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プロの手ほどきで古民家改修 越後・桑取の村づくり学校 [2008年06月30日(Mon)]


地元の大工さん(左)の指導で縁台作りに挑戦

新潟県上越市の山中に「桑取(くわどり)」という谷筋がある。妙高山系から日本海へと流れ下る桑取川の流域に、豊かな谷地田とともに古くからの集落が点在している。その最奥の横畑地区に、時おり見慣れぬ顔の男たちが集まって来て、大工仕事の音を響かせている。NPO法人「かみえちご山里ファン倶楽部」が開設している「ことこと村づくり学校」だ。

桑取谷は、かつては日本の秘境の一つとして紹介された(宮本常一編『秘境』1961年、有紀書房)こともある山里で、古い習俗がよく保たれている地域としても知られている。「かみえちご山里ファン倶楽部」は主にこの谷筋を活動舞台とし、自然や文化を生かしたイベントを企画するなどして中山間地域の活性化に取り組んでいる。

「ことこと村づくり学校」はそうした事業の一つで、地域資源の掘り起こしと活用が狙い。オーナーの協力や日本財団の支援を受け、無住となった築150年の農家を借り受けて全面改修を進めている。「大工仕事や山里が好き」というアマチュアを、地元のベテラン大工さんや左官職人さんら、プロが手を取って教えるという方式がポイントだ。(写真:古民家におしゃれなカウンターを作りつけた)

学校は年8回開校され、6月21日は今年度第2回の教室。道具の使い方や板壁張りがテーマで、ノミの使い方など木工の基本を教わった。豪雪地帯ならではの屋根の構造や高床の農家造りの解説を受けながら、土壁塗りや茅葺き屋根の葺き替えにもチャレンジしている。今のところ参加者はすべて男性で、各回10人ほどが参加している。(写真:屋根の葺き替えはまだ一部だけの旧白川邸の改修)

「リタイアしたら古民家に移住し、自分で改修に取り組みたい」といった目的を持った人が多く、プロの技術を学ぼうと日が落ちるまで熱心に取り組んでいる。講師役のプロたちは「技は盗まれないよう、知らない人の前では仕事をしなかったものだ」などと言いながら、参加者の熱意を受け止め、それぞれの技量に応じたアドバイスに余念がない。

参加者は上越市内のほか、遠くは長野市からやって来る山里古民家ファンもいて、放課後の囲炉裏反省会は盛り上がり、ついつい泊まり込みになる。高齢化が進み、静まり返っている集落も、「ことこと学校」開校の日だけは夜遅くまで灯がともり、里のぬくもりを取り戻している。(写真:放課後の反省会は、手料理で盛り上がる)

「ことこと」と改修を続け、姿はだいぶ整ってきたものの、完成までにはまだ数年かかりそう。担当の三浦絵里さんは、「材料の確保など難しい課題も多いのですが、今度は見学会を企画して、地域の人たちに取り組み具合を見ていただきます」と張り切っている。今年度は7月19日、9月13日、11月22日、12月13日、2月21日、3月14日に開校し、各回単独の参加も受け付けている。(写真:長閑に広がる横畑集落(左奥が改修中の古民家))

「かみえちご山里ファン倶楽部」はスタッフ8人のうち7人が県外出身者。事務局長の桑原一徳さんによれば「みんなこのフィールドの素晴らしさに魅せられて」ということになる。全国の大学からインターン生を受け入れたり、上越市の「市民の森」や「地球環境学校」の管理・運営も受託し、「かみえちご」の自然環境を守りながら地域との交流を深めている。
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ブックマークに追加する Posted by 日本財団 広報チーム at 09:27 | 文化・教育・社会問題 | この記事のURL | コメント(0)
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