“等身大の日本を” 中国ジャーナリストが日本体験 [2009年02月25日(Wed)]
尾車部屋で大相撲体験 中国の世論形成に大きな影響力を持つ新聞や大手ニュースサイトの編集者が2月11日、笹川日中友好基金室の招きで来日、日本のメディア関係者や早大生との交流から、「千と千尋の神隠し」など数々のヒットアニメで知られるスタジオジブリや大相撲尾車部屋の訪問、さらに広島・原爆資料館の見学など精力的なスケジュールを消化し19日帰国した。日本理解の促進に向けた3カ年事業の初年度企画で、参加者は帰国後、それぞれのメディアで自らの日本体験を報告する。 |
一行は清華大マスコミ学院の崔保国教授を団長に北京青年報や南方周末など大手紙、和訊ネット、鳳凰ネットなど大手ニュースサイトの編集者ら計12人。さまざまな体験を通じて少しでも等身大の日本に触れるのが目標で日程も多彩。2日目に訪問した東京都江東区の尾車部屋では激しい朝稽古を見学した後、ちゃんこ鍋も体験。数々の作品が中国でも大きな人気を持つスタジオジブリ(東京都小金井市)では取締役でもある宮崎駿監督らから話を聞いた後、全員で記念撮影をした。(写真:スタジオジブリで記念写真)
3日目には大手新聞社訪問などを経て東京・赤坂の日本財団ビルで日本のメディア関係者約20人と懇談会。笹川陽平日本財団会長の「互いの違い、ズレがどこにあるか認識するいい機会。交流を深めてほしい」とのあいさつを受け、中国側からは「客観的な日本、真実の日本を報道するよう心掛けているが、日本と聞いただけで感情的になり“親日的”“日本を美化している”と批判されることもある」「過激な意見には60年前の戦争の影響もある」といった現状報告も行われた。(写真:日本のジャーナリストとも交流) これに対し日本側からは「われわれの報道は事実に基づく客観報道が原則」としつつも、「中国のネットへの書き込みなどに関し、日本のメディアは過激な書き込みを中国の世論として報道する傾向が強い」といった指摘も出された。このほか金融危機、世界同時不況がメディア経営に与える影響など双方共通のテーマを含め幅広く意見を交換した。(写真:広島・原爆資料館も訪問) 日程にはこのほか靖国神社や秋葉原、京都見学なども盛り込まれ、来日メンバーの一人で捜狐ネット(北京)で副編集長を務める周蓉さんは歴史教科書を例に「日本に来てみて問題の教科書を実際に使っているのはほんの一部と初めて知った。記事を載せる場合も、やはり選択が必要と痛感した」と感想を語った。(宮崎 正) |