トルコ建国の父像、串本町へ 6月3日に除幕式 [2010年01月29日(Fri)]
![]() 像は高さ4.2メートル、幅3.8メートル、総重量4.2トンの騎乗像。1996年、文化村に寄贈された。閉園後、市が買い取り、その後、民間会社に譲渡されたが、2007年の中越地震後、倒壊の恐れがあるとして台座から外された。シートにくるんで保管されたが、トルコ国内で「救国の英雄に対し失礼」といった報道もなされ、駐日トルコ大使館も対応に苦慮していた。トルコは世界でも有数の親日国。今年が両国の友好120周年に当たることから、日本財団が関係者との話し合いを進めた結果、串本町への移転が決まった。 |
![]() 遭難事故が起きた海域 エルトゥールル号は1890年、明治天皇表敬のため派遣され、帰国途中の同9月16日、串本沖で台風に遭遇し遭難、500人を超す乗組員が死亡する大惨事となった。地元民が総出で救助に当たり69人を救出、翌年、日本海軍練習艦が遺品とともにオスマン帝国に送り届け、地元民や日本政府の厚意がトルコでも大々的に報道され、親日の世論が盛り上がった。イラン・イラク戦争さ中の1985年、トルコが特別機を出し、テヘランに足止めされた邦人265人を救出、日本に送り届け“95年ぶりのお礼”として話題となった。 ![]() 設置予定の灯台前広場 串本町の紀伊大島にはトルコ軍艦遭難慰霊碑やトルコ記念館があり、1929年6月3日には天皇も巡幸された。これを記念して、以後5年ごとに慰霊祭が行われており、銅像はすぐ隣の樫野崎灯台前広場に設置される予定。当日は洋上と陸の双方で慰霊祭を行うほか、 トルコ政府関係者も参列してアタチュルク像の除幕式を行う計画だ。 ![]() ここが本州最南端 現在、像の輸送方法や時期が検討されているが、最終的に特殊車両で柏崎―東京―串本に運ぶ予定。串本町は本州最南端の町として知られ人口約1万8千人。田嶋勝正町長以下、町役場全体で受け入れ準備が進められ、灯台近くの遭難現場ではトルコのプロジェクトチームが2007年から5カ年計画で海底調査を進めている。(宮崎正) |
