中国東北地区6大学への図書寄贈式 笹川、大島両会長に大連外大名誉教授号授与 [2008年10月31日(Fri)]
日本科学協会の中国への図書寄贈は1999年から始まった。中国での日本語および日本関係の学術研究を支援し、日中間の国際理解、友好親善の増進に貢献するのが目的だ。これまでに寄贈した図書は東北3省(黒龍江、吉林、遼寧)にある大学を中心に24大学、1研究機関に及び、累計で211万6018冊(ことし9月現在)になる。このうち、大連市内の6大学(大連外語学院、大連理工大、大連海事大、大連医科大、遼寧師範大、遼寧対外経貿学院)には、大連外語学院の約27万冊(うち約15万冊は埼玉県立川越図書館が提供)を筆頭に計45万1194冊が寄贈され、日本語を学ぶ多くの学生が利用している。(写真:大連外語学院内の図書館)
図書寄贈式は、大島日本科学協会会長が6大学の学長らに「図書寄贈書」を贈呈し、さらにクイズ大会を開いた大連外語学院と北部地域への中継大学として図書を受け入れ、他大学への配送業務をしてもらっている大連理工大に特別功労賞を贈った。大学側から「受領証明書」が渡されたあと、大連外語学院が笹川日本財団会長と大島会長に名誉教授号を授与した。 名誉教授号を受けたあと、笹川会長はクイズ大会に集まった学生たちを前にあいさつした。この中で笹川会長は、子どものころに東京大空襲に遭遇、悲惨な体験をしたことから、世界の貧しい人や青少年の教育、人材育成に協力することを仕事の基本にしていると語り「これまでの長い海外経験から、最も重要なことは日中関係だと確信している。良好な関係を確立していただくためには若い将来性豊かなみなさんがよく勉強して互いの国を知ることが重要だと思う」と語った。(写真:笹川会長) クイズ大会終了後、笹川会長らは広大な敷地の一角にある大連外語学院の図書館を訪れ、5階にある日本図書コーナーを見学した。ここには38万冊の日本図書があり、科学協会からの寄贈図書、27万冊は「日本科学協会贈本」として分類されていた。古書など、貴重な本も多いという。窓際には机が置かれ、ゆったりと椅子に座って勉強する学生の姿が見られた。(石井克則) *動画はこちら(2:28秒) |