モンゴルのろう者の実情を報告 ケニアのギャローデット元奨学生 [2008年08月29日(Fri)]
![]() 講演するニクソン・カキリさん 日本財団は、ろう者のための視覚的なコミュニケーション環境が整った教養課程大学として知られる米国・ワシントンのギャローデット大学で1996年から「世界聴覚障害者リーダーシッププログラム基金」という奨学金制度を設けている。極めて優秀な学生が対象で、帰国後は自国でろう者の社会活動のために指導的役割を果している。この制度を利用して2003年に卒業したケニア人奨学生がこのほど来日、世界銀行東京事務所が開いたセミナーで最近のモンゴルでの活動について報告した。 ![]() ![]() モンゴルと出身国ケニアの大きな違いは、モンゴルが長く続いた社会主義の影響で、NGOなどの市民団体の活動があまり発展していない点であるとカキリさんは指摘した。モンゴルでの任期終了後は、ケニアに戻って政府機関への就職を希望しているという。この日のセミナーは参加者の半数以上がろう者で、アメリカ手話通訳者、日本手話通訳者によって逐次通訳が行われた。カキリさんを通じてこれまであまり知られていなかったモンゴルのろう者の実情が明らかになったといえる。 ギャローデット大学は1864年に設立されたろう者のための「国立聾唖大学」が前身。後に現在の名前になり、9代目の学長はろう者のロバート・R・ダビラ博士。(上野 貴子) |
