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バラスト水管理の技術開発 [2007年01月26日(Fri)]

 世界の海事関係者にとって長年の懸案だった「バラスト水の管理」が、ようやくクリアできる見通しになってきた。社団法人・日本海難防止協会(東京都港区)を中心とした日本の研究グループが、「特殊パイプ方式」と呼ばれる独自のシステム開発に成功、実用化実験の段階を迎えたのだ。

 船の安定航行を確保するために船体に注排水される「バラスト水」は、水とともにプランクトンやバクテリアなどをも異なる水域に移動させることになり、海洋の生態系を乱していると指摘されてきた。そのため国際海運に関する政府間協力組織である国際海事機関(IMO)は、バラスト水の生物濃度を厳しく制限し、2016年までにはすべての船舶に基準達成を義務付けるとの「バラスト水管理条約」をまとめ、2004年に採択した。

 しかしその基準を満たすことができるバラスト水管理システムは、いまだどの国でも開発されていない。日本では日本財団の助成を受けて、日本海難防止協会が三井造船などと開発グループを結成、基準を達成できるシステムの開発に取り組んできている。他に日立製作所や三菱重工などいくつかの企業グループも開発を続けており、海外ではノルウエーが国を挙げて積極的に取り組んでいる。

 そうした中で日本海難防止協会グループは、このほど「特殊パイプ方式」と呼ばれる管理システムで基準達成の目処をつけた。これは海水を汲み込むバラストパイプ内に、2枚のスリット入りプレートを組み込む機械構造と、オゾン発生装置を組み合わせたもので、バラスト水を注入する時点でプランクトンとバクテリアをほとんど死滅させるシステムだ。陸上実験では、IMO基準を十分にクリアするデータが得られた。

 パイプ装置は家庭用洗濯機程度の大きさで、オゾン発生器自体も業務用冷蔵庫ほどであることから、既存船舶にも設置しやすい実用性を備えている。昨年秋にはこの新装置が実際に外航コンテナ船に設置され、実用実験に向け準備が進められている。3月にも米国での実証実験の実施を目指しており、この航海でIMO基準達成が実証されれば、世界の海運界はようやく海洋環境保全の道筋を見出すことになる。



バラスト水中のプランクトン等
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ブックマークに追加する Posted by 日本財団 広報チーム at 10:43 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0)
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