みんなで作って夕食会 横浜で団地コモンミールがスタート [2009年09月28日(Mon)]
![]() 住民が集って作り、そろって「いただきまーす」(中央が中村代表) 「コモンミール」という生活スタイルがある。英語のcommon(共同の)とmeal(食事)を組み合わせた「グループで食事当番のローテンションをつくり、合理的で楽しい食生活を確保する」という暮らし方を意味する造語らしい。先進地の北欧では、コモンミールを前提とした集合住宅システムがすっかり定着しているという。では日本で、居住者の高齢化が進む団地にその手法を取り入れてみたらどうか。その実験的な取り組みが、横浜市の団地で始まった。 |
![]() ![]() ![]() ベテラン主婦の仕切りで、全員が調理を分担 東京には「コモンミール」などの共同生活を前提とした賃貸住宅がすでに3例ある。その実績を持つNPO法人「コレクティブハウジング社」のアドバイスと、日本財団の助成金によって、今春から活動を開始した。耳慣れない「コモンミール」という仕組みは「さざえさん家(ち)のような夕食をつくって食べる会」と表現、住民にチラシや説明会で参加を呼びかけた。そして9月17日、おそらく日本初の団地コモンミールであろう夕食会が実現した。 ![]() 鮭の塩焼きをメインに「左近山コモンミール」第1食 この日の参加者は、69歳を最高齢に男性3人、女性5人の8人。午後4時過ぎ、「あんさんぶる」の厨房に集まってみんなで調理に取りかかった。あらかじめ相談しておいたメニューは鮭の塩焼き、山菜煮付け、ナス炒め物、クラゲ酢の物、キュウリ塩揉みだ。68歳だという男性は塩揉み当番。手際よさを褒められ「一人暮らしだから自分で作るしかない。みんなで作るのはいいねえ」と楽しそうだ。午後6時半に「いただきまーす」。食卓は、味付けの秘訣を披露し合ったりして大いに賑わった。 デザートまで付いて会費は500円。年内にあと3回のお試し夕食会を実施、来年から週1回の本格的「左近山コモンミール」をスタートさせる予定だ。中村代表は「こうした食事グループが団地内にいくつも生まれたら素晴らしい。例えば仕事を持つお母さんは、休日には自分も作る側に参加すれば、普段は家族の夕食作りを減らすことができる。共に作り食べるということは、最良の住民交流になりそうです」と語っている。【加藤春樹】 |
