社会貢献者表彰は、
社会貢献支援財団が1971年の設立以来実施している。人命救助、社会福祉、青少年の育成、国際協力、海の安全と環境保護など多方面に及び、本年度は156件の推薦の中から有識者から成る選考委員会が選考し、人命救助13件、社会貢献功績35件、特定分野・海の貢献2件の計50件を選んだ。受賞者・団体には副賞として
日本財団から50万円が贈られた。表彰件数は累計で1万1766件になった。(写真左:表彰式会場の様子)
この日は、海外から受賞したチャンドラさんのほか、インドで
ハンセン病制圧のためMDT(多剤併用療法)の開発に指導的役割を果たしたドクター・エス・ケイ・ノーディンさん(75)、強盗に襲われ失明しながらカンボジアで
視覚障害者のための活動を続けているブン・マオさん(38)、米国国立聾工科大で
聴覚障害者教育をしているジェームズ・ジェイ・デカロさん(61)、ペルーのリマで貧しい人のための支援活動をしている加藤正美さん(82)の4人が来日した。(写真右:挨拶する社会貢献支援財団日下公人会長)
さらに新潟県長岡市に住み、生まれ故郷のガーナの村に小学校を建設するなどの教育支援をしているオーガスティン・アゾチマン・アウニさん(53)も表彰された。日本人では、2000年5月の西鉄高速バスジャック事件に遭遇し、犯人の少年から10ヵ所以上も切りつけられる重傷を負いながら、こうした少年を出さないよう、佐賀市内で不登校や引きこもりなどの子どもや親たちのサークルをつくって活動している山口由美子さん(59)らが受賞した。受賞した喜びをマオさんは「今回の受賞で素晴らしい活動をされている方々と知り合うことができてよかった」と述べ、アウニさんも「人材育成には勇気が必要だ。学校に行きたいというガーナの子どもたちのためにさらに学校をつくりたい」と語った。(写真左:受賞者の中には人命救助のために命を落とした方も含まれる)
表彰式後の祝賀会でチャンドラさんは「本当にうれしい」と笑顔を見せ、南インド・ディンディガル県のシャクティセンターの女性たち(一部男性)と一緒に太鼓を使ったインドの民族舞踊を披露した。女性たちはダリットと呼ばれる社会的に最も弱い立場にあり、チャンドラさんはこうした女性を指導し、民族舞踊を通じて自尊心の回復とリーダーとして養成する活動を続けている。女性たちは、太鼓をたたきながらさまざまなステップを繰り返す「タップアッタム」を行い、会場から大きな拍手が送られた。(写真右:笑顔で踊りを披露する女性たち)(石井克則)