの機会が減少している。
育児のための便利グッズも、誰のための便利なものか?
子どもの身体の発達する機会や学ぶ経験を
少なくしている場合もあるので、
メリット、デメリットの両方を考えて
取り入れていく必要があるのでは。

ランチの後は質問コーナー
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現場でのこういう赤ちゃんにはどうしたらいい?
といった具体的な質問に対してのアドバイスなども
ありました。
ただ、ケースバイケースで、
実際にそのお子さんをつぶさに観察して、
どういう対応をしたらよいかを考える必要があるそうです。

赤ちゃんが寝がえりするさいには
ねじりの動きをしてるわけですが、
このねじりの動きは、脳の右脳と左脳とを
うまく連絡して、スムーズな処理ができるように
つなげる動きとかで、 ねじりの動きがぎこちないと
学習に影響したりもあるようです。

右脳、左脳の両方を育てていくために
幼児の間は、両手をバランスよく使えるように、
抱き癖や寝る向きなどが偏らないように
工夫していくことが大切ということが 印象に残りました。

わかりやすいお話ぶりで、みなさん まだまだ
お聞きしたいことが たくさんあったことと思います。

赤ちゃんも対象にされている作業療法士の方は
まだ少ないようで、こういった学びの機会が
増えるといいですね。

「子育てに活かす作業療法視点」講座の案内 [2015年12月07日(Mon)]
生み育てる人の心と体に寄り添うための
子育て支援者「15のまなび」第13回は

12月13日 10:15〜12:15 講座
       12:30〜14:00
       ランチしながら講師を囲んで話しあい

「子育てに活かす作業療法視点」
    
灘 祐介 (有)あーと・ねっと 作業療法士
ご本人からの紹介文

作業療法とは、一般的にはリハビリです。
元々小児の病院に勤めていましたが、
医療機関の枠組みにとらわれることなく、
もっと広く作業療法の視点を活用頂きたく、
独立・事業展開しています。
現在は、乳児相談、保育所、幼稚園訪問、
学校など他職種の方々とも連携しつつ、
子育て支援をしています。

HPの紹介文には、

(有)あーと・ねっと
http://www.eonet.ne.jp/~a-to-net/

発達障がいに関わらず、子育てに心配事を抱える
お子さんならびにご家族に対する支援を専門とします。

9年間、重症心身障害児・者施設に勤務後、
あーと・ねっととしてフリーランスの作業療法士として
仕事を展開しています。
乳幼児健診などでの赤ちゃん支援から、
重症心身障害児・者や就労支援などに関わるなど、
年齢、障害に関わらず、作業療法を実践しています。

業務連携先を見ると、
京都市支援学校や府下の養護学校、NPO法人などに
幅広くかかわってこられた方です。

親御さんむけの講座での紹介文から見ると

生活にかかわるすべての動作を作業と考え、
感覚や体からその育ちをサポートされていて、
ふだんは“感覚統合”という方法で
子どもたちに接している灘先生、

「不器用で困る」「字が汚い!」「姿勢が悪い」
「じっとできない」・・・などの子どもの行動、
「やる気がない」「いつもイライラしてる」などの気になる姿、
「運動が出来ない」「この練習法でいいのかな?」なんていう
体育・スポーツにまつわる疑問などについて、
わかりやすくお話ししてされているようです。

専門家の方からお話しを聞ける貴重な学びの機会を
ご一緒しませんか?

申し込み info★kosodate-bunka.jp
  (★印を@マークに変えてメールをお送りください)
  保育 500円
 (保育ご希望の方はお早めに申し込みお願いします) 


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