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15のまなび 中原規予さん(2回目)子供の発達と運動 [2016年08月09日(Tue)]
時系列ではなく、2回前の講座の報告となりますが、
15のまなびで、今年度 2回目のお話となる、中原規予さん(理学療法士)の講座のまとめです。

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第4回15のまなび 7月10日(日)宇治会場
     13:30〜16:30 講座・ワーク・質疑応答
演題「子供の発達と運動」
講師:中原規予さん(理学療法士)

15のまなび第4回は、第1回目から講師をお願いしている中原先生から「子供の発達と運動」というテーマでお話を頂きました。(同じテーマで第3回として7月9日に舞鶴会場でお話を頂いております。)前回も大変好評だったため舞鶴会場、宇治会場共に20名を超える参加者が集まりました。遠方から行政や子育て支援団体としての参加も多く、幅広い参加層となりました。

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今回のテーマである「子供の発達と運動」についてまずは「発達」の部分からお話が始まりました。発達とは「受精から死にいたるまでの人の心身及び、その社会的な諸関係の量的変化・変容をいう」と定義されました。その上で、子どもの発達とは、前回も説明いただいた「発達を見る七つの窓」の「生活習慣」を中心に変化が起きているか、を見る事だそうです。
人の発達過程として胎児期から老齢期までありますが、今回は最初の胎児期(受精後8週後〜出産)、新生児期(出生後4週ないし1カ月未満)、乳児期(生後1年前後)、幼児期(生後1年から6歳ぐらいまで)をメインにお話をされました。赤ちゃんは最低限の筋肉しか持って生まれないため、生きるために必要な「原始反射」があります。原始反射とはそれぞれの発達に応じて出る反射が変わるため、反射を見るとどこが発達して、どこが滞っているかわかるそうです。原始反射は生きるために必要であり、発達を見る目安になりますが、ずっと残っていると発達が阻害されてしまいます。例えば、「吸啜反射」という原始反射があります。これは赤ちゃんの口に乳首を持っていくと反射的に舌を出して吸います。生まれたばかりの赤ちゃんが母乳を飲む動作は生きるための反射的なものです。しかしこの反射がご飯を食べる頃まで残っていたとすると、口に食べ物を入れる度に舌を出し、更には食物を口の中で丸められないという弊害が起きるそうです。このように、原始反射は生きるため、必要な時に出て、必要無くなると消えるものだと仰っていました。
また、産まれたばかりの赤ちゃんは自分の身体がどんな形なのか自分の手足がどこにあるか感覚がわからないまま出生してきます。そのため運動の発達とともに身体図式(ボディーイメージ)と構築する必要があるとの事。

運動発達については段階に沿ってお話を頂きました。まずは「追視」です。人は生まれたばかりでも視力があり30センチぐらいまでなら見えているそうです。次は「正中位指向」。これは指しゃぶり足しゃぶりに見られるように身体の中央に手足を持ってくる発達ですが、ゆくゆく座った時に両手で遊べる運動に繋がるそうです。そして、この指しゃぶり足しゃぶりを通して自分の手足がどこにあるのか確認も行います。同時に指をしゃぶる事は口を刺激する事にも繋がり、食べ物を丸める動きにも繋がるとの事。そのため赤ちゃんの身体を触って刺激する事はスキンシップの役目の他、赤ちゃんが自分の身体をわかるためにも、各器官の発達のためにも大事だと感じました。
その次が、首が座ったかどうか試す「定顎」。首がすわっていると、手を持ち、引き起こした時に顎を引いた状態で頭部が付いてきます。この動きは首とお腹の筋肉が連動してできるそうです。首がすわると「寝返り」ができるようになりますが、これは最初の追視から繋がって偶然に出来るところから始まります。寝返りが出来るとうつ伏せの状態になるので「前腕指示」や「両手指示」で身体を支え起き上がってきます。次第に「四つ這い」ができ、「座位」として座れるようになります。座らせた時、膝がまっすぐだと座らせても座れないので、まだ「座位」には早いとのこと。次の段階の「つかまり立ち」ですが、足に筋力が無いと手に力を入れて立とうとするため、つかまり立ちが早く出来てしまうそうですが、ハイハイの時期はとても大切。発達が早いと周りは囃し立てる事がありますが、それが本当にその子にとって必要かどうか、「発達を見る」のではなく、「その子を見る」ことが大切だと感じます。最後の発達段階は「歩行」です。赤ちゃんは最初、無意識に肩甲骨に力を入れるため歩き始めは手を上に挙げて歩くそうです。

続いて、「赤ちゃん自身の気付き」についてお話を頂きました。これは大人がやることではなく赤ちゃん自身がやること、つまり大人は見守るだけです。中原先生は現場でも保護者の方に見守るだけにしてくださいね、と伝えているそうですが意外と難しく、赤ちゃんが困っていたらついつい助けてしまう保護者が多いとの事。
この「見守り」はただ赤ちゃんを見ているだけではなく赤ちゃんの反応を見ます。人は困ったら@誰かに助けてもらうAこのままにしておくB自分で何とかしようと思う、の選択肢があるそうです。そのため、赤ちゃんが困っているからと言って、むやみやたらに助けてしまうとBの思いが育たなくなり自分で行動しなくなります。先生は、運動とは自分が動きたいと思って行う行動だと仰っていました。だからこそ、赤ちゃんが@ABのどの選択肢を選ぶのか、何を求めているのか、欲求は何か見極めるためにも「見守り」は大切だと思いました。

最後のお話として子どもと遊びについてです。子どもが外の世界に遊びに行けるのは主たる養育者との間に安心感や愛着が構築されている事が必要です。この愛着形成には「揺れ」「柔らかい手触り」が効果的との事。揺れについて少し抵抗のある方も居られるかもしれませんが、揺れによるダメージは揺れ自体ではなく、揺れが止まる時の衝撃とのこと。また、脳の外側には衝撃を吸収する水も張ってあります。赤ちゃんを揺らしている時に心地よく感じているかよく観察しておくことが必要だと仰っていました。
子どもにはどんな遊びがあるのか。子どもは大人が思っているよりもたくさん見ています。そして見たものをマネするようになります。これが遊びに繋がると仰っていました。だからこそ、色んなものを見ることで色んな遊びを知ることができます。

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一旦、休憩をはさみ後半は赤ちゃんの気持ちに寄り添うため実際に赤ちゃんの動きをマネしてみました。正中位指向やうつぶせ、四つ這い、はいはい、など色々なポーズをやってみましたが、赤ちゃんと同じポーズをとる事は「しんどい」という声が一番あがりました。しかし、うつぶせから四つ這いに移行するだけで視点がぐんと高くなり赤ちゃんの好奇心が育つ感覚も得られたかと思います。また、以外にも赤ちゃんのポーズをとる事はバランス感覚が必要でした。つまり、赤ちゃんはバランスを覚えながら遊んでおり、少しずつ座れるようになったり遊びの幅が広がるのだと仰っていました。

最後に質疑応答です。今回は少し長めに時間をとりました。みなさんたくさんの質問、感想を発表して下さいました。その一部を紹介します。
Q:左右差がある子どもへのフォローとは?
A:個人差があるのでフォローの形は様々だが、遊んでいる中で使いやすい方に負荷を掛ける。
Q:原始反射が残っている子に対してどうするか
A:反射を誘発する刺激を入れない。原始反射の残存は中枢神経系の未成熟や脳障害が考えられる。不器用な子の中には、軽い脳性麻痺の様な子もいるが、診断がついていない以上憶測でしかない。また、本当に原始反射の残存であるかどうかも見慣れていないと分からない事でもある。どの時には負荷を軽くした状態で反射を誘発する刺激を入れてみる、他の場面を診る、などする。むやみに不安を煽らない様、注意が必要。

Q:見守り、観察する時のポイントとは
A:普段の赤ちゃんの姿を知るために観察する。そのポイントとしては、着替えやお風呂の時に、全体を見て左右差がないか、くすぐったり触ったり遊びながら観察する。普段から生活上の様子、機嫌などをみる。

この他にもたくさんの質問が飛び交いました。また質問の端々で、子どもの発達には自身の意欲が必要だということを話されていました。それには本人が移動しないといけない環境作りが必要です。逆に、骨折した時のギプスに例え、動けない、動かせない、動かせなくても良い環境は動く意思が無くなると仰っていました。

今回、赤ちゃんの気付きや意思を引き出す事の大切さ、赤ちゃんに触る事、赤ちゃんを見守る事、赤ちゃんがたくさんのものを見られるように工夫して生活の中に取り入れる事の大切さを教えて頂きました。今までのまなびから得た赤ちゃんとの関わり方は赤ちゃんの成長発達を促し、人生を豊かにするだけでなく、関わった養育者、私達も幸せな感情にさせてくれると改めて感じました。

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