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NPO法人成年後見推進ネット これから

NPO法人 成年後見推進ネット これから のブログです。
広く一般市民を対象として、成年後見制度を推進するために、成年後見制度の啓発普及活動、後見人育成のための教育活動、成年後見人の受任事業、成年後見を考えている介護家族への支援・相談活動、後見人の自己研鑚・情報交換の為の後見人ネットワークの構築を図ります。
ホームページURL: https://www.npokorekara.net/
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出張街かどケアカフェでの遺言書のお話 [2025年10月21日(Tue)]
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 東大泉のやすらぎシティ地域包括支援センター様から、出張街かどケアカフェでの講演のご依頼をいただきました。昨年も同様のご依頼があって、その時は、ちょうど練馬区が「私の生き方ノート」の配布を始めた時期だったこともあり、「エンディングノートを書いてみよう」という内容のお話でしたが、今年は「遺言書を書いてみよう 〜自筆証書遺言を書く〜」のテーマで、2025年10月16日(木)午前中に、これから事務局スタッフで行政書士でもある丹下勝代がお話をさせていただきました。
 会場となった東大泉地域集会所には、今回のテーマに興味のある地域の方々とボランティアの方が10名強集まり、話の途中にも待ちきれずに質問が出るほど、皆さん熱心に聞いておられました。
 遺言書についての概要、自筆証書遺言と公証役場で作る公正証書遺言の違いと、それぞれのメリット・デメリット、書いておいてほしい人、遺言書がないとどうなるか、といった
説明の後に、講師が用意した自筆証書遺言の見本を参考にして、参加された皆さんに実際にご自身の遺言書を書いていただく時間を20分程度とりました。
 皆さん、実際にご自分の場合のことを考えて書こうとすると、疑問も色々と沸いてくるようで、次から次へと質問の手が挙がり、講師はもちろん引っ張りだこで、一緒に参加していたスタッフもフル稼働の状態となりました。
 限られた時間の中で、遺言書について詳しいところまではお伝えできませんが、参加された皆さんが、ご自分の場合はどうなのだろうと考えるきっかけとなり、必要な方については、さらに専門家へのご相談等に繋がればよいと考えています。そういう意味では、多くの皆さんが「参考になった」と言ってくださったので、有意義な会になったと思います。(酒井)
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講演会「遺品整理・事前整理 〜生きている間にやるべきこと〜」のご報告 [2025年05月30日(Fri)]
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 2025年度の「これから」のメインのイベントとなる講演会を、5月25日(日)14時〜 練馬駅近くのココネリホールで開催しました。「遺品整理・生前整理 〜生きている間にやるべきこと〜」というタイトルで、(有)キーパーズ代表取締役の吉田太一様にお話をしていただきました。
 当日は不安定なお天気ながらもなんとか雨には降られず、「これから」の会員12名、非会員77名にお越しいただき、スタッフ9名を加えると98名が参加しました。また、前回に続いて聞こえ難い方のための情報保障として、練馬区から要約筆記者を派遣していただき、今回は手話通訳も付けることができました。
 講師の吉田氏は、元々運送業を営み、引っ越しとリサイクルも手掛ける中で、お客様の要望に応えるかたちで荷物を引き取ったところ、それが故人の遺品で、「そこまでやってもらえるとは」と、お客様にとても喜ばれたというところから、遺品整理サービスを思いついたそうです。今でこそ遺品整理業者はたくさんありますが、吉田氏が始めた頃は他にやっている業者はなく、この道のパイオニアとして今でも数多くの遺品整理を手掛けるとともに、時代やお客様のニーズに合わせて、そのサービスも広がってきているとのことです。
 吉田氏の「遺品整理の現場には、そこに住んでいた人の生きざまが現れます」との最初の言葉に、まず我が身を振り返ってドキッとさせられました。また、「家族に迷惑をかけたくない」との思いで、自分の家財や荷物の整理をやらなくては、と考える方が多いけれど、自分でできるのにやらないことを迷惑というのであって、遺品整理は自分ではできないことなので、それは人にやってもらうしかないという意味で、迷惑ではないとのお話もありました。荷物整理自体が目的になるのは本末転倒で、今後施設に入るために家財を片付けたいとか、安全や衛生面を考えて家の中をきれいにしたいといった目的があれば片付けたほうが良いけれど、そうでなければ、日常生活や自分の楽しみのために必要なものは残しておいて問題ないと吉田氏は考えているそうです。
 それよりも問題なのは、1人暮らしをしていて、亡くなった後何日も見つけてもらえずに、孤立死をする人が今後も増えると思われることで、孤立死を防ぐには、少なくとも3人以上と日頃から連絡を取り合うことが大切と話されました。そして、孤立死についてのDVDを視聴する時間を持ちました。
 後半は、生きている間にやっておくこととして、遺される人に何をしてほしいかを伝えておくことが大切で、できれば公正証書で遺言書を作り、亡くなった後のことを頼む親族がいない方は、死後事務委任契約も、これは私的契約でも構わないので結んでおくと良いとのお話がありました。そういった契約は、自分の意思で判断できるうちに、お願いしたい人に頼んでおいて、できればお金も手当しておくと安心とのことです。そして、なぜ片付けをするのか、その目的をはっきりさせることが大事という最初のお話に戻って、講演は締めくくられました。
 質疑応答では、個別具体的な質問も出ましたが、吉田氏には丁寧にお答えいただきました。
 参加した方から回収したアンケートでは、参考になったとの声を多くいただきましたが、会場や機材に関するご指摘や、期待していた話を聞けなかった等のご意見もあり、そういったお声は、今後の講演会の計画や運営に活かしていきたいと考えています。(酒井)
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出張街かどケアカフェでの終活の話 [2025年01月16日(Thu)]
 ご報告が遅くなってしまいました。やすらぎシティ地域包括支援センターから、隣の東大泉地域集会所で定期的に開催している「出張街かどケアカフェ」にて、練馬区が発行した「私の生き方ノート」を使って、終活の話をしてほしいというご依頼があり、2024年の10月25日(金)10時から1時間程度お話をさせていただいて、質疑応答をお受けするという形で行いました。
 参加してくださったのは近隣住民を中心に10名程と、いつもボランティアで会を支えている3名の方、他の地域包括の職員さんも見学にいらっしゃいました。
 お話のタイトルは、「〜終活を考えよう〜 エンディングノートの書き方」として、最初に終活とは?というところから始めて、終活の目的や、やり始めるタイミング、内容、と言ったお話をしてから、後半は実際に練馬区が配布している「私の生き方ノート」を参加者と一緒に見ながら、何を見て書けばよいか、書くときの注意点等についてお話を進めました。
 終活は、誰にでも訪れる死について考えて事前に準備しておくことなので、誰にとっても必要であること、特にお子さんのいないご夫婦や、身寄りのないおひとり暮しの方にとっては、介護や医療についての自分の希望を叶えるためには、自分で事前に考えて、その希望を書面に残して、信頼できる人には伝えておく。財産についても、遺言書を書いておくことによって、遺される人の余計な負担を減らすことができます、ということをお伝えしました。
 ちょうどこの集まりの2週間後に「これから塾」で『遺言書を書いてみよう』という講座をやります。という宣伝をさせていただいたところ、ボランティアで関わっている方が「これから塾」にも参加してくださいました。(酒井)
講演会 「加齢性難聴と生活の質の維持」のご報告 [2024年07月09日(Tue)]
「これから」の今年度の活動のメインとなる講演会「加齢性難聴と生活の質の維持 〜聞こえないをほっとかない〜」を、荻窪耳のそうだん室JINO株式会社代表取締役である郷司智子氏を講師にお迎えして、6月30日(日)午後に、石神井公園区民交流センターの展示集会室で開催いたしました。区報や区内の掲示板の活用等、広報の成果もあり、当日はスタッフ9名のほか、92名の方にご参加いただきました。

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 講師の郷司さんは、補聴器の専門家であるとともに、認知症サポーターでもあり、加齢性難聴の問題を抱える人たちにとっては最適な情報を伝えていただきました。

 まず「ご自分の聴力を知っていますか?」という問いかけに、はっとしました。講演でも、20歳を境に人の聴力は緩やかに低下していき、高齢になれば「聞こえにくい」人が増えるとのデータがありました。それなのに、聴力を知らない人が多いのは、講演の題にあるように「聞こえないことを放っておく」方が多いと考えられます。
 高齢者の難聴は緩やかに進むため、本人も周りの方も気づかなかったり、気づいても「トシだからしかたない」とあきらめてしまう方が多いのかもしれません。それを「放っておく」と人と話す機会が減り、認知症になりやすいという研究結果が出ているそうです。
 今は高齢になっても働いたり、趣味を極めたり、社会に出る機会が増えています。補聴器や人工内耳といった本格的な対策もありますが、まず専門のお医者様に相談し、聴力を知ることから始め、自分に合った対策を考えることが大事だと知りました。
 例えば、周囲の方に、顔を見ながら、ゆっくり、はっきり話してもらうだけで聞き取りやすくなります。携帯電話の文字変換アプリも大事な用件を聞く時に便利です。練馬区からも、この7月1日から補聴器に対する助成金の範囲が広がったという朗報がありました。また、駅や役所の窓口に、話したことが表示されるボードの設置が進んでいます。

 講演後の質疑応答からも、たくさんのことを学びました。体調維持に留意すること、イヤホン等で大きな音を聞きすぎないこと、聞き取った音を繰り返して発音するなど聞き取りの訓練をしてみることなど、普段の生活の中で心掛けることが大切、という言葉は心に残りました。

 講演を伺い、聞こえにくくなっても社会とつながって暮らしていける希望をいただきました。
(酒向美樹子)
講演会「最期まで自分らしく生きる 〜在宅医療の可能性と事前指示書の重要性〜」のご報告 [2023年07月08日(Sat)]
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 「これから」の今年度の活動のメインとなる講演会「最期まで自分らしく生きる 〜在宅医療の可能性と事前指示書の重要性〜」は、講師に医師の高林克日己氏をお迎えして、7月2日(日)午前中に石神井公園区民交流センターの展示集会室で開催いたしました。区報や区内の掲示板の活用等、広報の成果もあり、当日はスタッフ9名のほか、105名の方が参加してくださり、このテーマに対する皆さまの関心の高さをあらためて実感しました。
 もともと酒井が高林先生の著書「高齢者終末医療 最良の選択」を読んでいたのですが、その後著者が同じ高校の大先輩だということがわかり、色々とご縁を感じてしまい、いきなりお手紙で講演をお願いしたところ、快くお引き受けいただいた、というのが始まりでした。ただ、ちょうどコロナ禍と重なり、2度目の企画でようやく実現することができました。

 講演では、前半が日本の人口推計等の統計的なデータから、このままいくと少子高齢化はさらに進行して、老々介護や孤独死が増え、医療体制が崩壊するという超高齢社会の現実を示して、医療というものの考え方そのものを大きく変える必要があると講師は述べられました。そして、そのためには在宅医療へのシフト、終末期医療に対する意識改革等が欠かせないと話は続きました。病人であっても生活者であり、その人らしく生活し続けることで、良く生ききって人生を閉じることができる。それが治し支え看取る医療としての在宅医療であるとして、実際の患者さんが穏やかに自宅で過ごす様子の画像と共に、各々のエピソードが語られました。
 休憩を挟んだ後半は、終末期の延命治療や事前指示書についてです。事前指示書とは、『自分で意思決定ができなくなったときにどのような治療を選択するかを、意識がはっきりしている時に表明しておくこと』で、終末期の自己決定権の行使です、という説明がありました。また、延命治療の具体的な例を挙げて、どんな場合にどのような治療がされ、その結果どうなるかということをかみ砕いてお話しいただきました。事前指示書とACP(いわゆる人生会議)の関係や、事前指示書にはあまり個別具体的なことを書くよりも、大枠を示して最終判断は医師がするという考えの方が良いこと、そして、事前指示書は、治療の最初から出すのではなく、いざという時に本人の意思として見せるのが好ましいといったお話は、とても参考になりました。
 最後には高林先生が患者さんたちを連れて欧州旅行に行かれた様子(21回も!)と、患者さんたちがその旅行を楽しみにして、旅行のために治療も毎日の生活も前向きに取り組んでいるという楽しいお話がありました。そして、誰にとっても社会的な繋がりが大切ですと締めくくられました。
 終了後に回収したアンケートでは、多くの方が好意的な評価をしてくださり、「こういう話を聞きたかった」「さっそく事前指示書を書こうと思った」といったご意見もありました。
 反省点もありますが、大きな手ごたえを感じることができた講演会となりました。(酒井)
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会員のつどいのご報告 [2023年03月20日(Mon)]
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 毎年恒例となった会員のつどいは、2019年から参加者の皆さんと事務局スタッフで数名のグループに分かれてグループワークを行う形式をとってきました。3月19日に練馬区役所19階中会議室で開催した今回の会員のつどいは、「これからノート」を書いてみよう!と題して、自分の高齢期を自分で選択して設計するための整理ノート、 「これからノート」の抜粋を用いて、参加者自身の終末期の希望をグループで話し合いながら書いてみることにしました。参加者6名と事務局スタッフ6名の12名が3つのグループに分かれて、スタッフのうち1名がファシリテーターとして進行役を務めました。どのグループも開始早々自己紹介を兼ねた話し合いから盛り上がり、最後まで賑やかな話が途切れることはありませんでした。
 ある会員の方は、以前から持っている「これからノート」を書き始めるのが大変で、その気になったら一気に書かないと書けないので、書くきっかけ探しで参加されました。80歳を目前に「これからノート」を完成して、80代からの人生を楽しみたいと、とても前向きでした。また、以前からNPO「これから」の活動に興味があったので、今回参加して入会された方からは、今まで好きなことだけをして生きてきたが、今後の人生のために嫌でも「これからノート」を書こうと思ったと率直なご意見がでました。
 「これからノート」に書き記す終末期の希望(病名の告知、過ごしたい場所、最期まで続けたいこと、緩和ケア、延命治療等)について話し合い、書けるところを書いてみたグループワークの終了後、参加された方々の感想を伺いました。健康保険証とリビングウィル(終末期医療における事前意思表明書)の重要性が分かった、任意後見契約を結ぶことでかなり事前準備ができる、両親を介護した経験を通して自分の最期は人に迷惑をかけたくないと思った、等の意見がでました。また、終末期の希望を話し合うことで、これからも元気でいつづけたいという参加者の思いが伝わってきました。そのためには、生きる希望や目的を持つ、人との出会いを大切にする、ボランティア活動を続ける、気持ちを高めて免疫力を高めるといったことを参加者は日々行っているそうです。 
 以前「これから塾」の講師として、終活ナースの仕事についてお話しいただいた会員の方は、自分自身がどこでどういう最期を迎えたいか必ず書いておき、そのことを家族と共有しておくことが大切と、参加者全員に向けて訴えられました。終了後のアンケートでは、参加者の方々から有意義なつどいだった、素晴らしい会だったとのご意見をいただけて、嬉しい手ごたえを感じました。(佐藤)
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委任事務及び任意後見報告会のご報告 [2022年11月14日(Mon)]
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「NPOこれから」が法人として契約を結んで支援をさせていただいたBさんとの2年6か月の報告会を、11月6日(日)に開催いたしました。中村橋の貫井地区区民館に25人の方が聞きに来てくださいました。
 委任契約と任意後見契約を公証役場で締結し、有料老人ホームへの転居時の支援、コロナ禍での面会禁止の間の工夫、関わりのなかった相続人と関係構築、Bさんの認知機能の低下、任意後見の発効(任意後見監督人の選任)、Bさんのご逝去、死後事務と、2年6か月の間に次々とおこったできごとを、その時の対応した事務的な内容とともに、どんな思いで関わっていったかも含めての報告を聞くことができました。金融機関とのやりとりに苦労したことには、共感して下さっている参加者の方の姿も見えました。私たちNPO法人はチームで支援しているのでその役割分担、ご本人に信頼していただけた過程と終末期の意思確認の難しさなどもお伝えしました。
 1時間30分の報告でお伝えできないことは山のようにあったと思います。Bさんの活動は終結しましたが、そこから得たことや、課題となったことは、次の支援に活かしていかなくてはと、事務局スタッフのひとりとして感じました。
 参加者アンケートからは、具体的な支援の内容や、丁寧に対応している様子が聞けてよかったという感想をいただき、このような報告会がお役にたてていると感じることができました。ありがとうございました。(YT)
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任意後見と家族信託の講演会が終了しました [2022年07月06日(Wed)]
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 コロナ以降、大規模な講演会を控えていましたが、7月3日に久しぶりに約100名が参加した講演会「任意後見と家族信託」を開催しました。
 講演会では、遠藤家族信託法律事務所所長で弁護士の遠藤英嗣氏を講師に迎え、成年後見制度の周辺制度の1つである「家族信託」について、家族信託の利点・問題点、制度の正しい使い方をお話しいただきました。家族信託では、本人の財産を守るだけではなく、本人・家族のために活用・運用し、さらには後々の世代まで財産を遺すことができます。家族信託は、基本型の他に、親亡き後支援型、不動産・家とく承継受益者連続型等があり、その種類によりきわめて特殊で複雑な制度のため全てを理解するのは難しいですが、レジュメの図解を通して基本型の理解は深まりました。

 一方で、家族信託では身上保護を行うことができません。これを補完するのが判断能力のある本人が、自分の意思で最も適切と考える後見人を選任できる任意後見契約です。但し、任意後見契約を結んでも、自分の判断能力が衰えた時に家庭裁判所に申し立てて後見監督人を選任してもらわない限り、その効力が生じません。任意後見契約が発効すると、後見人だけでなく後見監督人への報酬も発生するため、契約の発効をためらうケースが多く見られるそうです。家庭裁判所への後見申立や監督人選任申立が必要な場面では、家族、地域包括支援センター、地域のNPO法人等、本人を取り巻く地域ネットワークが積極的に支援する必要があります。人口の高齢化が加速度的に進み高齢者が高齢者を守る時代になりつつあります。みんなの老後の安心と幸せを確保するためには、後見人、被後見人、地域の人々が一体となって支え合う社会を築くことも大切です。
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 また、親族に限らず大切な人に財産を残したいという希望を実現するために、家族信託と任意後見契約に加えて公正証書遺言の三点セットを準備することの大切さを学びました。参加した皆さんからは、関心はあるもののなかなか情報を得ることができなかった家族信託の基本を学べたこと、その制度の仕組みが複雑だということを理解したこと、今後家族信託や任意後見契約の利用を視野に入れて、さらに両制度について学びたいこと等のご意見をいただきました。みなさんの制度への関心の高さと積極的に学ばれる姿勢に大きな手ごたえを感じた講演会となりました。(E.S)


成年後見連続講座第5回(最終回) [2021年12月09日(Thu)]
千葉所長写真3.jpg 千葉所長写真4.jpg12月5日(日)に成年後見連続講座の最終回となる第5回目を開催しました。
講師には練馬区社会福祉協議会権利擁護センターほっとサポートねりまの千葉所長をお迎えして、「成年後見制度を促進するための地域連携と中核機関の役割」というタイトルでお話をしていただきました。
 まずは練馬区社会福祉協議会の中のひとつの組織である「ほっとサポートねりま」の概要と、練馬区において成年後見制度にどのように取り組んでいるかについてのお話の後、平成28年5月に施行された成年後見制度の利用の促進に関する法律と、それに基づいて策定された成年後見制度利用促進基本計画のご説明がありました。基本計画では、@利用者がメリットを実感できる制度・運用への改善 A権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり B不正防止の徹底と利用しやすさの調和 が大きな目標として掲げられています。権利擁護の地域連携ネットワークづくりの中には、ネットワークづくりのコーディネートを担う中核機関の設置も明記されており、練馬区では「ほっとサポートねりま」が中核機関として位置づけられています。もともと成年後見制度推進機関として行っていた「広報」「相談」「後見人支援」を強化するとともに「成年後見利用促進」の機能が中核機関として加わったそうです。
 中核機関の設置主体は練馬区(福祉部管理課 地域福祉係)であり、区の委託を受けて中核機関となっている「ほっとサポートねりま」では、地域福祉活動計画に基づいて、相談事業、周知普及事業、後見人サポート、専門職・関係機関ネットワーク、市民後見人養成事業、法人後見といった事業を行っています。具体的には練馬区を東と西の圏域に分けて、必要な支援や適切な制度利用につなげるための事例検討を行う検討支援会議の開催、顔の見えるネットワークづくりと地域課題の共有を目的とした「ねりま成年後見ネットワーク連絡会」の開催、中核機関の運営や利用促進等に関して法律の専門家、学識経験者、行政、家族会、医師等のメンバーで構成する合議体としての「成年後見利用促進協議会」の開催等を行っています。
 休憩をはさんで後半は、練馬区における市民後見人について、その養成研修の仕組みや市民後見人が受任する要件と市民後見人への支援の説明があり、次に令和2年度から開始された「ほっとサポートねりま」による法人後見についても、実施に至る経緯や受任要件等についてお話しいただきました。
 また、次期成年後見制度基本計画の中間とりまとめの基本的な考え方は、地域共生社会の実現を目指して権利擁護支援を推進すること、とのご説明もありました。そして、住み慣れた地域において、すべての住民が、障害の有無にかかわらず尊厳をもって、その人らしい生活を継続できるように社会全体で支えあいながら地域を創っていくという地域共生社会の実現のためには、行政や福祉関係者だけでなく、住民一人ひとりが権利擁護の視点を持って、住民同士や自治会、町会といった地縁組織、NPOやボランティア、民生・児童委員などが専門職や関係機関と連携し、ネットワークを作ることで、課題の発見から解決までの取り組みを進めることが大切であるというまとめのお話をいただきました。
 最後は、課題を抱える人のことは、見ようとしなければ見えてこない。権利擁護の視点を持った住民の連携によって、そのような人が支援につながるので、一人ひとりの気づきが大切ですという、千葉所長の熱い想い溢れる言葉を語っていただき、それがとても心に響きました。
 千葉所長のお話は、5回にわたる連続講座の最後を締めくくるにふさわしいもので、参加者の皆さんの、練馬区における成年後見制度の取り組みへの理解が深まったことは、終了後のアンケートからも感じることができました。
成年後見連続講座第4回 [2021年11月29日(Mon)]
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11月21日(日)に成年後見連続講座の第4回を開催しました。
 今回は講師に社会福祉士でねりま社会福祉士会副会長、ぱあとなあ東京副センター長を務めていらっしゃる石川康雄氏をお迎えして、事例発表とグループワークを行いました。
 当初確保していた会場ではグループワークをするには狭いということで、急遽広い会場を探しました。午後では広いところが取れなかったのですが、午前中で確保できたため、参加者の皆さまにアンケートを取り、午前中でも大丈夫な方には午前中にお集まりいただき、石川氏には午前と午後の2回、同様の内容で講座をしていただきました。
 グループワークでは3,4人ずつに分かれて、そこに「これから」スタッフが入り、石川氏に提供していただいた事例について課題と支援方法を考えました。そして、グループ毎に発表者を決めて話し合った内容を発表して、それに対して講師から講評をいただきました。どのグループも活発な話し合いがもたれて、参加者それぞれの経験や置かれている状況によって、様々な意見が出ました。石川氏は各グループの発表に対して、それぞれ丁寧に講評をしてくださって、最後には実際はどのように支援したのかをお話ししてくださいました。
 二つ目の事例は、認知症の父親との話し合いが難しい場合に、どのように本人の希望や意思を引き出して、本人の望む生活を送れるよう支援するかという、ACP(アドバンスケアプランニング)について考えるものでした。ACPとは「人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族や医療ケアチームと繰り返し話し合うこと」で、厚生労働省は愛称として「人生会議」と名付けています。
 このグループワークでも、参加者の皆さんがご自身の経験をもとに、ACPについて考えていることを話し合い、発表しました。
 そして、最後に「ACPにおける本人の意思決定支援」について石川氏からお話をいただきました。意思決定支援の視点として、一人で判断するのではなく、チームで検討すること。そのチームにはメンバーとして本人も加わること等、意思決定支援の原則をまとめてくださいました。
 今までは一方的に話を聴いていただく講座が続いたので、せっかく色々な方が参加してくださっていることもあり、参加者同士やこれからスタッフと話をする機会を作ることも今回の目的の一つでした。グループでの活発な話し合いの様子を見ていると、その目的は達成されたのではないかとうれしく思いました。
 とても難しく大変な案件を引き受けて、悩みながらも丁寧に支援されている講師の石川氏の様々なご経験を伺うことができ、その温かなお人柄がにじみ出る、とても良い講座となりました。「これから」スタッフにとっても大事な学びの機会となったことは言うまでもありません。
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