「日本は清潔で穏やかな社会」 中国人民解放軍の佐官たちが訪日 [2008年10月27日(Mon)]
一行は人民解放軍の各部隊の現職佐官で、陸・海・空軍のほか国防部や看護隊などから選抜された幹部たち。防衛省に浜田靖一防衛大臣や齋藤隆統合幕僚長を表敬訪問したほか、航空自衛隊百里基地(茨城県)や海上自衛隊呉地方隊(広島県)、陸上自衛隊伊丹駐屯地(兵庫県)を視察した。また神奈川県横須賀市の防衛大学校を訪問し、授業を参観するなど幹部自衛官を養成する教育現場にも触れた。(写真左:陸上自衛隊伊丹駐屯地で装備品の説明を受ける)
呉地方隊視察では、総監部に杉本正彦総監を訪問したあと、護衛艦「ひえい」に乗り込み、艦内を詳しく案内された。艦橋で艦の性能などの説明を受けた一行からは、活動時の指揮系統や通信手段など、専門的な質門が多く出された。また呉市の海上保安大学校で最先端の海上保安シミュレーションシステムを見学、そのリアルな映像システムに驚いた様子だった。(写真右:呉地方総監部では杉本総監と記念品を交換) こうした視察のほか、一行は皇居や国会議事堂、それに広島平和記念資料館や宮島・厳島神社なども回って日本の歴史と文化に触れた。原爆ドームを見学した一行は説明を熱心に聞き、「戦争は一般市民にこれほどの犠牲をもたらしてしまった。平和を守るために努力しなければいけないと強く感じました」と思いを語っていた。(写真左:広島原爆ドームを見学する訪日団) この交流事業で、これまでに日本からは佐官級自衛官89人が訪中、中国からは今回を含め166人の幹部たちが日本を体験したことになる。今回も「日本の街はどこも清潔で人々は穏やかだ。中国が目指している『調和ある社会』の見本に触れた思いがしました」といった感想が漏れたように、直接訪問の効果は確実に上がっている。 団長の黄雪平上級大佐は「日本と日本人を理解する貴重な機会をいただきました。人民解放軍に21人の友人ができたと思ってください」と謝意を述べた。笹川平和財団の関晃典理事長も「最近は日中間の政治状況が好転しているため、事業が大変やりやすくなって成果も上がっています。日中の安全保障に理解を持つ人の輪が確実に増えています」と手応えを感じていた。この事業は、10年間継続しようという日中合意に基づいて続けられている。(写真右:艦橋では熱心な質疑も行われた) 詳しくはこちら(時間:2分12秒) |