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NPO法人成年後見推進ネット これから

NPO法人 成年後見推進ネット これから のブログです。
広く一般市民を対象として、成年後見制度を推進するために、成年後見制度の啓発普及活動、後見人育成のための教育活動、成年後見人の受任事業、成年後見を考えている介護家族への支援・相談活動、後見人の自己研鑚・情報交換の為の後見人ネットワークの構築を図ります。


11月の出張これから塾ご報告 [2023年11月28日(Tue)]
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 出張これから塾の第2弾は、11月21日(火)の10時から、光が丘南地域包括センター様が主催する「出張街かどケアカフェ」との出張コラボ(?)ということで、光が丘団地の中の集会室で「成年後見制度Q&A」の寸劇を行いました。
 いつも「出張街かどケアカフェ」に参加している方を中心に15名ほどが集まってくださり、狭い集会室なので、演者ととても近い距離で観ていただくことができました。
 今回は演じるこれからのスタッフ3名(役者)は前回と同じ顔ぶれですが、相談する側と受ける側の役割を、人を替えて、次の三つの場面設定は変わらずにやってみました。
(1) 高齢の親が認知症になり、成年後見制度の利用を相談する場面
(2) おひとりさまで自分自身の将来を心配する相談者に、任意後見制度を説明する場面
(3) 重度の知的障害の娘の親亡き後を心配する母に、複数後見を提案する場面
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 寸劇の終了後には質疑応答の時間を設けたところ、「後見人が就くと、本人の財産を本人のために使えなくなると聞いたことがあるが、どうなのでしょう」とか、「本人が亡くなった後のことは後見人はどこまでやってくれるのでしょうか」といった的を得た質問が出され、参加者の中には、後見制度について既に色々と勉強されている方も何人かいらして、さらに情報を得るために参加してくださったことを感じました。
 こちらからは、後見人等は本人のよりよい生活のために本人の財産を有効に使うことを考えるので、心配はいらないこと、本人が亡くなった後の火葬や後から請求が来る入院費や施設費等は家庭裁判所にあらかじめ連絡をしておけば対応できるようになっていること等をご説明しました。
 何よりも、後見制度について知りたいことがあったり、実際に利用を考えた場合に相談できる場所として、まずは身近な地域包括支援センターがあること、そして、練馬区社会福祉協議会の権利擁護センターほっとサポートねりまでも相談を受け付けていること、私どもNPOこれからにご相談いただいても構いませんというお話をして終了となりました。
 参加してくださった方からは、寸劇の形にするとわかりやすいという声をいただくとともに、私たちとしても皆さんが熱心に聞いて的確な質問をしてくださったことで、もっと後見制度について勉強して、皆さんにわかりやすく有意義な情報をお届けしないといけないなと感じました。(酒井)
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10月の出張これから塾ご報告 [2023年10月05日(Thu)]
10月のこれから塾は、いつもお世話になっている「街かどケアカフェこぶし」が空調設備の改修工事の為に使えなくなったので、「出張これから塾」として、今回は、「街かどケアカフェはるのひ」さんにお邪魔して開催いたしました。令和3年4月にオープンしたばかりの練馬区立の複合施設です。保健相談所と児童館、地域包括支援センター、街かどケアカフェが同じ建物内にあります。初めて訪問するスタッフも多く、明るく綺麗な会場でこれから塾を行いました。
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 内容は、今年の6月に行った寸劇「成年後見制度Q&A」を再演いたしました。@親の認知症が進んだときの対応、A将来、自分の判断能力が衰えたときの備え、B障害のある我が子への親亡き後の備え、の三つのテーマを寸劇にして参加者に見て頂きました。法定後見、任意後見、複数後見の制度について、よくある具体的な事例を実際の相談の様子を見立てた寸劇で紹介したことによって、より身近に感じることができたと思います。
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寸劇の後に、レジュメを配布してそれぞれの制度の解説と成年後見制度についての〇×クイズを行いました。参加された方は、しっかり考えて挙手したり、「〇か×か、どっちか分からない」などとのお答えもありました。
そして最後に質疑応答となり、「任意後見の契約」から誰が「申立」できるのか、どんな場合に「申立」するのか、「契約」と「発効」の違いなど、制度の複雑な所に質問が集中していました。また後見人になるにはどんな資格が必要なのか、との質問に、弁護士などの専門家でなくても、基本的には誰でもできるとお伝えができました。
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 参加者は3名とスタッフ6名の少人数でしたが、ケアカフェの他の利用者の皆様が「何をしているのかな?」と興味を持って覗いていらしたので、今後は定期的に訪問ができればいいなと思います。(丹下)
9月のこれから塾ご報告 [2023年09月08日(Fri)]
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 9月のこれから塾は、看護師/終活ナースレジスタードマークの篠原知子氏を講師にお迎えし、参加者27名(内スタッフ7名)で満員御礼の中、「最期まで自分らしく生きる」をテーマにお話しいただきました。100歳以上の高齢者は2050年には53万人に達すると予想される人生100年時代における終活とは、人生の終焉を考えることで自分を見つめ、今をよりよく自分らしく生きる活動であり、自分の生き方そのものです。
自分の気持ちを大切にしながら、最期はどう迎えたいか(どう生きたいか)を考えるため、講師のお話の後に参加者が3グループに分かれて、口から食べるのが難しくなり肺炎で入院した88歳の独り暮らしの事例について、自分がその立場ならどうするか、一人一人の意見を出し合いました。そして、各グループのファシリテーター(これから事務局スタッフ)がグループで出た意見を発表しました。
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 事例で医師が示した治療法は胃ろうや24時間の点滴投与で、特に胃ろうでは基礎体力がある人なら10年〜15年でも生きる可能性があるそうです。これに対し、自分の気持ちを大切に考えた結果、各グループから様々な意見が出ました。医療行為で無理やり長生きしたくない。他に選択肢がなく、この状況なら何もせずに自然に任せたい。家族の意見も聞きたい。一時的に回復するなら、胃ろうをして家族に大切なことを伝えたい。今を少しでも楽しく生きたい。新しい治療法が見つかるまで胃ろうをして生き続けたい。このように、参加者一人一人の様々な意見を聞くことで自分とは違う考え方に気づいたり、共感したり、グループトークは大いに盛り上がりました。
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 最後に講師から自分が後悔しない、家族が自分を後悔させない最期の迎え方について、3つのポイントがあげられました。
1. 元気な時に考えておく ― 自分で決められないなら無理に決める必要はありませんが、その場合は誰に決めてもらうか、子どもか、医者か、考えておくことが大切です。
2. 文章に残す ― 「これから」の講演会で高林克日己先生が重要性を説いた終末期医療の事前指示書を前もって書いておきます。そして、書いたら終わりではなく、何度も見直して書き直していくことが大切です。
3. 周囲に伝える ― 自分にとって大切なことを周りの人たちに尊重してもらうために、事前指示書はもとより、通帳・印鑑・キャッシュカードのありかや、自分にとって大切なもの(ネックレス、思い出の写真、ペットなどなど)をだれに託すか、しっかり伝えておくことが大切です。
3つのポイントが実行できたら、大切なものを大切にしながら、お迎えが来るまで楽しんで自分らしく生きましょう!(佐藤)
弁護士無料相談会を開催します [2023年08月18日(Fri)]
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 NPOこれからでは、2023年10月17日(火)の午後に弁護士による無料相談会を下記の要領で開催することになりました。成年後見制度やその実務に詳しい弁護士による相談会です。成年後見制度の申立てを考えている方、すでに制度を利用していて疑問がある方、ご自身の今後について不安をお持ちの方等々、まずは相談してみませんか。
  ★ おかげさまで10/17の相談会については予約で埋まりました 9/15(金)★

  日時:2023年10月17日(火)13時〜16時
  場所:貫井地区区民館2階 会議室1
     (西武池袋線中村橋下車 徒歩5分:中村橋区民センター内)
  担当:弁護士 土肥尚子氏 (東京弁護士会)
  申込・問合せ:NPO法人成年後見推進ネットこれから
         TEL:090-7819-2581 
         FAX:03-5997-6345
         MAIL:npokorekara@gmail.com
8月のこれから塾のご報告 [2023年08月05日(Sat)]
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 8月のこれから塾は、「高齢期の住まいについて」と題して、(株)アスモリンク シニアハウスコムの有料老人ホーム紹介コーディネーターである佐藤公亮様、相談員の古庄実様をお招きして行いました。
シニアハウスコムさんにはここ何年か毎年おいでいただいています。前半は、高齢期の住まいの概要について、後半は前回から取り入れたグループに分かれて様々なお話を伺う時間としました。参加者は20名(内スタッフ6名)でした。
 高齢期の住まいは、参加者の方々、私たちスタッフにとっても切実な課題です。最後まで自宅で過ごしたいけれど、それがかなわない場合はどんな選択肢があるのでしょうか。
講演の前半では、図解や比較表を駆使して、高齢期の住まいについて概要を説明していただきました。介護保険施設(いわゆる特養や老健など)以外の、有料老人ホームやサービス付き高齢者専用住宅などの違い、地域別の費用などの説明が分かりやすく整理されていて参考になりました。
後半は、二つのグループに分かれて、参加者からの質問や意見の交換を行いました。老親や自分自身のことなど、身近で切実な話題ですので、様々な意見がかわされ大変盛り上がりました。紹介コーディネーターの報酬は入居先の施設から支払われ、相談者は費用がいらないこと、健康な高齢者に向けた、60歳以上ならだれでも入れるシニア向け賃貸住宅が増加していることなど、なるほどと思えるお話が伺えました。
認知症や大きな疾病がある場合は公的な援助が受けやすいですが、健康に過ごしてきた高齢者が、有料老人ホーム等自宅以外の住まいを検討したいと思っても、探し方が分かりません。そんな時、生活への希望、予算などもトータルして考えてくれる紹介コーディネーターというプロがいることは、高齢者にとって安心材料のひとつだと感じました。(酒向)
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8月のこれから塾ご案内 [2023年07月16日(Sun)]
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8月のこれから塾は、ここ何年か続けてお話をしていただいている、有料老人ホーム紹介所のシニアハウスコム相談員、佐藤公亮氏と古庄実氏においでいただき、高齢期の住まいの基本的なことや最近の動向についてお話をしていただき、後半は少人数に分かれて、聞きたいことや疑問に思っていることを気軽に話し合える時間にする予定です。
何度聞いても新しい発見があると思いますので、皆さまのご参加をお待ちしています。
日時:2023年8月1日(火)13:30〜15:00
場所:練馬高野台駅高架下 街かどケアカフェこぶし
内容:高齢期の住まいについて
講師:シニアハウスコム相談員マネージャー 佐藤公亮氏
               〃     古庄 実氏
*事前のお申込みをお願いいたします。
 電話:090-7819-2581
 FAX:03-5997-6345
 mail:npokorekara@gmail.com

講演会「最期まで自分らしく生きる 〜在宅医療の可能性と事前指示書の重要性〜」のご報告 [2023年07月08日(Sat)]
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 「これから」の今年度の活動のメインとなる講演会「最期まで自分らしく生きる 〜在宅医療の可能性と事前指示書の重要性〜」は、講師に医師の高林克日己氏をお迎えして、7月2日(日)午前中に石神井公園区民交流センターの展示集会室で開催いたしました。区報や区内の掲示板の活用等、広報の成果もあり、当日はスタッフ9名のほか、105名の方が参加してくださり、このテーマに対する皆さまの関心の高さをあらためて実感しました。
 もともと酒井が高林先生の著書「高齢者終末医療 最良の選択」を読んでいたのですが、その後著者が同じ高校の大先輩だということがわかり、色々とご縁を感じてしまい、いきなりお手紙で講演をお願いしたところ、快くお引き受けいただいた、というのが始まりでした。ただ、ちょうどコロナ禍と重なり、2度目の企画でようやく実現することができました。

 講演では、前半が日本の人口推計等の統計的なデータから、このままいくと少子高齢化はさらに進行して、老々介護や孤独死が増え、医療体制が崩壊するという超高齢社会の現実を示して、医療というものの考え方そのものを大きく変える必要があると講師は述べられました。そして、そのためには在宅医療へのシフト、終末期医療に対する意識改革等が欠かせないと話は続きました。病人であっても生活者であり、その人らしく生活し続けることで、良く生ききって人生を閉じることができる。それが治し支え看取る医療としての在宅医療であるとして、実際の患者さんが穏やかに自宅で過ごす様子の画像と共に、各々のエピソードが語られました。
 休憩を挟んだ後半は、終末期の延命治療や事前指示書についてです。事前指示書とは、『自分で意思決定ができなくなったときにどのような治療を選択するかを、意識がはっきりしている時に表明しておくこと』で、終末期の自己決定権の行使です、という説明がありました。また、延命治療の具体的な例を挙げて、どんな場合にどのような治療がされ、その結果どうなるかということをかみ砕いてお話しいただきました。事前指示書とACP(いわゆる人生会議)の関係や、事前指示書にはあまり個別具体的なことを書くよりも、大枠を示して最終判断は医師がするという考えの方が良いこと、そして、事前指示書は、治療の最初から出すのではなく、いざという時に本人の意思として見せるのが好ましいといったお話は、とても参考になりました。
 最後には高林先生が患者さんたちを連れて欧州旅行に行かれた様子(21回も!)と、患者さんたちがその旅行を楽しみにして、旅行のために治療も毎日の生活も前向きに取り組んでいるという楽しいお話がありました。そして、誰にとっても社会的な繋がりが大切ですと締めくくられました。
 終了後に回収したアンケートでは、多くの方が好意的な評価をしてくださり、「こういう話を聞きたかった」「さっそく事前指示書を書こうと思った」といったご意見もありました。
 反省点もありますが、大きな手ごたえを感じることができた講演会となりました。(酒井)
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7月のこれから塾ご報告 [2023年07月07日(Fri)]
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 7月のこれから塾は、「グリーフケアってご存知ですか?」と題して、日本グリーフケア協会の石垣美枝子様(グリーフケアアドバイザー特急認定)をお招きして行いました。グリーフケアについて教えていただくとともに、グループワークも行いました。参加者は飛び入り参加の3名の方を含め、29名(内スタッフ8名)でした。
 グリーフケアはこれから塾としては初めてのテーマです。多くの人にとってまだ耳慣れない言葉かもしれません。「グリーフ」とは一般的に「死別悲嘆」と訳されていて、「グリーフケア」とは、身近な人との死別を経験して深い悲しみと混乱の中にある人を、そこから立ち直れるようにサポートすることを意味します。
 お話では、死ぬということについて、そして大切な人が亡くなった時の悲嘆反応やそのプロセスはどういうものか、日本人と欧米人との死生観の違い、などの基本的な考え方について、実際にグリーフケア協会に寄せられた相談の紹介もはさみながら解説していただきました。そのうえで、具体的な事例を題材に、「私達にできるグリーフケア」ということで、三つのグループで話し合いを行いました。
 グループごとに話された内容は少しずつ違っていましたが、グリーフケアをする側に立って疑似体験をしてみる機会となりました。参加者のほとんどが身近な人との死別を経験しており、その経験に基づいた意見も多く出ました。避けてほしい一言(心無い一言)への言及もあり、はっとさせられました。今後現実にグリーフケアをしようとする立場になっても、また自分自身がグリーフの当事者になっても、「グリーフケア」に関する知識がきっと力になると感じました。(喜多)
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6月のこれから塾のご報告 [2023年06月11日(Sun)]
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6月6日(火)のこれから塾は、「成年後見Q&A」というテーマの寸劇でした。これからのスタッフ3名が相談者と回答者に扮し、法定後見、任意後見、複数後見、それぞれについて実際の相談の場を想定して行いました。
法定後見では、後見の具体的な内容と共に、申立費用や報酬等についての説明があり、任意後見では法定後見との違いや、抱えている課題(発効時期の難しさ等)が解説され、複数後見では親族と専門職が一緒に後見することで、親族から専門職への引継ぎがスムーズに行われること等が分かりました。
寸劇終了後は質疑応答があり、「後見をお願いするときは、財産は自己申告制か?」→「後見人になると銀行で本人の財産情報を得ることができる」、「日本の後見制度は世界的にみてどうなのか?」→「残念ながらあまり進んでいるとは言えない」等のやり取りがありました。
参加者は25名(内スタッフ9名)で、コロナ禍前に戻りつつあることが実感されました。
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7月のこれから塾ご案内 [2023年06月11日(Sun)]
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7月のこれから塾は「グリーフケアってご存じですか?」と題して、グリーフケアの意味や実践を通して得た知見を、Ⓡグリーフケアアドバイザーの石垣美枝子さんにお話しいただくとともに、グループワークを通して参加者の皆さんにグリーフケアを体験していただく予定です。
 詳細は下記のとおりです。
題名:グリーフケアってご存じですか?
講師:石垣美枝子氏(日本グリーフケア協会Ⓡグリーフケアアドバイザー特級)
日時:7月4日(火) 13:30〜15:00
場所:練馬高野台駅 街かどケアカフェこぶし
お申込み:090-7819-2581
     npokorekara@gmail.com

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