ペルー国民に安価で高度な医療サービスを提供してきた日本人ペルー移住100周年記念病院（ペルー日系人協会運営）が増設されることになり、今月12日、ペルーの首都リマで着工式典が行われた。ことしは日本人がペルーに移住して110周年になることから、リマ市内では関連行事が実施されており、今回の病院の増設はその110周年の記念事業の一つ。

東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）と日本財団の間で昨年６月、包括提携された主要業務の一つ「ハンセン病制圧と回復者の尊厳回復」プロジェクトがスタートすることになり、６月１５日、インドネシアの首都ジャカルタで開始式典を開催、スリン・ピッツワン事務局長は「ＡＳＥＡＮ共同体が、このような社会問題に対し行動を起こしていることを世界に見せよう」と力強く開会宣言した。

早稲田大学平山郁夫ボランティアセンター（WAVOC）の「実践的リーダー養成講座」に日本財団が協力し、財団職員が行っている社会貢献活動をレポートする連続講座がスタートした。日本財団が進める障害者支援や途上国での伝統医療支援について、担当者が体験に基づいた国際的な活動事例を報告する企画で、それを受けて最終週には笹川陽平日本財団会長が記念講演を行い、学生と交流する。

急速に復興が進むカンボジアで、日本財団は極貧地域の教員を目指す学生を対象に2004年度から奨学金制度を設け、教育支援を続けている。この奨学生の中で成績優秀な3人を日本に招待、学生と引率者ら計6人が来日し8日間の日程で東京都内の小中学校3校を視察、日本の教育事情を学んだ。カンボジアの奨学生の来日は、2007年に続き今回で2回目。

自衛隊と中国人民解放軍の若手幹部が交流する笹川平和財団の日中防衛交流事業が今年も６月７日から１１日間、陸、海、空幕の佐官を中心にした１３人が参加して行われた。今回で９回目。途中で表敬訪問した人民解放軍の梁光烈国防部長（国防相）は事業を高く評価し、当初の１０年計画が一段落する２０１０年以降も引き続き事業が継続されるよう期待を寄せた。

30年後に海の魚を現在のようにふんだんに食べることができるかどうかを考える「食卓に迫る危機」と題した東大海洋アライアンスと日本財団共催のシンポジウムが12日午後、日本財団ビルで開催された。日本財団は昨年東大アライアンス内に立ち上げられた「総合海洋基盤プログラム」を支援しており、今回のシンポはこのプログラムの一環。11月にも2回目を開催する予定だ。

太平洋の島国・パラオに日本財団から贈られ、首都コロールと日本軍玉砕の島として知られるペリリュー島を結ぶ定期船として活躍、故障で一線を退いていた「日本丸」（５０トン）がこのほど修復され、再び現場に復帰することになった。尽力した日系のナカムラ元大統領は「美しい日本丸を復帰させることができホッとしている。今後はもっとしっかり管理したい」と話している。

入所者のプライバシーを重視した全室個室システムなど、先進的な思想が盛り込まれた総合福祉施設として知られるケアポート庄川（富山県砺波市庄川町）が、地域の懸案である利用待機者の解消に向け、新たなデイサービス施設開業に取り組んでいる。地元の建設会社から購入した中古事務棟を改修、介助浴室などデイサービス機能を整備する。９月開業を目指し、新施設名はこの地が北限の特産品にちなみ『ゆずの木』と決まった。

【参考】
・記事「ソマリア海賊問題で緊急報告会　海のＰＫＯ提案も」[2009年3月31日]
・記事「海自艦艇の速やかな派遣を提言 首相も前向きの回答」 [2008年11月20日]