ご当地バーガー号、見参! 蒲郡で移動販売用の福祉車両贈呈式 [2009年10月14日(Wed)]
楽笑の小田理事長(右)とメンバー代表に車両を贈る日本財団の三浦常務理事(左) 「海のまち蒲郡 B級グルメ」と彩られた大きな看板を掲げた白いトラックが、元気に活動を開始した。愛知県蒲郡市を本拠地に、障害者の就労支援・福祉サービス事業を展開しているNPO法人・楽笑(らくしょう)が、日本財団の助成を受けて荷台部分をバーガー厨房に改装した移動販売車だ。9月末日、地元で車両贈呈式が行われ、自慢のギョロッケバーガーやチクワドッグの販売が開始されると、お祝いにかけつけた近隣のお年寄りらの長い列ができた。 |
統一デザインの福祉車両ラインナップに加わった楽笑の移動販売車 楽笑は、障害がある人たちも自分の好きな町で暮らしていける拠点をつくろうと、理事長の小田泰久さん(30)が中心となって2007年に立ち上げたNPO。山車の海中渡御(かいちゅうとぎょ)で知られる三谷(みや)祭の三谷地区で、就労支援の「パン工房八兵衛」と干物・練り物などを加工販売する「酒菜屋十兵衛」を運営している。今回、製品のパンや練り物を活用してさらに働く場を広げようと、日本財団が展開している福祉車両事業に応募した。 車内は立派な厨房機器が備えられている 日本財団の福祉車両事業は、障害者や高齢者支援に積極的に取り組んでいる団体が必要としている車両を、一定の補助率で購入支援するもの。すでに15年の実績があり、車いす対応車や送迎車など7車種で累計2万3160台(2008年度末)が全国に配備されている。最近は作業用のトラックなど「仕事のための車」が求められる傾向にあり、移動販売車などが新たな対象車種に加えられた。 干物工房の作業所前で「新たな仕事場」の登場を喜ぶメンバーたち 楽笑の「ご当地バーガー号」は、荷台部分に接客カウンター、オーブン、シンク、冷凍ストッカーなどが備えられ、練り物コロッケを挟んだギョロッケバーガーや、地元産ちくわの天ぷらを大胆に包んだチクワドッグなどを製造、販売する。蒲郡競艇場や各種イベント会場での活躍が決まっていて、「八兵衛」「十兵衛」のメンバーらも自分たちの新しい「職場」となる車を前に「ヒット商品を開発するぞ」と張り切っている。 移動販売実演では、ご当地バーガーが飛ぶ売れ行き 贈呈式で日本財団の三浦一郎常務理事は「これを機に移動販売車による福祉ビジネスモデルを全国に発信してください」と挨拶。小田理事長は「どんどん街に出て、私たちの仕事を知ってもらう車にしたい」と抱負を述べた。また蒲郡市の鵜飼秀好市民福祉部長は「若いリーダーが日本財団の支援をいただくなど、さまざまなアイディアで仕事を生み出してくれて、蒲郡の福祉が活発になっています」と語り、さっそくギョロッケバーガーを試食して「うまい! すごいボリュームだ」と味わっていた。【加藤春樹】 |