昔語りで町おこし 岩手・雫石の「語り隊」参上! [2009年03月26日(Thu)]
![]() 昔語りに夢中の(右から)石井さん、小林さん、堂前さん 「むがーし 杉の木の根っ子から たーんたーんと心に響く いいおどがしてた場所が あったんだと」。そのイントネーションを、正確に書き表すことは極めて難しいのだけれど、石井浩一さん(47)と小林由美子さん(38)が語り始めた岩手県雫石町に伝わる地名伝承を文字に起こせば、こんな具合になる。二人は「しずくいし・昔っこ語り隊」の隊員なのである。 |
![]() ![]() ![]() ![]() こうしたサークル活動が生まれた背景には、町の活性化を目指し、6年前に結成されたNPO法人「しずくいし・いきいき暮らしネットワーク」の存在がある。主催するグリーン・ツーリズムの中で雫石の昔語りを聴く活動を続けて来たのだ。この1年間、日本財団の《郷土学助成》を得て「語り隊」を支援して来た。事務局長の堂前義信さんは「ここまで来れば、皆さんは独り立ちしていくでしょう」と頼もしそうに話している。 「語り隊」はこれまでに30話ほどを採話、冊子にまとめたり映像や音声に収録している。今後は民話のふるさとと呼ばれる遠野市のグループと連携し、専門家の指導で「雫石昔語り」の体系化を進めたいと考えている。「細々でも長く続けたい」という隊員たちにとって、「よその国の言葉を聞いているような雫石弁」を発見する毎日が「どっと はれ(り)ぃえ」(めでたし、めでたし)なのである。(加藤春樹) |
