貯木場にキッズボートの歓声 大阪・平林でマリンフェスティバル [2008年05月20日(Tue)]
体験乗船し、操縦までこなして大喜びの子どもたち 親水活動を通じて地域の活性化に協力している財団法人・マリンスポーツ財団が、全国で展開している体験乗船会が人気を集めている。各地の地域祭りなどで、パワーボートのデモンストレーションやスーパーキッズボート(エンジン付きゴムボート)の乗船会を実施、水面スポーツを初体験する子どもたちを喜ばせているのだ。5月11日は大阪市住之江区で「マリンスポーツフェスティバルin平林」を開催、貯木場跡地の広大な水面にちびっ子たちの歓声が響いた。 住之江区の平林地区は、関西の材木集積地として木材関連企業が多く集まる地域。都市化に伴い貯木場などは移転し、かつての「材木の街」の面影は薄れつつある。そのため住民らで組織する「平林会」は、街の賑わいを取り戻そうと毎年5月に材木とのふれあいをテーマにした「平林祭り」を開催している。第4回となる今年は、会場に隣接した貯木場跡地を活用し、祭りをいっそう盛り上げようと親水企画が取り入れられた。(写真:4回目となる「平林祭り」のテーマは「木にふれる」) 協力を求められたマリンスポーツ財団は、スーパーキッズボートによる体験乗船会を提案、平林祭りの特別イベントとしてマリンフェスティバルを同時開催することにした。スーパーキッズボートは6馬力の船外機をつけた3人乗りのゴムボートで、各地の競艇場などのほか、全国に13ヵ所ある財団関連のボランティア組織「マリスクラブ」に配備されている。この日は「マリスクラブ大阪」から5隻が搬入された。(写真:水面に近いスーパーキッズボートは、親水感が最高) 乗船場は、日本財団のマーク入りのライフジャケットをつけた子どもたちで長い列ができた。2人ずつ順番に乗り込み、クラブのインストラクターが操縦するボートで貯木場を1周する体験乗船を楽しんだ。ゴムボートは水面すれすれの高さで進むため、爽快なスピード感を体感することができる。また貯木場跡地という地の利もあって、希望するちびっ子は自ら操縦を体験、マリンスポーツ気分を味わっていた。(写真:浮き桟橋が設けられ、3台のボートがフル回転) この日は約4時間で370人が周遊を楽しんだ。乗り終えた子どもたちは上気した面持ちで「気持ちよかった!」とご機嫌だった。マリンスポーツ財団は今年も全国各地で主催・協力合わせ28件の親水イベントを計画している。これからのスケジュールは6月1〜2日横浜市、6月6〜7日兵庫県相生市、7月19日千葉県市川市、7月20日北海道小樽市、7月26〜27日神奈川県横須賀市などとなっている。 「平林祭り」のメイン会場は「木にふれよう」を合言葉に、丸太切り体験や火おこしコーナー、糸のこ教室など、材木を用いたさまざまなブースが設けられ、6200人の入場者で賑わった。今回はマリンフェスティバルの併催により、この地域が材木の集積する木場であったという特色を際立たせることに成功した祭りとなり、街の活性化を目指す実行委員の面々は、子どもたちの笑顔に手応えを感じているようだった。(写真:地域と木材団体が協力して、祭りは大賑わい) |