2500台の福祉車両を新たに配備 申請数は大幅増 [2009年12月17日(Thu)]
福祉車両に試乗する利用者ら 全国の福祉現場で活用される「福祉車両」に対する日本財団の2009年度分助成先が決定した。本年度は2,016団体に2,554台(助成総額36億473万円)が配備され、累計では25,714台に達する。申請数は5,460台と前年の4,503台に対して大幅に増加し、福祉団体からの需要の高さがうかがわれた。 |
日本自動車工業会によると、1996年に9千台弱だった福祉車両の販売台数は年々伸び、近年は4万台前後で推移している。同会は、自動車の国内販売が伸び悩むなか、高齢化社会を背景に福祉・介護のニーズは高く、福祉車両には底堅い需要があると分析している。日本財団は、福祉車両の配備を1994年から重点的に行っており、他に福祉車両の助成をしている団体と比較しても助成先・台数とも国内で最大だ。
食用廃油のリサイクル事業に活用するトラック 今回助成が決定した車種の特徴は、昨年から新たに助成対象として加わった障害者の就労を支援するためのトラックやバンの台数が増えたことで、360台が新たに配備される。農作物や施設でつくられた商品の運搬、リサイクル事業などに活用され、障害者が働くうえでの利便性や効率の向上に役立っている。 車いす対応車 このほか、車いすのまま乗降できるようスロープ・リフトが付いた車いす対応車が1,102台と最も多く、乗降に便利な昇降シートやステップが装備された送迎車が666台、ヘルパーや相談員が移動するためのヘルパー車338台、障害者の働く場やデイサービスセンターなどへの送迎用バスが88台だった。 日本財団の担当者は、申請が採択されやすいポイントとして「障害者の就労支援に積極的」「障害者・高齢者の在宅サービス、通所サービス事業に積極的」「車両配備の必要性が高い」「活動内容が先駆的・ユニーク」などを挙げる一方、不採択になる理由は「障害者自立支援法への移行に消極的」「財務状況が不安定」「障害者・高齢者の入所施設単独での使用」「事業実施の見通しが不確実」としている。今回、助成が決定した車両は来年の3月までに各団体に配備される予定だ。(本山勝寛) |