地域福祉で三方よし 大津で「校区・小地域福祉活動」全国大会 [2009年11月24日(Tue)]
![]() 全国から1800人が集まった福祉サミット 滋賀県大津市で18日、「全国校区・小地域福祉活動サミットin大津」が開催され、全国から地域福祉に携わる関係者ら1800人が集まり、各地で展開されている小地域での福祉活動について意見を交わした。この全国大会は今年で3回目。地元の社会福祉協議会などが実行委員会を組織し、日本財団の助成を受けたNPO法人・全国コミュニティライフサポートセンターなどの支援で開催された。 |
![]() 大会旗を掲げ、にぎやかに開幕 2000年に社会福祉事業法が「社会福祉法」に改正された際、法律の目的として「地域福祉の推進」が掲げられた。地域社会を形成するだれもが、日常生活を営みながら必要とする福祉サービスを受け、その地域において安心して暮らして行けるよう住民、行政、福祉関係者などが協力して取り組むというもので、高齢者や障害者ら対象者別に体系化されてきた社会福祉制度にあって、「地域福祉推進」は時代状況の変化に対応するために導入された。 高齢化や地域崩壊が進む現代にあって、この「地域福祉」という概念は時代の必需品ともいえそうな考え方で、キーワードは「小地域」であり、具体的には町内会や小・中学校の「校区」が活動単位として考えやすい。ただ効果的な活動方法については、多くの地域で手探り状態が続いているのが実状で、今回の全国サミットは、成果を上げている先進地域の実例に触れられる機会として期待された。 ![]() 分科会は各地の実践報告が行われた 大会では合わせて12に分科会が設けられ、各地で小地域福祉活動に取り組んでいる社会福祉協議会や自治会、NPO法人などがそれぞれの活動について実践報告を行った。例えば愛知県安城市社会福祉協議会が取り入れた「町内福祉委員会」の活動報告では、災害時の要援護者支援のための「支え合いマップづくり」について、さまざまな試行錯誤を経た成果として、町内の課題とパワーが明確になって来たことなどが報告された。 ![]() 地域福祉の参考資料に関心が集まった 今回の大会開催地となった滋賀県は、戦後いちはやく「近江学園」を創設した糸賀一雄氏らの活動により、知的障害児者福祉に先駆的役割りを果たした地域。大会冒頭ではその流れを汲む「街かどケア滋賀ネット」の溝口弘世話人代表と、大会実行委員長の牧里毎治・関西学院大学教授が対談し、「滋賀の福祉」を振り返りながら「人と人とのつながりを再生する小地域活動の必要性」を語り合った。 ![]() 地域福祉に取り組む関係者の交流を深めた全国大会 また滋賀には「売り手よし、買い手よし、世間よし」の近江商人「三方よし」の伝統があることから、会場には「あなたよし、私よし、地域よし。地域福祉で三方よし」の標語が掲げられた。さらに小地域福祉活動を展開している各地の団体の紹介コーナーも設置され、参加者は地元に帰っての参考にしようと熱心に見入っていた。【加藤春樹】 |
