タンザニアでハンセン病制圧達成 差別撤廃へ一層の努力を [2007年11月30日(Fri)]
アブドラ前保健大臣に制圧の記念盾を寄贈 WHO(世界保健機関)のハンセン病制圧特別大使を務める日本財団の笹川陽平会長は11月、昨年末にハンセン病を制圧したタンザニア連合共和国を訪問。記念パーティーに出席し関係者の努力を祝福するとともに「病気から治った後も回復者に対する差別はなくなっていません。回復者が差別から解放され、社会に復帰できるよう一層の努力をしましょう」と呼び掛けた。 記念パーティーは11月12日、首都ダルエスサラームのホテルで行われ、タンザニア保健省やWHO、NGO関係者ら約50人が出席、父親がハンセン病だったとことを公表して制圧のために尽力した前保健大臣のアブドラ氏も顔を見せた。 タンザニアは2006年12月、WHOがハンセン病制圧の目安とする「人口1万人当たり患者1人以下」を達成。残る未制圧国はモザンビーク、コンゴ民主共和国、ブラジル、ネパールの4カ国となった。笹川会長ら一行は併せてインド洋に浮かぶタンザニアのザンジバル、ペンバ両島のハンセン病の実態を視察した。国全体では制圧を達成したものの、この地域だけでみると人口1万人当たりの患者数は現在も1.4人に上っている。(写真右:外来のハンセン病患者さんと) ザンジバル島は人口約60万人。ストーンタウンという街の中心近くにある国立病院を訪ねると、外来患者が何人か治療を受けていた。関係者は「ハンセン病患者の通院治療はごく普通。住民の理解も十分ある」と、語った。人口約40万人のペンバ島ではマコンデニ村を訪問。30人の回復者がその家族と住んでおり、牛肉といもと香辛料の炊き込みご飯「ピラウ」で歓迎してくれた。(写真:回復者とその家族たち) (英文記事はコチラ) |