日本財団日系留学生も参加 49回目の海外日系人大会開催 [2008年10月07日(Tue)]
大会に参加したブラジルの日系の人々 世界各地に住んでいる日系の人々が日本の各界関係者と意見交換と交流を図る第49回海外日系人大会(海外日系人協会主催)が、1日から3日までの日程で東京・憲政記念館を中心に開催された。米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアなど海外18カ国からの120人と日本国内からの140人を合わせて計260人が参加し「グローバリゼーション時代に生きる海外日系社会 その在り方と役割を求めて」をテーマに、意見交換した。大会には、日本財団の支援で日本の大学や研究機関に留学している「日本財団日系留学生会」のメンバーも参加し、知人の顔を見つけて再会を喜んでいた。 初日の1日には、秋篠宮ご夫妻をお迎えして憲政記念館で記念式典が開かれた。塚田千裕海外日系人協会理事長が開会のあいさつ、秋篠宮さまのお言葉や祝辞のあとブラジル日本文化福祉協会の上原幸啓会長が.海外総代としてあいさつ。「ことしはブラジルに移民が始まって100年になるが、移民先駆者のご苦労は無駄ではなかった。今後、海外日系人がその国にどのように溶け込み、日本人としてのアイデンティティーを守っていくのか難しい局面にある。その意味でも今回のテーマは時宜を得たものだ」と述べた。 写真左:花籠披露に参加したパトリシアアイリンさん(左)とエリオデットさん 写真右:大会に参加した日本財団日系留学生会のメンバー 引き続き、各国から選ばれた10人が真紅のバラの花を籠に挿して、花籠をつくり秋篠宮妃に贈る「花籠披露」が行われた。10人はそれぞれ壇上の秋篠宮ご夫妻の前に出て、自己紹介をしながら2本のバラの花を籠に挿した。この中には日本財団日系留学生として名古屋大学大学院で学んでいるペルーの中村五島パトリシアアイリンさんと、ボリビアから横浜市立大大学院に留学している福島エリオデットさんの姿もあった。式典終了後、パトリシアアイリンさんは「緊張しました」と語り、エリオデットさんも「頭の中が真っ白になり、用意した言葉が出ませんでした」と話していた。 引き続き開かれた全体会議では海外日系人協会の事業報告のあと、海外日系新聞放送協会賞授与式と海外日系文芸祭賞授与式があった。新聞放送協会賞の大賞はブラジル・サンパウロ市のニッケイ新聞社・堀江剛史記者(日伯友好の礎 大和和三郎〜辞書編纂と数奇な生涯〜)が、文芸祭賞にはブラジル・クリチーバ市の武井貢さんの「週五日うすい邦字紙待ち兼ねる記事にあまたの百の字重く」がそれぞれ選ばれた。大会は2日目に代表者会議(JICA研究所)、最終日に衆参両院議長主催昼食会などがあった。(石井克則) 憲政記念館で行われた表彰式 |