日中医学研修制度30期生が修了式 装い新たに9月に再スタート [2008年03月31日(Mon)]
日中笹川医学研究者制度終了式歓送会 中国の医師や看護師が日本の大学病院や研究機関で1年間研修する「日中笹川医学研究者制度」の第30期生の修了式が3月24日、東京都文京区のホテルで行われた。今回、修了式に臨んだ研修生は78人で、昨年4月から日本各地の大学病院を中心にした研究機関で研修を受けた。1987年にスタートしたこの制度は、日中両国の保健医療の普及向上を目的に「日中医学協会」「笹川記念保健協力財団」「中国衛生部」の3者が日本財団の助成を受けて進めてきた。30期生で一応の区切りとなり、ことし9月からは装いを新たに再スタートする。(写真:研修生と歓談する笹川会長) これまでにこの制度で来日した中国の研究者は1682人で、さらに256人が特別研究者として再来日、帰国後は日中友好の懸け橋となり、中国医療界の中心メンバーとして活躍している。修了式では尾形武寿日本財団理事長が、この制度を始めた経緯に触れたあと「20年の長い歴史を持つこの制度は終わるが、9月からは少数精鋭の方針に替え、より質の高い研究ができる制度にしたい」と述べ、さらに「中国の格差社会の現状は感心できない。これを直すのは皆様の仕事です」と、研修生を激励した。 (写真:研修生を激励する尾形理事長) 研修生は森亘日中医学協会会長から一人ひとり修了証を渡された。この後、研修生を代表して東大大学院医学系研究科で予防看護学(看護管理学)を学んだケ芳麗さん(32)が「長いようで短い1年だった。中国にいるだけでは得られなかった貴重な経験をできた。『中国では滴水の恩、まさに湧泉のごとく相報いるべし』(与えてもらった恩を何倍にしても返す)ということわざがあるが、この気持ちを持って今後の仕事に生かしたい」とお礼のあいさつをした。 引き続き開かれた歓送会で笹川陽平日本財団会長が「20年間続けることができたのは日中医学協会の先生や全国の指導教官の献身的な努力があったからだ。穏やかな日中関係をつくるためにも、皆さんは日本をよく知る人になっていただきたい」とあいさつした。歓送会では、20年前の1期生が人民服で来日したという思い出話も披露され、時代の変化を感じさせた。 9月から再スタートする制度は、翌年の8月までの1年間に30人を受け入れるもので、当面5年間継続する予定だ。研修生の年齢上限はこれまでは40歳としていたが、今後は日本入国時35歳までとなる。 *動画はコチラ(1:54秒) |