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障害者の自立支援を考える 大津で大規模フォーラム開催 [2009年02月27日(Fri)]


1500人を超す参加者で埋まったフォーラム会場

障害のある人たちが安心して地域で暮らせる社会、その実現を目指す全国規模の関係者大会「アメニティー・ネットワーク・フォーラム」(全国地域生活支援ネットワークなど主催、日本財団助成事業)が20日から3日間、大津市のホテルで開催された。第3回となる今年は、全国から障害者とその家族、福祉施設職員、行政機関、教育関係者ら1500人を超える参加者が集まり、障害者自立支援法や発達障害行政などについて、徹底した討論、交流が繰り広げられた。
今回の主要テーマは、政府が進めている「障害者自立支援法の見直し」について。新年度に向けて政府与党で固まった見直し内容が、自民党プロジェクトチームの委員長や厚生労働省の担当部長によって報告された。それに基づいてシンポジウムも開催され、今回の見直しのポイントである「応益負担」と「応能負担」など、就労に向けて障害者に求められる作業所の利用者負担の在り方などが議論された。(写真:シンポジウムや討論会などで多くの意見が出された)

プログラムは盛りだくさんで、2日目には自立支援法のほか、相談支援事業や発達障害に関する分科会が同時並行で開催された。さらに夜の交流会の後も福祉作業所や自治体、大学などから選ばれたパネラーによるシンポジウムが夜遅くまで続いた。また地元・滋賀のほか大阪、京都、高知、山形、佐賀県知事による討論会で、地域の福祉を担う地方公共団体の役割りが確認された。(写真:展示ブースは作業所の作品が並び、交流の場に)

フォーラム期間中、「びわこアメニティー映画祭2009」や障害者アートを展示する「アメニティー美術展」が併催され、広いロビーでは全国から参加した作業所など20団体による展示即売ブースがにぎわうなど、会場は重いテーマに取り組みながらも華やいだ交流の場となった。 (写真:会場では障害者アートの美術展も開催)

この形の大会となって3回目だが、1998年に滋賀県で350人が集まって始めたフォーラムが契機となっており、すでに12年続いていることになる。障害者福祉が、入所生活から地域での暮らしへと大きく転換していく時代にあって、幅広い「全国地域生活ネットワーク」が組織され、この大会も全国から関係者が参集して考え、発言する場へと発展してきた。(写真:入念な準備で事務局の受付も手際よく進んだ)

福祉の現場で大きな論争を生んだ「自立支援法」だが、フォーラム参加者の多くはこの新制度導入を自主的な活動を広げるチャンスと捉え、国の新施策を足がかりに目標とする障害者福祉を実現して行こうとしているように見受けられた。それだけに各議論の場では、今回の見直しを踏まえ更なる制度整備を求めて行こうという意見が多く聞かれた。

ただ障害者家族の発表の場で出された「施設から地域へとの理念は素晴らしいものの、就労支援と生活支援のバランスがとれていない。施策のゆがみが家族の不安を招いている」といった指摘は、障害者福祉の現状を鋭く衝いていた。1500人という大規模な参加者を集めたフォーラムのエネルギーが、こうした声に応える施策を引き出して行けるか、課題を確認させられた大会でもあった。
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:06 | 福祉・医療 | この記事のURL | コメント(0)
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