第2回東京マラソン
約3万2000人が参加した17日の
第2回東京マラソン。沿道には
昨年を大幅に上回る226万人の観衆が詰めかけ、長時間にわたって都心部を走るランナーたちに声援を送った。大会を支えたのは、今回も寒い中で献身的な活動を続けた約1万2000人のボランティアたちだ。マラソンを愛し、大会に協力した2人の姿を追った。
東京ビッグサイト(江東区有明)のフルマラソンのゴール付近。ランナーに「完走メダル」を渡すチームのリーダーとして、宮下麻里さん(30)の姿があった。あるメーカーの経営企画の仕事をしている宮下さんは1998年の長野冬季五輪の運営に参加し、国際的イベントに魅力を感じた。昨年の第1回大会では
笹川スポーツ財団が養成したボランティアリーダーに応募。当日はゴール地点でタイム計測用に使ったRCチップの回収を担当、足を引きずりながらゴールを目指してくる姿に感動し、ことしも大イベントのリーダー役に挑戦した。(写真:ボランティアリーダーの宮下さん)
宮下さんが受け持ったのは、メダル渡しとRCチップの回収の計120人のグループ。メンバーは次々にやってくる完走者に「おめでとう、お疲れさま」と声をかける。ランナーからは「ありがとう」という感謝の言葉が返ってきて、中には感動のあまりボランティアに握手を求める姿もあった。2回目という人が多く、ボランティアたちの動きに無駄はない。宮下さんは「みなさんの笑顔がいいでしょう」と話し、自身も笑顔を見せながら、きびきびと動き回っていた。宮下さんは、4月20日に多摩川緑地を中心に行われる「
PARACUP2008」(収益を世界の恵まれない子どもたちのために使うことが目的のロードレース)のボランティアとして再び活動するという。(写真:ボランティアから完走のメダル)
一方、健康のために52歳から始めたマラソンの魅力に取りつかれ、海外の3回を含め数々の内外の市民マラソンに挑戦している元新聞記者の中尾雅彦さん(64)。昨年はランナーとして参加し、沿道の声援に励まされて完走。みぞれが降る中を黙々と頑張るボランティアの姿に感動したという。今回は昨年痛めた左足が完全ではないこともあって、ボランティアを志願した。30人とともに午前8時15分から京橋交差点付近(中央区京橋)で観衆の整理を担当した中尾さんは、浅黒く日焼けした顔をほころばせながら、ランナーたちに激励の声を掛け続け「寒いけど、楽しいです」と裏方に回った感想を話してくれた。ランナーたちの生き生きした表情を見ていた中尾さんは「来年は私も走りたい」と、ランナーとしての復活を誓っていた。(写真:観衆の整理を担当した中尾さん)
笹川スポーツ財団によると、約1万2000人のボランティアは、募集して間もなく定員が埋まった。17日は天気に恵まれたこともあって、ランナーとボランティアが一体となって昨年以上に盛り上がったといえよう。東京マラソン事務総長の佐々木秀幸さんは「
笹川スポーツ財団が実施したボランティアリーダーのための研修会が大きな効果を果した」と評価しており、2回目の大会でボランティア活動も定着したようだ。(写真:給水で活躍するボランティア)
*動画「ボランティアが支えた東京マラソン2008」(2:08秒)